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業界研究

【広告業界】業界研究「電通、博報堂、ADKの違いを徹底比較!それぞれの持つ強み、特徴とは?」

就活生に大人気な三大広告代理店。「電通」、「博報堂」、「ADK」の違いを徹底比較してみました!

こんにちは。ビズリーチキャンパス編集部です。

今回は、広告業界の中でも特に人気を集める「三大広告代理店」について、ご紹介します。
三大広告代理店とは、広告業界上位三社の「電通」「博報堂」「ADK」を指します。
この三社が広告業界の中では知名度で頭一つ抜けており、広告業界志望の学生からのエントリーも特に多く集まっています。
「電通」「博報堂」「ADK」ではそれぞれどんな違いがあるのか。三社それぞれの強みを見ていくとともに、売り上げの比較などから三社の力関係についても見ていきたいと思います!
広告業界を志望するのであれば、この三社のことを知っておいて損はないでしょう。

関連する記事はこちら

業界研究シリーズ:広告業界編

広告代理店とは?

まずは「広告代理店って面白そうだけどよくわからない!」という方のために、ざっくりと広告代理店の仕事を説明します。

例を示しながら、広告代理店の役割を説明していきます。
A社は、とある新商品を発売することに。A社は消費者にこの新商品を知ってもらうべく、宣伝を行おうと考えます。少しでも多くの人に効果的に商品を宣伝するために、テレビCMや新聞、雑誌などマスメディアに掲載することに決定。A社は新商品を宣伝するのに最適な媒体を選択し、そこに広告物を掲載します。そうして新商品の広告が消費者の目に届き、晴れて購買に至ります。
このプロセスの中で、広告代理店は、広告を出したいA社と、テレビ局や新聞社などの各種媒体との間に入り、両者をつなぐ仲介のような役割を果たしています。
広告を出したい企業へ足を運び、話し合いながら適切なメディアを狙い定め、テレビ局や新聞社などとの取引を代理で行い、広告を掲載してもらう。この仲介をするのが広告代理店の主要な役割です。
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代理店の仕事はそれに留まらず、実際の広告物の作成も行います。社内に蓄積したノウハウと、それを実践するクリエイティブな社員たちが、消費者に刺さる広告を制作していきます。
広告主と媒体との仲介、そして広告物の作成。特に後者のクリエイティブな仕事が、広告代理店は「華やかなイメージ」であるという認識を形成している要因だといえそうです。

これがざっくりとした広告代理店の仕事内容です。
なお、これから述べる三大広告代理店のような巨大な代理店になると、今述べた業務にとどまらない手広い事業展開を行っています。

電通、博報堂、ADKを徹底比較!

ではここから三社を比較していきます。まずは売上高での比較から。
広告業界の売り上げランキングは以下のようになっています。(2015年 広告経済研究所「広告と経済」より)
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売上高で見ると、グラフを見ればわかるように、電通の売上げが他社を大きく突き放して業界1位を誇っていることがわかります。
2位の博報堂の売上高は、電通の半分にも至りません。ADKの売上高は、その博報堂の半分程度。さらにその下に、大広やJR東日本企画などが続きます。
三大広告代理店は、ほかの代理店と比べて頭一つ抜けていますが、電通の売上高はそこからさらに突出していることがわかります。

電通、博報堂を合わせて「電博」と呼ぶことも多く、両社は並列のような関係のイメージがありますが、実際の売り上げではこんなに差があるのです。
電通のすごさもさることながら、電通と双璧をなす広告代理店というイメージを作り上げている博報堂の企業ブランディングの巧さも感じられるのではないでしょうか。


株式会社電通

汐留に本社を構える電通は、日本の広告代理店の中ではトップをひた走り、世界で見ても第5位の売り上げ規模を誇っています。特にシェアが大きいのがテレビ広告で、国内シェアの約25%を占めています。
電通の社風は「体育会系」で、ガッツと体力を活かした営業、そして接待でクライアントの信頼を勝ち取っていくスタイルです。この広告営業力が、他社を引き離す強みになっています。
加えて業界1位たるゆえんは、時代の潮流をいち早く読み取り行動に移せる経営戦略です。
インターネット広告に代表されるデジタル領域への対応や、後述する海外展開のスピードでは、他の広告代理店を1歩リードしています。

「その手があったか」と言われるアイデアがある。
「そこまでやるか」と言われる技術がある。
「そんなことまで」と言われる企業家精神がある。
私たちは3つの力でイノベーションをつくる。
人へ、社会へ、新たな変化をもたらす
イノベーションをつくってゆく。

引用:電通 企業理念


株式会社博報堂

赤坂にスタイリッシュな本社を構える業界2位の博報堂は、「粒ぞろいより粒違い」と評されるように、様々な個性が集まり、互いを尊重しあいながらそれぞれが個性を発揮するような社風です。「クリエイティブの博報堂」とも呼ばれるほど製作部門が強く、糸井重里や佐藤可士和などの著名なクリエイターを数多く輩出してきました。
また、フィロソフィーに「生活者発想」を掲げています。
これは、人を個々の商品の買い手、つまり“消費者”としてではなく、暮らしの作り手である“生活者”だととらえ、その根源にある価値観や欲求の変化を読み解いていく・・・という考え方です。
このことからもわかるように、体育会系の営業というよりは、緻密な分析とデータに基づいた営業スタイルが特徴的で、強みとしています。

博報堂・博報堂DYメディアパートナーズは「未来を発明する会社へ。Inventing the future with sei-katsu-sha」を掲げました。
ではなぜ、広告会社が、「発明」を?
広告会社は、これまで、クライアントの商品やサービスのコミュニケーションを主なビジネスとしてきました。
しかし、時代は大きく舵を切っています。インターネットをはじめ、縦横無尽のネットワークと発信手段を手に入れた「新しい生活者」は、いまや、ただの受動的な存在でありません。
私たちは、従来の広告業に加えて、様々な商品やサービス、事業やメディアを「つくる」会社になります。

引用・抜粋:博報堂 ビジョン

株式会社アサツー ディ・ケイ(ADK)

虎ノ門におしゃれなオフィスを構えるADKは、「アニメのアサツー」とも言われているように、多くのアニメーションコンテンツの製作に強みを持っています。ドラえもんやワンピース、クレヨンしんちゃんなどといった日本が世界に誇る有名作品の製作に関わっており、キャラクターを用いた企画立案やライセンサー業務など、アニメ分野で独自性を発揮し、その地位を確かなものとし、強みとしています。
社風としては、他二社と比べるとやや温和な雰囲気の社員が多いようです。また、電通、博報堂にいかに追いつけるかということを考えている風潮があるようです。
加えて2017年10月、アメリカの投資ファンドであるベインキャピタルが、ADK(アサツー・ディ・ケィ)を株式公開買い付け(TOB)で買収し、完全子会社化したとの報道がありました。
この報道に対してADKは、広告業界で勝ち抜くため、ノウハウを持ったベインキャピタルの子会社となり、非上場化して長期的な戦略を練り直すと説明しています。
詳しく知りたい方はこちら:ADKが米投資ファンドに買収された。それ、どういうこと??

「伝える」の先に行く。
デジタル技術の発展によるメディアやコミュニケーション・デバイスの多様化に伴い、消費者の生活行動や購買行動が急激に変化しています。また、今日のグローバルな競争環境の中で企業が成功するためには、技術・製品力に次ぐ新たな力が必要とされています。それは、日々変化し続ける消費者を、新しい情報テクノロジーによって確実に捉えるマーケティング力、消費者を惹きつけて離さないブランディング力、そして消費者を実際に動かすアイディア力だと、私たちADKは考えます。

引用:ADK Vision

電通、博報堂、ADKの海外展開

画像 海外展開という観点でも見てみましょう。
近年、三社とも積極的に海外への展開を進めています。
国内での広告の流通量には限界があるため、海外への進出は、今後企業が発展していくためには非常に重要な領域になります。すでに三社とも海外での売り上げを上げていますが、その進出度合いは、数字となって表れています。

2016年度の電通の海外事業の売上総利益は7890億円。電通全体の売上総利益のうちおよそ54%もの割合を占めています。
電通はここ数年でおよそ20カ国の海外広告代理店を次々に買収。2013年には英国の大手広告代理店イージス・グループの買収を完了しました。M&Aを通して一気に海外展開を加速させ、売り上げを伸ばしました。

それに対して博報堂、ADKの売上総利益に占める海外事業構成比は、どちらも10%程度です。
電通に1歩出遅れた博報堂は、中国、ASEANを最重要エリアに据え、事業を展開。博報堂の根底を支える生活者発想の研究拠点である「生活総合研究所」の上海支局を2012年に設立していることからも、今後中国を中心としたアジア各地に展開していく気概が感じられます。

ADKも、アニメという強みを生かして2014年に新たにADKクールジャパン事業推進室を設立しました。国家事業である日本の文化の海外発信「クールジャパン」事業を推進し、アニメビジネスを中心に、エンタメ領域での海外展開を進めています。
また、先に述べたように外資系ファンドであるベインキャピタルの子会社となったことで、グローバルでープンなネットワークを築く戦略を進めていくと予想されます。

電通、博報堂、ADKの広告事例

各社がこれまでに制作してきた広告は数知れませんが、以下の記事で最新の事例を中心にいくつかの作品を紹介しています。
それぞれの広告事例を見ていくことで、クライアントの違いやテイストなどが見えてくるかもしれません。

【電通編】あのCMどこが作ってる?電通、博報堂、ADKが手掛けるCMまとめ!
【博報堂編】あのCMどこが作ってる?電通、博報堂、ADKが手掛けるCMまとめ!
【ADK編】あのCMどこが作ってる?電通、博報堂、ADKが手掛けるCMまとめ!

対策や企業研究よりも前にやるべきことがある…それは「どんな生き方をしたいか?」を考えること。その方法はネットで検索することでも、内定者の先輩に聞くことでもありません。実際に働く社会人の先輩たちに聞くことです。