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OB/OGが語る

【伊藤忠商事】採用責任者が語る、これからの商社ビジネスに求められる人材とは。

時代を先読みし、最も成長が期待できる分野に軸足を置いたビジネスを展開する伊藤忠商事。モノを売る以上の価値が求められるようになったいま、どのようなマインドを持つ人材が活躍できるのか。伊藤忠商事株式会社で営業を経験し、現在は人事・総務部において採用・人材マネジメント室長を務める梅本良徳さんにお話を伺いました。

<人物紹介>
伊藤忠商事株式会社
人事・総務部 採用・人材マネジメント室長
梅本 良徳
1992年入社
新卒で入社後、自動車事業部に配属。23年に亘り、営業から事業管理、経営企画とポジションを変えながら、グローバルに自動車事業を牽引する。その後、広報部に異動し、ビジネスモデルの変化を広報戦略の側面から支える。2019年4月より人事・総務部に異動し、伊藤忠商事の次世代ビジネスの担い手との出会いに刺激を得る日々を過ごしている。

<企業紹介>
1858年に初代伊藤忠兵衛が麻布の行商で創業したことに始まり、現在は世界63ヶ国に約110の拠点を持つ総合商社として、繊維、機械、金属、エネルギー、化学品、食料、住生活、情報、保険、金融の各分野において、国内、輸出入および三国間取引を行うほか、国内外における事業投資など、幅広いビジネスを展開。初代伊藤忠兵衛が「近江商人」の先達に尊敬の思いを込めて発した「商売は菩薩の業、商売道の尊さは、売り買い何れをも益し、世の不足をうずめ、御仏の心にかなうもの」という言葉が、自社の利益だけでなく、社会の幸せを願う精神「売り手よし、買い手よし、世間よし」=「三方よし」という表現となって現代に継承され、多くの企業に影響を与えている。

時代によって変化する使命。

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――本日はお忙しい中、ありがとうございます。採用の責任者になられて半年とのことですが、まずはこれまでのご経験をお聞かせいただけますでしょうか。

入社してすぐ自動車事業部に配属となり、現場で営業を経験しました。海外とのやりとりや、事業管理、経営にも携わり、気づけば23年も経ちました。

――23年とは長いですね。

そのあとは広報部に異動し、コーポレートブランディングに携わりました。マスメディアを通じて、伊藤忠商事というブランドを形成していく仕事ですね。

――「ひとりの商人 無数の使命」というスローガンは印象的でした。「商人」という言葉で社員のみなさんにスポットライトを当てたところは、社外に向けたブランディングでありながら、リクルーティングや組織活性にも影響があったのではないでしょうか。

そうですね。学生さんからの反響も大きかったです。特に「伊藤忠商事の仕事場はこの地球上全てであり、国を超えて暮らしと関わり、新たな生活文化を創る」「商うことの先に広がる、生きることの豊かさこそが、本当の利益だと信じている」という文言は学生さんからも良く耳にしました。また、「商人」という原点に立ち戻ってブランディングを行った経験は私にとっても得られるものが多くて、人事・総務部に異動した現在も、当時の気付きが活きていますね。

――その使命は、時代によって変わってゆくものなのでしょうか?

「第四次産業革命」や「デジタル革命」など、世の中が大きく変わろうとしている中で、私たちもゲームチェンジャーとして新たな取り組みを行うことが重要です。元来時代を先読みし、最も成長する領域に事業を展開することを常としてきたので、変化には強い組織風土がありますが、これまで以上に変化を強く意識し、次世代の商社ビジネスを切り拓いてゆかなければならないと感じています。

――もう少し具体的に伺えますか。

これまでは、メーカーがつくる商品を国内外に販売することで成長してきました。しかし、現在はメーカーと消費者が直接繋がる時代です。私たちがいなくても商談が成立するという流れの中で価値を発揮するには、「商品を売る」ことだけを考えていてはいけません。例えば、自動車とメンテナンスをセットにしたり、乗り方、使い方を提案したり、自動車という商品の先にあるものを見据えながらビジネスを考えることが必要です。BtoBのビジネスでありながら、Bの先にいるC=カスタマーに寄り添い、想像力をめぐらして、価値を提供していく必要があります。

――CありきのBということですね。

そうです。タクシー配車サービス「Uber」の例でいえば、自家用車の90%が使用されていないことに着目し、一般の方が自分の空き時間と自家用車で他人を運ぶ仕組みを構築しました。「商品」を売り物にするのではなく、自動車の先にある使い方をビジネスにした好例ですよね。そうした「売り方の変化」を起こせるように、マーケットや最終消費者のニーズに対する感度を高めることが重要で、マーケットインの発想を加速させるための事業部も新たに立ち上がりました。

――社をあげて挑戦する流れにあるということですね。

なにもしないことがリスクになりますからね。欧州では電気自動車へのシフトが明確で、数年後にディーゼル車乗入れを制限・禁止する地域も一部あります。そうした変化を前に、我々はどう対処していくべきかを考えなければいけません。それは自動車事業部だけの課題ではなく、アルミ事業部、蓄電池事業部、電力ビジネス事業部にも関連してくる話ですから、総合商社の強みを最大限に活かし、総合的に対処していく必要があります。

これからの時代、総合商社に求められる人材とは。

――そうした変化が求められる中で、次代の商社ビジネスを担う人材にはどのような力が求められますか。

大きく3つあります。ひとつは「常に世の中に広くアンテナを張り、情報収集する力」、もうひとつは「社会や市場変化を鋭敏にとらえ、課題を解決する方法は何かを見極める力」、そして最後が「さまざまな関係者と交渉し、案件をより価値のあるものに仕立ててゆく力」です。

――そうした力があれば、変化をチャンスに変えられますね。逆に、これからも変わらない部分はありますか。

どれだけ変化が求められても、根底に置く倫理観は変わらないと思います。目の前のお客さまの信頼を得られなければビジネスは継続しません。いつでも、どんなときでも謙虚な姿勢が大切で、裏表なく、正しいことを一貫してやり遂げる。自分にも、他人にも、嘘をつかない誠実さが求められるのは、この先も変わらないといえます。

――創業から大切にされている「三方よし」の精神ですね。

そうです。売り手・買い手・世間にとって良いビジネスとは何か?を考え続ける必要があります。さらに付け加えるとすると、多様性を受け入れることも大切です。経営の軸足をグローバルに置いていますから、地域や分野を超えた多様な人たちと関わることが基本となります。違いを受け入れ、尊重し、そこから生まれる「人」の可能性を活用し、成果を出すことが求められる。個人のパフォーマンスには限界がありますから、チームで仕事をする。仲間と共に相手の立場で仕事をする姿勢はこれからも変わりません。

――「ひとりの商人」が、多彩に揃うことが競争優位性なんですね。

言葉を選ばずにいえば、社内には動物園のようにいろいろな人がいます。本当に、にぎやかですよ。多様な声があるほうが、ビジネスのブレークスルーは生まれやすい。そういう意味で、人と交わらない、自分ひとりで判断するタイプだと、なかなか力を発揮できない組織風土といえるかもしれません。

――ほかに、こういうマインドを持っていたほうが力を発揮できるということはありますか?

失敗を恐れないで欲しいですね。チャレンジする人が評価される環境です。すぐに成果を求めることはありませんから、粘り強く、何度も、何度もトライして、成功する。もちろん成功しないこともありますが、失敗から学びどう起き上がるか、その先でいかに挑戦するかが賞賛されます。

自分がなにをやりたいかを、突き詰める。

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――最後に学生にメッセージをお願いできますか。

商社というと、昔ながらの旧態依然としたビジネスモデルを想像される方がいます。上下関係が厳しく、若手は苦労するといったイメージも。でも、これまでお話ししたように商社ビジネスも変化が求められています。私が考える総合商社の面白さとは、あらゆる業界のビジネスの種を見つけ、それを拡張することで社会発展に貢献できることです。その可能性は無限大だと考えています。他業界とは異なり、ソリューションの幅を限定するのではなく、世の中における課題を見つけたら見つけただけ、ご自身が社会に役立てるポイントがあります。皆さんの想像を超えた可能性が広がっているので、是非総合商社というフィールドにチャレンジしてほしいですね。

――いまの総合商社を知る、という観点ではインターネット上で多くの情報を得られる時代になりました。

そうですね。いまは採用メディアだけでなく、SNSで様々な情報に触れることもできるでしょう。それでも実際に足を運び、リアルな場で社員と会って、はじめてわかることがあります。それは商社のビジネスにも通じる部分ですが、現場に触れて、自分の目で確かめることが何よりも大切なのかな、と思いますね。

――インターネットで得られる情報収集で終わらずに、人と向き合い、肌で感じることは大切かもしれませんね。ほかにもありますか。

自分がなにをやりたいかを突き詰めてほしいです。リサーチをすごくされていて、この会社でなにができるかなど、よくご存知な方がいる一方で、自分がなにをしたいのかは、まだ見えていないという人も少なくない。そこを突き詰めると良いのではと思います。自分はどんな人間で、どんなことをしているときが幸せで、どんなことに力を入れていきたいのか。もちろん、考えた上で答えが見つからなくてもいいと思います。考えるプロセスが尊い。是非頑張ってください。

――本日はどうもありがとうございました。

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