<プロフィール>
Y.Y. 男性
慶應義塾大学理工学部
就職予定先:外資系コンサルティング会社
インターン参加社数:16社
ES提出社数:10社
面接社数:7社
内定社数:7社
就活で出会った仲間と、理系学生ならではの議論力、分析力を活かし、対策を練る
――最終的に7社のコンサルティング会社から内定をもらっていますが、最初から入社先に決めていたのですか。それとも、内定をもらっていく中で迷われたんですか?
4社で迷いましたね。まずは、どこに強みを置いているかを考えました。ビジネスパーソンとして、どういう視点を持っているかという点です。あとは新卒で入る意味。この2点で考えていました。新卒で入る意味で言うと、戦略に携わりたいという点と、人数の規模を考えていました。採用人数が少なければ、単純に入る確率も低い。そこを経験して、新卒で入るのは貴重なことだと思い、そこを追い求めていきたいと考えました。
――エントリーや面接をする中で、苦労されたことはありましたか?
正直、全部苦労しましたね。僕は国語系がすごく苦手なので、エントリーシートは苦労しました。特にコンサルティング会社は、より端的に、かつセンスのいいワーディングが必要で、見てパッとわかる四字熟語のような形的なところと、自分が本当に伝えたいこととのバランスを考えるのに苦労しました。
次に大変だったのが、グループディスカッションです。僕が受けたコンサルティング会社は、東大の院生や博士、京大生ぐらいしかいなくて、自己紹介で大学名を言う瞬間に虚しさがあって……。周りは、すでに内定を取っている人ばかりでした。周りが優秀ということは、絶対的な評価よりも相対的な評価になってしまい、その中で、どういう価値を出していくか、その戦略がすごい難しかったです。
――何か対策はしていましたか?
エントリーシートに関しては、たまたま父親が文章力に長けていたので、毎日、夜中の3時ぐらいまでつきあってもらっていました。コンサルティング企業では、ケース問題のグループディスカッションがあるんですが、その対策として、就活支援団体のイベントに参加すると、OS部分は鍛えられると思うんですけど、より確実に勝つために、自分のスタイルを進化させるのは自分自身だと思って、イベントには参加しませんでした。けれども、もともと人と議論するのが好きなこともあって、就活で出会って仲良くなった7人のメンバーがいて、彼らと社会問題についてよく議論していました。「今日の新聞にはこう書いてあったけど、お前はどう見る」って感じで、すごい批判しながら議論していました。それと全く同じ問題がグループディスカッションに出たら、「これは勝った!」という感覚でしたね。
――そうなんですね。その就活仲間はどういうメンバーで、どんな情報交換をしていたんですか?
大学はバラバラで、僕が中心になり、セミナーや説明会で話しかけて仲良くなりました。
話す内容に関しては、就活の対策や進捗の報告、筆記試験データの蓄積。それが一番大変で、夏休みの夜中に、ずっとみんなでスカイプしながら問題を解いて、解答を書いていました。最後は、先に内定を取った人が励ましてくれたり、模擬面接で会いにきてくれたりして、みんなでお互いに助け合っていました。
3つの角度から自分を分析、自分の核を突き詰めアピール
――就活では、自分を振り返らないといけないときがくると思うんですが、自己分析はいつ頃から意識して、どのようにやっていましたか?
自己分析は3つのタイプで、3回やりました。1回目は、自分で書き出してみる。2回目は、それをサークルの仲間や長期間つきあっている人と。3回目は、それを短期間のつきあいの就活メンバーと。この3タイプからフィードバックしていきました。
――それぞれから得られたものは違ったんですか。
1回目と2回目とではかなり違いました。2回目と3回目でも差異が見つけられました。短期間だとこれくらいにしか思われていないけど、「ここをもっと知ってほしい」というところがわかり、そこを一回の面接でどうだすかという対策につながりました。
――3回目では得られなかったけど、2回目から出てきたフィードバックが、実は長くつきあっているから知っている自分の核であり、それが大事だと分かっていった感じですか?
そうですね。根底となる自分の考え方、価値観にはこういうところがある。それは長期間つきあっていると出てくるんだと思いました。その核の部分を重視して、面接ではそこをアピールすることが多かったです。自己分析では、それ以外に変動する部分みたいなところもあるんだなと知りましたね。
「ダメだ」と言い続け、自分自身を奮い立たせる
――自己分析ではモチベーショングラフも書いていたそうですが、考えが大きく変わったという経験はありましたか?
僕はダメなときは頑張りたいと思うけれど、うまくいっているときは、「大丈夫なのか」って懐疑的な気持ちになってしまうんです。インターン中に、自己分析の結果を班で発表するときがあって、モチベーショングラフがみんなと逆を行っていたんです。
――体験でいうと、他の人にとってはマイナスだけれども、Yさんはバネにできたんですね。お話を聞いているとポジティブな考え方ですが、もともとそういう性格だったのでしょうか?
そうだと思います。何でそうなったかというと、結構、勝ち気なんです。今まであんまり失敗した経験がなくて。いや、失敗していても、それに気づいていないぐらいなんです。「ちゃんと努力すれば絶対にできないことはない」「できなければ努力が達していなかった」と考える性格なんです。僕は地方の偏差値40ぐらいの中学校に通いながら、高校進学は早慶レベルを考えていて、慶應義塾の付属高校に進学したり、大学では留学したりと、自分でハードルを高めて、それを越えてきた経験があるので、ポジティブな思考なんだと思います。
――それでも就活をしていく中で、一番大変だったと感じたことは何ですか?
モチベーションの維持です。うまくいかなかったときは、合否が出る前に結果が目に見えてしまうので、モチベーションが左右されます。それを高い状態で一定に保ち続けるのが難しかったです。
――落ち込んだときは、どうやって立て直していたんですか?
「ダメだ! ダメだ! 自分自身はダメだ」と言い続けることで、逆に気持ちが上がっていきました。そして、具体的に何がダメだったのか、突き詰めていきました。例えば、グループディスカッションで周りが全員東大生だとシミュレーションしたり、次の面接はこういうことを考えないようにしようと決めて取り組んでみたり。毎回実験でしたね。ダメだなと思ったら、シャーペンで足を刺す。これは物理的で失敗しました(笑)。
もう一つは、頭の中で、ずっと火が燃えているイメージをし続ける。脳が燃えているなと頭の中でイメージし続けるのです。これは実際に成功しました。
――そうやってコントロールしていたんですね。就活を振り返ってみて、何か気づいたことはありましたか?
悪かったと感じる点は、就活のスタートをもっと早くすればよかった思っています。3年生の5月のスタートは早いと思っていましたが、4月にあった選抜コミュニティに参加できなかったのは痛手でした。もう一つは、もっといろいろな経験をしておけばよかったと思いました。簡単にいうと、やったことのない経験、普通の人がしたことのない経験です。例えば、発展途上国にパッと行くとか、バックパッカーをしてみるとか、そういうことで、考えの幅はもっと広まると思います。日本の中ではなく、世界の中の自分はどうかと考えるようになると、全然違うと思います。
良かったと思う点は、何事もあきらめなかったところですね。僕は、「自分に合った会社に行く」という考えは、消極的に感じ取れ、間違いだと思っています。「何としてでも受かりたいなら、そこに受かるための努力をせよ」っていうのが僕の考え方です。その諦めない努力は、自分の中ではある程度できたと思っています。「絶対に受かりたいと思ったのなら、絶対にすべての努力をする」。この考え方を最後まで貫き通せたことがよかったなと思います。
――最後に就活生へのアドバイスをお願いします。
この1年間は人生の中でもっとも濃い時間でした。自分との対話、周りとの対話を通して、自分を取り巻く環境、自分の立ち位置や社会を見るもっとも濃い時期で、そこで得た経験は大きいと思います。就活は高校受験や大学受験よりも密で、より難しくて、複雑で。そこで戦い続けられた経験も大きいと思います。
後輩に伝えたいことは、この企業の方が合っているかもしれないけど、本当に行きたいと思う企業が別にあったとしたら、そこに対して「すべてを尽くせ」ということです。その理由はいくつかあるんですけど、入らなかったことに後悔のないようにというのが一番です。ちょっとでも気になるのでしたら、絶対に最後まで戦い続けましょう。
――今日は、お忙しい中本当にありがとうございました! 役立つ話をいっぱい聞けて大変参考になりました!
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