<プロフィール>
Tさん/男性
東京大学/院卒
理学系研究科
ガクチカ:学業/ゼミ/研究, アルバイト
内定取得先:WEB・インターネットサービス, SIer, 家電・AV機器, 電気・電子部品・半導体
入社予定先:IT・通信(SIer)
01:就活スタート(準備)期
ーーいつから就活を開始したか?
修士1年生の6月~7月。
以前から、研究室の1つ上の先輩から就活について雑談レベルで聞いていて、興味を持ったことがきっかけ。
物理学専攻の学生のうち7割が博士課程に進学するのだが、最初は博士に行くことも考えていた。
しかし、進学よりも企業で自分の力を発揮することに興味が出てきた。なぜなら、自分で調べたり色々な人から話を聞く中で、研究の面で大学より企業の方が強い分野があることを知ったから。はっきり白黒つけることはできないが、大学では基礎的な研究、企業は応用的な研究、というイメージ。
ーー何からスタート・準備したか?
就活の流れを把握して、何がゴールかを設定すること。
スケジュール感を押さえておけば出遅れることはないと考えたから。
選考が何月にあるのか、ESではどんなことを書かなきゃいけないのか、何が必要か、などふんわりと確認していた。
ネット検索や先輩に聞いたりした。就活サイトは個人的にあまり好きじゃなかった。ワンキャリアは通過ESの質問項目を見る程度で、あまり参考にはしなかった。
ーーこの期間に志望していた業界・企業は?
電機メーカー、電機メーカーの中の研究所。
物理学専攻ということもあり、物理をどう社会に生かすか、など自分が興味ある事や得意なことを仕事にしたいと思っていた。
ーー応募までの過ごし方や意識した準備は?
①研究活動との両立を図った。
修士1年生ということもあり覚えることも多くてかなり忙しく、研究活動メインの中でいかにESを書く時間をとるか大変だった。
選考の中には技術面接があり、難しい質問が多いし、言語化して伝えるには自分の研究をよくわかっていないと厳しい。
修士1年生のこの時期から自分の研究について深く理解している人はそういないが、今後のためにも今からしっかり研究に取り組む必要があった。
②自分が欲しい情報を得るよう意識した。
就職した先輩が就活について話してくれるイベントに2回ほど参加。就活の流れを把握し、イメージした。
ーー応募までに困っていたことは?
良いESとはどんなものかわからなかった。
正解がたくさんあるから。
本選考の時期には大学の就活支援室で添削をしてもらっていたが、この時期は諦めて、とりあえず書きたいことを書いて応募していた。1度書いておけば、本選考の中でブラッシュアップされると思ったから。
ーーこの期間はどんな心境だったか?
きつかった。
平日や土日も研究で、就活に割ける時間がなかった。
ーー応募までに「やっておいてよかった」は?
自分が興味あることを探すこと。
方向性が決まるから。自分はこの時期は電機メーカーをメインで見ていた中で結果的にIT系企業に入社するが、舵を取る方向を決めれば満足できるから。
ーー応募までに「やっておけばよかった」は?
この時期は研究活動が忙しく、限界だったためやっておけばよかったことはない。
強いて言えば、自分の研究内容を理解すること。夏インターンシップの段階ではあまり聞かれないが、今後の選考では求められるから。
02:夏インターンシップ期
ーーいつから夏インターンに応募したか?
修士1年生の6月から。
ーーこの期間に志望していた業界・企業は?
電機メーカー。
ーー何社に応募したか?
4社応募、3社通過、2社参加(研究活動との兼ね合いで1社は辞退)。
先輩と話したり、よく耳にする企業に応募した。大手企業の方がお金もあって人数も多く、自由度が高くそれなりの裁量があると思った。
その中でも早期選考ルートがあったり、本選考も受けるであろう企業に絞り、次に繋がるよう意識した。
研究活動が忙しかったため4社が限界だった。ESはあまり練らず自分で書いて提出した。
参加した2社は1週間のインターンシップ。
ーー夏インターンで体験/知れたことは?
企業と大学における研究の違いがわかった。
企業は人数が多いからこそ細分化されている。一方で大学の研究は1人で大部分を担っている。
1週間だからわからないこともあるが、雰囲気などもなんとなく把握できた。
ーー当時の過ごし方や意識した対策は?
時間がない中でとりあえずESを出してみた。
出せば通るところもあるんだなと思った(後で見返すとひどいESだったが通過した)。出すことが大事だと感じた。
ーー当時困っていたことは?
研究との両立。
やるべきことが山積みだった。第1として、研究は強制ではなく自分でやりたいと思っていたことで、研究が自分の中で1番大事だった。就活をやるために大学に進学したのではなく、研究をやりたくて大学に進学した。その中でいかに就活に時間を割くかが大変だった。
隙間時間でどうにかした。
ーーこの期間はどんな心境だったか?
自分が何に向いているかわからず、このままでいいのか、という気持ち。
研究をやる上で電機メーカーがいいとは思っていた。
しかし夏インターンシップで某電機メーカーに参加し、将来ここで働き続けるのは厳しいと思い、感触があまりよくなかった。
電機メーカーといっても企業によって扱う分野が異なる。その中の一分野が自分に向いていないなとインターンシップを通して感じたわけだが、他の分野も合わなかったらどうしようと思った。
ーーこの期間に「やっておいてよかった」は?
ESではどんな項目を書かなきゃいけないか(ガクチカ、頑張ったこと、工夫したことなど)を把握すること。
この時期に頑張ったことを今後の選考で話すことになるから。自分が持つエピソードの中でどれについて書くか、話すかも考えていた。
また、エピソードとして何かできないかなということも考えていた。面接官に説明する上でわかりやすいものを逆に作りに行く感じで。
ーーこの期間に「やっておけばよかった」は?
夏の時期に就活をあまりやらなくてよかったなと思う(コンサル志望の人であれば変わってくるが)。
物理系や研究所の選考は他と比べて遅いから。ただこの時期にやっておけば冬の時期に楽になるとは思うが、、。
03:秋冬インターンシップ期
ーーいつから秋冬インターンに応募したか?
秋冬インターンシップには応募していない.。
①学会の発表もあったりと、とにかく研究活動が忙しかったから。
②参加できなくても本選考があるから大丈夫だろうと思ったから。
③夏インターンシップの経験で、どれだけインターンシップに行ってもいずれにしても選考を受けなきゃいけないとわかったから。早期選考などあるけど少し時期が早くなるだけだと思った。
ーー当時の過ごし方や意識した対策は?
12月の終わり頃から本選考で楽に、有利になるようにESを書き始めた。
就活支援室で5回ほど添削してもらった。2、3月は就活支援室が混むから早めの時期から利用していた。かなりみっちり対策し、添削してもらったものを使いまわしていた。
ーーこの期間はどんな心境だったか?
なんとかなりそうだな、という気持ち。
研究活動に打ち込む一方で、ES作成などにしっかり取り組んでいて準備が進んできたから。
ーーこの期間に「やっておいてよかった」は?
①ESを完成させたこと。
②WEBテストにはどんなものがあるか調べたこと(「SPIというものががあるらしい、、」)。
自分の行きたい企業の選考フローを調べる中でWEBテストについて知った。対策はほぼしておらず、問題集を購入してどんな分野が出るか確認していた程度。問題集はほとんど使わずに終わった。
ーーこの期間に「やっておけばよかった」は?
特になし。
インターンシップは夏に行けていたから、面接で話のネタにもなるだろうと思っていた。自己分析など就活対策は正直きりがないから割り切っていた。
04:本選考期(秋冬IS以降)
ーーいつから本選考に応募したか?
修士1年生の2月~4月。
ーーこの期間に志望していた業界・企業は?
電機メーカー、IT系。
業界を見て志望企業を絞っていたのではなく、「自分が興味があること(物理系)を研究できる企業」を探す中で、結果的にこの2つの業界になった。
自分が興味あることがその企業でできるかどうか、が自分にとって譲れない条件だったから。
ーー何社に応募したか?
5社応募、5社通過。
大手企業の中では自分がやりたいことをやっている企業が少なかった。この5社がどこもだめだったら後で考えようと思っていた。
就職支援室の人に「これ以外にもっと出した方がいい、全部落ちてしまったらどうするのか」と言われていたが、ES出して就職できたとしてもつまらなかったら意味がないと思っていた。
ーー当時の過ごし方や意識した対策は?
①スケジュールを意識しての前々から準備
研究活動との両立を図るため。何月に何があるのか、ESの締め切り日、選考フローなど。
②ES作成、添削
就活支援室で添削してもらった。どこがダメか言われる程度で手取り足取り教えてもらったわけではないが、何回も添削してもらう中でかなり良いものになっていった。
③OB/OG訪問
かなり力を入れていた。基本的にビズリーチ・キャンパス経由で訪問。最初はやってみよう感覚で訪問したが、自分の聞きたいことをしっかり聞けたし、面接での回答についても聞けてかなり充実したものになった。以降、OB/OG訪問はきちんとやろうと思った。12月~2月に10人弱、1社につき複数人訪問した。
ーー当時困っていたことは?
技術面接の対策や質問回答。
面接官の前提知識がそれぞれ違うことや求めている人物も違うからそれぞれに対応しなければならなかったから。
企業それぞれの求める人物像に沿う回答をすることが難しかった。また、志望動機でも企業の特色に沿ったエピソードを書く必要があり、整理するのが大変だった。
OB/OG訪問の中で、自分が志望している企業の部門のOBの方にその方自身が求める人物像を聞いて、それに沿って書いたりした。
また、自分が持っているエピソードの中でどれが企業にマッチするのかをOB/OG訪問で確かめていた。
ーーこの期間はどんな心境だったか?
満足いくところに内定をもらえるか心配だった。
研究など色んなことと重なってメンタルが安定していなかった。嘘でも「来月には終わる」と自分に言い聞かせて頑張っていた。
準備してきたもの(インターンシップへの参加やESなど就活対策全般)があったから、無駄にしたくない、できれば報われてほしいと思っていた。
ーーこの期間に「やっておいてよかった」は?
ESを全て3月までに仕上げておいたこと。
ESに割く時間を減らせて楽になった。もし追加で他の企業出したかったらコピペすれば出すことができる状態だった。
ーーこの期間に「やっておけばよかった」は?
面接の質問回答をもっとたくさん用意しておくこと。
テンプレは用意していたが、たくさん用意しておけばおくほど面接も楽になっていいと思うから。その場で考えなきゃいけない質問もあるから仕方がない部分もあるが。
05:意思決定期
ーー意思決定の時期は?
修士2年生の4月〜5月。
ーー最終的に何社から内定を得たか?
6社。意思決定したSIerの他、WEB・インターネットサービス、家電・AV機器,、電気・電子部品・半導体。
ーーこの期間はどんな心境だったか?
以下の2社でとても悩んだ。
ーー最後は「どこ」と「どこ」で迷ったか?
総合電機メーカーとSIer(入社予定先)。
社風や研究体制どちらもそれぞれ良さがあった。総合電機メーカーの方は夏インターンシップにも参加し、自分に合っているなとも感じていた。
ーー最後の「決め手」は(どうやって決めた)?
将来性ややりたいことが決め手。
就職支援室の人に相談した。「最後は自分で決めた方がいい」と言われた。基本的には聞いてもらうだけで、話していく中で自分で整理して決めた。
ーー意思決定で困ったこと/悩んだことは?
長い間よくしてもらっていると断りにくくなってしまったこと。
総合電機メーカーの方は、夏インターンシップや説明会、リクルーターから話を聞いてきて愛着も湧いていたし、親切心も見えたから。辞退の電話もかなり憚られた。ただ最終的には、自分を大事にした。
ーー就活全体を振り返ると(またはアドバイス)?
やり切った、もうやりたくない.、疲れた、というのが正直な感想。
インターンシップや説明会、OB/OG訪問を通して企業がどういったことをしているのかたくさん知れてよかった。
単純に、偉い人にたくさん会えてよかった。最終面接だと研究所長が出てきて「こんな偉い人も出てくるんだ!」と思った。そんな方に対等に話を聞いてもらえて嬉しかった。
後輩へアドバイスするとすれば、「自分がやりたいことを1つ決めておく」こと。それをぶらさずに就活していけば、満足のいく結果が得られると思う。
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