職種とは?
「職種」とは、仕事の内容や役割を表す言葉です。例えば「営業職」「事務職」「エンジニア職」などがあり、同じ会社でも職種が異なれば、日々の仕事内容や求められるスキルも大きく変わります。職種は「どんな仕事をするか」に焦点が当たっており、自分が企業の中でどう貢献したいのか、どんな働き方が合っているのかを考える上で重要な視点になります。
一方で、企業は「どの職種で人材を募集しているか」を明確にしているため、エントリー時にはしっかり確認することが大切です。なんとなく社名やイメージだけで選ぶのではなく、仕事内容に納得できるかどうかを軸に考えることで、入社後のミスマッチを減らすことができるでしょう。
業種との違い
「職種」が“どんな仕事をするか”を示すのに対し、「業種」は“企業がどんな分野のビジネスをしているか”を表します。例えば、銀行や証券会社は「金融業界」、食品メーカーは「製造業」、広告代理店は「サービス業」に分類されます。つまり、業種は企業の「事業のジャンル」、職種はその中での「役割やポジション」と考えるとイメージしやすいでしょう。
例えば「営業職」という職種でも、食品メーカーで働くのか、IT企業で働くのかで仕事内容や提案する商品は大きく異なります。就活では、この「業種」と「職種」の両方を正しく理解し、自分に合った組み合わせを見つけることがポイントです。
職種の分類
一口に「職種」といっても、その数は膨大です。実は、厚生労働省が公表している「職業分類」では、職種は細かく分類されており、なんと18,725種類にも及びます(※第5回改定厚生労働省編職業分類 職業名索引より)。
これは、「営業」「事務」「技術職」といった大まかな枠組みだけでなく、「自動車営業」「医療事務」「ソフトウェア開発技術者」といった、より細分化された業務までを含んだ数です。
就活ではすべてを覚える必要はありませんが、職種が非常に多様であることを知っておくと、自分の関心の幅が広がったり、思わぬ職種との出会いがあったりするかもしれません。
※参考:
『令和4年版 厚生労働省編職業分類表』
https://www.mhlw.go.jp/content/11650000/001030651.pdf
『第5回改定厚生労働省編職業分類 職業名索引』
https://www.jil.go.jp/institute/seika/shokugyo/sakuin/
『第5回改定 厚生労働省編職業分類 職業名索引』
https://www.jil.go.jp/institute/seika/shokugyo/sakuin/documents/sakuin05.pdf
『第5回改定厚生労働省編職業分類 職業分類表 改定の経緯とその内容』
https://www.jil.go.jp/institute/seika/shokugyo/bunrui/index.html
職種分類以外の具体例
厚生労働省の職業分類では、全体を「大分類→中分類→小分類」の3階層(以前までは”大分類→中分類→小分類→細分類” の4階層でしたが、令和4年改定で細分類は廃止されました)という階層で整理しています。
例えば、大分類のひとつである「管理的職業」は、より具体的な職種に分類されていきます。
例えば大分類の一つである「管理的職業」は、中分類として
001 法人・団体役員
002 法人・団体管理職員
003 その他の管理的職業
に分かれます。
さらに中分類「002 法人・団体管理職員」には、小分類として「会社管理職員」などが置かれ、例示職業名として部長・課長といった各部門の管理者(営業・総務・人事など)が挙がります。
このように、単なる職種名の羅列ではなく、組織の役割や実務内容を反映した階層的な分類になっているため、業務内容やキャリアパスを考える上でとても参考になります。就活では「大まかな職種名」だけでなく、こうした具体例に目を向けることで、よりリアルな働き方が見えてくるでしょう。
※参考:
『令和4年版 厚生労働省編職業分類表』
https://www.mhlw.go.jp/content/11650000/001030651.pdf
『厚生労働省編職業分類の改定について』
https://jsite.mhlw.go.jp/yamanashi-roudoukyoku/content/contents/001143578.pdf
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc6704&dataType=1&pageNo=1
『ハローワーク インターネットサービス 厚生労働省編職業分類』
https://www.hellowork.mhlw.go.jp/info/mhlw_job_exposition.html
労働政策研究・研修機構(JILPT)「第5回改定 厚生労働省編職業分類の解説」
https://www.jil.go.jp/institute/seika/shokugyo/bunrui/documents/shokugyo05_kaisetsu.pdf
採用パターンは2つある
企業の採用には大きく分けて「総合職採用」と「職種別採用」の2つのパターンがあります。
総合職採用は入社後に幅広い部署を経験しやすく、配置や勤務地の限定がない場合が一般的です(将来的に幹部候補として育成されることも)。配属や異動の幅が広く、勤務地も全国・海外に及ぶことがあります。
一方で職種別採用は、応募時点で「営業」「エンジニア」「マーケティング」など職種を限定して募集するスタイル。特定分野の専門性を活かして働きたい人に向いています。さらに企業によっては、勤務地を限定する“勤務地限定正社員”(例:地域限定職・地域総合職等の呼称)を設ける場合もあります。
自分の志向やキャリアプランに応じ、どちらが合っているかを見極めることが、ミスマッチを防ぐ第一歩です。
就活する際に知っておきたい主な職種一覧
就職活動では、自分がどのような仕事に向いているのかを見極めることが重要です。
企業の募集でよく見かける代表的な職種をピックアップし、それぞれの特徴や主な仕事内容をわかりやすく紹介します。自分に合った職種選びのヒントにしてください。
①ビジネス・フロント系
まずは、多くの企業で募集がある「ビジネス・フロント系」の職種を紹介します。
営業や販売・接客、コンサルティングなど、顧客との接点を担う仕事が中心で、会社の“顔”として活躍するポジションです。それぞれの役割や求められるスキルを見ていきましょう。
1.営業
営業職は、企業の商品やサービスを顧客に提案・販売する役割を担います。
新規顧客の開拓や既存取引先との関係構築、課題のヒアリングから提案書の作成、契約交渉、アフターフォローまで業務は多岐にわたります。数字で成果が見えやすく、コミュニケーション力や提案力が求められる一方、成長実感を得やすい職種として人気があります。
2.経営コンサルタント
経営コンサルタント職は、企業が抱える課題を分析し、業績向上や業務改善のための解決策を提案・実行支援する仕事です。
市場調査や財務分析、現場ヒアリングを通じて課題の本質を探り、経営戦略や組織改革などの提案を行います。論理的思考力やコミュニケーション力が求められる、責任とやりがいの大きい職種です。
3.販売・接客
販売・接客職は、店舗などで商品やサービスを提供し、来店したお客様と直接関わる仕事です。
商品の説明や提案、レジ対応、在庫管理、売り場づくりなど幅広い業務を担当します。お客様のニーズをくみ取り、満足度を高めることが求められるため、コミュニケーション力や気配りが強みとして活かせる職種です。
4.店長・店舗経営・運営
店長・店舗経営・運営職は、店舗全体のマネジメントを担う仕事です。
売上や在庫の管理、スタッフの採用・育成、シフト作成、販促企画の立案など、現場の指揮を執りながら業績向上を目指します。お客様対応だけでなく、数字や人材マネジメントにも携わるため、リーダーシップや判断力が求められるポジションです。
5.スーパーバイザー
スーパーバイザー(SV)は、複数の店舗や拠点を統括し、現場の運営を支援・管理する仕事です。
売上やサービス品質のチェック、人材育成、課題解決のアドバイスなどを行いながら、店舗全体のパフォーマンス向上を図ります。現場の声を本部に伝える役割もあり、コミュニケーション力と現場理解が求められるポジションです。
②オフィス系
続いて紹介するのは、社内業務を支える「オフィス系」の職種です。
事務や人事、経理、法務など、組織の運営に欠かせない役割を担います。派手さはなくても、正確性や調整力が求められる重要な仕事ばかり。社内外の関係者と連携しながら、縁の下の力持ちとして活躍するポジションです。
1.事務・秘書・受付
事務・秘書・受付職は、社内外の業務が円滑に回るように支える職種です。
事務職では、資料の作成やデータ入力、電話・来客対応といった日常的な業務を担当します。秘書は、役員や上司のスケジュール管理や会議準備、文書作成などを通じて、業務全体をサポート。受付は、企業の“顔”として来訪者を迎え、案内や取次ぎを行います。どの職種も丁寧な対応と気配りが欠かせません。
2.経理
経理職は、会社の「お金」にまつわる業務を正確に管理する専門職です。
請求書や伝票の処理、仕訳入力、経費精算、売上・支出の集計、さらに月次・年次決算のサポートまで、日々の数字と向き合う仕事が中心になります。ルールや締め切りを守る責任感と、細かなミスを防ぐ慎重さが求められる職種です。経営判断の土台となる数値を支える、縁の下の力持ちでもあります。
3.総務人事
総務人事職は、社員が働きやすい環境を整え、組織全体を支える仕事です。
人事は採用活動や人事評価、労務管理など「人」に関わる業務を担当し、総務は備品管理や社内行事の運営、契約書の管理など幅広い業務を担います。社内の調整役としての側面も強く、柔軟な対応力や気配り、事務処理能力が求められる職種です。
4.法務
法務職は、企業活動が法律に則って行われるよう管理・支援する仕事です。
契約書の作成・チェック、取引先との法的交渉、社内規程の整備、コンプライアンス対応、トラブル時の対応方針の検討などが主な業務です。企業のリスクを未然に防ぐ役割を担っており、法律知識に加えて論理的思考力や調整力が求められるポジションです。
5.企画
企画職は、自社の商品やサービス、事業の成長に向けた戦略や施策を立案・実行する仕事です。
市場調査や競合分析を行い、課題を見つけた上で、新商品やキャンペーンの企画、業務改善の提案などを行います。部署を横断して関係者と連携する場面も多く、発想力だけでなく論理性や調整力も求められるポジションです。
6.マーケティング
マーケティング職は、商品やサービスを「どう売るか」を考え、売上向上の仕組みをつくる仕事です。
市場調査やデータ分析をもとに、ターゲット設定や販促戦略を立て、広告運用やキャンペーンの企画・効果検証などを行います。消費者の動きを読み取る力や論理的思考力、関係部署との連携力が求められるポジションです。
7.宣伝・広報
宣伝・広報職は、自社や商品の魅力を社外に向けて発信し、ブランドや企業イメージを高める仕事です。
プレスリリースの作成、メディア対応、自社サイトやSNSの運用、社内報の制作、イベントの企画運営などが主な業務。社外とのやりとりも多く、発信力だけでなく、情報整理力や社内外との調整力も求められる職種です。
8.知的財産部門
知的財産部門職は、特許・商標・著作権など、企業の技術やブランドを法的に守る仕事です。
発明の特許出願や管理、商標の登録、他社権利との侵害チェック、契約書の確認、知財戦略の立案などが主な業務です。法的知識と技術理解の両方が求められ、研究開発部門や弁理士との連携も多い、専門性の高いポジションです。
9.経営企画
経営企画は、企業の未来を描く“頭脳”のようなポジションです。
会社の成長に向けた中長期戦略を立てたり、経営陣が意思決定を行うための資料を準備したりするのが主な仕事。事業計画の立案や予算編成、業績分析、M&Aの検討など幅広い業務を担います。数字に強いことはもちろん、現場の動きも理解したうえでロジカルに物事を考え、関係部門と連携する力が問われます。
③IT系
次に紹介するのは、近年ますます需要が高まっている「IT系」の職種です。
システムの設計・開発から運用保守、データ分析やセキュリティ対策まで、その活躍フィールドは多岐にわたります。専門性が求められる分野ではありますが、職種ごとの役割や特徴を知れば、理系・文系を問わず視野が広がるはずです。
1.Webエンジニア
Webエンジニアは、WebサイトやWebアプリの設計・開発・運用を担当する職種です。
ユーザーが使う画面をつくる「フロントエンド」と、データ処理やシステム管理を行う「バックエンド」に分かれることが多く、両方を扱う「フルスタックエンジニア」として活躍する人もいます。技術力だけでなく、使いやすさや保守性を考えた設計力も求められる仕事です。
2.インフラ・データエンジニア
インフラ・データエンジニアは、ITサービスを安定して動かすための基盤づくりを担う職種です。
インフラエンジニアは、サーバーやネットワークの構築・運用・保守を行い、システムの安定稼働を支えます。データエンジニアは、膨大なデータを扱うための基盤設計やデータ処理の仕組みづくりを担当。縁の下で技術を支える重要な役割です。
3.システムエンジニア・プログラマ
システムエンジニア(SE)・プログラマは、業務システムやアプリケーションなどを開発する職種です。
SEは、顧客との要件調整や設計、進行管理など上流工程を担当し、プログラマは設計書に基づいて実際のプログラムを書く役割を担います。チームで動く場面が多く、論理的思考力とコミュニケーション力の両方が求められる仕事です。
4.社内SE・情シス
社内SE・情シスは、企業内のIT環境を整備・管理する職種です。
業務システムやネットワークの保守運用、PCの設定、IT機器のトラブル対応などが主な業務です。システム導入やセキュリティ対策の企画も担い、全社員の業務をIT面から支える“縁の下の力持ち”的存在。技術力だけでなく、社内ユーザーとの円滑なやりとりも重要になります。
5.ネットワークエンジニア
ネットワークエンジニアは、企業やサービスの通信インフラを設計・構築・運用する職種です。
社内ネットワークやサーバーの設定、障害対応、セキュリティ対策などを通じて、安定した通信環境を保ちます。システムトラブルが起きた際の迅速な対応も重要で、技術力に加えて冷静な判断力やトラブル対応力も求められる仕事です。
6.セキュリティエンジニア
セキュリティエンジニアは、企業の情報やシステムを守る専門職です。
不正アクセスやウイルス侵入を防ぐ仕組みづくり、セキュリティ診断や脆弱性の検証、ログ監視、インシデント発生時の対応などが主な業務です。IT知識に加えて最新の脅威動向を学び続ける姿勢が欠かせず、信頼性と迅速な判断力が求められる重要なポジションです。
7.セールスエンジニア
セールスエンジニアは、技術と営業の橋渡しを担う職種です。
自社の製品やサービスの技術的な強みを理解し、顧客の課題に応じた最適な提案を行います。営業担当とともに商談に同行し、導入前の技術説明や導入後のフォローまで関与することも。IT知識とコミュニケーション力の両方が求められる仕事です。
8.カスタマーエンジニア
カスタマーエンジニアは、企業で使われているIT機器やシステムが正常に動くよう、日常的な点検や不具合対応を行う技術職です。
トラブルが発生した際には現場へ出向き、原因を特定して復旧まで対応することもあります。ITの知識だけでなく、現場での柔軟な対応力や人と接する力も求められます。企業によっては「フィールドエンジニア」「サービスエンジニア」などとも呼ばれることもあります。
9.AIエンジニア
AIエンジニアは、AI(人工知能)を実際のサービスやシステムに組み込んで動かしていく仕事です。
画像を見分ける仕組みや音声を理解する技術、チャットボットなど、身近な機能の多くにAIが活用されています。その開発には数学や統計の知識に加え、プログラミングのスキルも不可欠で、理論と実装の両方を行き来しながら成果を形にしていきます。ただし、企業により守備範囲は異なります。
10.データサイエンティスト・アナリスト
データサイエンティストやアナリストは、膨大なデータの中から意味のある傾向や課題を見つけ出す役割を担います。
統計手法や機械学習を駆使して数字を整理し、グラフなどで分かりやすく可視化。そこから得られた知見をもとに「次に何をすべきか」を提案するのが大切な仕事です。分析力と同時に、ビジネスの視点を持つことが求められます。
11.組み込みエンジニア
組み込みエンジニアは、家電や自動車、医療機器など、製品内部に搭載される専用システムを開発する職種です。
マイコンやセンサーを制御するソフトウェアをC言語などで設計・実装し、ハードウェアと密接に連携した開発を行います。製品の安定動作を支えるため、緻密な設計力とテストの丁寧さが求められます。
④製造・物流系
次に紹介するのは「製造・物流系」です。
工場の生産・品質管理や設備保全、物流・在庫管理まで、モノづくりと供給の要となる仕事です。現場で磨く改善力と、データで物事を捉える視点が強みになります。
1.製造系の研究職
製造系の研究職は、新しい素材や製品の開発、製造プロセスの改良などを担う仕事です。
例えば、より軽くて強い材料の開発や、環境負荷の少ない製造法の検討などが挙げられます。理系の専門知識を活かしながら、試験や分析を重ねて実用化を目指す役割で、製品の競争力を高める源泉となるポジションです。
2.設計開発
設計開発職は、自動車や家電、産業機械などの製品を形にする仕事です。
顧客のニーズや使いやすさを踏まえ、CADなどのツールを使って図面を描き、試作や改良を重ねながら最適な構造を追求します。製品の完成度に直結する役割であり、創造力と論理的思考の両方が求められます。製造現場や他部門との連携も多く、ものづくりの醍醐味を実感できる職種です。
3.生産・製造
生産・製造職は、工場などの現場で製品を実際に作り上げる役割を担います。
組立・加工・検査などの工程に携わりながら、品質や効率、安全性に配慮して業務を進めていきます。マニュアル通りにこなすだけでなく、現場の工夫や改善提案が求められる場面も多く、「より良いものづくり」に貢献できるやりがいがあります。現場との距離が近いからこそ得られる実感も、この職種ならではでしょう。
4.品質管理
品質管理職は、製品が設計通りの品質を満たしているかを確認し、不具合を未然に防ぐ役割を担います。
製造現場での検査やデータ分析、改善策の提案などが主な業務で、「なぜ問題が起きたのか」を突き止める探究心も大切です。品質への責任は大きいものの、ユーザーに安心して使ってもらえる製品を支える、ものづくりの要ともいえる仕事です。
5.物流・在庫管理
物流・在庫管理職は、製品や資材を必要なタイミングで必要な場所に届けるための調整を行う仕事です。
倉庫での在庫状況の把握、出荷スケジュールの管理、仕入れ先とのやり取りなど、モノの流れをスムーズに保つ役割を担います。現場での対応力に加え、計画性やコスト意識も求められる、縁の下で現場全体を支えるポジションです。
⑤金融系
次に紹介するのは「金融系」の職種です。
お金や資産の流れを扱い、経済や社会の基盤を支える役割を担っています。企業や個人の資金を安全に循環させることで、新しい事業や暮らしの発展を後押しする存在です。数字を扱う正確さはもちろん、信頼関係を築く力も欠かせない分野であり、安定感と責任の重さが特徴といえます。
1.ファイナンシャルアドバイザー
ファイナンシャルアドバイザーは、収支や資産状況、将来の目標を丁寧に聞き取り、ライフプランに合う資産運用・備えを設計する仕事です。
資産配分や商品提案、保険や住宅資金の相談、手続き支援に加え、相場や生活環境の変化に合わせて定期的に見直します。数値への強さと信頼関係づくりが要になります。
2.為替ディーラー・トレーダー
為替ディーラー・トレーダーは、為替相場の動きを見極めながら自社や顧客の外貨取引を執行する仕事です。
ニュースや経済指標、金利の変化を秒単位で追い、発注・約定、ポジションと損益の管理、リスク限度の遵守を行います。顧客注文のカバーやヘッジ対応も担い、瞬発力と冷静さ、鋭い数値感覚がものを言います。
3.証券アナリスト
証券アナリストは、企業や業界を継続的に調べ、投資判断の材料をつくる仕事です。
決算や開示資料を読み解き、財務モデルで業績予想や企業価値の評価を実施。結果はレポートにまとめ、投資家や社内へ解説します。経営陣ヒアリングや現地取材、ニュース対応も行い、数字の強さと論理性、伝える力が問われます。
4.融資・資産運用
融資・資産運用は、資金を「貸す」「増やす」の両面から顧客を支える仕事です。
融資では事業計画やキャッシュフローを精査し、担保・保証、金利や契約条件を設計、実行後も回収・モニタリングを行います。資産運用では市場を読み、ポートフォリオの構築とリスク管理、運用報告までを継続して担当します。
5.アクチュアリー
アクチュアリーは、数理とデータで保険・年金のリスクと収益を見積もる専門職です。
商品設計や保険料率の算定、将来支払い(責任準備金)の評価、収支・資本のシミュレーション、規制対応の資料作成まで担当します。統計・確率の基礎に加え、結果を分かりやすく伝える力が武器になります。
⑥クリエイティブ系
クリエイティブ系の仕事は、デザインや文章、映像などを通じてアイデアを形にし、人に伝える役割を担います。表現力が注目されがちですが、実際には市場調査や企画立案、スケジュール調整といった地道な業務も多く、柔軟な発想と実行力の両方が求められる分野です。
1.Webプロデューサー・ディレクター
Webプロデューサー・ディレクターは、サイトやアプリの目的を定め、企画を形にする司令塔です。
要件定義やKPI設定、情報設計、ワイヤーフレーム作成、制作進行、品質・コスト・スケジュール管理を担います。デザイナーやエンジニア、広告担当と連携し、公開後は数値を見て改善まで回します。
2.Webデザイナー
Webデザイナーは、サイトやアプリの見た目と使いやすさを設計する役割です。
ブランドに沿ったレイアウトや色・文字の設計、UIパーツ制作、画像編集、ワイヤー・プロト作成、レスポンシブ対応まで手がけます。公開後は計測データやユーザーの声を踏まえ、継続的に改善します。
3.デザイナー
デザイナーは、広告やパッケージ、ロゴ、冊子など多様な媒体デザインを通じて「視覚的に伝える」役割を担う職種です。
企画意図やブランドの方向性を踏まえ、コンセプト立案からデザイン制作、仕上げの入稿データ作成までを担当。撮影や印刷の立ち会い、社内外の調整まで含め、メッセージを形にしていきます。
4.ゲームクリエイター
ゲームクリエイターは、企画から運営までゲームづくりを担う職種の総称です。
企画書・仕様書の作成、プロトタイプ制作、レベル設計やバランス調整、デバッグを進め、プログラマやアーティストと連携して形にします。公開後はイベント設計やKPI分析で継続的に改善していきます。
5.ゲームプログラマ
ゲームプログラマは、企画が描いたイメージやコンセプト、遊びなどをコードで実際の形にしていく仕事です。
Unity/Unrealなどでキャラ挙動やUI、当たり判定、AI、ネットワーク等を実装し、描画やロード時間を最適化します。デバッグやビルド、各機種対応まで担い、デザイナーやプランナーと詰めてゲームコンテンツの完成度を上げていく役割を担います。
6.記者・ライター
記者・ライターは、社会の出来事や企業・人物の動きをはじめとした様々な情報を取材し、読者に伝わる形にまとめる職種です。
取材計画の立案、インタビューや会見での一次情報収集、資料・データの裏取り、構成案づくり、執筆・見出し付け・写真選定までを担当。編集との擦り合わせや法令・引用ルールの遵守、公開後の反響確認と追記も行います。締切管理と読者目線が要となる仕事です。
7.編集・制作
編集・制作は、書籍や雑誌、Webコンテンツなどの企画立案から完成までを統括する仕事です。
読者ニーズを分析し、構成や取材計画を練ったうえで、ライターやカメラマンに依頼し、原稿や素材のクオリティ・進行を管理します。校正や権利確認、デザイン調整、公開・配本までの全体管理も担当。情報の正確性と魅せ方のバランス感覚、チームとの調整力が求められます。
⑦医療・介護系
医療・介護系の仕事は、人の命や生活に直接かかわる責任の大きな分野です。
専門知識や資格が求められる職種が多く、患者や利用者との信頼関係を築く力も不可欠。やりがいと同時に覚悟も必要な領域ですが、社会貢献度の高さから将来性にも注目が集まっています。
1.介護士
介護士は、高齢者や障がいのある方の日常生活を支える専門職です。
食事、入浴、排せつといった日常的な身体介助のほか、レクリエーションの企画や心のケアも行います。利用者の状態に合わせてケア内容を調整し、医療職や家族との連携も重要です。体力だけでなく、相手に寄り添う姿勢や観察力、気配りも求められる仕事です。
2.薬剤師
薬剤師は、医師の処方に基づいて薬を調剤し、患者に正しく安全に使用してもらうための説明や指導を行う専門職です。
病院や調剤薬局のほか、ドラッグストアや製薬会社などで働くこともあります。薬の相互作用や副作用の確認、在庫管理、服薬状況のフォローなども大切な業務です。医療チームの一員として、患者の健康を支える役割を担います。
3.栄養士
栄養士は、食を通じて人々の健康を支える専門職です。
病院や介護施設、学校、保育園などで働き、栄養バランスを考慮した献立作成や調理指導を行います。利用者の年齢や体調、疾患に応じて食事内容を調整し、栄養指導を通じて生活習慣の改善にも関わります。調理スタッフとの連携や衛生管理も業務の一部で、健康づくりの現場を支える重要な存在です。
4.MR(医薬情報担当者)
MR(医薬情報担当者)は、製薬会社と医療現場をつなぐ営業職です。
病院やクリニックを訪問し、自社の医薬品に関する情報を医師や薬剤師に提供します。治療方針や患者ニーズをふまえた情報提供が求められる一方、副作用や使用上の注意点など正確な知識の伝達も重要です。日々の面談に加え、学会や講演会の運営支援も担当。医療の現場と深く関わりながら信頼関係を築く、専門性の高い仕事です。
5.医療系の研究開発
医療系の研究開発は、新薬や医療機器の開発に向けて、基礎研究から臨床試験までを担う仕事です。
製薬企業や医療機器メーカー、大学や研究機関などで、病気のメカニズム解明や有効成分の探索、安全性・有効性の検証を進めます。実験計画の立案、データ分析、論文執筆、特許出願なども含まれ、医療の進歩を支える重要な役割です。理系の専門知識と粘り強さが求められます。
6.医療技術
医療技術職は、診療や検査を専門技術で支える仕事で、臨床検査技師や放射線技師、臨床工学技士などが含まれます。
例えば、臨床検査技師は血液や組織の検査を通じて病気の有無を調べ、放射線技師はX線やMRIで体内の状態を可視化します。どの職種も医師の診断や治療を技術面から支える重要な役割を担っており、専門資格の取得が必須です。正確さと責任感が求められます。
⑧建設系
建設系の仕事は、建物やインフラなど人々の暮らしを支える“モノづくり”の最前線です。
現場での管理や設計、施工、安全対策など役割は多岐にわたり、理系はもちろん文系出身者も活躍のチャンスがある職種です。規模の大きな仕事に関わりたい人には、やりがいの大きい分野です。
1.建築設計
建築設計は、住宅やオフィスビル、公共施設などの建物を図面に起こし、形にしていく仕事です。
クライアントの要望や法規制、周辺環境を考慮しながら、空間の構成や機能性、美観などを設計します。基本設計から実施設計、工事監理まで関わることが多く、技術力と創造力の両方が求められます。一定規模の設計・工事監理は建築士でないとできないため、建築士の資格取得がキャリアの鍵となります。
2.土木設計
土木設計は、道路や橋、トンネル、ダム、上下水道といった社会インフラの設計を担う仕事です。
安全性や耐久性、コスト、環境への配慮など多角的な視点が求められ、測量や地質調査の結果をもとに図面を作成します。完成後の暮らしやすさを左右する重要な役割であり、地域社会の基盤を支えるやりがいのある仕事です。土木施工管理技士や技術士の資格取得も視野に入れられます。
3.施工管理
施工管理は、建設現場において工事を円滑に進めるための司令塔のような存在です。
工期や予算、安全面の管理をはじめ、職人や協力会社との打ち合わせや進捗確認など、現場全体の調整役を担います。設計図通りに工事が進んでいるかを確認しながら、品質の確保にも気を配る必要があります。臨機応変な対応力やコミュニケーション力が問われる実践的な仕事です。
⑨その他専門職
専門性を活かして独自の分野で活躍する職種も、多様な選択肢の一つです。
コンサルタントやバイヤーのようにビジネスの現場を支える職種から、農林水産業など地域や自然と向き合う仕事まで幅広く、自分の得意や興味を活かしたキャリアが描けます。
1.専門コンサルタント
専門コンサルタントは、企業が抱える課題に対し、特定の分野の知識や経験を活かして解決策を提案する仕事です。
経営戦略や人事、IT、医療、環境など分野は多岐にわたり、課題の分析から施策の立案・実行支援まで関わります。論理的思考力と対話力が求められ、信頼関係の構築も成果に直結する重要なポイントです。
2.バイヤー
バイヤーは、店舗や企業で販売する商品を選定・仕入れる仕事を担う職種です。
市場動向やトレンド、売れ筋などを分析しながら、価格交渉や仕入先とのやり取り、在庫管理、販売計画の立案まで幅広く担当します。消費者ニーズを読む力と数字への感度が重要で、感性だけでなく戦略性も問われるポジションです。
3.講師・インストラクター
講師・インストラクターは、教育機関やスクールなどで知識や技能を指導する仕事です。
対象は学生や社会人、趣味の習い事まで幅広く、教える分野も語学・スポーツ・IT・音楽など多岐にわたります。授業準備や個別指導、進捗管理なども業務に含まれ、専門性に加えてコミュニケーション力や柔軟性が求められます。
4.農業
農業は、野菜や果物、穀物などの作物を育てる「耕種農業」や、牛・豚・鶏などを飼育する「畜産業」などに分かれます。
日々の作業には、土づくりや種まき、収穫、出荷準備などがあり、天候や季節と向き合う地道な努力が欠かせません。近年はICTやドローンを活用したスマート農業も注目されており、新しい挑戦ができる分野でもあります。
5.林業
林業は、森林を育て、木材として活用するまでを担う仕事です。
苗木の植栽、間伐、伐採、搬出といった作業を通じて、森林資源の循環利用と環境保全を両立させます。山の地形や気象条件に左右されるため体力も必要ですが、ドローンやGPSを使った森林管理など、テクノロジーを取り入れた働き方も広がっています。持続可能な社会づくりに貢献できる職種です。
6.漁業
漁業は、海や川などで魚介類を獲る「漁労」と、魚を育てて出荷する「養殖」に大きく分かれます。船に乗っての漁だけでなく、水揚げや選別、出荷作業も含まれ、季節や天候によって働き方が変化するのも特徴です。水産資源を守りながら安定供給を支える役割があり、体力は求められますが、地域の食文化や産業を支える実感を得られる仕事です。
まとめ
就活では「業種」と「職種」の違いを正しく理解し、自分に合った働き方を見極めることが大切です。本記事では、営業・事務・技術・クリエイティブ・専門職など代表的な職種の特徴と仕事内容を紹介しました。自身の関心がある分野がどんな役割を担っていて、どんなスキルが求められるのかを知ることで、ミスマッチのない企業選びにつながるでしょう。自分の強みや志向と業種や職種を照らし合わし、将来のキャリアを描いていきましょう。
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