2023年10月26日、ビズリーチ・キャンパスとの特別セミナー『Panasonic Group Autumn Live』が開催されました。
パナソニックグループ(以降、パナソニック)は、2022年4月より事業会社制(持株会社制)に移行しました。その中で、採用の新しい形として「初期配属確約」(事業領域と職種の確約)という取り組みを進めています。会社と個人の関わり方も変化していく社会において、パナソニックが思う、社員一人ひとりのファーストキャリアの重要性とはどのようなものでしょうか。採用責任者と内定者が登壇し、パナソニックの”リアル”を語ります。
パナソニックへの就職を目指す学生はもちろん、これから就活を始める学生も必見の内容となりました。
採用スローガン「誰かの幸せのために、まっすぐはたらく。」を掲げるパナソニック
■時代に則した”理想の社会の実現”を目指すパナソニック
パナソニックは1918年の創業以来、その時々の社会課題に正面から向き合い、物と心が共に豊かな理想の社会の実現に向けて取り組みを進めてきました。現在はパナソニック ホールディングス株式会社を持株会社とする事業会社制(持株会社制)のもと、多岐にわたる事業をグローバルに展開し、世界中の人々の「幸せの、チカラに。」なることを目指しています。
■社員一人ひとりが目指すキャリアの実現に向けて
「ものを作る前に、人をつくる」という、創業者の松下幸之助の言葉が根付いたパナソニック。学生から社会人になる際のキャリアの第一歩を後押しするため、「初期配属確約」を実現する取り組みを行っています。入社後も「社内公募」「社内複業」など様々な成長支援制度を活用し、一人ひとりが希望したキャリアを形成していくことができます。
2022年4月より事業会社制へと移行し、新たなスタートを切ったパナソニックでは、どのような採用活動が展開されているのでしょうか。
Panasonic Group Autumn Liveパネルトーク
【登壇者プロフィール】
■小幡 寛斉(パナソニック オペレーショナルエクセレンス(株) リクルート&キャリアクリエイトセンター 採用部 部長)
2001年新卒入社。半導体部門の人事担当を皮切りに、ASEAN地域人事企画マネージャー、パナソニックベトナム本社の人事ゼネラルマネージャーとして同社ベトナム事業の人材マネジメントを統括。その後、本社グローバル人事部人事企画担当を経て、現在は新卒採用責任者。2021年に神戸大学MBA修了、人材マネジメントの研究にも勤しんでいる。
■採用責任者が語る「事業会社制」と「初期配属確約」とは
司会者:
パナソニック様はこの数年で大きな変化を実現されましたよね。その中でも、会社の体制と選考のあり方という面で「事業会社制」「初期配属確約」という大きな2つのトピックスがあると思うのですが、詳しく教えてください。
小幡:
事業会社制に挑戦したことは、パナソニックの事業戦略上の大きなポイントでした。グループ内の事業会社は、それぞれ向き合っている業界がすべて異なります。一つひとつの会社は各業界で大きな存在感を持っており、単体としてもビジネスを展開していける。そのような会社が連携することでシナジーを生んでグループとして一緒に事業展開できることは、パナソニックならではの強みといえるでしょう。
司会者:
違った業界に向き合うグループ内の各企業で、人事面や働き方などの違いはあるのでしょうか?
小幡:
創業者・松下幸之助によって確立された経営理念という根底は同じですが、それぞれの会社の特色はあります。また、パナソニックの「経営基本方針」の実践を目指すための行動指針として、「Panasonic Leadership Principles(PLP)」があります。パナソニックが何を大切にし、社員には何が求められているかについてはこのPLPに則っています。
その上で、各社の向き合う業界に応じて最適化された各社の特色があります。従来はパナソニックとして一括りでしたが、事業会社ごとに特色が出ていて面白いと思います。業界も商慣習もそれぞれ違うので、ビジネスの最適解も異なります。そこに対してより早くアプローチできる体制へと変わっていますね。
司会者:
採用活動の変化についても詳しく教えてください。
小幡:
パナソニックでは、社員のキャリアや人生を後押しする仕組みが整っていて、その一歩目が「初期配属確約」です。現在、グループ内では事業会社と職種を掛け合わせると約140のキャリアがあります。それらの具体的な仕事内容や求められる要件を公開し、選考に進んでいただくことで初期配属を確約しています。学生さんのファーストキャリアを確約することで、自律したキャリア形成支援を目指しています。もちろん学生さんは自分にどんな仕事がマッチしているのか把握しきれていないこともあるでしょう。インターンシップで多様なテーマを設けたり、選考の過程でしっかりコミュニケーションをとったりしながら、双方のマッチングを丁寧に進めていきます。パナソニックの「経営基本方針」をご理解いただくとともに、そういった支援を活用しつつ自らが目指す目標を見つけ、理想とするキャリア形成についてイメージしていただければと思います。
司会者:
「初期配属確約」は、学生にとってはありがたい一面、人事としてはご苦労もあると思うのですが、その辺りはいかがですか?
小幡:
もちろん大変です。ただ、今の世の中は本当に変化が激しいので、その変化にスピーディーかつ柔軟に対応していかなければいけません。大企業に入れば一生安泰という時代はもう終わっています。そのため一人ひとりが自身のキャリアを考えていく必要がありますし、会社も社員のやりたいことには最大限コミットする体制を整えています。その中で特に重要なのがファーストキャリアだと考えています。
司会者:
学生側の意識の変化のようなものもあるのですか?
小幡:
ファーストキャリアが大切という気持ちは、従来よりも根付いているように思います。できる限りの情報提供とともに「ファーストキャリアで何が得られるのか」をクリアにしていかないといけないと感じています。会社と個人の関わり方も昔と変わってきているので、その時代の最適解は何か、採用のあり方はこれでいいのかということを常に考えています。
司会者:
「事業会社制」という大きな変化のもと「初期配属確約」を実現されているパナソニックへの入社を決められた内定者のお話も伺ってみましょう。
■内定者が語る「パナソニック」とは
【内定者プロフィール】
■村上 夏輝(パナソニック コネクト(株) 技術系内定者)
学生時代は語学学習やAIの自然言語処理の研究を学ぶ。学生時代に学んだことを活かせることと社員の雰囲気を重視した軸に絞り、就職活動。自身のインターンシップ経験から、働く姿を一番明確に想像できたパナソニック コネクト㈱への入社を決意。
■北得 裕香(パナソニック インダストリー(株) 事務系内定者)
飲食店アルバイトや石垣島ホームステイボランティアなどに力を入れた学生時代を送る。不動産や金融、メーカーなどの業界を中心に就職活動を進める中で、目指す姿に一番強く共感できたパナソニック インダストリー㈱への入社を決意。
■入社までの流れや初期配属確約での就職活動とは
司会者:
お二方の入社までの流れはいかがでしたか?パナソニック様の採用にかける想いや、初期配属確約をして採用活動されていることなど、就職活動中に知っていたのでしょうか?
村上:
実は就活中は会社がこのような想いで採用活動を考えてくれていたことは知りませんでした。インターンシップ先の職場の先輩から「採用はこの数年でかなり変わっていて自分たちの頃とは全然違う」みたいな話は聞いていましたが、ここまで大きな変化だったとは思っていませんでした。また、各事業会社にはそれぞれの特色や大切にしている価値観があることについては、インターンシップを通じて詳しく知っていきました。
北得:
私も知りませんでした。パナソニックは「大企業」というイメージを持っていましたが、実際に関わらせていただくまではここまで事業範囲が広いとは思っていませんでした。そのため、就活を進める中でパナソニックという会社を知れば知るほど、どんどん興味が湧いていきました。自分の就活の軸は「世界の人々の生活を縁の下の力持ち的に支えられる仕事」というものだったのですが、電子部品、電子材料やデバイスソリューションを世界に届ける事業を担うパナソニック インダストリー(株)は、私の軸と非常にマッチしていると気付き、「これだ!」と思い、入社を決意しました。
司会者:
皆様各事業会社がそれぞれ何をしているかを個別に理解された上で入社を決意されたのですね。
村上:
インターンシップに応募したときは、パナソニックは「大企業」「メーカー」ということしか知らなかったです。実際にインターンシップに参加して、自分のやりたいことがあったのがパナソニック コネクト(株)で、そこで初めてパナソニック コネクト(株)や事業会社制も知りました。自分が研究していたAIの自然言語処理の分野を活かせることがやりたくて、パナソニック コネクト(株)にその実習テーマがありました。パナソニックのインターンシップは450以上のテーマがあり、AIなど自身の専攻や興味関心でキーワード検索ができるようになっていました。小幡さんが採用時は「会社と職種の掛け算で約140の選択肢がある」と仰っていましたが、インターンシップはそれ以上という(笑)。多様なテーマから自身の志向を照らし合わせ絞り込んでいくと、自分に合ったテーマが見えてくる仕組みです。インターンシップの段階から自分にマッチするテーマを選択できるのは、事業領域が多岐にわたるパナソニックならではの特徴だと思います。
司会者:
インターンシップを通じ、事業会社制を含め各社の特徴を初めて知り、理解が深まったのですね。
北得:
私はインターンシップには参加しませんでした。当時は不動産や金融など色々な業界を見ていたことと、メーカーのパナソニックは理系のイメージがあり、文系のインターンシップのテーマもあることを知りませんでした。ただ、将来的に大学で専攻していた経営マーケティングに関わる仕事がやりたくて、そこで「初期配属確約」があるパナソニックの「セールス&マーケティングコース」で就活を進めようと思いました。当時は、いわゆる「配属ガチャ」によってファーストキャリアで失敗することに不安を感じており、「初期配属確約」は非常に魅力的でした。自分のやりたいことが確約され、今後のキャリアも想像できたことが決め手になり「ここしかない!」みたいな。その結果、パナソニック インダストリー(株)とのご縁に恵まれました。
司会者:
就活には色々な選択肢がありますが、どうやって進めていけば納得感のある良い意思決定ができると思いますか?
村上:
正直、就活って悩みや辛いことが多いですよね。その中で、自分の特性を自分自身で理解していくことが大切だと思います。しっかりと自己分析をした上で、総合的に自分の好き嫌いの特性が分かれば、最終的に納得感のある答えが出てくるのではないでしょうか。様々な企業のインターンシップに参加して、少しずつ絞り込んでいけばきっと納得のいく答えが見えて来ると思います。
北得:
まずは視野を広げ、幅広い業界を見ると良いと思います。例えば「メーカーは理系」みたいに決めつけるのではなく、自分のやりたいことをベースに固定概念を持たず企業を見ていく。その過程でしっかりと自分のことも振り返り、自身の興味関心を実現できそうな業界や企業を絞り込んでいくことが大切だと思います。
司会者:
最後になりますが、小幡様から就活中の学生に向けてメッセージをお願いします。
小幡:
パナソニックの事業は広範囲に渡りかつ深いので、具体的にどういう仕事ができるのかイメージしにくい部分もあるかもしれません。そのため、できる限り会社のことを知っていただくためにインターンシップやセミナーなど情報提供や接点の場を設けています。多くの企業がこの時期には様々な形で情報公開されているはずです。ぜひ、ご自身の足で情報を掴みに行き、そこでの人や情報との出会いを大切にし、納得できる就活を進められてください。実際に動きつつ、ご自身が興味のある方向に向かっていけば、きっと納得感のある結果に繋げられるはずです。その結果がパナソニックであれば、私も嬉しいです。皆さんが納得感あふれる就活を進め、素晴らしいファーストキャリアを踏み出せることを願っています。
司会者:
ありがとうございました!