<プロフィール>
S.O. 女性
東京工業大学大学院
就職予定先:コンサルティング業界 経営コンサルタント
インターン参加社数:10社
OB/OG訪問人数:8名
ES提出社数:5社
面接社数:5社
内定社数:3社
宝塚一筋だった小・中・高時代
――東工大と宝塚歌劇団とでは全くイメージが異なりますが、宝塚歌劇団を志望したきっかけを教えてください。
母のお友達に宝塚ファンの方がいらして、母と私を誘って宝塚の舞台を観に連れていってくださったんです。小5のときでした。その舞台を観て私もこの華やかな舞台に立ちたいと強く思いました。
――何をごらんになったのですか?
宝塚歌劇団の代表的な作品「ベルサイユのばら」でした。歌とダンスで彩られた華やかな舞台に、目も耳も心もすっかり奪われました。もともと歌うことが好きで、観に行く前から合唱団に入っていたんです。そんなこともあり、宝塚の舞台を見たらもう「これをやりたい!」となって、宝塚受験のためのスクールにも通い始めました。・
――宝塚歌劇団に入団するには、まず宝塚音楽学校に入学する必要がありますね?
はい。宝塚音楽学校を卒業した者だけが宝塚歌劇団の舞台に立つことができます。また、入学試験を受けられるのは、中3から高3の間だけなんです。私は中3のときと高1のときの2回、受験したのですが、残念ながら合格することはできませんでした。
――努力を重ねられたと思いますが、そのときは挫折感もありましたか?
ありました。同じように試験に落ちた子の中には、他の劇団に入団した方もいたようです。それはそれで、もちろんすばらしいことですが、私は「宝塚に落ちたから、じゃあ、別の劇団に」という考えにはなりませんでした。
――どうやって、その挫折を乗り越えたのですか?
ちょうどそのころ、高校の数学の授業がおもしろく感じてきたところでもあったんです。数学が好きというよりは、数学の先生のお話がおもしろくて、勉強して疑問点を見つけては、先生に聞きに行っていました。数学は苦手だったんですけど、その先生のおかげですっかり好きになったんです。
数学が好きになって、だんだん人生が変わってきた
――では、数学はもともと得意科目だったわけではないのですか?
全然。むしろ苦手な方でした。だから私の場合、「もともと数学を得意としていたところ、よい先生に出会って一気に力が伸びた」ということではなくて、「苦手だったのが、数学を好きになったことで、どちらかといえば得意というレベルにようやく達した」という感じです。
――ご自身が思う以上に素質があったのかもしれませんね。そのころには宝塚への未練は完全に払拭されていたのでしょうか?
はい。私の中では、「何事もやるからには一流になりたい、トップを目指したい」という思いが強くあるんです。ですから、宝塚に入れなかった分、別の分野で一流を目指そうというふうに自然と考えが転換していきました。「宝塚がダメだったから、別の劇団に入ろう」とならなかったのも、そういった気持ちからだと思います。私の性格でもし別の劇団に入っていたら、いつまでも「自分の中でのナンバーワンは宝塚なのに、宝塚に入れなかった自分はここにいる」と考えてしまっていたと思うんです。ですので、全く別の道へ進んだことは、自分のためにはかえってよかったと思います。
――大学ではミュージカルサークルに所属されていたんですよね?
はい。勉強して大学に入学して一区切りついた後のことですから、そのときはもう趣味として楽しみながら取り組んでいました。歌って踊るのが楽しかったのはもちろん、一つの作品を仕上げていくまでのチームワークや、仲間同士でのコミュニケーションなど、さまざまなことを学べたと思います。
――ところで、演技することの楽しさとは、どういうところにあるのでしょうか?
演技しているときは自分じゃない「自分」になれるところが好きです。でも、例えば美人で有能な秘書役を演じたときは本来の自分とかけ離れ過ぎていて、「らしく」見えなくて悩みました。
――どうやって「らしく」見えるように仕上げたのですか?
練習の様子を動画に撮り、その動画を見ながら改善点の指摘をしてもらうことにしたんです。「さっきの目線の動かし方、役らしくないねえ」と後から友達が批評してくれても、具体的にどういう点をどう直せばよいのかわからなかったのですが、動画を見ながらだと「ほら、ここのこの点をもっとこうした方が」などと具体的に言ってもらえるので、とてもわかりやすくなりました。
――問題をロジカルに解決するという点では、コンサルタントの資質があったということでしょうか?
そうかもしれません(笑)。このときはまだ意識していませんでしたが、自分が熱心に取り組んできたことが大人になってからの可能性を広げていくことであり、すべてのことが根底では一つに結びついているのが人間なのかもしれませんね。
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