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OB/OGが語る

BCGの女性コンサルタントが語る、二者択一ではない人生観

上位校学生に多大な人気を誇るコンサルティング業界。その中でも世界で圧倒的な影響力を持ち、社会全体にインパクトを与えるボストン コンサルティング グループ(以下BCG)は、学生だけでなく経営者や大学教授など数多くの著名人を輩出していることで有名です。今回は、母としてもBCGでキャリアウーマンとしても活躍する2名の女性にインタビュー。BCGでの仕事の面白さ、社会に与える影響力、ライフワークバランスなど、学生が気になることを取材しました。

<企業紹介>
ボストン コンサルティング グループ
1963年アメリカで創設された経営コンサルティングファーム。世界的に大きな影響力を持つ企業や団体、政府機関をクライアントとし、それぞれの成長戦略をサポートするだけでなく、教育や医療格差の是正、貧困問題、資源問題など、世界が抱える問題の解決にも力を注いでいる。また、ライフイベントと仕事の両立をはじめ、メンバーのパフォーマンスが最大化される環境づくりにおいても世界をリードする。

<人物紹介>
折茂美保(写真左)
プリンシパル
2005年新卒入社
コンサルタントとして4年の経験を重ねた後、留学制度を利用し2年間スタンフォード大学へMBA留学。現在は2人の育児をしながら、フレックスタイム制度を利用して勤務。

波多野陽子(写真右)
コンサルタント
2015年中途入社
大学を卒業後、国家公務員に。4年間、国の政策にも関与する大きなプロジェクトに参加した後、BCGに転職。2017年に第一子を授かり、産休・育休を経て復帰。現在はフレックスタイム制度を利用して勤務。

注:タイトル等の情報は2019年5月時点のものです

限界を知ることで、理想のバランスが見えてくる

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——— 本日はお忙しい中、ありがとうございます。早速ですが、おふたりの就職活動からお伺いできますか。

折茂:私はもともとBCGに入社する気はなかったんです。採用活動がスタートする時期が日系企業より早かったので、面接の練習をしようという軽い気持ちでエントリーしました。ところが知れば知るほど、この仕事は面白い。守秘義務の関係で表立って語られることが少ないコンサルティングの仕事をインターンシップで疑似体験したとき、社会に与えるインパクトの大きさに魅了されました。

波多野:私は国や世の中を良くしたいという思いから国家公務員を選んだのですが、4年間勤務する中で理想とのギャップを感じるようになったんです。国の政策にも関わるスケールの大きなプロジェクトにも携わりましたが、私はより現場の声を聴き、課題を抽出しながら、本質的な解決に繋がる仕事がしたいんだということに気づき始めました。そんなときBCGのコンサルタントに出会い、「社会に良いインパクトを与えたい」という熱い語りに共感。ヘルスケア領域を専門とされている方で、その領域から社会が抱えている課題を解決したいという、その志に感銘を受けました。

折茂:そのシチュエーションは想像がつきます。BCGの社員は、なかなか熱い人が多いですよね。私も就職活動で社員の方と直接会うまで、外資系のコンサルタントはドライで、個人プレーだという先入観を持っていましたが、まったく違いました。仲間意識が強くて、いい意味でおせっかい。議論に納得いくまでつきあってくれるし、青くさい志を照れることなく語りあえる。

波多野:そうなんです。共感できる人がいる職場なら大丈夫。自分の志を貫けるはずだと感じました。

———— 入社を決めたとき、周囲の方の反応はいかがでしたか? 世界的な影響力を持つコンサルティング会社と聞くと、ライフイベントとの両立なども難しそうな印象がありますよね。

折茂:新卒入社でしたので、社会経験もない人間がコンサルタントとしてしっかり付加価値が出せるのかという声や、インパクトが大きいぶん、仕事がハードではないかと心配する声はありましたね。

それでもBCGを選んだのは、自分の限界を知ることのできる仕事は非常に貴重だという考えからでした。限界を知らなければ、“ワーク”と“ライフ”の理想的なバランスもはかれません。まずは若いうちに限界まで挑戦したうえで、フレキシブルに働くスタイルにシフトできたらと思ったんです。

波多野:分かります。若いうちに、やり切った実感がないと、働く上で何かを選択しなければならなくなったときに悔いが残りますよね。

——— いまは、どんなお仕事をされているんですか?ポジションが違うと内容もかなり変わると思いますが。

折茂:私はプリンシパルなので、案件のプロジェクトマネジメントだけでなく、BCG全体の活動にも関与するポジションです。プロジェクトの管理、顧客開拓をはじめ、人材育成や日本法人で得た知見をグローバルオフィスに展開するといったことも担っています。

ほかには個人によって違いがありますが、私の場合はSIPA(Social Impact Practice Area)の日本リーダーとして、社会課題を解決するような活動を推進しています。今手掛けているものの一つは、BCGが提唱している、「Total Societal Impact(TSI):企業が本業を通して社会に貢献することで、業績向上にも繋がる」というコンセプトを世の中に浸透させていく活動です。たとえば、アパレルメーカーが、原料が取れる環境や生産過程における雇用環境等に対してより配慮をするようになることで、投資家の評価や消費者の支持も良い方向へ変わってくるといったもの。“SDGs経営”や“ESG投資”といった言葉を目にされることが多くなってきたかと思いますが、持続可能な社会をつくるうえで重要なコンセプトだと思います。

波多野:折茂さんはほかにも、経済産業省と協働している「未来の教室」のプロジェクトで、これから世の中に必要な教育のあり方を提言するための事業も担っていますよね。お子さんがいるママという共通項もあって、折茂さんの活動はとても刺激になります。

一方で私は、入社後は様々な業界やテーマを経験しましたが、直近では製造業界とTMT(ハイテク・メディア・通信)のプロジェクトを担当することが多いです。コンサルタントはキャリアを重ねていくうちに少しずつ専門性を養っていくのですが、私はこれらの業界にシフトしていきそうだなと感じています。 いま担当しているのは、あるクライアントの全社的な構造改革です。成長戦略を阻害する課題を分析し、改善の手を打っていく。業界のリーディングカンパニーであるそのクライアントが変わると、業界そのものへも変化を起こします。自社の経営のみならず業界全体についても考えているような方々と対峙する仕事は、非常に難易度は高いですが、インパクトが大きく成果の広がりを感じることができますね。

仕事か育児の二者択一ではなく、どのように折り合いをつけるか

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——— おふたりともスケールの大きな仕事をされていますが、お子さんを授かったときに仕事を続けることへの迷いや、キャリアが分断されることへの葛藤などはありませんでしたか?

折茂:そもそも仕事を辞めることはまったく考えませんでした。職場にもワーキングマザーがたくさんいますし、多様なキャリアパスが受け入れられているので、続けること自体の不安はありませんでしたね。 出産前はすぐ復帰し仕事に今まで通りフルコミットメントするつもりでしたが、生まれてみたら子どもが圧倒的に可愛いくて(笑)。いまは子どもたちの成長を最大限見守りたいという気持ちも大切にしながら、仕事とのバランスを図っています。

波多野:私も復帰する前提で考えていました。BCGにはいろいろなスタイルで家庭と仕事を両立している先輩がいたので、どんなスタイルで復帰するかは子どもが実際に生まれてからでないとわからないけれど、何らかの形で自分も両立していけるのではないかと考えていました。 しかし復帰に向けては、保育園が決まっても子どもが暫く哺乳瓶を受け付けないなど、自分や会社側ではコントロールできないところでの大変なこともあり、それも含めてどのような働き方で復帰できるかを復帰前からオフィスとも相談をしました。その上で、ある程度クライアントとのミーティングにも出席できて仕事の充実感を得られ、かつ子どもへの負担も少ないであろう今の勤務時間を選択しました。

折茂:私の場合も、自分として納得のいく仕事ができ、且つ子どもとも向き合える自分なりのバランスを探りながらの復帰でしたが、BCGにはその想いを受け入れてくれる環境があり、大変助けられました。また、”働く時間”という意味では出産前よりも短くなりましたが、逆に、限られた時間で成果を最大化させるためにどう働く必要があるか、ということをより真剣に考えるようになったため、以前よりも仕事の生産性は大分上がったという実感があります。

いずれにしても、どのように子どもに向き合い、どのように仕事に向き合うかは人それぞれ。仕事か育児の二者択一ではないと思います。

波多野:本当におっしゃる通りですね。ライフイベントを通じて、自分の気持ちや考えの変化は予測できませんが、自分が何をしたいのか、その時々で考え抜けば、後悔はないと信じています。

社会に与えるインパクトを追求したい

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————変化についてお話がありましたが、これまでのキャリアの中で仕事観に変化はありましたか?

折茂:大きな変化があったのは、会社の留学制度を利用し2年間スタンフォード大学へMBA留学した時です。プログラムの一環で西アフリカのトーゴ、ガーナに2ヶ月間滞在した際、1日1ドル以下で生活している人々に出会い、この人たちのために何かしたいという強い想いが生まれました。自分が世界に与えたいインパクトというのは規模や金額ではかるものではなく、目の前にいる人に確実な変化をもたらすことや人生に影響を及ぼすことだと気づきました。たとえば1ドルの生活が2ドルになれば、その地域の子供たちは小学校だけでなく、中学校に進学できる。そういった、一人ひとりの生活や人生にインパクトを与える仕事がしたいと思うようになりました。

波多野:私も同じことを感じています。前職で感じたギャップを埋めるために BCGに入社しましたが、志を貫くことのできる環境を手に入れた実感があるからこそ、納得できる仕事がしたいという想いは強くあります。今自分がしていることが、本当に目の前の人のためになっているのか、貢献できているのか。小さなことの積み重ねでもあるのですが、BCGではそれを純粋に考えることが当たり前であり、自分たちが納得のいくものを作り上げている実感があります。

——— その想いをさらに体現するために、今後どのようなキャリアを描かれているのでしょうか?

折茂:どこかでチャンスがあれば起業したいという気持ちはぼんやりありますが、今はBCGでの仕事が楽しく、やりがいもあるので続けたいと思っています。

波多野:私は、恵まれたこの環境に見合う実力をつけることが先決だと感じています。

———ありがとうございます。それでは最後に、ご経験をふまえ人生の先輩として就職活動中の学生にメッセージをお願いできますか?

折茂:いま就職先について悩んでいる方もたくさんいると思いますが、そもそも悩めることは幸せなこと。そのチャンスを手にできない人が世界にはたくさんいるので、いまの状況をつくってくれた環境やご家族に感謝しつつ、選択した仕事でどのように社会に還元できるか、ということまで想いを巡らせてほしいと思います。

波多野:新卒は可能性が無限です。まっさらだからこそ、いろいろな人に会ってほしいですし、いまの状況を楽しんでほしい。選択肢が多いことは、迷いますし、決断することは難しいことでもありますが、その時点でどれがベストかという解はありません。考えて、考えて、これだと決めて選んだ道ならば正解。悩み抜いて悔いのない選択をしてください。

———本日はお忙しい中、ありがとうございました!BCGのワーキングマザー同士での対談は、非常に貴重な時間となりました。お二人の今後のご活躍を心からお祈りしております!
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