自己分析とは
自己分析とは、自分の性格や価値観、得意・不得意、強み・弱みなどを客観的に整理・分析して理解を深めることです。就活における自己分析は、単純な面接対策として行うことではありません。自己分析は、これから先数十年と重ねていく長いキャリアにおいて、主体的に歩みを進めるためのアクションです。
人生100年時代と言われる現代では、現役として活躍する期間も長いものです。長いキャリア人生の中で自らの頭で考え、より良い道を目指すためにも、自己分析は必要です。
自己分析を通じて、自分らしいキャリアを描けるようになれば、有意義な人生を歩むチャンスも得られるでしょう。つまり、自己分析は自分の人生に大きく影響を与えるアクションと言えるのです。
例えば、自分に合ったキャリアプランを考えるときに、自分のことを客観的な視点から理解できていれば、より具体的にキャリアプランを作成できます。もし適切な自己分析ができていなければ主体的なキャリア設計はできず、再現性は低くなってしまうでしょう。
就活の場でも自己分析結果を元に客観的な視点を持てば、自己PRや志望動機などを作成する際により具体的でオリジナリティーのある内容になります。具体的に説明できれば面接官もイメージしやすく、自分がどのような人物であるか伝わりやすいでしょう。
「自己分析」と聞くと就活対策が目的のようなイメージがあるかもしれません。しかし、実際は人生の目的を明確化したり、主体的なキャリア選択をしたりするためにも必要なステップなのです。
自己分析はいつやる?
自己分析の実施時期に明確なルールはありません。ただ、「自分のことを詳しく知りたい」「自分の強みを改めて理解したい」などと思ったときに行う方が、より自分のことを理解しやすくなります。なぜなら、自分に対して興味を抱いているタイミングであるからです。
自己分析は、自分の都合の良いタイミングで自由に実施すれば問題ないため、エントリーシートを作成しながら同時進行で行ったり、自分の将来を考え始めたときに行ったりしても問題ありません。また、節目が来るたびに行っても良いでしょう。
そのため、自己分析は将来のキャリアを選択するタイミングで常に向き合うべきものと考えましょう。
また、自己分析は一度きりで終えるものではありません。企業研究や面接、自分の節目などあらゆるタイミングで、自分のキャリアの解像度を上げるために何度でも行うことが重要です。
なお、近年は自己分析に使える診断ツールが多数展開されています。ツールを使用して、短い時間で簡単に取り組むことも可能です。複数の診断ツールを使って、自分の強みを見つけましょう。
自己分析を行うメリット
自己分析は就活において大切であると分かっていても、重要性やメリットなどについては明確に理解できていない人も多いでしょう。自己分析を行う必要性に疑問を感じている人はもちろんのこと、自己分析に対する解像度が低いと感じる人へ向けて、ここからは就活で自己分析を行うメリットを3つ紹介します。
仕事における強み・弱みを理解できる
自己分析を行う最大のメリットは、自分の性格や適性はもちろん強みと弱みを客観的に理解できることです。
自分の強みを漠然としか理解できていない方は少なくありません。しかし、自己分析を通して、漠然としていた自分のことが、より鮮明に理解できるようになります。また、新たな一面を知るチャンスもあるかもしれません。自分自身がこれまで気にかけていなかった「強み」や「弱み」を知ることができれば、自分の主体的なキャリア選択を実現しやすくなります。自分の人生がより有意義になると同時に、就活にもつなげられるでしょう。
仮に、過去にリーダーシップを発揮したことがあれば、それは自分の強みです。そして、自己分析で、その傾向が出ていれば、入社してからもリーダーシップを発揮して活躍できる人材であることといえます。
反対に、リーダーシップをとった経験があるものの、性格上そうしたことがあまり得意ではなく、自己分析の結果としても「リーダー役は不向き」と表れた場合には、「縁の下の力持ち」のような存在で活躍するビジョンを描けるのではないでしょうか。
自己分析を実施して自分の強み・弱みを把握することは、将来のキャリアを描く際の大きなヒントになる上に、自己PRとしても活用することが可能です。
就職先選びのミスマッチを避けられる
自己分析では自分の適性・適職も分かります。希望している職種は、自分に合っているのかを明確にできるのです。
例えば、自己分析を行う前に、ざっくりと自分がどのような働き方を望んでいるのか、どのような企業風土が合っているのかを考えてみてください。その上で、自己分析の結果を見て就職先選びに役立てることができます。
特に、「成長できる環境」「福利厚生が充実している」「成果主義の企業でバリバリ働きたい」など、求める条件に優先順位を明確にすれば、より就職選びはスムーズになるでしょう。
自分の希望がはっきりしないまま就職先を決めてしまうと、ミスマッチが起こり早期離職につながってしまうため、そうしたミスマッチを避けるためにも自己分析を活用してみてください。
自己PR・志望動機の説得力を高める
自己分析で自分の強みを知れば、特徴や長所などを裏付ける具体的なエピソードを掘り起こすことができます。
過去のエピソードを思い出す過程で、これまでに自分が何を経験してきたのか、どんな時に自信を持てたのか、などを把握することは、将来の自分のキャリアビジョンを描く際の貴重な情報にもなります。
また、強みだけでなく、弱みも分かれば、その弱みを今後どのようにカバーしていくかを具体的にイメージしやすくなるでしょう。業務の中で迷いを感じたり、つまづいたりしたとき、カバーするための自分らしい対処法が分かれば、将来の自分を助けることにつながるのです。
つまり、自己分析は、自己PRや志望動機の情報として活用できるだけでなく、結果的に自分の長い人生をより良いものにしていくためのアクションであるといえます。
自己分析の方法9選!
自己分析の方法はツールを使う方法が簡単でよく知られています。そのほかにも自己分析は以下の方法で行うことができます。
・自己分析ツールを活用する
・モチベーショングラフ
・自分史
・深堀り
・will・Can・Must
・マインドマップ
・ジョハリの窓
・他己分析
・周りの人に相談する
それぞれの方法について、詳しく解説していきます。
自己分析ツールを活用する
自己分析のやり方が分からない人に導入としておすすめなのが、自己分析ツールを使った方法です。自己分析ツールは、質問に対して自分に当てはまる選択肢を選んでいくだけで、自分の性格や価値観、強み・弱みを客観的に分析してくれるツールです。
無料で使える自己分析ツールには「AnalyzeU+」、「リクナビ診断」などがあります。いずれも就活に使える自己分析ツールで、自己PR作りに適しています。
以下の記事でも自己分析ツールを紹介しているため、ぜひ参考にしてみましょう。
とはいえ、自己分析ツールに自分の分析を任せることは避けてください。自己分析は、あくまでも自分で考えたり、過去を振り返ったりしながら進めていくことが理想です。なぜなら、分析結果が画一的になってしまう恐れがあるからです。
自己分析ツールの多くは、一定のアルゴリズムやテンプレートにもとづいて開発されていることが多いため、自分の本質的な強みや価値観を掘り下げきれない場合があります。
そのため、基本的には自分の頭の中できちんと自己分析を行い、分析結果を深堀りしながら自分への解像度を高めていくことが重要です。
ビズリーチ・キャンパスでは性格や社会人としてのスキルを客観的に診断し、強みや弱み、それに対するアドバイスによって自己理解を深めるための2つのサービスを提供しています。
【社会人基礎力】
経済産業省が提唱する社会人基礎力を診断し、ビズリーチ・キャンパス内の学生における偏差値・強み・弱みが算出されます。
実際の就職先と偏差値の相関も確認されており、また何度でも受講可能な診断です。
【性格診断】
あなたの性格の根底にある普遍的な特徴を客観的に診断することができます。
全13項目に渡り診断し、個々人の特徴、性格面の強み・弱み、傾向と対策のアドバイスを受けることが可能です。
ぜひ今後のキャリア選択や就職活動にご活用ください。
※Appのみの提供となります
関連リンク:https://br-campus.jp/articles/report/220
モチベーショングラフ
モチベーショングラフは、これまでの出来事を振り返り、「モチベーションが上がった出来事」「モチベーションが下がった出来事」をグラフ化する自己分析方法です。グラフにして振り返ることで、「どんな時に楽しいと感じたのか」「どんな時に苦しかった・辛かったのか」を把握できます。
モチベーショングラフを書くときは、今までの出来事をできる限り思い出して、書き出してみましょう。書き出した後は、「どうして印象に残っているのか」を考えます。具体的であればあるほど良いでしょう。
モチベーショングラフにおける「振り返りを始める時期」は、自分の振り返りたい時期を選ぶ形で問題ありません。エピソードが多い場合は、中学・高校頃の時期からの振り返りもおすすめです。モチベーショングラフを書き出す際には、一つひとつの出来事に「なぜ?」と疑問を持って深堀りするのがコツです。
自分史
自分史は、自分のこれまでの人生を振り返って時系列で書き出すものです。自分史を書く時点では「自分の強みを見つけよう」「アピールできる材料はあるか?」などと考えずに、自分のこれまでの人生を振り返るために楽しみながら書き進めましょう。
自分史では、心に残っている出来事であれば、ポジティブな出来事だけでなく、ネガティブなことが含まれていても問題ありません。なかなか自分史の書き出しが進まないときは「中学生の時にどんなことをしていたか」「主にどんなことに時間を費やしたのか」「いつもと違った経験をしたエピソード」など、課外活動や学業、人間関係などを軸にして思い出してみましょう。
深堀り
自己分析の有効な方法のひとつが「深堀り」です。
採用試験の面接では、ほぼ必ず回答に対しての深堀り質問をされます。業界によって、具体的な深堀り質問の内容は異なりますが、定番の質問です。
この「深堀り」は自己分析にも応用できます。自分で書き出した分析内容に、自分で深堀りをして「その時どう感じたか」「なぜそのように取り組んだのか」「結果に対してどう思ったか」「今ならどのように対応するか」などを考えてみましょう。
面接の場で担当者が深堀り質問をするのは、そのエピソードの根拠や再現性を確認するためでもあります。また、本質を知って企業風土や希望部署の雰囲気に合った人材か否かを確認するためでもあります。
深堀りによる自己分析は、自己PRをすることで、面接対策にもなるためぜひ取り組んでみましょう。
will・Can・Must
「will・Can・Must」は、「will(やりたいこと)」「Can(できること)」「Must(入社後に求められること)」の3つをそれぞれ洗い出す手法です。3つが一致する仕事が適職という考え方で、自分に合った職業を知るきっかけになります。
「will・Can・Must」は以下の手順で進めてみましょう。
1 (Will)やりたいことをリストアップする
2 (Can)自分のできること、得意なことをリストアップする
3 1を2に生かせるか、1と2に結びつきはあるかを考える
4 2が思いつかないとき、1と2が結びつかないときは、Canを生かしてできることを考える
5 (Must)企業研究をする
最初から「will(やりたいこと)」「Can(できること)」が結びつくのは稀です。まずはそれぞれを分けて考えてみましょう。
また、各項目にて、過小評価・過大評価は避けましょう。適正な結果のためには、客観的に評価した上で実施しないと、自分に合う職業として表れる結果が本来と異なるものになる場合があります。
マインドマップ
マインドマップは、自分の思考を具現化して客観視するときに向いている自己分析の手法です。頭の中だけではまとまらない考えを紙に書き出して、頭の中を整理していきます。キーワードを1つに絞ることで、より深堀りすることができます。思考や発想を広げていくことで自分の潜在的な興味関心の方向性を具体化できるのが特徴です。
マインドマップは目的意識にとらわれることなく、まずはテーマに集中してたくさん書き出してみることが大切です。無理に結論につなげる必要はないため、テーマに対して、頭に思い浮かんだことを短い文章で書き出してみてください。
ただ、あまりにも多く書き出すと、情報が煩雑になって全体像をつかみにくくなってしまいます。そのため、一定の量を書き出したところでグループ化したり、それぞれの要素同士でつなげられるものをピックアップしてみたりと、適宜整理することが重要です。
ジョハリの窓
ジョハリの窓は、「自分から見た自分」と「他人から見た自分」を切り分けて分析して、自己分析を行う方法です。自己分析で分かった特徴と他己分析の結果を比較することで、自分を客観視できます。
ジョハリの窓は以下の手順で進めてみましょう。
1 「自分はどんな人か」を書き出す
2 自分のことをよく知っている人に、「私はどんな人?」「それはなぜ?」を訊ねてみる
3 聞き出した内容と自分の内容を見比べて、以下の要素に分けてみる
・解放の窓:自分も他者も知っている自分
・盲点の窓:自分は気がついていないが他者は知っている自分
・秘密の窓:自分は知っているものの他者に気づかれていない自分
他の人に聞くときは、なるべく具体的に回答してもらうと比較しやすくなるでしょう。
ただし、ジョハリの窓は、自己開示が必要な手法であるため、「自分のことを人に話すのが苦手」といった人にはやや不向きです。ジョハリの窓は、親しい友人や家族などに協力してもらうか、別の手法を検討するなど、自分に合った方法を選ぶことが重要でしょう。
他己分析
他己分析とは、自分の性格や長所・短所などを、他の人に聞いて客観的に自分を分析する方法です。自己分析とは違って、第三者の意見を聞くことができるためより客観的に自分を理解できます。
自分だけで自分のことを理解しようとすると、どうしても主観が入ってしまいます。そのため自己分析と他己分析の両方を行うことで、深く自分を理解できるでしょう。
他己分析は以下の手順で進めてみましょう。
1 他己分析をして欲しい相手を選ぶ
2 質問内容を整理して、他己分析をお願いする
3 自己分析の結果と他己分析の結果を見比べ分析する
4 自己PRや企業を選ぶ方向性に反映する
質問する内容は「長所/短所と感じるところはどこ?」「私の第一印象は?」「どんな時に楽しそうにしているように見える?」など、自己PRに役立ちそうな質問をしてみましょう。
周りの人に相談する
自己分析の方法のひとつとして、「周りの人に相談する」です。周りの人へ相談してみると、自分では気づけない長所や課題を他者の視点から教えてもらえるため、客観的な分析ができます。
例えば、家族や友人、学校の先生やアルバイト先の上司など、信頼できる人にこれまでの行動や強みについて訊ねてみるとよいでしょう。
周りの人に相談する際には、以下のような質問をしてみることがおすすめです。
1 どんな時に自分らしさが出ているか
2 どのような場面で活躍しているように見えるか
上記のような具体的な質問をすると、より具体的な回答を得られるはずです。また、この手法では、多様な視点を集めることで、自分の可能性をより広い視野で考えるきっかけになります。
自己分析にもとづいた志望動機の例
自己分析の結果を使って実際に志望動機を作ってみましょう。
【自己分析の結果】
■仕事選びで譲れないこと
・チームで成果を挙げられる仕事がしたい
・同僚に相談しやすく、お互い刺激しあえる環境が理想
■自分に合う企業の特徴
・チームワークを重視して、個人の成果だけに依存していない
・社内イベントがあり、社員同士の仲が良い
【志望動機】
貴社のチームワークで案件に取り組む社風に魅力を感じました。私は大学1年生から「バレーボール部」に所属しており、3年生の時に国体に出場しました。4年間の部活動で、1年生からリーダーを務め、最後には部長としてリーダーシップを発揮してきました。もともとは趣味程度の部活動でしたが、毎日のトレーニングメニューを決め、チームとしての課題解決のために取り組んだことで最後には国体にも出場できました。この経験を生かし、働く上でもチームワークを大切にして仕事に取り組みたいと思います。
まとめ
自己分析は自分の性格や強み・弱みを客観視できる優れた手法です。自分のことをよく分かっているつもりでも自己分析をしたら、新たな一面を知ることができるかもしれません。自己分析を通して、これまで知らなかった潜在的な強みはないか振り返ってみましょう。今回紹介した自己分析の8つの方法を使って、ぜひ就活の自己PRや志望動機に生かしてください。
人気大手企業就活ならビズリーチ・キャンパス!
ビズリーチ・キャンパスは三井物産、JR東日本、三井不動産、三井住友銀行、ソニー、NTTデータ、サントリーなど様々な業界の大手企業が利用しており、人気大手企業就活を目指す学生にとって必需品と言えるサービスです。
・誰もが知る人気大手企業から、特別座談会・選考免除・特別選考ルートなどのスカウトが届く
・人気大手企業によるビズリーチ・キャンパス限定のインターンシップ
・人気大手企業による各業界特化型の限定イベント
・難関企業内定者による就活対策講座を毎日開催
・先輩が『いつ・何をして・何に悩んだのか』を綴った就活体験記。就活全体像や時期別の悩みの具体的な解消方法がわかる
ぜひビズリーチ・キャンパスご活用し皆様にとって最適なキャリア選択を実現してください。