コミュニケーション能力とは?
「コミュニケーション能力」とは、文部科学省では下記のように定義されています。
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『いろいろな価値観や背景をもつ人々による集団において、相互関係を深め、共感しながら、人間関係やチームワークを形成し、正解のない課題や経験したことのない問題について、対話をして情報を共有し、自ら深く考え、相互に考えを伝え、深め合いつつ、合意形成・課題解決する能力』
引用:文部科学省「資料5 言語能力について(整理メモ)」
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つまり、コミュニケーション能力とは、単に言葉を交わすだけでなく、情報を的確に伝え、他者と良好な関係を築くために必要な能力の総称です。
この能力は創造的思考や感性、情緒の表現とも密接に関連しており、言語による表現だけでなく、非言語的な要素(身体の動きや音など)も含まれます。
特に、相手との理解を深め、共感を持ちながら情報を交換し合う力が求められる現代社会において、コミュニケーション能力は欠かせません。また、職場でのチームワークや人間関係を築く基盤としても大切な能力です。
コミュニケーション能力の3要素
コミュニケーション能力には、主に以下の3要素があるといわれています。
・聞く力
・質問する力
・伝える力
それぞれの要素について詳しく解説します。
聞く力
「聞く力」は、相手の意図を正しく理解して円滑なコミュニケーションを図るために必要な要素です。相手の言葉に耳を傾けることで、相手の意図やニーズを正確に理解でき、適切な対応ができるようになるでしょう。
例えば、商品やサービスのを提案時に、相手の困りごとを聞き取り、それに合った提案をすることで、より効果的な解決策の提供が可能です。
この能力が不足していると、信頼関係に関わってくることも少なくありません。相手の意見を誤解したり、指示を間違って受け取ることで、業務ミスや人間関係のトラブルを招く可能性があるためです。
質問する力
「質問する力」は、必要な情報を引き出し、相手との理解を深めるための要素です。
質問力を高めることで、相手の考えやニーズを的確に把握できるようになります。問題解決や改善案の提案に役立ち、建設的なコミュニケーションが可能になるでしょう。
適切なシーンで適切な質問ができないと、質問不足や不適切な質問によって誤解を生んだり、相手の意図を正しく理解できないまま行動するおそれがあります。
伝える力
「伝える力」は、相手に自分の意図や考えを正確に理解してもらうために必要なスキルです。伝える力が欠けていると、情報がうまく伝わらず誤解を招き、業務ミスや対人トラブルの原因になる可能性があります。
仕事を進める上で、自分の伝えたいことが明確でなければスムーズに業務を進めることができません。この能力を発揮することで、滞りない意思疎通やチームワークの向上も図ることができ、説得力やリーダーシップにもつながるでしょう。
コミュニケーション能力は選考でも重視される
多くの企業は新卒採用の際、コミュニケーション能力を重要視しています。この能力は、チームで協力しながら業務を進めるための基盤となるため、企業にとって必要不可欠なスキルだからです。
業務においては、顧客とのやり取りや社内での情報共有、意見調整など、多くの場面で円滑なコミュニケーションが必要です。こうした場面での適切な対応力は、組織内での信頼関係の構築にも繋がり、業務効率の向上にも寄与してくるのです。
そのため、企業は選考過程でこの能力を評価し、高いコミュニケーション能力を持つ候補者を優先的に選ぶ傾向にあるのです。
職種別に求められる「コミュニケーション能力」
職種別で求められるコミュニケーション能力には、一定の傾向があります。
・営業職
・企画・マーケティング職
・コンサルティング職
・人事
・事務職
・エンジニア職
上記それぞれの職種別で求められる内容について、詳しく解説します。
営業職
営業職では、顧客との商談や提案、ニーズのヒアリング、関係構築などのシーンでコミュニケーション能力が求められます。顧客のニーズを的確に把握し、自社の商品を効果的に伝える力が重要な職種だからです。
新規顧客に対しては、アポイントを取るための挨拶や、信頼を得るための自己紹介や質問力が重要なポイントになります。
既存顧客に対しては、悩みや潜在的なニーズを引き出し、適切な提案ができる能力が必要でしょう。
信頼関係の構築と、ニーズに応じた提案をするための高いコミュニケーションスキルが求められます。
企画・マーケティング職
企画・マーケティング職では、主に社内の関係者と連携する場面でコミュニケーション能力が重要になります。部署間で情報を共有し、異なる視点を集めることで、サービスの設計や市場調査、販売戦略の策定が促進されるからです。
特に営業部門や研究部門と意見交換を行い、意思疎通を図る能力が欠かせません。
また、関係者との打ち合わせやアイデア提案、調査対象へのヒアリング、プレゼンテーションなど、外部とのやりとりにおける対外的なコミュニケーション能力も求められるでしょう。
コンサルティング職
コンサルティング職では、企業の経営課題を解決するために、顧客との包括的かつ綿密なコミュニケーションが必要になります。顧客の経営陣から情報を引き出し、課題を正確に把握することが重要だからです。
提案内容をわかりやすく伝え、納得させるスキルが求められるでしょう。経営陣との対話を通じて、課題解決策を提示するための高いコミュニケーション能力が不可欠であるため、より高度なコミュニケーションスキルが求められる職種といえるでしょう。
人事
人事職では、採用活動や労務管理を行う場面で高いコミュニケーション能力が必要です。
面接や従業員からの相談対応では、相手の状況を正確に把握し、適切に対応する力が求められるでしょう。
ほかにも、新規の社内制度導入など働く環境の整備に関わる業務では、社内の経営陣と円滑に意見交換を行いつつ、社員のニーズを反映させる流れが必要です。
社内外で柔軟にコミュニケーションを取ることが大切であると言えるでしょう。
事務職
事務職では、社内外の関係者との調整業務や情報共有、電話・メール対応、依頼事項の確認や報告など、日常的にコミュニケーション能力が求められます。相手にわかりやすく情報を伝える力が重要になる職種といえるでしょう。
業務ミスや各種申請のミスなどを防ぐために、伝える情報の正確性を意識することが求められます。職場の雰囲気を良好に保つ雰囲気作りや、周囲と円滑に連携する力も必要になるでしょう。
エンジニア職
エンジニア職では、チームメンバーやクライアントとの要件定義、進捗報告、技術的な議論などでコミュニケーション能力が重要です。
例えば、システム開発においては、クライアントの要望を正確に理解し、それを仕様に落とし込む能力が必要です。また、不明点を的確に質問することで、要件の曖昧さを解消することも大切です。
さらに、開発内容や技術的な問題をわかりやすく説明する力も重要です。例えば、非エンジニアの関係者に対して技術的な仕様や進捗を伝える際は、専門用語を避け、噛み砕いた説明をすることが求められます。
エンジニア職では、技術力だけでなく、スムーズに協働できるコミュニケーション能力が欠かせません。
自己PRにおける「コミュニケーション能力」の伝え方・ポイント
自己PRにおけるコミュニケーション能力の伝え方のポイントは、主に以下の6つです。
1.結論ファースト
2.具体的なエピソードを伝える
3.「コミュニケーション能力」をどう活用できるかを伝える
4.「コミュニケーション能力」を言い換える
5.ほかのスキルと組み合わせる
6.定量的成果を具体的に示す
それぞれのポイントについて詳しく解説します。
1.結論ファースト
自己PRで「コミュニケーション能力」をアピールする際は、最初に「自分の強みはコミュニケーション能力です」と結論を明確に伝えることが重要です。
面接官は多くの応募者を評価するため、短時間で印象を残す必要があります。結論を最初に伝えることで、面接官に興味を持たせ、その後のエピソードを効果的に聞いてもらうことができます。特に営業職や企画職などコミュニケーション能力が重要視される職種では、論理的で簡潔な表現が求められるため、結論ファーストで話すことで好印象を与えやすくなります。
また、結論を最初に述べることで面接官が話のポイントを把握しやすくなり、スムーズな質疑応答にもつながります。
2.具体的なエピソードを伝える
「コミュニケーション能力」を証明するには、具体的なエピソードを交えて説明することが不可欠です。抽象的な表現だけでは、どのように能力を発揮したのかが伝わりません。
例えば、「アルバイトでお客様のニーズを引き出し、販売成績を向上させた経験」や「サークル活動で意見の対立を調整し、チーム全体で成功を収めた経験」などを用いると効果的です。
エピソードの選び方も重要で、「相手の話を的確に理解する力」「質問を通して本質を引き出す力」「わかりやすく伝える力」といった構成要素に分けて説明することで、より説得力のある自己PRになります。
また、エピソードには具体的な行動や成果を示すことで、実際にコミュニケーション能力を活かした結果がどのように現れたのかを伝えましょう。
3.「コミュニケーション能力」をどう活用できるかを伝える
コミュニケーション能力を、入社後にどう活かせるかを明確に伝えることも重要です。
企業は、応募者の強みが自社でどのように活用できるかを知りたいと考えています。そのため、自分のコミュニケーション能力を仕事にどう役立てるのかを具体的に述べることが効果的です。
例えば、「相手の意図を正確に汲み取り、課題を解決する力を活かして営業職で顧客のニーズに応えたい」「プロジェクトメンバーと円滑に意思疎通を図り、効率的なチームワークを実現することで、開発業務に貢献したい」などが考えられます。
企業側にとっては、応募者のスキルが自社の業務に貢献できるかどうかが重要な判断基準です。そのため、企業の特徴や求める人物像を把握した上で、自分の強みを具体的にどう活かすかを伝えることで、採用担当者に自信と意欲をアピールすることができます。
4.「コミュニケーション能力」を言い換える
自己PRで「コミュニケーション能力」をアピールする際には、異なる言葉で表現することも効果的です。
「コミュニケーション能力」は広い意味を持つため、単にこの言葉を使うだけでは抽象的になりがちです。そこで「相手の意図を正確に汲み取る力」「意見を調整するスキル」「信頼関係を構築する力」などに言い換えることで、具体性と説得力が増せるでしょう。
また、自分の特性を過大評価する必要はなく、正確に自分の特長を伝えることが重要です。適切に言い換えることで、自己PRが単なる自己アピールではなく、自分の強みを理解し、企業にどう活かせるかを伝えるものになるメリットがあります。
5.ほかのスキルと組み合わせる
「コミュニケーション能力」だけでなく、他のスキルと組み合わせることで自分の強みを立体的に伝えることができます。
例えば、「プレゼンテーション能力」「問題解決力」「チームワーク力」などと組み合わせることで、特定の状況下でのコミュニケーション能力を効果的にアピールできます。「相手のニーズを正確に引き出し、それに基づいた提案を行う力」「チーム内で意見をまとめ、プロジェクトを推進する調整力」などと伝えることができるでしょう。
また、こうした表現方法は自己を過大に見せるのではなく、むしろ自分の特性を正確に理解し、適切に活かす姿勢を示すことにもつながります。
6.定量的成果を具体的に示す
定量的な成果を示すことで、アピールの説得力を高められます。得られた成果を数字や具体的な結果で示すと効果的でしょう。
例えば、「アルバイトで顧客対応を工夫した結果、リピート率を20%向上させた」や「サークル活動で対立する意見を調整し、企画を成功させたことで参加者数を30%増加させた」など、数値や具体的な成果を交えることで実績として証明できます。
ただし、数値だけを強調するのではなく、成果に至る過程や工夫もあわせて伝えることが大切です。これにより、自己PRが単なる自己アピールではなく、企業に対する有用性を具体的に説明する内容となり、面接官の信頼を得やすくなります。
自己PRで「コミュニケーション能力」を伝える例文5選
最後に、「自己PRでコミュニケーション能力を伝える例文」を5例紹介します。
様々な切り口別で紹介するので、参考にしてみてください。
ただし、コミュニケーション能力の訴求の仕方は、一人ひとりで異なるものです。自身と向き合い、深掘りした自己分析から自然とにじみ出てくる表現が望ましいため、あくまで自身のコミュニケーション能力を伝えるための例文として参考する程度にしましょう。
部活動経験の場合
「私の強みは、相手の意図を正確に汲み取り、円滑なコミュニケーションを通じて目標を達成する能力です。○○大学のテニス部でキャプテンを務めた際、メンバー間で意見の対立が生じることがありました。特に練習方法や試合の戦術に関する意見の違いは深刻でした。私は各メンバーの意見を丁寧に聞き取り、全員が納得できる形で方向性を決めることを心掛けました。その結果、チーム全体のモチベーションが向上し、リーグ戦で過去最高の成績を収めることができまたのです。貴社においても、このコミュニケーション能力を活かして、周囲と協力しながら成果を上げることに貢献したいと考えております。」
アルバイトの場合
「私のコミュニケーション能力は、顧客対応を通じて培われました。○○大学在学中に高級飲食店でアルバイトをしており、お客様のニーズを的確に把握し、最適なサービスを提供することに努めました。特に外国人観光客の対応時には、言語や文化の違いを考慮しながらも、丁寧にヒアリングを行い、満足度を高めることを意識していました。その結果、お客様からの評価が高まり、店舗のリピート率を20%向上させることができたのです。この経験を活かし、貴社でも顧客のニーズを的確に捉え、成果を出すためのコミュニケーションを発揮していきたいと考えています。」
長期インターンの場合
「私は長期インターンシップでの実務経験を通じて、論理的なコミュニケーション能力を磨きました。○○大学在学中に、スタートアップ企業でマーケティング業務に携わり、チームでプロジェクトを推進しました。特に社内外の関係者との調整業務では、意見を整理しながら的確に伝えるスキルが重要でした。私はまず相手の意見をしっかりと聞き、要点を整理した上で、自分の提案をわかりやすく説明することを心掛けました。その結果、プロジェクトの進行がスムーズになり、目標達成に貢献することができました。貴社でもこのスキルを活かし、チームの成果向上に貢献したいと考えています。」
ゼミの場合
「私のコミュニケーション能力は、ゼミでの共同研究を通じて培われました。○○大学の○○ゼミでは、チームでの論文作成に取り組みました。メンバー間で意見が対立することも多々ありましたが、私は双方の意見を冷静に整理し、妥協点を見つけることを重視しました。また、論理的な説明を心掛けることで、全員の理解を得ることに努めました。その結果、全体の研究成果が向上し、学会発表でも高い評価を得ることができたのです。貴社でもこのコミュニケーション能力を活かし、プロジェクトの成功に貢献したいと考えています。」
ボランティア活動の場合
「私の強みは、多様な人々と協働するためのコミュニケーション能力です。○○大学在学中に、発展途上国での教育支援ボランティアに参加しました。現地の人々との交流を通じて、文化や考え方の違いを理解しながら信頼関係を築くことを心掛けました。また、現地スタッフとの連携を円滑にするため、積極的にヒアリングを行い、意見を調整する役割を担いました。この経験から、相手の立場を尊重しながらも自分の考えを的確に伝える力を身につけることができました。貴社でも、このコミュニケーション能力を活かし、異なるバックグラウンドを持つ方々と協働して成果を出していきたいと考えています。」
まとめ
自己PRで「コミュニケーション能力」をアピールする際は、単に「コミュニケーション能力があります」と述べるだけでなく、その能力を具体的なエピソードとともに示すことが重要です。また、「聞く力」「質問する力」「伝える力」といった要素に分けて説明することで、説得力が増します。さらに、ほかのスキルと組み合わせたり、定量的な成果を示したりすることで、より明確に自分の強みを伝えることができます。
企業が求める能力を意識しつつ、自己PRを構成しましょう。
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