<企業紹介>
株式会社三井住友銀行
「最高の信頼を通じて、日本・アジアをリードし、お客さまと共に成長するグローバル金融グループ」というビジョンの実現を目指し、従来の枠を超えた挑戦を続けている。また「多様性を強みとする企業風土の醸成」に向け、従業員ひとりひとりが生き生きと能力を発揮できる職場づくりにも注力。多彩な人材が活躍している。
<セミナー参加者>
・宮川 達哉(株式会社三井住友銀行内定者)
東京大学法学部4年。就活は大学3年の夏からスタート。学者、コンサルティング業界、金融業界の3つの軸で就活を絞り、株式会社三井住友銀行の内定を獲得。
・宮原 美紗紀(三井住友銀行 投資営業部)
三井住友銀行入社5年目。法人営業における融資担当のキャリアを約2年間経験し、本部の投資営業部へ。現在はエクイティ投資業務に従事。
・持田 恭平(三井住友銀行 人事部 採用グループ長)
三井住友銀行新卒入社で現在は同社17年目。入社後数年は国内の法人営業を担当し、その後より人事寄りのキャリアに転身。2019年より本格的に採用業務に携わる。
<企業紹介>
PwCコンサルティング合同会社
PwCコンサルティング合同会社は、経営戦略の策定から実行まで総合的なコンサルティングサービスを提供しています。PwCグローバルネットワークと連携しながら、クライアントが直面する複雑で困難な経営課題の解決に取り組み、グローバル市場で競争力を高めることを支援します。
<セミナー参加者>
・羽賀 日向子(PwCコンサルティング合同会社内定者)
早稲田大学国際教養学部4年。就活期間は大学2年生の3月から3年生4月までの約1年間。幅広い業界のインターンを経験し、PwCコンサルティング合同会社の内定を獲得。
・村上 尭優(PwCアドバイザリー合同会社 M&A Transactions、Associate)
PwCアドバイザリー合同会社入社3年目でM&A担当。幅広い業界に触れることができ自己成長の機会が多いコンサルタント業界に魅力を感じ、同社へ入社。
・藤井 雄二(PwCアドバイザリー合同会社 CP&I、Director)
新卒採用業務とコンサルタント業務の2つの業務を担当。某銀行に10年ほど勤務したのち、PwCアドバイザリー合同会社に中途入社。公共事業など幅広い業務を経験。
若手エースが描くキャリアについて
司会者:
それでは引き続き、キャリアについてお聞きしたいと思います。若手の先輩がどんなキャリアパスを描いているのかというところは、やはり学生が気になることだと思います。なので、今後転職するしないは関係なく、どういったキャリアパスを考えているのか教えていただけますか。
村上:
僕が就活をしていてコンサル業界を選んだ理由は、実際に様々な業界のビジネス課題に取り組むことで、自分が本当にやりたいことを見つけたいと考えたからなんです。やりたいことが見つかったらそこに行こうとずっと思っています。コンサル業界は、幅広い業界に触れつつ、ベースとなる問題解決能力やプレゼンスキルが身につくなと思いました。最近になって、徐々に自分がやりたいことが見え始めてきました。現在の業務でM&Aをやっているので、投資部門や経営企画部門といった方面に魅力を感じています。そのため、引き続き仕事を通じて見えてくることからキャリアパスを考えていきたいと思っています。
司会者:
コンサル業務で様々な業界、企業に触れて、その中で自分にあったところを見つけるという?
村上:
そうですね。広い業界を見られるので、コンサル業界を選んで良かったなと思ってます。もちろんコンサル業界も大好きなので、続けようと思ってますよ(笑)
宮原:
私も村上さんと同じように就活をしているときは具体的にやりたいことが見つからず、自分が向いている仕事が何なのか分かりませんでした。入社後色々と経験してきましたが、現在のエクイティ投資業務を非常に面白いと感じているので、この業務の専門性を更に磨きたいと思っています。一方で、今の自分と1年後5年後の自分は、やりたいことや興味のあることはもちろん、思考も全然違う可能性があります。特に女性の場合、結婚や出産などのライフイベントもある中でどういうキャリアを描いていくのか悩む方も多いと思いますが、環境の変化、自分自身の考えの変化があった際に、選択肢をたくさん持っていられるようにしたいと考えています。
司会者:
お話の中で1年後5年後というワードが出ましたが、最初何もやりたいことが見えない状態で入社されて、今になってマインド面やスキル面で自分が変わったなと思うことはありますか?
村上:
当然スキル面は大きく変わりましたが、一番変わったところでいいますとプロフェッショナル意識が芽生えたところです。例えば、すごく単純化した話ですが、会社が投資をするときってものすごい金額が動きますよね。もしそこで自分が数字を間違えたら、僕のミスでその会社が何億という損失を計上することになるので、並々ならぬ責任感がないと務まらないんです。自分がプロとしてミスなくやっていかなければいけない、そういうプロフェッショナル意識が生まれたことは大きな変化です。
宮原:
キャリアパスのところでお話ししたように学生の頃やりたいことがなかったのは、自分が世の中のことを分かっていなくて、仕事というものにリアリティを感じられなかったからだと思います。銀行では、経営者や各分野のプロフェッショナルと関わる機会がたくさんあるので、世の中の仕組みがすごくよくわかるようになります。世の中の仕組みがわかることで、自身の仕事の意味を感じられ、前向きに業務に取り組めています。
人事責任者が語る「これから必要とされる人材」について
司会者:
では次にリーダー・マネージャークラスの方にお話しを伺いましょう。人事のご担当者様なので人事にフォーカスしてお訊ねします。今後どんどん世の中が変化していく中で、どのような人材に魅力を感じますか。また、最近の若手にどんなことを期待するのかについて教えてください。PwCで新卒採用をご担当されている藤井さんからお願いします。
藤井:
「人材として伸びる人」という観点でお話をすると、大きく分けて2つの要素があると思っています。それは好奇心の強い人と挑戦できる人ですね。まず1つめ、好奇心の強い人ですが、会社で仕事をするという環境に身を置くのであれば、思い切りその環境を楽しんでほしいと思っています。日頃の業務には、仕事なので面白い部分もあればそうじゃない部分もある。そうすると人は、どうしても面白くないものに目がいってしまいがちなんですけど、どんなつまらない仕事の中にも絶対面白い事ってあると思いますし、あるはずなんです。そういうところを自分で積極的に見つけて行こうとして、発見して楽しむことができるかどうか。これを2年3年続けていると、出来る人と出来ない人では結果が大きく変わってきます。もう1つ、挑戦できる人についてですが、現在はVUCA(ブーカ)時代と言われており、5年後10年後の将来が全く予測不能な状態です。そういう中で求められるものはチャレンジ精神でして、失敗を恐れないこと、あるいは失敗してもそれを乗り越えて次のステップに結びつけられるかということ。そのような前向きの思考で挑戦を続けられる人が伸びる世の中になってくると思います。
司会者:
では、次に三井住友銀行で人事部採用グループ長をご担当されている持田さんお願いいたします。
持田:
藤井さんのお話と重複してしまう部分もありますが、今後求められる要素は好奇心と主体性、この2つだと思っています。しかしこれは、現在が変化の激しい時代であるということもありますが、本質的には10年前も20年前も変わらなかったんじゃないかと思っています。なぜなら、私が自社他社問わず、お会いして素敵で魅力的な方だと思う人には共通点があります。それが、好奇心を持って色々なことにアンテナを張り巡らせていて、何かあったら積極的に当事者意識を持って動ける人なんです。そういう方はいつどこでもどの時代でもご活躍されるんだなと。好奇心と主体性、あえて言うとそれにプラスアルファでちょっとしたサービス精神や愛嬌みたいなものも大事かなと思います。「あいつとなら一緒に仕事がしたい」とか「あいつが言ってることなら協力してやりたい」とか、周りからそう思ってもらえる人は絶対強いですよね。
司会者:
お二人が感じている、金融業界とコンサル業界の現状の課題や将来性みたいな点ではいかがでしょうか。
持田:
マイナス金利であったり、銀行はいらないんじゃないかという意見があったりで、「銀行」と聞くと世の中的にはあまり良いイメージばかりじゃないなと思っています。環境としては金融業界は決して簡単じゃないことは確かですね。ここには僕らも非常に危機感を持っていますが、とはいえこの業界が培ってきたことってすごくたくさんあるんですね。例えば顧客基盤です。口座の数でいうと個人のお客様で2800万の口座があって、法人のお客様だと貸出先だけで8~9万社です。これだけの数のお客様とお取引している顧客網はかなり大きいと思います。銀行だからこそ教えていただける情報って実はたくさんあって、公表されている情報以外でも信頼関係が築けているからたくさんの情報が入ってくるんです。これは今後どんなビジネスを展開するにしても非常に武器になるものですよね。そういう信頼関係や顧客網に加え、従来銀行が行っていた預金・貸出業務のビジネスを基盤にしていけば、かなり広いフィールドに手を広げられるなというのが今の実感です。そういうベースを持って、色々な新しいことに挑戦していますというのが、金融業界の現状だと思います。
藤井:
業界の課題という観点で考えると、コンサル業界でビジネスの対象や手段がずいぶん変化してきているということが挙げられます。かつてのコンサル業界は、情報を世界中から集めてそれをお客様に提供すればビジネスが成り立っていました。しかし現代ではインターネットがあるので、オープン情報の取得だけなら誰でも可能です。そういう状況で我々コンサル業界がどうするかというと、その情報をいかに使うか、あるいはその情報をお客様にいかに使ってもらい実際の行動に繋げてもらうかということになります。これは「実行支援」という言葉があるのですが、分かりやすい例で言うとパーソナルジムですね。「痩せるのを手伝います」という実行支援です。人は、摂取カロリーを抑えて運動すれば痩せるということを分かっていても、実際行動するのは容易でない。そこで実行支援、頭で分かっていても実行が簡単でないことの背中を押してあげるんです。お客様が大胆な行動を取らなければならない瞬間に、いかに我々がその背中を押せるかに訴求する。方向性をそのように切り替えていくことで、コンサル業界が抱える課題を解決していけるのではと思っています。
司会者:
お二人に最後に質問したいことは、社会人経験が長いお二人が、今改めて自社に感じる競合他社への優位性のようなことはありますか。ここは競合他社には負けない強いところだと感じることについて是非お話ください。
藤井:
組織内の垣根の低さから来るスピード感はPwCの強みですね。業界への課題にも通じますが、今コンサル業界ではお客様からのニーズやリクアイメントがどんどん難しくなってきています。そうするとどうなるかというと、1人のコンサルタントや1つのチームで解決できる課題が減ってくる。そこで、様々なチームが人を出し合って合同でプロジェクトを立ち上げるというケースが非常に増えています。こういった高度なプロジェクトを立ち上げることは競合他社ももちろんやっていることなのですが、PwCのチーム間の垣根の低さは大きな武器だといえるでしょう。別部署同士で人を出し合うとなると、事前に決めておかなければいけない様々なことがあります。チームから何人出すのか、売り上げの配分の仕方はどうするのか、そういった多くの問題を合同チームを立ち上げる前に全てクリアにしなければなりません。場合によってはそういう組織内の仕切り問題だけで何週間もかかるという話も聞きます。しかしPwCでは、基本的には動き出しまでにそこまで時間はかかりません。フラットな社風であったり、トップマネジメントが意識的に体制を整備しているので、比較的スムーズな動き出しが可能です。他にも海外ネットワークが実際に日常的に機能しているといった部分でもPwCは強いのかなと思っています。
持田:
三井住友銀行の場合は、先ほど宮原さんも言っていましたが、個々人が裁量をもって大きな業務にあたっていることに起因する「個人の力」が大きな優位性だと思っています。非常に個性的かつ経験豊富なメンバーが多く活躍している会社なので、何か競合他社との局地戦になった際に負けない力強さにも繋がっていますね。これから時代が色々と激しく変化していく中で、個々人の力が強い組織は組織力も強いと思っています。
司会者:
ありがとうございます。内定者、若手活躍社員、リーダー・マネージャークラスの方々より非常に参考になるお話を聞くことができました。今回のお話は、ここにいらっしゃった多くの学生たちの就職活動に今後活かされると思います。本日はどうもありがとうございました。