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業界研究

【業界研究】鉄鋼業界とは|鉄鋼メーカーの将来性や仕事内容、向いている人の特徴を徹底解説! | ビズリーチ・キャンパス

鉄鋼業界は、自動車や建設、エネルギーインフラなど、社会の根幹を支える基幹産業です。 技術革新やグローバル競争が進む中、各企業は高付加価値化や脱炭素化への対応を急速に進めています。 今回の記事では、鉄鋼業界の構造的特徴、主要な職種・業務内容、今後の成長領域や将来性などについて解説します。

目次

鉄鋼業界とは?

鉄鋼業界は、鉄鉱石などの資源を原料とし、鉄や鋼を生産・加工する基幹産業です。
製造された鋼材は、自動車、建設、造船、家電、インフラといった広範な分野で活用され、産業全体を支える役割を担っています。国内では日本製鉄、JFEスチール、神戸製鋼所など大手メーカーが存在感を示しており、グローバル市場でも競争を繰り広げています。
近年は脱炭素社会への移行や資源制約への対応が課題となり、技術革新力やサステナビリティへの意識が求められる局面にあります。

鉄鋼業界のメーカー分類

鉄鋼メーカーは大きく「高炉メーカー」「電炉メーカー」「特殊鋼メーカー」に分類されます。
高炉メーカーは鉄鉱石から一貫生産を行う大規模企業群、電炉メーカーは主にスクラップ鉄を原料とする環境負荷の低い製造を担います。特殊鋼メーカーは、耐久性や耐食性に優れた高機能素材を供給し、ニッチな産業需要に応えています。
それぞれで、事業構造や求められる人材像が異なります。

高炉メーカー

高炉メーカーは、鉄鉱石や石炭(コークス)を原料に、高炉を用いて鉄を製造する大規模な一貫生産企業群です。原料調達から製鋼、圧延、加工までを一手に担うため、巨大な生産設備と高度なオペレーション技術が求められます。
大量生産によるコスト競争力が強みで、自動車、建設、造船など幅広い産業に汎用鋼材を供給しています。一方、CO₂排出量が多いため、脱炭素技術の開発が喫緊の課題となっています。
代表的な企業には、日本製鉄、JFEスチール、神戸製鋼所があり、いずれもグローバル展開を積極的に進めています。ビジネススケールの大きさや、産業インフラを支える社会的意義に魅力を感じる学生に適したフィールドです。

電炉メーカー

電炉メーカーは、鉄スクラップを主原料に電気炉で鉄を再生・精錬する企業群です。
高炉メーカーに比べて初期投資や設備規模が小さく、CO₂排出量も抑えられるため、環境負荷の低減に貢献する製造方式として注目されています。主に建設用鋼材や特殊用途向け鋼材を供給しており、需要の変動に柔軟に対応できる生産体制が強みです。
代表的な企業には東京製鐵、大和工業、合同製鐵などがあり、それぞれ独自の技術開発や海外展開も進めています。循環型社会を支えるビジネスモデルに魅力を感じる学生や、機動力ある組織で成長したい志向を持つ人にとって、電炉メーカーは有力な選択肢となるでしょう。

特殊鋼メーカー

特殊鋼メーカーは、耐熱性、耐摩耗性、耐食性など、特定の機能に優れた高付加価値鋼材を製造する企業群です。
航空機、自動車、発電プラント、精密機械など、厳しい品質要求を伴う分野で使用される素材を供給しており、高度な材料設計力と製造技術が競争力の源泉となります。標準鋼材に比べて生産量は少ないものの、付加価値が高く、ニッチ市場での優位性を発揮しています。
代表的な企業には、日立金属、愛知製鋼、山陽特殊製鋼などがあり、それぞれ特定分野に強みを持った事業展開を行っています。専門性を深め、技術力を武器にグローバルなフィールドで活躍したい学生に適した業界です。

鉄鋼メーカーの動向と将来性

鉄鋼業界は、世界的なインフラ需要の高まりを受けて市場規模が拡大する一方、国内市場の縮小や国際競争の激化といった構造変化に直面しています。さらに、脱炭素化への対応や企業再編の加速といった新たな課題も浮上しています。
こうしたなか、各社は戦略転換を迫られており、さまざまな動向が見られます。

①鉄鋼業界の市場規模は拡大

鉄鋼業界は、世界的なインフラ需要の増加や新興国の経済成長を背景に、市場規模が拡大傾向にあります。特に都市化の進展や自動車・建設分野での鉄鋼需要の伸長が追い風となっており、鉄鋼製品の安定供給はグローバル経済に不可欠な要素となっています。
一方で、日本国内では人口減少や産業構造の変化により需要が鈍化する兆しも見られます。こうした環境下、鉄鋼メーカー各社は、海外市場への進出や高付加価値領域へのシフトを加速させ、市場拡大の波に乗るべく競争力強化を図っています。世界規模での成長機会が期待される点は、鉄鋼業界の大きな魅力の一つです。

②国内需要の縮小と海外進出

国内の鉄鋼需要は、人口減少や産業構造の変化により縮小傾向にあります。特に建設や製造業の国内投資が減少し、鉄鋼製品の需要が減少しています。
これに対応するため、鉄鋼メーカーは海外市場への進出を加速させています。新興国の経済成長やインフラ需要の増加を背景に、現地生産拠点の設立や提携を進め、グローバルな供給体制を構築しています。
今後も、国内市場の縮小を補うべく、海外展開の強化が重要な戦略となるでしょう。

③中国メーカーとの競争の激化

中国の鉄鋼メーカーは、国内需要の減少や過剰生産能力の問題に直面し、価格競争力を維持するために輸出を拡大しています。これにより、世界市場における低価格鋼材の供給が増加し、国際的な競争が激化しています。特に、日本の鉄鋼メーカーは、高品質な製品や技術力を武器に差別化を図る必要があります。
今後も、中国メーカーとの競争は続くと予想され、グローバルな視点での戦略的な対応が求められるでしょう。

④脱炭素化に向けた対策

鉄鋼業界は、製造プロセスにおけるCO₂排出量の多さから、脱炭素化が急務となっています。特に高炉法では、鉄鉱石の還元に石炭を使用するため、大量のCO₂が発生します。これに対し、電炉法は鉄スクラップを主原料とし、再生可能エネルギーを活用することで、CO₂排出を大幅に削減できる可能性があります。
現在、鉄鋼メーカー各社は、水素還元技術の開発やCCUS(CO₂の回収・利用・貯留)技術の導入、再生可能エネルギーの活用など、多角的なアプローチで脱炭素化を進めています。これらの取り組みは、2030年までにCO₂排出量を大幅に削減し、2050年のカーボンニュートラル達成を目指す長期戦略の一環です。
今後、脱炭素化技術の進展や政策支援の強化により、鉄鋼業界は持続可能な成長を遂げることが期待されます。環境意識の高い企業でのキャリアを志向する学生にとって、鉄鋼業界は注目すべきフィールドといえるでしょう。

⑤M&Aの進展

鉄鋼業界では近年、企業の競争力強化や市場環境の変化に対応するため、M&A(合併・買収)が活発に行われています。特に、国内市場の縮小やグローバル競争の激化を背景に、企業規模の拡大や技術力の強化を目的とした再編が進んでいます。
例えば、日本製鉄による日新製鋼の完全子会社化は、特殊鋼分野での競争力向上を狙ったものです。また、共英製鋼がベトナムの鉄鋼メーカーを買収するなど、海外市場への進出を目的としたM&Aも増加しています。
今後も、環境対応技術の取得や高付加価値製品の供給体制強化を目的としたM&Aが進展すると予想され、業界全体の再編が加速するでしょう。

鉄鋼業界の職種別の仕事内容

鉄鋼業界では、基幹素材の安定供給を支えるために、技術革新から生産管理、資材調達、営業活動、事務サポートに至るまで、多様な職種が存在します。
研究・開発や生産・製造管理といったモノづくりに直結する領域から、営業や調達、事務といったビジネスを支える領域まで、幅広い役割が求められています。
それぞれの職種について、詳しく見ていきましょう。

研究・開発

鉄鋼メーカーの研究・開発職は、新素材の開発や既存製品の性能向上、製造プロセスの効率化に取り組む役割を担います。例えば、軽量・高強度な鋼材の開発や、耐食性・耐熱性を向上させた特殊鋼の研究などが挙げられます。
また、近年では脱炭素化に向けた水素還元製鉄技術の研究開発も重要テーマとなっています。材料工学、機械工学、化学など理系分野の専門知識が求められる一方で、社会課題への応用を見据えた発想力や長期的視野も重視される職種です。

生産・製造管理

生産・製造管理職は、鉄鋼製品の安定供給を実現するために、製造現場の工程設計、進捗管理、品質管理、安全管理などを統括しています。
製鉄所や圧延工場といった大規模な生産設備を最適に稼働させるため、各部署との連携や現場改善活動(カイゼン)を推進する役割も重要です。また、コスト削減や省エネルギー推進といった経営視点も求められるポジションです。
理系知識に加え、チームマネジメント力や現場適応力が問われる職種といえるでしょう。

調達

調達職は、鉄鉱石や石炭、鉄スクラップといった原材料、さらには設備部品や副資材など、鉄鋼製造に必要な資源を適切なコストとタイミングで確保する役割を担います。
世界各国の資源企業や商社との交渉を通じて、長期的な安定調達やコスト競争力の確保を図る点が特徴です。国際取引が多く、経済動向や為替リスクも踏まえた戦略的判断が求められます。
語学力や交渉力、グローバルな視野を持つ学生に特に適した職種といえるでしょう。

営業

鉄鋼メーカーの営業職は、自動車、建設、機械、造船など幅広い業界の顧客に対し、最適な鋼材製品を提案・販売する役割を担います。単なる受注活動にとどまらず、顧客のニーズを正確に把握し、製品仕様の調整や新規開発提案を行うなど、技術部門と連携しながら課題解決型の営業活動を展開します。
価格交渉力やマーケット感覚に加え、長期的な信頼関係を築く対人スキルが求められるポジションです。産業全体を支える実感が得られる点も大きな魅力でしょう。

事務

鉄鋼メーカーの事務職は、総務、人事、経理、法務、経営企画など、企業運営を支える幅広いバックオフィス業務を担当します。
例えば、人事では採用・労務管理、経理では財務会計や原価管理、法務では契約審査やコンプライアンス対応を行います。グローバル展開を進める企業が多いため、海外拠点支援や国際法務対応などを担うケースもあります。
組織運営の根幹を支える役割を果たしたい学生や、多角的な視点でビジネスに関わりたい学生に適した職種です。

鉄鋼業界に向いている人

鉄鋼業界では、国際的な舞台で活躍したい志向や、産業の根幹を支えるモノづくりへの情熱が求められます。また、巨大なプロジェクトを動かすためのチームワーク力やリーダーシップ、困難な課題にも粘り強く挑む姿勢も重視されます。
こうした志向や性格傾向を持つ人は、特に鉄鋼業界で力を発揮しやすいでしょう。次に、具体的な特徴について詳しく見ていきます。

①グローバルな仕事に挑戦したい人

鉄鋼業界は、世界中のインフラや産業を支える基幹素材を供給する産業であり、国際市場との関わりが不可欠です。国内市場の縮小に対応するため、海外への生産拠点展開や輸出拡大を積極的に進める企業も多く、若手社員にも海外赴任やグローバルプロジェクトへの参画のチャンスが豊富にあります。
異文化理解力や柔軟な思考を持ち、国際的な環境で自らの可能性を広げたい人にとって、鉄鋼業界は大きな成長機会を提供してくれるフィールドといえるでしょう。

②世界のモノづくりを支えたい人

鉄鋼は、自動車、建設、エネルギー、機械といった幅広い産業に不可欠な素材であり、世界経済を根本から支える存在です。鉄鋼業界で働くことは、こうしたグローバルなモノづくりを陰で支える社会的意義の大きな仕事に携わることを意味します。
自らが供給した製品が、世界中の都市やインフラを形作る一助となることに誇りを持てる人にとって、鉄鋼業界は非常に魅力的なフィールドです。社会貢献性を重視する学生にも適しています。

③チームワークができてリーダーシップを持てる人

鉄鋼業界の現場では、原料調達から製造、販売まで、多くの部門と密接に連携しながら業務を進める必要があります。巨大な製鉄所や生産ラインを動かすには、個人の力だけでなく、チーム全体の協力が不可欠です。そのため、周囲と円滑にコミュニケーションを取り、状況に応じてリーダーシップを発揮できる人材が強く求められます。
多様な関係者を巻き込みながら課題を解決していく力は、鉄鋼業界でキャリアを築くうえで大きな武器となるでしょう。

④困難な課題解決に挑戦出来る人

鉄鋼業界は、脱炭素化への対応、グローバル競争の激化、資源制約など、複雑で困難な課題に直面しています。技術革新や新たなビジネスモデルの創出が求められるなか、前例のない問題に粘り強く取り組む姿勢が重要です。失敗を恐れず、試行錯誤を重ねながら最適解を導き出せる人材は、鉄鋼業界の変革期において特に高く評価されます。
困難に挑むことを成長の機会と捉えられる学生にとって、鉄鋼業界は挑戦しがいのあるフィールドでしょう。

鉄鋼業界の大手5社

以下は、日本の鉄鋼業界を代表する5社について、企業名、メーカーの分類、特徴を整理したものです。

企業名 メーカー分類 特徴
・日本製鉄株式会社 高炉メーカー 日本最大手の鉄鋼メーカーであり、世界でもトップクラスの規模を誇ります。国内外に製造拠点を展開し、製鉄事業を中核にエンジニアリング、化学、システムソリューションなど多角的な事業を展開しています。「総合力世界No.1の鉄鋼メーカー」を目指し、技術力とものづくりの力を追求しています。
・JFEスチール株式会社 高炉メーカー JFEホールディングスの中核企業として、国内外に製造拠点を持ち、熱延薄鋼板、厚鋼板、電磁鋼板など多様な鉄鋼製品を提供しています。また、チタン製品や鋼材加工製品、化学製品なども手がけており、幅広い事業分野で展開しています。
・株式会社神戸製鋼所 高炉メーカー 「KOBELCO」のブランドで知られ、鉄鋼・アルミ・銅などの素材事業、機械、電力など多岐にわたる事業を展開しています。特にワイヤーロッドやアルミ材料、溶接材料などで高い市場シェアを持ち、機械事業ではスクリューコンプレッサーなどで強みを発揮しています。
・株式会社日本製鋼所 特殊鋼メーカー 「素材とメカトロニクスの総合企業」として、エネルギー産業向けの素形材・エネルギー事業と、多様な機械製品を扱う産業機械事業を柱に展開しています。特に大型鋳鍛鋼品やプラスチック機械、発電プラント向け製品などで高い技術力を有しています。
・共英製鋼株式会社 電炉メーカー 鉄スクラップを原料とする電炉メーカーとして、棒鋼や鉄筋などの建設用鋼材を中心に製造・販売しています。国内外に製造拠点を持ち、ベトナムなど海外展開も積極的に進めています。また、環境負荷の低減やリサイクルの推進にも注力しています。

これらの企業は、それぞれ異なる強みや特徴を持ち、鉄鋼業界内で多様な役割を果たしています。
就職活動を進める際には、各社の事業内容や企業理念、求める人材像などを比較検討し、自身の志向やキャリアプランに合致する企業を見つけることが重要です。

新卒で鉄鋼業界を目指すには

鉄鋼業界は、社会基盤を支えるという重責を担う一方で、グローバル競争や脱炭素化といった大きな変革期にあります。このため、技術革新や国際展開への関心を持ち、自ら学び続ける姿勢が求められます。理系学生は材料工学、機械工学、化学などの専門知識を深めることが強みとなり、文系学生も調達・営業・企画など幅広い職種で活躍のチャンスがあります。
業界研究に加え、各社の強みや注力分野(例えば高級鋼材、グリーンスチール開発、海外戦略など)を丁寧に把握し、志望理由に具体性を持たせることが重要です。また、現場感覚やチームワークを重視する文化に適応できる柔軟性も必要とされます。
エネルギーの大きい産業だからこそ、使命感と粘り強さを持って挑戦できるかを自問しながら準備を進めることが、鉄鋼業界への第一歩となるでしょう。

鉄鋼業界の就活対策

鉄鋼業界の採用プロセスでは、まず書類選考で「なぜ鉄鋼なのか」「なぜこの会社なのか」という志望動機の明確さが重視されます。業界の社会的役割や企業ごとの強みを踏まえ、自身のキャリアビジョンと結びつけて論理的に表現しましょう。
筆記試験では、一般常識、数学的素養、理系なら基礎工学分野の知識が問われることもあり、SPIや専門試験対策を早めに進めることが重要です。
面接では、困難な状況でも粘り強く取り組む姿勢や、周囲と協働できる資質をアピールすると効果的です。また、グループディスカッションでは、論理的思考だけでなく、チームワークやリーダーシップも評価されます。個人の意見を押し付けず、全体をまとめる意識を持つと良いでしょう。
総じて、堅実さと主体性のバランスを意識することが、鉄鋼業界の選考を進める上で大きなキーポイントとなるでしょう。

まとめ

本記事では、鉄鋼業界の基本構造から、主要メーカーの特徴、職種別の仕事内容、求められる人物像、そして就活対策までを幅広く解説しました。
社会の基盤を支える使命感と、変革期に挑戦する柔軟さが求められる鉄鋼業界。自らの志向や強みを明確にし、論理的に自己PRを組み立てることで、内定への道は大きく開けるでしょう。ぜひ当記事を、自身のキャリア選択に役立ててください。

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