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就活生が語る

就活は自分を見つめ直すチャンス。自分と向き合い続けて選んだ就職先。

銀行や化粧品などの日系大手数社から内定をもらったM・Oさん(21歳)。サークル活動に集中し、就活を始めてからは焦りを感じながらもベンチャーから大手まで広い視野で検討しながら、自分を模索していった。人、職、業界、様々な面から企業を分析、順調に選考は進んだものの、第1志望内定後に訪れた意外な展開。自分をもう一度見つめ直し、悩みに悩んだ就活ストーリーに迫る。

<プロフィール>
M.O. 男性
東京大学農学部
就職予定先:損害保険業界
内定企業:損保、銀行、化粧品
インターン参加社数:13社
OB/OG訪問人数:1名
ES提出社数:29社
面接社数:10社
内定社数:4社

徹底的に自己分析。焦りを感じながらも妥協しない就活

https://br-campus.jp/articles/report/801

「やりたい」より「やりたくない」を知るインターン

――秋冬は日系大手中心に、メーカー、保険、IT、インフラなど本当にいろんな業界を見られたんですね。

やりたいことを選んでいくより、やりたくないことを削っていって残った中で、最終的な決断をする方が後々気持ちがぶれたり、「やっぱりあの業界が……」といった後悔が起きないのではないかと考えて、ひとまず少しでも興味を持った業界も含めて、広く満遍なく見ようと動きました。その中では、実際に自分がその企業で働いている姿を想像することを常に意識し、“自分はどのような働き方をしたいのか”という点を徹底的に固めていきました。例えば、食品と仕事の中で関わるならば、経営の目線に立って関わるコンサル・上流から下流までを繋ぐ商社などではなく、商品に最も近い環境で働くことができるメーカーが自分のモチベーションを維持できる環境なのかな、みたいな。成果の出るスパンは短い方が誰かの役に立っている実感を得られ、自分自身のモチベーションの維持が容易であるとも思ったので、不動産も選択肢から外しました。

――まさに「やりたくない」ものを除外することで絞っていったんですね。秋冬インターンではどんな気づきがありましたか?

自分は、商品自体に大きな魅力があり、かつあって当たり前というよりかは人生をより幸せにするようなモノに携わりたいという想いがあることに気づきました。その中で、化粧品メーカーに強く惹かれていきました。インフラや食品などは生活に溶け込んでいるから有り難みを感じづらく笑顔を生み出しにくい、さらにはもし至らない点があればネガティブな意見をもらうことも多い、と考えました。それからは化粧品業界の日系大手3社を見て、その内2社はインターンに参加して積極的に社員の方と話しました。2社とも同じような質問をして、それに対する答えや話す雰囲気を見て、仕事に対する姿勢や商品に対する愛情や想いを聞く中で、そのうちの1社にビビッときて、こんな価値観を持っている人ってすごい、一緒に働いてみたいという思いが強くなり第1志望になりました。IT大手にも1社インターンに行ってみたら、面白くて社風も自分に合っていると感じたんですが、サービスが多岐にわたっている会社なので、どこに配属されるかわからず、自分が十分に魅力を感じていないようなサービスに関わることになるリスクを考えた時に、確実に自分の関わりたいものに関われるメーカーの方が、間違いなく自分のモチベーションを高めて働ける環境だと判断しました。

――夏のインターン時はESなど苦戦もありましたが、秋冬はどう対策しましたか?

どんな人から見てもわかりやすいESを目指して、同級生はもちろん、サークルがインカレだったので別の大学の人達や、父親や母親のような少し年齢が離れた人にも見てもらってどの層にもしっかり伝わるように、内容作りと文章構成作りにすごく時間をかけました。ESや面接以外は特に対策はしていません。ありのままの自分を出してそれを評価してもらえる会社に行きたいと思っていたので、変に意識しないようにしていました。面接対策ははサークルの同期と何度か集まって、お互いに面接官役と就活生役を交代しながら練習しました。面接官役をすることで、一度にどれくらいの回答をすればいいのか、どのような答え方をすると相手に伝わりやすいのか、など様々な学びを得ることができました。どうしても自分がアピールしたいことを長く話してしまう。それを面接官の立場になって聞くと、そういうことを聞きたいわけじゃないなぁと思うことがあって、あくまでも普段の会話の延長線上でアピールすることを心がける大切さを学びました。表情など細かなテクニックも大事だと考えていて、自分は割とジェスチャーや抑揚を意識していました。細かいですが熱を入れて話す時は身を乗り出して、想いが伝わるようにしました。面接官となって人を見ることで「こうした方が相手に興味を持ってもらえる」ということにも気づけましたね。

――採用する側の目線に立ってみることも大きな学びになりますね。「ガクチカ」はどんなことを話していましたか?

「ガクチカ」を書くにあたっては、成果はそんなに重要じゃなくて、自分の考え方とその後の行動の部分をわかりやすく伝えることが大事だと考え、その点を書くように意識していました。具体的にはサークルを引退する学園祭で50人のメンバーをまとめてショーを作る担当になった時の話をしていました。メンバーのモチベーションにばらつきがあってなかなか練習に人が集まらないという問題があって、その状況下で施策を考えて、見る人も踊る側も満足できる公演を作るために努力したという内容でした。ガクチカの結びの文章は提出先の企業によって少しずつ変えていました。一つのエピソードの中でも、課題分析力や行動力、集団を動かす力、多角的な視点が身についたことなど、自分の様々な面をアピールできるはずなので。その企業に最も知ってもらいたい面を強調していました。

――本選考で大変だった、難しかったことはありますか?

第1志望の企業に関してはインターンで評価を頂いて、いきなり最終面接でした。しかも内容が志望動機を聞かれず20年後の化粧品業界だったり会社のあり方について、なかばディスカッションのような面接が45分あって難しかったです。一応事前にメーカーなので専門的な質問もあるかもとデパートの一定のエリア、全てのブランドについてターゲット層やブランディングをまとめて、ドラッグストアや薬局にも足を運んでブランドごとに情報をまとめて、直前3日間は現状の海外展開や国内のシェアといった数字、10年後に描いているビジョンなども全て頭に入れて、どんな角度から質問がきてもある程度答えられるような状況を作っていました。それでも自分の考えを話すところまでは落とし込めていなくて、ある程度、近年の推移をチェックしていたから何とか答えられましたが、「ガクチカ」や志望理由ばかりを固めていった企業でもあったので、「完全武装」したつもりだったのに不意を突かれてすごく焦りました。

――準備するかしないかで対応できるかどうか変わってきますね。

そうですね。ただ、準備をするだけでは不十分で、面接中も常に頭を動かし続けることが大事だと感じました。実際に、面接開始から30分くらい経った時、これだけだと「ただディスカッションに来た若い学生で終わってしまう、どうにか自己PRも混ぜなきゃ」と気づきました。それで話に「ガクチカ」をなかば無理やりに、混ぜ込んで、そうしたら面接官の方が深掘りしてくださいました(笑)。でも最後に軽く志望順位を聞かれた時に、「第1志望なので他のところで内定をもらっても行きません」としか答えられず、前日考えた志望理由は全然話せませんでした。面接対策の中で大学院に進まない理由、メーカーを選んだ理由、化粧品業界を選んだ理由、外資より日系を選んだ理由、営業職を選んだ理由と細かくまとめていたので、「絶対大丈夫だ」と思っていたのに、これを全く言えず悔しかったのと、面接がちょうどそこで終わったので不安になりました。

悩みに悩んで選んだ就職先、一人では頑張れなかった就活

――その後、その企業から内定をもらって最終的に選んだのは別の企業でしたが、どんな心境の変化があったのでしょうか?

端的に言ってしまうと、自分の中で考えていたやりたいことや理想の働き方に自信を持てなくなてしまったことが大きいですね。冬のインターンの時期はまだ自己分析の真っ最中で、本選考が解禁になる3月ぐらいにようやく一段落しました。そして化粧品メーカーを第1志望に就活を続けて、4月の2週目に内定をもらいました。その数日後に損害保険会社のインターンがあったんですよ。参加するか悩みましたが、せっかくの機会だと感じて行ったんです。そうしたら思った以上に楽しくて、そこで果たして自分は何をしたいか、何を大事にしたいのか、もう一度考え直した方がいいと思うようになりました。それで4月中旬からもう一度自己分析を始めて、2月や3月の時点では考えていなかったような軸も考えだして、その結果もうちょっと就活を続けようと決めました。5月中旬にその損害保険会社から内定を頂きました。その時もまだ自己分析が不十分で、両社から内定を頂いた状態で1カ月ほど悩み、6月末になってようやく自分についての理解がある程度進んで、損害保険会社に行くのがいいと思って入社を決めたんです。

――年明けから損害保険会社を見始めて、インターンに参加したのは4月なんですね。

そうですね(笑)それまで損害保険自体にあまり興味を持てていなくて、冬のインターンに参加した同期から良かったという話を聞いて、見ずに就活をするのはもったいないし、興味がわいたのでインターンに申し込みました。部門配属型のインターンでIT部門に配属されて、それまで自分の中でITは裏で現場社員をアシストするイメージでしたが、インターンをする中で先頭に立ってどんどんお客様に価値を提供することができると初めて知って、衝撃を受けて「ITってこんなことできるんだ、面白いな」と思ったんです。社員の方の話を聞き、自分でも業界研究や企業研究を進める中で魅力とやりがいに共感もできたし、人の面も大きくて、IT部門で働いている先輩社員の方々と一緒に働けるなら楽しいだろうなと感じていました。 特に、学生に対しても対等に接してくださったことが印象的だったのと、休憩時間などで部門の方々の普段の様子を見て和気あいあいとしていたので、この環境は自分が求めているものとすごく近いなと思いました。

――2社から内定をもらったあと、1カ月間迷って、最終的な決め手になったことは何ですか?

大きな決め手があったというよりは、小さいものが積もり積もってという感じです。まず、先ほども話したような社内の人間の部分は大きかったです。また、配属リスクを考えた時に化粧品メーカーは全国転勤で、配属先の上司や同期と合わなかった時は自分にとって辛い状況になるだろうと考えました。その点損害保険会社は専門的な部署での内定だったのでそういった可能性も低かった。業務についても、イメージしているものと現実が違っても、営業よりもITの方が幅広い可能性があると感じるところがありました。自分のキャリアを考えた時に少しでも可能性の多い方を取ろうとも考えました。加えて損害保険会社はMBAや留学制度もしっかりしていて、資格を取って実力をつけて転職となれば可能性も増える。長い目で考えたら今は損害保険会社に入るのが賢明だと判断しました。

――本当に最後の最後まで悩まれたんですね。これから就活を始める学生に向けてアドバイスをお願いします!

僕は就活において仲間の存在が大きくて、サークルや学科、インターンで知り合った友達に本当に支えられました。孤独な戦いのようで「団体戦」なんだと何度も感じて、辛い時にその感情を共有できるのも悩みを相談できるのも、嬉しいことがあった時報告したくなるのも、同じような環境で戦っている同期で、何気ない会話を心の底から楽しめるのも同期。一緒にいたからこそ最後までやり抜けました。自分の将来について考える、自分を見つめ直す良い機会だと就活を前向きに捉えて、自分の人生に関わる大きな戦いだからこそ、周りの人との関係を大事にして、乗り越えていってほしいです。

――貴重な体験を共有していただきありがとうございました。就活生のためになるお話をたくさん伺えました!

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