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業界研究

「ビズリーチ・キャンパスLIVE」特別企画『メガバンク徹底解剖』~前編~

2020年10月に、ビズリーチキャンパス主催の特別企画『メガバンク徹底解剖』が開催されました。今回は前半に行われた、現役メガバンク行員と学生のパネルディスカッションの様子をご紹介いたします。みずほフィナンシャルグループ、三井住友銀⾏、三菱UFJ銀⾏といった、日本を代表とするメガバンクの本音を浮き彫りにする衝撃の対談企画。話題の某銀行員ドラマについてから、メガバンクが見据えるグローバル化やアフターコロナについてまで、普段なかなか触れることのできない疑問点やトピックスを徹底解剖していきます。

<登壇者>
■みずほフィナンシャルグループ
平瀬真⾏(ヒラセマサユキ)
入社12年目
【経歴】
大手化学メーカー等の大企業を担当後、ベトナム(ホーチミン)で海外勤務を経て、現在は新卒採用に従事。採用戦略からインターンシップの企画・運営まで、幅広い業務に携わる。

■三井住友銀⾏
⻄村勇紀(ニシムラユウキ)
入社8年目
【経歴】
様々な業界の中堅・中小企業を約200社担当した後、国際部門に異動し、外資系大手企業に対する営業に従事。現在は、主に新卒採用の広報やグローバル採用の企画に関わっている。

■三菱UFJ銀⾏
⽜牧博志(ウシマキヒロシ)
入社14年目
【経歴】
アパレルや医療機器メーカー等の中堅・中小企業を担当後、企業再生に従事。その後、上場企業の海外進出やM&A案件などに関わる。現在は、採用関連全般の企画・運営を担う。

■学生
西川慧(ニシカワケイ):慶應義塾⼤学3年生
堀尾隆⼈(ホリオリュウト):早稲⽥⼤学3年生

それではまず堀尾くんから、メガバンクに聞きたいことをぜひ。

堀尾:
お金を貸す業務についてお聞きしたいです。現在の様々な社会情勢によって、以前よりも銀行の利益確保は難しくなってきていると思いますが、これから銀行はどのように対応するのかということと、ズバリ未来は明るいのか。この2点をお聞きしたいです。

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⽜牧(三菱UFJ):
いきなり真面目な質問きましたね(笑)結論から言うと、お金を貸す業務は確かに重要な業務ですが、それだけが我々のビジネスではありません。そこだけを切り取って収益の議論はできないと思います。銀行には銀行法という法律があるため、できる業務が決められています。そのため、不動産仲介業務はしてはいけない、などの制約がありますが、メガバンクは銀行ではできない業務もカバーするために信託銀行や証券会社等とグループを作っています。銀行をフックにして、多種多様な業務に対応していくことで「金利だけではないビジネス」を創出していく組織体制を構築しています。

平瀬(みずほ):
規制緩和でハードルが下がっているので、確かに競合は増えています。とはいえ、これ自体、僕個人としてはポジティブに捉えています。フィンテック部門では各社様々なテック系企業と協業して、新しいことをどんどん始めようとしています。我々は百年以上の歴史がそれぞれあるので、そこで培った顧客力は相当なものがあります。単純にバンキングだけに胡坐をかいていては世の中のニーズに応えられなくなってきていることは承知の上で、資産力や顧客力を、グローバル化や異業種とのコラボといった新たな方面に活用していく取組を行っています。

⻄村(三井住友):
一言で「お金を貸す」といっても様々なファイナンスの手法があります。そもそも、大規模な事業融資などの場合、我々のような規模感を持っていないとできないことがたくさんあります。そして、企業に対する事業資金の融資以外にも、例えば企業の買収案件に係わるM&Aファイナンスがあれば、新興国にインフラを新しく作るような事業に対するプロジェクトファイナンスもあります。こういったケースでは、資金を提供するだけではなく、事業計画を作ることから始まり、事業会社を集め、様々な関係者を巻き込んで主体者としてプロジェクトを進めていく。我々の規模感があるからこそ実現可能な案件も多いですし、規模だけではなく、様々なスキームを駆使してオーダーメイドの資金提供ができる「金融のプロ」というのがメガバンクの強みなんじゃないかなと思っています。

「メガバンクと他の銀行って何が違うんだろう」という、素朴な疑問が解決しましたね。では西川さんは金融業界への就職を希望されているということですが、質問はありますか?

西川:
ちょっと私は皆さんが気になっているであろうフランクな質問を、、、(笑)最近、銀行員を主人公とした某ドラマが話題になっていますが、本当に土下座とか責任を押し付けられるみたいなことってあるんですか?

⽜牧(三菱UFJ):
平瀬くんクラスにもなると土下座したことあるでしょう(笑)?

平瀬(みずほ):
いや僕はプライベートでたまにするくらいで、、、(笑)というのも冗談で。一回もやったことないですね(笑)

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⽜牧(三菱UFJ):
ちなみに西川さんはあのドラマ見てどう思うんですか?

西川:
「出向ってそんなに大変なものなの?」とは思います(笑)

⽜牧(三菱UFJ):
なるほど(笑)出向って、一言でいうとスキルアップなんですよ。銀行の中だけでは見られない世界を見せてもらえるっていう。自分の銀行で活躍していない行員を他社に送り込むって、そんな失礼な事、現実には絶対にない。むしろポジティブなキャリア形成で、証券会社に出向したりとか、事業会社の経営戦略企画部に出向したりとか、数年で経験を積んで戻ってきます。片道切符ではないのでご安心ください(笑)

平瀬(みずほ):
牛牧さんと同意見で、キャリアアップですね。複数の専門性を身に付けるっていう。僕自身も入社12年目ですが、投資銀行業務・海外勤務を経験しています。例えばこれが他の業界でいうと、転職でしか経験できないようなキャリアを自グループ内で経験できるみたいなイメージです。ドラマで描かれているような世界観はぶっちゃけ現実ではほぼありませんね(笑)全然トップダウンとかではないですし、むしろボトムアップでどんどん自分が上司を「活用」して巻き込んでやらないといけなかったりする場面もある。

上司を活用するとかボトムアップのイメージって、メガバンクにありました?

西川:
正直なかったです。メガバンクはお堅いというお思い込みがあったので、今のお話は衝撃的でした。ドラマのイメージがあったので、本当はスキルアップなのに出向がまるで左遷であるかのような、、、

堀尾くん、もっと聞きたいことがあればぜひ。

堀尾:
銀行って、法人営業など大きなお金を動かすじゃないですか。責任感が非常に大きいと思うんですが、どのように感じてらっしゃいますか?

⻄村(三井住友):
責任感はかなり重要で大切です。企業にお金を貸すにしても貸された側の人生に関わるわけで。また我々も、お客様から預かってる大切なお金を融資に回している。相応の知識も経験も必要になってくるので、責任感はとても大切です。ただ、その責任を個人一人で背負うというわけではなくて、組織としてどういう意志決定をするのかということを、担当者がしっかりストーリーを描いて進めていくということです。お客様に対しても組織に対しても、自分がオーナーシップを持ってやるんだという相応の責任感を持たないと業務は務まらないですね。

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⽜牧(三菱UFJ):
責任感を持つって、嬉しいことなんですよ。自分が常にプロジェクトマネージャーでいられる点と、お客さんとリスクを共有できるという点で。お互いにリスクを共有するとまっすぐな意見のぶつけ合いができるじゃないですか。そういうところもやりがいに通じていると思いますね。

平瀬(みずほ):
お二人がおっしゃる通りで、それは国を越えても全く一緒でした。僕はベトナムに赴任していたんですが、日本とルールが全然違って、日本の常識が全く通用しなかった。そういう環境でも自分が動かないと仕事が進まないんです。自分は日本の国旗を背負っているんだ、くらいの気持ちで責任感を持ってやっていかないとだめで。そういう、壁を乗り越えるプレッシャーみたいなものを楽しめる人にはこれ以上はない環境でしょうね。

当然メガバンクともなれば責任感も並々ならぬものがあるものの、それを楽しめる人には向いていると。西川さんまだ何か気になることはありますか?

西川:
ちょっと質問を変えて、各社の働きやすさや、女性の活躍についてうかがいたいです。

平瀬(みずほ):
人事の立場で申し上げると、今〈みずほ〉では、兼業・副業も解禁しています。これから世の中がどんどん変わっていく中で、バンキングのスキルだけでは生き抜いていけないという事実を突きつけられているんです。自発的に兼業・副業をすることで、自己研鑽を重ね、身に付けたものを〈みずほ〉でのビジネスに還元し、ひいてはそれをお客様に還元していくということ。そういった目的で、社員の人生をより充実させるためフレキシブルな体制を整えていこうと思っています。働き方については、お子さんがいらっしゃる方にはリモート勤務を奨励したり、性別問わず育休を申請できるようにしたりなど、世の中の動きに応じた新しい働き方をどんどん取り入れてます。

⽜牧(三菱UFJ):
働き方は変わりましたよね。残業時間に厳しくなっているのはもちろん、オンオフのメリハリの効いた働き方が進んでいます。ただ、働ける時間の上限が決まっている分、すごく効率性も求められていますね。ダラダラ働くとかは言語道断ですし。身もふたもない言い方すれば、朝早く来て夜遅くまで残ってれば、誰だって仕事量をこなせる。ただ、もうそういう働き方は通用しない世の中になってきている。今までは制限がなかった残業が規制されて、より時間内の成果を求められるようになってきていると感じますね。

⻄村(三井住友):
僕は今入社8年目ですけど、すでに入社当時と今の状況はだいぶ変わっていますね。働く場所や時間が柔軟になったり、サテライトオフィスや時短勤務、スライド勤務など各々の生活事情で選べるようになったり。なんといっても去年より私服勤務が始まりました。ラクに働こうというのではなく、柔軟な発想や既存の枠にとらわれず、新しいことをやっていくイメージを内外に打ち出すために始まった制度です。10年弱でかなり変化はありましたし、良い方向に変わってきていると思います。

この約10年でも働き方やそれに付随した生活そのものにもやはり変化はあると。そういった背景を受けて堀尾くん何かご質問ありますか?

堀尾:
グローバル化について質問です。僕自身が持っているイメージで恐縮ですが、日本のメガバンクは外資系銀行と比べるとどうしても自国色が強い気がするんです。グローバル戦略として、世界に対してどう動いているのかお聞かせください。

⽜牧(三菱UFJ):
日本のメガバンクというと、欧米等と比べてドメスティックなイメージが強いと思いますが、実はそんなことはないです。皆さんが思っているより、銀行ってグローバル企業なんですよ。例えば、日本企業が海外進出する場合、太宗は銀行に相談が来ていただきます。なので、メガバンクにとって海外は働く環境の選択肢の一つです。他にも、外資系と日本の金融機関で収益力が違うと言われがちですが、それって当たり前の話で、なぜならそもそも国別の貸出金利が違う。とはいえそこを乗り越えて成長していこうと多角的な取り組みをしているのが、我々がとっているグローバル戦略です。

平瀬(みずほ):
みなさんに一番身近なものってATMや支店だと思うので、メガバンク=対個人営業のイメージが強いんでしょうね。我々がグローバルと言っているのは、どちらかというと対法人営業の領域です。普段の生活シーンでは、なかなか対法人営業の領域には触れる機会が少ないので、メガバンク=自国色が強いというイメージを持たれるんでしょうね。

⻄村(三井住友):
実は日本そのものが海外から見たらグローバルマーケットなんですよ。海外から日本に進出してくる企業は多く、そういったインバウンド需要に対しての支援も立派なグローバルビジネスであり、世界に働きかけている実感を持って仕事ができます。アジアの成長市場を取り込むという観点で、欧米の企業から日本の銀行に相談がくることも多いです。そういう場合に、我々メガバンクが海外拠点のネットワークを活かし外資系企業のアジア事業を支援するなど、一言でグローバルビジネスといってもできることは多岐にわたりますね。

では、最後の質問になりますが西川さんいかがでしょうか?

西川:
今、世界は新型コロナウイルスの影響が強いですよね。そういった情勢下で、金融危機が来るのではないかという話もあると思いますが、メガバンクとしてどのように考えていて、どのような対策を講じていらっしゃるのでしょうか?

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⻄村(三井住友):
現場では、アフターコロナに向けてどういうビジネスをしていくのか、現状をどう切り抜けていくか、ということをまさに経営者とディスカッションしています。国内外の情報を集め、これまで蓄積してきたノウハウも活かしながら、クライアントと一緒に今後我々はどうしていくべきかを画策し続けていくことがコロナウイルス対策だと思っています。

平瀬(みずほ):
法人ビジネスと個人ビジネスで分けられると思っています。まず個人ビジネスに関しては、貯蓄一本やりではなく、投資のポートフォリオを強化して、リスクを分散しつつ対策をしていきましょうという方法。法人ビジネスでは、事業を多角化したり、コア・ノンコア事業を見直し、「もしもの蓄え」を想定していく支援をする。その、何をどのように多角化していくのかという部分を、我々が持っている情報を基に一丸となって模索していくということでしょうね。

⽜牧(三菱UFJ):
西村さんと平瀬さんお二人に全て言われてしまいましたが、、、(笑)メガバンクって、アフターコロナに向けて世界を支えていかないといけない立場だと思ってます。自社の利益だけを追求するのではなく、日本を元気にするというミッションでビジネスをしている。我々が持っている資金力と情報力を駆使して、社会の血液であるお金を循環させて国を健康にしていくことが、メガバンクが行うべきコロナ対策なのではと思います。

ありがとうございます、なかなか普段触れることのできないメガバンクの本音を聞かせていただけました。

「ビズリーチ・キャンパスLIVE」特別企画『メガバンク徹底解剖』~後編~

https://br-campus.jp/articles/report/962