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OB/OGが語る

三井住友銀行×三菱商事「今だから伝えたい人事の本音」~後編~

これから就活を始める学生たちに向けて、ビズリーチキャンパス主催の特別企画『三井住友銀行×三菱商事「今だから伝えたい人事の本音」』を開催いたしました。メガバンクと総合商社、それぞれから人事代表者をお招きし、ご自身の経験も踏まえて本音で「キャリア選択とは?」を語っていただきました。様々なキャリアを積んできたからこそ見えてきた「人事の本音」とは?厳しい世情の中で就活を頑張る学生たちに向けて、エールを送ります。

<登壇者>
■三井住友銀行
人事部 採用グループ長
持田 恭平
【経歴】
2003年に入行。国内法人営業部、米州統括部(NY勤務)、人事部でのグローバル人事室の立上げ、異動や人材育成の担当も経て、2019年より現職。

■三菱商事株式会社
人事部 採用チームリーダー
田中 裕美
【経歴】
2003年に入社。金属資源事業でのキャリアが長く、チリ駐在も経験。IR部への分野超えた異動も経験し、2019年に人事部へ異動。現在は、採用チームリーダーとして採用業務全般に携わっている。

総合商社もメガバンクも共通して、変化への意識が根付いていると。そういった背景を踏まえて、実際に現在人事をやられているお二人が感じる「こういう人は活躍している」という人物像って、過去と今とで変化はありますか?

田中(三菱商事):
自分のやっている仕事に価値を見出す人、ですかね。自分が担当している仕事の本質を見極め、どんな価値があるのかをちゃんと考えて実行していける人。そういう社員は今も昔も成長し、活躍しているのではないでしょうか。また、自分の仕事が好きでいる人たちは活躍しています。

持田さんはいかがでしょうか。

持田(三井住友銀行):
本質的には変わらないと思います。好奇心が旺盛で受け身でなく自ら動ける、こういう人はどんな分野でも活躍されている印象があります。あとは、、、そうですね、プラスアルファで言えば性別に関係なく愛嬌があってチャーミングな人ですかね。そういった要素が絡み合う人の周りには「あの人のためなら」とか「あの人に頼まれたらしょうがない」という仲間が増えていくんですよ。で、結果大きな仕事を担当したり活躍されたり、というケースは多くあると思います。

仕事に好奇心を持って楽しめている人は活躍されている傾向にあると。とはいえ、会社は組織なので「自分が希望している仕事ではない」というものとぶつかる瞬間って絶対あるじゃないですか。直接的な表現をすると、「この仕事あんまりおもしろくないな」みたいな。興味が持ちにくい業務に出会った際にお二方はどう対応されてこられましたか?

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田中(三菱商事):
具体的な話は長くなるので割愛しますが、ニッケルという、これまで自分が全く知らない金属資源のトレーディング担当となった時がありまして。「ニッケルってなんですか?」みたいな状態でした(笑)でも、結論やってみたら楽しかったんですよね。トレーディングというビジネスモデルが、自分の事業に対する貢献が数字で分かる仕事だったということが大きかったと思いますが、その面白さは担当してみて初めて分かることだったんですよ。だから、何がモチベーションにつながるかは「やってみないと分からない」と思っています。

持田さんの場合はいいかがでしょうか?

持田(三井住友銀行):
私も正直、自分の希望が叶い続けてきたキャリアかというとそうではないです。今まで二つ自分の想像とは異なる仕事を経験していて。一つが海外で、もう一つが現職の人事なんですね(笑)しかし、希望していなかったとはいえ、実際にやってみると自分のキャリアにとってプラスになるものばかりでした。海外での経験は今の私自身の判断軸や価値観を形成する大きな一つの要素になっていますし、人事の仕事に関しては、あらゆる部門との接点があり会社の全体がよく見えるので、自分の会社が今どういう事業で成り立っていて、どういう方向を見据えているのかということが分かってくるんです。そのうえで、どういう人を採用するべきなのか、どのような人材育成が求められるのか、とか、経営戦略と人事戦略との裏表の関係のようなものを見られる楽しみを感じるようになりました。そういう感覚が見えてくると、当初自分が思い描いていたキャリアでなくても、すごく面白さを感じるようになっていきます。これはどの分野でも共通なんじゃないかなと思います。ちょっとビジネスライクすぎる言い方かもしれないですが、やはりどんな仕事もお給料をもらってプロとしてやっていく必要があると。なので自分に割り当てられた仕事は、責任感を持ってフルコミットしていくんだっていう気概は常にありましたね。

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例え今自分が担当している業務が望んでいたキャリアと違っていたとしても、別の道が言えてくる可能性も十分にあると。そういうご経験をされたからこそ分かる、「これからの新時代でどういうキャリアを積めばいいのか」ということについてはいかがでしょうか。田中さんどう思われますか?

田中(三菱商事):
個人的な意見ですが、個々人の志向に合わせて「メンバーシップ型」「ジョブ型」の働き方を、両方経験できることベストかなと思います。チームで何かをすること、個人で蓄積していくスキル、その両立みたいなイメージですかね。このどちらかを優先するかは個人の価値観で決まってくることと思いますが。キャリア形成を考えると、どちらか一つしか知らないとなるとマイナスなので。色々な分野を知ることが大切という事です。

持田さんはいかがでしょうか?

持田(三井住友銀行):
基本的に田中さんの意見に同意です。

私自身は「メンバーシップ型」雇用の中でジェネラリスト的なキャリアを歩んできた自覚がありますが、各領域で専門性が深くなっているこの時代、様々な仕事を転々として汎用的に丸い人材になっても、「自分はどこのフィールドで勝負できるのか?」という不安を持つ人も出てくると思います。なので、ジェネラル志向の人は、何か一つ、尖るものや勝負できる特定のフィールドを確立していくスタンスで、中長期的にキャリアを考えていくことが重要だと思います。一方で、新卒でも「ジョブ型」雇用という考えも出てきているように、スペシャリスト志向で「自分はこれで飯を食っていく」という考えを早くから持つ人も特に最近は多いと思いますが、これだけ変化の速い時代ですので、その仕事は5年後・10年後に存在するの?ということもどんどん起きてくる。先ほど田中さんもビジネスの掛け合わせで付加価値を出すとおっしゃってましたが、スペシャリティは大事にしながらも、プラスアルファで自分の活躍できる領域を広げていく意識を持つことが大事だと思います。いずれにしても、メンバーシップ型だろうがジョブ型だろうが、会社に依存するとことではなく会社組織を生かしてキャリアを積んでいくという考えが必要になってくると思います。

では、お二方が感じている「業界への課題」について教えていただけますか?

田中(三菱商事):
事業の掛け合わせでどれだけ強みを発揮できるか、強みでもあり、今後さらに強化していくべき課題ですね。総合商社としてたくさんの事業を行っているのだから、その掛け算をより強くしていくため、部門を超えた連携・協業はさらに行っていかなければならないと感じています。

持田さんはいかがですか?

持田(三井住友銀行):
これも田中さんの結論と被ってしまうのですが、、、(笑)SMBCグループ内の銀行、証券、カード、リースといった会社間の垣根を低くして、幅広いお客様の様々な要望によりスピーディーに応えられるようにしていくということですかね。事業間の連携や情報伝達を改善していけば、より新しいモノやコトを創出できるのではないかと考えています。

総合商社もメガバンクも、抱えていらっしゃる課題は共通していて「事業間のシナジー強化」であると。そういった背景を考えると、どういった若手が求められていくようになると思いますか?

持田(三井住友銀行):
先ほどの「活躍する若手とは」という話にも共通しますが、色々なことに興味を持って挑戦する若手は求められるでしょうね。それは我々メガバンクや総合商社だけでなくどんな業界でも共通しているかなと思います。現代社会は価値観の多様化やVUCA時代なんて呼ばれていて、とにかく変化が激しい時代です。そういった中で求められる若手となると、やはり「挑戦」を恐れない、厭わない、ということになると思います。

田中さんはいかがでしょうか?

田中(三菱商事):
昔から「求められる若手」に大きな違いはないかなと思っています。挑戦して、失敗して、学んで、改善して、また挑戦していくというか。その繰り返しのサイクルをどんどん回していける方は強いですよね。人事をしているとよく学生さんから「総合商社を目指すには何か専門性は必要でしょうか?」という質問をいただくことも多いのですが、答えはノーです。問題意識からアクションを起こして、学んだことを次に活かす、というサイクルをできる方であれば、どんな業界でも求められる人材たりうると思いますよ。

今の時代の学生さんたちって、我々世代の頃よりも人生そのものがハードモード化していて、就活もそれに伴ってどんどん大変になっているじゃないですか。ものすごく自己分析や企業研究もやっていて、それでも「自分が何をしたいのか全然わからない、、、」という悩みを良く聞くんですね。人事のお二方から、そういう悩みを持つ学生さんへのアドバイスをいただけますか。

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田中(三菱商事):
本当に今の学生さん達は、私たち世代の頃とは比較できないくらい努力をされていると思います。そういう中で、具体的にやりたいことを持たなきゃいけないという自己暗示にかかってしまう方も少なくないと思います。もちろん、具体的にやりたいことがあるのは素晴らしいことですが、別にやりたいことが明確になっていなくても大丈夫、ということを伝えたいです。やりたいことって、人生の中で都度変わっていきますし、大丈夫です、必ず見つかりますから。社会に出て様々な人に出会って、色々な刺激を受けたら価値観が変わっていくのが当然で、会社に入ってからやりたいことを見つければいいんですよ。

持田さんはどう思われますか?

持田(三井住友銀行):
なんとなく自分がこういうことがやってみたいレベルの漠然としたイメージがあればそれで十分ですよ。肌感覚として「この会社なら何かできそうな気がする」という気持ちを持っていただけたなら、そういう素直な気持ちを話してくれれば大丈夫です。逆に、「この会社はこうだからこういうこと言って正解を取りに行こう」みたいな取り繕うスタンスは、誰も幸せにならないのでオススメできないですね(笑)自分のことを素直に伝えて分かってもらいたいという気持ちがあって、その準備さえできていれば良しです。現段階で具体的なやりたいことはなくてもOKですよ。

では、最後の質問となります。今現在就活を頑張っている学生さんたちに向けて、現役人事のお二人からメッセージをください。

持田(三井住友銀行):
現代社会は様々な情報が入り組んでいたり、口コミや情報も過多なくらい入ってきます。しかし、最終的な企業選びはご自身の価値観を大切にしてください。「自分の意思で決めた会社に入ったんだ」という気持ちがあることで、その会社での仕事は絶対に頑張れます。何よりも、ご自身の気持ちを一番大切にして就職活動を頑張ってください。心から応援しています。

田中(三菱商事):
学生の皆さんひとり一人にマッチした企業って、絶対どこかのタイミングで見つかると思うんですよ。世の中の基準や価値観とご自身のそれが完全に一致するかと言えばそうじゃないわけですし、持田さんが先ほどおっしゃったように「自分の意思で決めた会社に入った」という気持ちは何よりの原動力になります。今はコロナ禍ということもありなかなか難しい側面もありますが、就職活動に詰まったときは一人で抱え込まず、周りの人達を頼ることも大事だと思います。ぜひ周りの方と話をしながら、楽しく就職活動を続けていただけたらと思います。皆さんを応援しています。

本日は、ありがとうございました!

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前編はこちら↓

https://br-campus.jp/articles/report/980