＜プロフィール＞
Yさん／男性
一橋大学／院卒
経営管理研究科
ガクチカ：アルバイト, サークル幹部
内定取得先：家電・AV機器メーカー, 貨物鉄道
入社予定先：メーカー（家電・AV機器）
01：就活スタート（準備）期
ーーいつから就活を開始したか？
修士1年生の6月。
周りの大学院同期が始めていたから。就職が前提であるMBAのコースだったこともあり、全員民間就職であった。
友人に誘われ5月下旬に大学が主催するコンサル説明会に参加したことがきっかけで就活開始。
院進した理由は以下。
①経営に関する知識がまだまだ足りない。将来的に経営に携わりたい。
②サークルから開放されたのが学部4年生の4月で、学部卒での就活に間に合わなかった。サークルの代表だったが、後代への引き継ぎがうまくいかず引退が遅れた。
業界研究もできていない状況で受けるのが怖かったし、内定をもらえたとしても果たしてそれでいいのか？という思いが拭いきれなかった。
ーー何からスタート・準備したか？
あんまりやっていない。
タスクを消化していくような感じで、目の前のES締切やテストに追われていた。エントリー前に自己分析や業界研究をしておけばよかったと思うが、そもそも「対策する」ということが頭になかった。
授業がある時期は就活に割ける時間は少なく、特にテスト期間（6～7月、10月～12月）は忙しかった。研究よりも授業の比重が大きく、グループミーティングやその下調べに時間を取られた。
ーーこの期間に志望していた業界・企業は？
コンサルティング会社を幅広く。
戦略は激務だと噂で聞いていたので、Big4 のビジネスコンサルなどが中心。
外資就活ドットコムに出ていたのがきっかけ。
インターンシップでのグループワーク優勝賞品が旅行の企業もあり、面白そうだと思って応募。
ーー応募までの過ごし方や意識した準備は？
対策といえる対策はしていない。
WEBテストは基本的には通っていたのでやらなかった。解けないという感覚もあまりなかったので、別にいいかなと思っていた。
面接に苦手意識があったので、興味の有無にかかわらず沢山面接を受けて数をこなすようにしていた。元々あがり症で緊張しやすいタイプ。普通なら話せることをど忘れすることもあった。返答に困ることが多く、面接で落とされることが多かった。今振り返ると、事前の会社理解が足りなったと思う。セミナーに参加したり本を買って勉強したりはしていなかった。
ーーこの期間はどんな心境だったか？
そもそも大学院に入った時点で2年遅れていることへ焦りがあった。世間一般の学部3年生に比べて焦りが強い。
でも何をすればいいかわからなかったので、コンサル志望の友人たちに乗っかって、5月～6月にコンサルを受けていた。焦りが空回りしていたかもしれない。
ーー応募までに「やっておいてよかった」は？
特になし。
ーー応募までに「やっておけばよかった」は？
もっと色んな業界の夏のインターンシップに応募すればよかった。
業界を絞り過ぎていた。世の中にどんな仕事があるのかもう少し知ればよかった、俯瞰する機会を自分から積極的に取りに行くべきだったと思う。「もともと興味ある業界を中心に見るべきか？あらゆる業界を見てから決めるべきなのか？」というのは未だにわからないが....。
02：夏インターンシップ期
ーーいつから夏インターンに応募したか？
修士1年生の6月から応募。修士1年生の9月まで参加。
ーーこの期間に志望していた業界・企業は？
コンサル、日系メーカー、インフラ。
前者は外資就活ドットコムで応募があったため、仕事のイメージをつかめればと応募した。
経営陣（＝意思決定の立場）に携わるにはコンサルのほうが近道だと思っていた。一方で、外資コンサルなどの説明会に参加してみると、英語の横文字や意識の高い言葉が並べられて敷居の高さを感じてしまった。それに対して、日系メーカーとインフラは、説明会での人事の話し方を見て「地に足のついた言葉選びが多い」と感じた。また、穏やかな雰囲気を感じて親近感を覚える。
夏インターンシップ期を経て、給与の高さよりも「名の知れた会社に入りたい」という思いが強くなる。自分に期待してくれている親戚たちはコンサルについてあまり知らないため、日系大手に入ったほうが安心してくれそうな感じであった。
ーー何社に応募したか？
10社ほど。
複数日程かつ対面のものがあれば積極的に応募。1dayだと説明会っぽく終わるものが多い印象。
授業やビジコンなどが忙しかったため、複数日開催の楽しそうなものに絞って応募していた。外資就活ドットコムや興味をもって登録した企業のマイページからエントリーした。
4社に通過・参加。コンサル、メーカー、インフラに参加。
ーー夏インターンで体験／知れたことは？
コンサルには向いていない。激務を好まないと思った。
コンサルのインターンシップで業務体験ワークをしたが、あまり楽しくなかった。主な理由は以下。
①どんなにアドバイスをしても意思決定者はクライアント。自分は外野であるのが少し寂しい。
②仕事の型が決まっているように感じた。自分が思っていたほど柔軟に動いて会社を変えることが難しい。
自分のアイデアを形にするのは多少面白かったが、日常的にこの生活を送るのはしんどいと思った。楽しさよりは辛さが上回る。周りの参加者が「楽しかった！」と言っている姿を見て、「彼らと自分とでは目指すものが違うのでは？」と感じるように。
また、インフラ企業のインターンシップで財務計画投資部門に配属され、経理の仕事も面白いと思うようになった。経営に近いという意味でも、自分の目標ややりたいことに近い。
ーー当時の過ごし方や意識した対策は？
メリハリを大事にしていた。
参加するインターンシップが少なかった分、それぞれのインターンシップには積極的に参加した。
だらだらインターンシップをこなす夏にはしたくなかったため。ワークで多く自分の意見を出してみたり、議論を回したりしてみて、試行錯誤した。
また、社員の方と積極的に話した。どういう仕事をされているのか、やりがいや面白さを見出すポイントなどを重点的に聞いた。仕事の大変なところを聞くと、愚痴っぽく話してくださる方も多い。
必要に応じてちょっとずつ就活する生活で、週に3日くらい、1日1時間くらい就活に時間を使っていた。
ーーこの期間はどんな心境だったか？
いろんなことを知りたい。広く業界を見ようと思っていた。
ーーこの期間に「やっておいてよかった」は？
対面複数日開催の日系企業のインターンシップには参加した方が良いと思った。
工場見学ができたりするので、シンプルに楽しい。
03：秋冬インターンシップ期
ーーいつから秋冬インターンに応募したか？
修士1年生の11月から応募。翌年2月まで参加。
授業を優先する生活で、インターンシップには適宜応募するスタイル。対策セミナーや説明会に参加していなかったので、この時期に行っておけばよかったと後悔。
ーーこの期間に志望していた業界・企業は？
メーカー（重工系、自動車）、インフラ（鉄道：小さい頃から乗り物が好きだったため）、海運。
大きなものを動かす会社に興味を持っていたから。直感。また、日本のメーカーやインフラ企業の一員として世界と戦いたいという思いが多少なりともあった。
ーー何社に応募したか？
10社ほど。複数日程、対面を優先。
大学院の授業が忙しい中で、できるだけ多くの企業を見たいと思った。メーカーの営業職を中心に4社ほど通過。
また、秋に3～4社の本選考を受けていた。早めに内定がほしくてコンサル、外資メーカーを受けたが内定を得られず。
ーー秋冬インターンで体験／知れたことは？
結果的に、メーカーの営業系のインターンシップに多く参加したが、コミュ力が高い学生が周りに多くおり、この先の就活で彼らと戦えるのかと不安になった。
また、就活の軸が営業寄りになってしまった気がする。2月、3月はメーカーの営業系に応募し続けたが1次面接でどんどん落とされた。
ーー当時の過ごし方や意識した対策は？
会社が求める人材をHPで調べて、自分と合っている部分を重点的にESに書くようになった。
冬に25卒同期と飲む機会があって、自分の準備不足を実感したのがきっかけ。周りの考え方や対策を知るようになってから変わった。
ーー当時困っていたことは？
結局自分が具体的にどの業界に向いているのかよくわからなかった。
解消できていない。自分の立ち位置・世の中の仕事を分析できていなかった。また、メーカー内で向いている仕事はわかっていたが、他の業界とは比較できていなかった。
ーーこの期間はどんな心境だったか？
ただ何も考えずに目の前のタスクをこなしているような感覚。
漠然とした焦りがずっとあった。
ーーこの期間に「やっておいてよかった」は？
就活全体を俯瞰して、流れを把握するべきだった。
また、業界研究をこの時期にしっかりするべきだった。
ーーこの期間に「やっておけばよかった」は？
このときにせず、後に苦労したから。
04：本選考期（秋冬IS以降）
ーーいつから本選考に応募したか？
修士1年の3月から修士2年の5月。
ーーこの期間に志望していた業界・企業は？
メーカー・インフラ。
結局最後まで自分に合った業界がわからず、やみくもに受けてしまった感はぬぐえない。
ーー何社に応募したか？
25社。3月までに15～16社。
それ以降に10社くらい。20社に書類通過。
初期は約15社程度だったが、4月の上旬に落ちまくったため焦って追加した。4月以降でも受け付けているコーポレート系職種（経理を中心に）エントリー。
＜使用したツール＞
ビズリーチ・キャンパス：
OB/OG訪問。インターンに参加してもわからなかった点を直接聞いて解消した。また、自分のプロフィールや得意分野を登録すると説明会の案内がくるので参加していた。
四季報：
4月に入りまずいと思ってから。有名な企業しか受けていなかったので、有名じゃなくてもいい会社を探すために調べていた。
ーー当時の過ごし方や意識した対策は？
OB/OG訪問をすることで、働くイメージを持とうとした。
説明会やインターンシップだけでは志望理由が明瞭にならなかった。ビズリーチ・キャンパスを使って15人くらい。会社のイメージを知るために、仕事内容、やりがい、ジョブローテーションやキャリアパスをメインに聞いていた。JOB型採用が増えている中で、仕事内容をしっかり聞いておきたいという思いがあった。
ーー当時困っていたことは？
面接に強い苦手意識を持っていた。
大学のキャリア支援室で3回くらい模擬面接をさせてもらった。いい練習になった。単純に準備不足の可能性もあると考えるようになり、会社の下調べや志望理由の思考にしっかり時間を割くようにした。
ーーこの期間はどんな心境だったか？
本当にこのまま続けていて内定がもらえるのか心配になっていた。
自分が就活でどのような段階にいるのか把握できていなかったから。
ーーこの期間に「やっておいてよかった」は？
就活同期とたくさん話すこと。
情報収集やモチベーションアップ、悩み相談などが気軽にでき、精神的にも楽になった。
ーーこの期間に「やっておけばよかった」は？
業界の絞り込み。
本格的に就活するときに迷走する。
05：意思決定期
ーー意思決定の時期は？
修士2年生の5月。
ーー最終的に何社から内定を得たか？
2社。
電機メーカーのバックオフィス（経理）、貨物鉄道。
後者は給料、転勤の多さがネックだった。
ーーこの期間はどんな心境だったか？
ほっとした。
ーー最後は「どこ」と「どこ」で迷ったか？
6月に大手人材会社を受けるかどうかで悩んだ。
ーー最後の「決め手」は（どうやって決めた）？
気にはなったが気力が足りなくなった。
内定先に申し訳ないという気持ちもあった。
ーー意思決定で困ったこと／悩んだことは？
特になし。
ーー就活全体を振り返ると（またはアドバイス）？
闇雲にインターンシップや本選考に応募するのではなく、自分が何をしたいのか、業界や仕事がどのようなものなのかを早い段階で理解することが必要だと感じた。
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