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就活生が語る

就活モチベ皆無で国外逃亡。一年後に見つけた、自分だけの選択-私の就活 vol.2

履歴書に並ぶ華やかな経歴、受けた企業は軒並み内定…。そんな就活生を、人は「就活強者」と呼びます。彼らがフォーカスされる機会は数多くあれど、どこか自分とは違う世界の話のように聞こえてしまう。そこで本連載では、あえて、ごく普通~の大学生の就活体験記を集めました。すると、「就活無双じゃなくても、就活した人の数だけ、大切なストーリーがある」 ということが見えてきました。一足先に就活を終えた先輩の、等身大のお話を聞いてみましょう。

大学生活のハイライトは「優等生からの卒業」

――本日はどうぞよろしくお願いいたします!

小田さん:初めまして、早稲田大学文化構想学部5年の小田愛莉と申します。今日は就活の話をしてほしいとのことだったのですが、、、なんで私?(笑)
実は私、本当は2017卒の学年で、最初に就活を意識したのは今から2年前の、3年生の終わりごろでした。色々あって2018卒になったのですが、就活を控える皆さんのお役に立てるような話ができるか...
ま、少しでも参考になるお話ができたらと思います。本日はよろしくお願いいたします。

――早速気になるお話が出てきましたが、まずは簡単にどんな学生生活を送ってきたか教えてください。

小田さん:私の大学時代のハイライトは、「優等生からの卒業」です。
高校までの私は、言い表すなら「身内に誇れる自慢の子供」とでも言えるような子で、とにかくまじめな優等生でした。
早稲田大学の教育学部理科専攻に入学して、1年生の時は周りの大学生と同じようにテニサーに入ったり、大学2年では教育系のNPOに入って、東京で様々な困難を抱える子供に勉強を教えるボランティアをしたりしていました。

――あれ、冒頭で文化構想学部と言ってませんでしたか?

小田さん:はい、私は初めは教育学部の理系に入ったのですが、1年生の終わりのタイミングで転部をしています。
理系のほうがかっこいい&将来の選択肢が広そうという理由で理系の道を目指したのですが、入学して間もなく、このまま理系で進んでいっても情熱を持ち続けられるかわからなくなってしまいました。一方で、人文学とか教育学に強く心惹かれるものがあって、思い切って今の文化構想学部に転部しました。

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――転部しているんですね。転部してどのような変化がありましたか?

小田さん:理系の学部の時はできなかったけれど、かねてから興味があった教育系のNPOに入りました。
これにもきっかけがあって、「教育方法研究」という授業でフィンランドの教育の様子を紹介したビデオを見る機会があったのですが、それが衝撃的で。そこで行われていた教育は、今までの自分の価値観の真逆をいっていました。

――それはどういう価値観だったのですか?

小田さん:簡単に説明すると、フィンランドは子どもが子どもらしくあることを大事にしているようで、いわゆる“学力”だけを重視するのではなく、子どもの価値をはかる様々な指標がありました。また、勉強も暗記中心ではなく、思考力や発想力などが重視されていて、わくわくするような授業が展開されていました。
大学まで優等生として生きてきた私は、“勉強ができることこそ正義”だと思ってただひたむきに勉強してきたのですが、その価値観が大きく揺さぶられました。それから、「本当の教育とは何か」ということに強く興味を持つようになりました。

――なるほど。それがNPOに入ったことにつながるんですね。

小田さん:はい。そのタイミングで「Teach for Japan」という団体に出会ったんです。この団体の「生まれながらの教育格差」にアプローチしていく姿がかっこいいと思い、ぜひ関わりたいと思うようになりました。
そうして転部して間もなく、この関連組織である「Learning for All」という団体に関わるようになりました。2年生の一年間はほとんどそれに費やして、その年は12単位程度しか取れていません。笑

就活モチベ皆無でインドネシアに逃亡

――ありがとうございます。ではここから本題です。就職活動はどのように進めましたか?

小田さん:先ほどもお話した通り、最初は2017年卒業予定の学生として、3年生の1月くらいから就活を始めました。
当時の私はというと、本当に何も知らない無知な女子だったんですね。会社の名前も全然知らなかったし、5大商社すら知りませんでした。
まさに手探りの状態で、仲が良かった一つ学年の上の友達に色々な情報をもらいながら、企業の採用ページを見てみたりはしていたのですが、当時の私のモチベーションはというと、「働きたくない」「興味がない」といった感じで。(笑)

――ずいぶんと消極的だったんですね。

小田さん:そうですね。周りの人がOB訪問などを通して着々と準備を進めている一方、私は大人に会うのもめっちゃ怖かったんです。わからないことが多すぎたし、自分の思考が醸成されていない状態で社会人に会って時間を頂くのが失礼だと感じていました。だからと言って、自分で調べたり説明会に行くというモチベーションも本当に湧かなくて、、
それで、ほとんど選考なども経験しないまま、インドネシアに逃亡しました。(笑)

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――ん?インドネシアに逃亡?唐突すぎません?(笑)

小田さん:実は就活を始める一方で、インドネシアで日本語教師として働くプログラムに申し込んでいたんです。それの合格が決まったので、思い切って一年間休学をして、インドネシアに行くことにしました。

――そうだったんですか。でも、なぜインドネシアを選んだんですか?

小田さん:もともと友達がインドネシアのNPOで活動していた繋がりで、私もインドネシアに遊びに行ったり、インドネシア語を勉強してみたりしていてインドネシアが好きだったんです。それと、周りに海外留学に行く人が多く、自分も行きたいなと思っていたというのもあり、まあそんな感じで、全部ぶっ飛ばしてインドネシアに行きました。

――だんだん本格的に優等生から外れてきましたね。(笑) それで、インドネシアではどんなことをされていたんですか?

小田さん:現地の高校で日本語の授業を担当していました。これも決して楽な仕事ではなくって。人生で初めて、大きな壁にぶつかりました。
その大きな壁とは、「文化の違い」です。私にとっては理解できないことが本当にたくさんありました。この国では当たり前なんだけど、自分の価値観とは相いれないという経験が多々あって、ものすごくストレスが溜まっていったんです。現地の文化が理解できないので、当然授業もうまくいかない。このままではストレスで死んでしまうなと思いました。

――それはたしかにストレスフルですね…。どうやって乗り越えたんですか?

小田さんとにかく何でも気になったら聞くようにしました。自分の想像力の範囲ではどうしても理解できないことを、一つ一つズケズケと聞いていくようにしたんです。

――思いきりましたね。たとえば、どんな風に?

小田さん:土足で椅子の上に足を乗せている先生がいたら、

私「なんで靴のまま足を椅子に乗せるのですか?」
先生「なぜなら私は疲れているからです。」
私「だけど土足は椅子が汚れるので、靴を脱いではいかがですか。」
先生「そうですね、ごめんなさい。でもここには(椅子を)掃除する人がいますよ。」

という感じです。
こうしたやり取りを通して、日本人としての常識的な価値観では悪く見えることも、こちらにはこちらなりの理由や背景があることがわかり、納得できるようになりました。

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このレベルのことから少しずつ対話して、溝を埋めていくようにしました。幸いそういう質問にも鬱陶しがらずちゃんと答えてくれたので、次第に良い関係を築いていくことができました。

――それは良かった!

小田さん:はい。しかも、先生との関係が改善されたことにより、良い授業ができるようになって、最終的には視察に来た日本語教師派遣プログラムの上司から、「この授業を撮ったビデオを来年の研修の資料として使いたい!」とお褒めの言葉を頂くことができました。生徒にとっても良い授業ができ、インドネシアの先生にとっても日本人上司に褒められる、両者にとって最高の機会となり、私も嬉しかったです。
ここでの経験は、私にとっては大きな財産になっています。

あ、この文化の壁を越えた経験は、よく就活でも話していましたね。就活エピソードとしてとてもきれいな構図だしわかりやすいと思ったので。

一年越しに見つけた、自分のやりたい仕事

――なるほど。就活についてはどうですか?1年間インドネシアでどのようなことを考えていたのでしょう?

小田さん:インドネシアでも「働きたくないな~」という気持ちは変わりませんでした。(笑) でも、さすがにもう一年休学するという選択肢はなかったので、帰国のタイムリミットが迫った頃から能動的に動き始めました。

その頃に、大学2年の頃に知ったある人物のことを思い出しました。それは、「ワークライフバランス」という言葉を広めた、小室淑恵さんという方です。働き方改革が最近になってようやく注目されるようになってきましたが、これを10年以上前から思索し提唱されてきた方です。当時この方の記事を読んで、“働く”という当たり前は変えられる。働き方はどんどん変わっているんだということを知りました。
「こんなにかっこよくて素敵な大人がいたんだ!」と感動し、最初に就活を始めたときは、小室さんの会社なら働きたいと思ったのですが、残念なことに新卒採用をやっていなかったんですよね。それで当時は諦めていたのですが、改めて小室さんの著書を読んで、たとえ違う会社であっても、やっぱりこの人と同じ方向を目指して私も働きたいなと思うようになりました。

――そこからは具体的にどう動いていきましたか?

小田さん:まず、小室さんと近い価値観を持っている人を探しました。小室さんのfacebookの投稿を遡ったり、記事を読んだりして、情報収集をし始めました。(笑)
その中で、小室さんと某IT企業S社の社長の方との対談記事を見つけたのですが、その記事でS社の社長さんが話していることがすごく共感できる内容で、企業のことも調べてみると自分の関心ととてもあっていたんです。調べるたびに好きになっていき、次第にその企業を志望するようになりました。

――なるほど。社長さんのビジョンに共感したんですね。

小田さん:はい。この企業は、働き方改革を推進するITサービスを提供していて、社内でも多様な働き方を実践しています。
これは私が持っていた重要な就活の軸の一つである「気仙沼のじいちゃんばあちゃんの家に年2回は帰る」という条件にも合致していました。
今は毎年3,4回はじいちゃんばあちゃんの家に行っていて恒例行事みたいになっているのですが、じいちゃんばあちゃんも年老いるにつれて、私が来ることがますます人生の楽しみのように思ってくれていて。社会人になったからと言ってこの習慣は絶対に辞めたくないなと思っていました。
まあそんな感じで、ついに行きたいと思える企業を見つけることができました。

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――それは良い企業の探し方ですね!

小田さん:はい、この企業の探し方は自分にとってベストな方法だったと思っています。類は友を呼ぶじゃないですが、自分がいいなと思う人と仲がいい人は、だいたい方向性が似ていたりするので、芋づる式に自分の知らなかった魅力的な人や企業が見つかっていきました。

その後、ビズリーチ・キャンパスさんを使わせてもらって何人かその会社の社員さんとインドネシアからスカイプでお話をしたりして、どんどんイメージを膨らませていきました。 そうして帰国後、その会社を受けることにしました。

いよいよ選考。結果は・・・

――インドネシアの一年を経て、働く目的のようなものが見つかったんですね。

小田さん:はい、やっと。(笑) 帰国後はいくつか他の企業の選考も進めて面接の練習もしつつ、ついにその会社の選考の時がやってきました。その頃には、友達に会社の良さを語りすぎて引かれるくらいで、ホームページに書かれている内容はほぼ暗記してるレベルで選考に臨みました。
私はとても楽観的なので、「こんなにも私の思いと会社の理念が一致してるんだから、まあ受かるっしょ。」と思っていたのですが、、、

落ちました。最終面接の手前で。
自信もあったし、気持ちも入っていたので、ショックでした。

――そうだったんですか…それはつらかったですね…

まあ号泣でしたね。その日のことは鮮明に覚えています。その日、たまたま友達のシェアハウスに遊びに行くことになっていたのですが、そんな元気はあるはずもなく、最初は断りました。だけどそれでも来てくれと言われたので、行くことにしました。

シェアハウスでは、親しい友人たちが励ましてくれたのですが、やっぱりワイワイする雰囲気にはなり切れず、、、就活の話題が出たときにワッとこみあげてきて、その場にいられなくなって玄関のところで一人で泣いていたんです。
そしたら、そのシェアハウスに住んでいた唯一の社会人のNさんという人が声をかけてくれて、話を聞いてくれたんです。
その人は人材系の企業に勤めていて、
「もう行きたい会社なんて絶対見つからないです!!!」とわめく私に対し、
「あなた、世の中にいくつ企業があるか知ってる? 35億。」と。
それは冗談ですが、「他にも魅力的な企業なんてごまんとあるよ!」
と言ってくださいました。

それでNさんからオススメの企業をいくつか教えてもらったのですが、その企業を見てみると、いい企業がいっぱいあったんですね。自分が知らないだけで、素敵な会社ってたくさんあるんだなあとこの時改めて思いました。

――思わぬところに良い出会いが転がっていましたね。

小田さん:そうですね。その後、Nさんが紹介してくれた中からある企業に面接を申し込んで、それから5日で内定をもらうことができました。
テレワークを通して多様な働き方を推進している企業で、自分の関心や就活の軸とも合致していました。
自分のこともとても評価してくれたので、他にもいくつか見ていましたが、ここに決めました。

これが私の就活の一部始終です。

決断。あとは正解にする努力をするだけ

――波乱万丈なストーリー、ありがとうございました。最後に、この記事を読んでいる方に一言お願いします。

小田さん:そうですね、、、就活のアドバイスとかは本当に無くて。私自身、一般的な就活をしてきたわけではないですし。就職活動って、めっちゃ個人差あるじゃないですか。

――個人差って?

小田さん:人によって全然違いますよね。その人によって、大事にしていることとか、興味のあることとか、得意なこととか、、、就職活動に正解もくそもないじゃないですか。だから、みんなに向けたアドバイスは難しいなと思っています。

――なるほど。たしかにそうですね。

小田さん:ええ。私も縁があって素敵な企業に巡り合うことができましたが、正直怖いです。納得して選んだ就職先ですが、不安が全くないわけではありません。言語化が難しいですが、いろいろな考えが頭をめぐってざわざわしているというか、、、
周りの友達を見ていても、様々な理由ですでに一年で辞める決断をしている人もいるし、果たして自分に勤まるのか、本当はとっても緊張しています。
だけど、あとは正解に近づけていくしかないなと。せっかく働くんだから、その努力はしたいと思っています
まあ、自分の人生、色んな人に支えられながらなんだかんだ上手くいってきた自負があるので、きっとこれからも上手くいくと信じて、頑張りたいと思っています。

冒頭に、「優等生からの卒業」が私の大学生活のハイライトだったと言いましたが、私の就活は優等生なものではなかったかもしれません。だけど、「こういう就活をする人もいるんだ。」という、新たな気づきというか、皆さんにとってのサンプルの一つになればいいなと思っています。
これから就活を迎える皆さんに何かの「きっかけ」を与えられていたりしていたら嬉しいです。

――貴重なお話ありがとうございました!

取材:中野はな・秦正顕
編集:秦正顕

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