【プロフィール】
Mさん
京都大学・大学院理系
就職予定先:総合商社
参加したインターン:2社
OB/OG訪問人数:11名
ES提出企業数:4社
面接社数:4社
内定社数:4社
就活開始と同時に、第一志望内定に向けた戦略を練る
―大学院での研究も忙しかったと思うのですが、就活を始めたのはいつ頃ですか?
1つ上の先輩の就活が終わった時期からです。まずは6月に学部で開かれた就職セミナーに参加することから始めました。セミナーには6社くらい来ていたのですが、私の学部は学問領域が幅広く、自分の専門に合っている企業は1社しかありませんでした。9月に一般の合同説明会に参加して、そこで初めて内定先の総合商社に出会いました。合同説明会は他にもたくさんの企業さんのお話を伺える貴重な機会でした。参加してよかったと思っています。
この時点で志望業界が定まっていたわけではありませんが、身近に商社の方がいて小さい頃から色々な話を聞いていたし、両親からも総合商社を勧められていました。ただ、内定をいただくのが難しいという漠然としたイメージがあって。でも、合説である女性社員さんに会って、この人と一緒に働きたいと思ったんです。採用活動の最前線で活躍する姿を見て「商社って古い社風なんじゃないの?」というイメージも吹き飛びました。パーソナリティや思考回路が自分に近いと感じたことにも惹かれましたね。また、他社では比較的年次の低い社員が任せられている合説の場に、経験豊富な社員さんが出てきている、ということにも感銘を受けました。私にとって、新卒採用は会社がこれから上向くか、落ちていくかの鍵を握るとても重要な仕事だと思っています。その新卒採用係に魅力的な人材をあてがい、力を入れているという姿勢が見えたという意味で、会社そのものの姿勢にも共感しました。それで、その総合商社を第一志望として挑戦する決心をしました。
―第一志望内定のために対策として始めたことは何ですか?
まずは先人の経験をかき集めました。新卒での就活ってほとんどの場合人生1回しかなくて、しかもその経験から得たノウハウがあまり次の世代の人たちに受け継がれていないですよね。これってすごく無駄なことで、物理を勉強し始める時に、まずはリンゴを10000回落として「重力」という概念を発見しよう!というところからやるようなものですよね。もちろん、年による状況の変化には十分注意しましたが、過去の教えを吸収しない手はないなと思いました。
その結果、導き出した結論は2つ。1つ目は、私は手数では勝てないということ。東京都内の文系4回生で時間もあるような人には、立地の面でも、割けるソースの量でも勝ち目はないので、別の戦略を取る必要があると感じました。2つ目は、面接までに能力の「見える化」をしておくと良さそう、というもの。これらの結論から、戦略コンサルへの挑戦を決めました。選考過程でケース面接を実施している企業も有り、これが「ロジカルシンキング能力」「議論を通じ意見をブラッシュアップしていく能力」を問うものであると考えたためです。戦略コンサルの内定があれば、一定の英語力やロジカルシンキング力の証明にもなります。それに、最悪の事態へのリスクヘッジにもなります。戦略コンサルに新卒で入ることになれば、キャリア採用で総合商社に入社という選択肢も考えられる。たくさんの意味で、有効な一手になると考えたわけです。並行して、TOEICについても対策を始め、英語力の「見える化」も行いました。
併せて、10月くらいから総合商社の社員さんへのOB訪問も開始しました。研究のために台湾で10月末から約2ヶ月間フィールドワークする必要があって、その期間就活が遅れることがわかっていたからこそ、早くに動き出しました。
まずは戦略コンサルの内定獲得へ。自然体で実力を出し切る。
―戦略コンサル内定のために具体的にどんなことに取り組んだのでしょう?
台湾に滞在している時にケース面接対策本を一冊だけ入手できたので、一通り読みました。それからSPI対策もやったのですが、本番のテストはC -GABで、形式を間違えてしまって(笑)試験中は絶望に近い状態でした 。台湾に行ってからケース面接やウェブテストについて知ったので、情報が限られていて苦労しましたね。
でも結果的に選考直結のインターンに参加して、無事に内定も貰えました。2日間の日程で、実際にその企業が受注した案件をもとに作ったケースワークに取り組みます。丸1日くらいグループワークした後にプレゼンして、優秀な人がその後の選考に進むことができる形式でした。
―うまくいった要因は何だと思いますか?
ケースワーク中は無我夢中でやっていたし、そもそも「うまくいっていた」かといえば自信はないのですが、議論を牽引したことが評価につながったのではないでしょうか。やっぱり発言しないと評価されないのではと考えていました。さらに、発言一つ一つの質も大事で、優秀でもあまり発言しない人や、質の低い発言をたくさんしている人は、落ちてしまう印象を受けました。単に自分の案を通すというよりも、常に頭を働かせてチームとして最高の案をアウトプットできるよう牽引できたことが、評価につながったと思います。
―それは意識的にやろうとしたのですか?それとも自然に?
意識的にやろうとしても、2日間も「ロジカルシンキング」そのものを生業にするプロのコンサルタントと話していたらボロが出ちゃいます。だから私はありのままの姿で臨みました。例えば、チームごとに現役のコンサルタントが進捗を見てアドバイスしてくれたのですが、その時にわからないことがあればちゃんと聞いていました。評価が下がるかなとも思ったんですけど。すごく自然体でしたね。
総合商社の中での志望度をはっきりさせていったインターンやOB訪問
―総合商社のインターンにも参加されましたか?
五大商社の1つのインターンに参加できました。その総合商社のことは当時よく知らなかったのですが、参加してみて、インターン中に接した社員さんの言動から会社の文化や雰囲気を感じたのですが、自分には合わないなと感じました。そういった自分との相性がわかったという意味で、インターンに参加してすごくよかったです。
―ほかに総合商社のインターンで心がけるべきことはありますか?
インターンシップの短い期間で、総合商社のお仕事を全て知ることは不可能です。与えられたカリキュラムのみから情報を吸収するのではなく、オフィス内の様子、すれ違う社員さんの表情、インターン生がどのように扱われたかなど、「言葉にできない小さな情報」を目一杯吸収することをオススメします。同じ業界の中でどこを第一志望にするか迷った時、こういう情報の蓄積が、貴方の背中を押してくれると思いますよ。
―逆に内定先の総合商社への志望度は、就活を進める中で高まったのですか?
そうですね。イベントやOB訪問をする中で、例えば靴が綺麗であるとか、言葉の選び方が端的で的確だとか、社員さんの一挙手一投足から惹かれるものがありました。私は、外見は内面の一番外側だと思っています。もし私がOB訪問を受ける側になったら、会社の顔を背負っているのだから、素材の出来はともかく、できる範囲で外面を磨いていくと思います。だからその商社の方にはシンパシーを感じました。
あと、基本的に少人数で行うという採用面接の方法にも好感を持っていました。面接解禁日には何百という学生さんが面接を受けていたと思います。その学生1人ずつに対して社員さん2人でじっくり話を聞いてくれるって、相当頑張っていますよね。お互いに向き合って話そうとしてくれる姿勢が感じられて、いいなと思いました。
―社風を重視していたようですが、事業内容の違いは見ていましたか?
あんまり考えていなかったですね。どの総合商社もそれぞれ独自の強みがあり、部署によって優劣はつけられないと感じました。だから、この事業が強いからといった基準では会社選びをしませんでした。
もちろん、興味のある事業は何かと面接で聞かれたら答える必要があります。でも、それを志望動機にするのは勧めないです。私は「どの部門でも楽しんで勉強してやっていきますが、今興味があるのはこの部門で、なぜかと言うと…」という風に答えていました。
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