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就活生が語る

アドバイスで見えた新たな可能性。多様な経験から得たブレない軸で内定獲得。

大手IT企業から内定を獲得したTさん(22歳)。大学を1年休学し2カ国に留学を経てから就活を始める。情報収集に苦戦しながらも、海外での経験と自己分析で明確になった自分の軸に合う会社を見つけるために行動していった。インターンや実戦で見えた反省点とは?焦らず慎重に見極める就活スタイルに迫る。

<プロフィール>
T.Y. 男性
京都大学経済学部
就職予定先:ITサービス
インターン参加社数:6社
OB/OG訪問人数:10名
ES提出社数:30社
面接社数:25社
内定社数:2社

志望が明確になるも準備の甘さを本選考で痛感

――秋・冬のインターンが終わった時点で業界の志望度に変化はありましたか?

夏はディベロッパーに興味があって、秋・冬に広告やITにもインターンに行ったのでそちらも受けようと考えるようになり、秋・冬のインターンの経験から広告は営業やクリエイティブ系の職種よりも、マーケティングとか新規ビジネスの部署に行きたいと思っていました。ディベロッパーは最初文系というイメージがなかったんですが、周りの人たちや先輩が意外と就職していると聞いて、色々インターネットとかで調べてみると、面白そうだなとより思うようになりました。広告業界に関しては、広告代理店として企画段階から広告やイベントに繋げることができ、最終的に人がどう反応するのか見られるので、自分の軸に合っていると思いました。最終的な結果が見られないコンサルティング企業などはあまり受けませんでした。そう考えると商社は自分の軸から遠く、ほとんどBtoBで実際に使う人々の姿を自分が思い描く形で見られないので、一応話を聞いてエントリーだけしました。

業界で志望度にそこまで差はありませんでしたが、それぞれ行きたい企業は明確になっていて広告なら大手2社、ディベロッパーなら商業施設に強い2社、ITは広告代理店でのインターンを経てメディアとしての広告に関わりたいと思っていたので、新興の大手企業と業界大手の2社にエントリーしました。

――規模が大きくて、個人がどう反応しているのか目に見える成果の得られる企業を志望されたんですね。企業がどのような選考をしているかも見ていましたか?

サマーインターンや本選考を受けていく中で周りの友人からも聞いていたし、自分も感じていたことなのですが、例えば交通費の支給がないけど東京でしか面接がない企業などに対しては、あまり好感を持っていませんでした。きっと入社してからも、社員に対してそういった対応をするんだろうなと感じました。働く環境としては風通しが良くて意見が言えるところが良くて、絶対に間違っているのにそれが言えないとか、組織が変わることは難しいけどそこで思考停止してしまっている環境はあまり好きじゃないなと思いました。

――秋・冬インターン後に、ある程度志望業界が決まって、年明けからはどういった就活をしていましたか?

1月はメンターと話すこと以外はあまりせず、3月からESをたくさん書かないといけなかったので2月くらいから自己分析はずっとやっていました。何でこの会社じゃないとだめなのかとか面接で聞かれると困るなと思って、自己分析と志望理由を結びつける根拠づけというか、自分の中にしっかり理由を持てるようにもう少し精度を上げようと取り組みました。

――2月3月からOB/OG訪問もされていますね。

OB/OG訪問はディベロッパーと広告、商社の方にもお話を伺いました。同じ業界の中でも、社風や働いている人といったそれぞれの差別化できるポイントを見ていました。模擬面接などはしてもらわず、自分の志望を話して業界の中でもこの会社で良いと感じている点を伝えて、実際はどうですか?と聞いたりしていました。

――自分の認識と実際に聞いたことを擦り合わせていったんですね。本選考が始まって苦労したことはありましたか?

本選考ではESを30社くらい出して、全部通りましたが面接を受けに行ったのは25社くらいでした。広告代理店の2次試験はコピーライトを考えるようなクリエイティブ色の強いテストがあって、1つの商品のPRになるようなコピーライトを30個くらい書かないといけなかったんです。志望はデータ分析でも希望部署とは関係なくみんな同じ選考で、前年も出題された問題だったので知ってはいましたが、もっと早くからちゃんと準備すれば良かったと反省しました。

就活中に一番苦労したのは情報収集で、留学で1年休学しているので同級生と一緒に就活できず、1人だとなかなかインターネットとかで調べるくらいしか方法がない。もっと色んなところでこの会社がいいよといった情報を得られていたら対策もできたのかなと、これは反省点でもあるし大変だったことでもあります。逆にやって良かったのは学内の就活支援団体でメンターに話を聞いたり、その団体が主催するイベントに行ったり、情報収集できたことです。

準備は早めに!様々な経験から深掘りしていった就活

――大手IT企業の2社で内定をもらった後、最終的に入社を決めた理由を教えてください。

入社を決めた企業はコース別採用で自分のしたかったことが確実にできると思ったのがまず一点です。同じ業界の他社は全国転勤のある営業職もあって、他の面で待遇がかなり違うわけでもないしそれなら、内定先の企業の方がいいかなと。もう1つは広告商品として色んな付加価値を付けられるものが多いなと感じていたことです。例えば、他社はECのバナーや従来の広告を売る形でしたが、内定先の企業では、位置情報を利用した広告を提供していて、広告を人々にとってより便利なものにできるんじゃないかと考えたことも入社に決めた理由です。

――就職してから描いているキャリアはありますか?

将来的に事業会社のマーケティング部署で特にデジタル領域のところで仕事をしたい、そのためにデジタルに強い企業の広告営業で、できるだけ様々な会社のサービスや商品をデジタルで広めることで成果を残せたらいいなと思っています。

――ESや面接で学生時代に力を入れたことなどはどういったことを話されましたか?

地元の塾でチューターをしていて、大学に入ってからずっと留学中以外は一番時間を割いていたので、そこでの経験を伝えていました。授業をする講師は別で、チューターは生徒からの質問に答える役割でしたが、それだけで本当に生徒のためにできることを全部やっているのかなと考えるようになって、生徒が勉強しやすくなるプリントなどを作っていたことを面接では話していました。そのプリントは社会科目って参考書などを覚えればできるけど、それが面倒だったり、量が多いと感じたりする生徒もいるので、それならその復習用の練習問題をまとめたらいいんじゃないかと思って作ったものでした。その結果復習しやすくなったり、効率的に勉強できるようになったりしていたかなとは思います。自分で生徒のためになることを考えて行動して、もちろん合格という大きい目標が達成できたらいいけど、塾をさぼりがちだった生徒が来るようになったとか、そういう目に見える小さなことでも自分の取り組みが合っているんだとやる気に繋がっていました。

――自分の軸の部分と繋がりがありますね。過去を振り返る中でもそういった体験はありましたか?

中学と高校の時にずっと陸上をやっていて、中学は陸上がとても強くて先生も先輩もすごく厳しかったんです。一方高校は進学校だったので部活は入学した時からモチベーションが低くて真摯に向き合っていなくて、このまま終わるのはカッコ悪いなと最後に真面目にやろうとした時に、高校は中学と違って指導も練習環境も十分ではない中でどうやって練習したらいいんだろうと悩みました。それから合同練習をするために中学の頃のチームメイトに相談したりして、そこで自分で考えて行動に移していくのは面白いということに気づきましたね。

――自ら考えてフィードバックが返ってくる体験が印象に残っているんですね。人生の中でターニングポイントはありますか?

留学中に出会ったすごく優秀な大学に行っているブラジル人の友人が、「僕は将来サッカーを見てビールが飲めるお金があれば本当に何をしてもいい」と心の底から言っていて、全くお金を稼ぐ気がないことに衝撃を受けました。彼らと違って自分は目の前の仕事でちゃんと目標を決めて成果を残すのが好きで、楽だけするのは好きじゃないんだなとその時初めて気づきました。それまでは「楽だったらいいじゃん」というタイプだと思っていたんです。しかし、楽しいのももちろん大事だけど、それよりは目標を持った生き方がいい、自分はそう考える人間なんだというのは留学での大きな発見でした。

――多様な意見に触れることで自分が見えて来たんですね。最後にこれから就活を始める学生に向けてアドバイスをお願いします!

準備は早いに越したことはないと思います。業界によっては選考時期も違うので、急にコンサルティング企業に行きたいとか外資系のメーカーに行きたいと思った時に自己分析ができていないと厳しいし、ESの対策なども必要になってきます。少しでも可能性があるところは最初から早めに準備しておくのが一番だと思います。

――本日はありがとうございました。海外での経験も交えたユニークなお話を伺えました!

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(前編)留学から帰国して即行動。実践から学んで理解を深めた就活。

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