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就活生が語る

学習塾でのチューターに打ち込んだ4年間。研究者志望から方向転換して始めた就活。

コンサルティング会社から内定を獲得したFさん(23歳)。研究者を目指して東京工業大学に入学し、化学系の基礎研究に打ち込み、大学院に進学した。周囲が研究者など理系の知識を活かした就職を目指すなか、Fさんはコンサルティング業界への就職を目指す。その理由は大学4年間、熱心に取り組んだ学習塾のチューターのアルバイトにあった。就活と大学院での研究、多忙な日々のなかFさんは、どのように取り組んだのか。その実態に迫る。

<プロフィール>
F.S. 男性
東京工業大学 理学院化学系
就職予定先:外資系コンサルティング会社(戦略)
インターン参加社数:7社
OB/OG訪問人数:1名
ES提出社数:30社
面接社数:40社
内定社数:4社

学部の勉強と学習塾でのチューターに打ち込んだ4年間

――まずは就活をするまでの大学生活についてお聞かせください。専門は化学系の基礎研究と伺いましたが、化学系を選択した理由を教えてください。

高校生くらいまでは「人の役に立つ仕事をしたい」という思いから、医師になりたいと考えていました。ただ、学力的に難しかったので、医薬品の研究などの道を考えるようになりました。高校での化学の授業が楽しかったのと、薬学系ではなくても研究者になりたいと思い、化学系を選択しました。

――もともとは研究者志望だったんですね! どのあたりで文系就活にシフトしたのでしょうか。

大学3年生の時に、文系の友人が就活をスタートしたのがきっかけです。情報収集をするうちに、コンサルティング業界に興味を持つようになりました。

――研究者志望から方向転換した理由を教えてください。
大学4年間、塾でチューターのアルバイトをしていたのですが、自分のアドバイスが生徒の役に立っているという実感が持ててすごくやりがいを感じていました。卒業してしばらくしてから生徒がご飯に誘ってくれて、「先生のアドバイスを聞いて正解でした!」なんてお礼を言ってくれることも。

人にアドバイスをして役立つような仕事をしたいなと思うようになり、コンサルティング業界ならそれを叶えられると思ったんです。バイト先のOB/OGにもコンサルティング業界に就職した人が多くて、話を聞いていて自分に合ってそうだなと思ったのも理由です。塾のアルバイトとコンサルタントって、スケールの大きさは全然違うけど、すごく似ていると感じました。

あと、僕の専門は基礎研究なので応用研究とは違い、研究者として仕事をしても、実際に社会の役に立つまでは数十年単位で時間がかかります。なかなかお金にならないんです。なるべく短いスパンで結果が出て、評価ももらえる方が自分には合っているので、研究者よりもコンサルティング業界の方が向いていると思ったんです。

――なるほど! 大学院に進まずに就活する道もあったと思いますが、進学されたのはなぜですか?

就活を決めた時にはもう時期が遅くて……。もしかしたら、研究職に就く可能性もあるかもとその時はちょっと思っていたんです。でも、実際に就活を始めたら、やっぱり就職の方がいいと感じました。

選抜コミュニティに入り徹底対策! でもサマーインターンには1社しか進めず…

――大学院への進学を決めていて、就活のスタートは大学3年からと準備期間がしっかり取れたと思うのですが、最初はどんな対策から始めましたか。

大学3年生のときは、文系の友人と合同説明会に参加して、コンサルティングだけではなく、メーカーや広告、商社など幅広い業界を見るようにしていました。情報収集するうちに、コンサルティング業界志望をより固めていった感じです。あるコンサルティングファームの合同説明会に参加したのですが、風通しが良くて、フィードバックの環境が整っているのが魅力でした。先輩から後輩へのフィードバックはもちろん、後輩から先輩へのフィードバックの場もあって、しっかり力がつきそうだと思ったんです。

また、アルバイト先の先輩でコンサルティング業界で働いている人たちと話していると、こんな頭の使い方ができたらなと思うことが多く、メディアに載るような大きなプロジェクトを手掛けている話などを聞くと仕事が楽しそうで、やっぱりコンサルティング業界がいいなという気持ちが強くなりました。

大学3~4年のうちは、このように、仕事や企業を知ることに時間をかけていました。

――大学院に進学してからはどのような対策をしていたのでしょうか。

大学3~4年生の時の情報収集で、選抜コミュニティに入った方が良いのは知っていたので、参加しました。僕の活用法は、メンターの方にケース面接の練習を見ていただくのがメインでした。フィードバックがすごく役立ちました。

――やはり、コンサルティング業界の就活は、選抜コミュニティに入ることが対策のポイントなんでしょうか。

僕の場合、ケース面接の練習も役立ったんですが、優秀な同期との繋がりができたのは非常に大きかったです。大学に文系就活をしている人がいなかったので、仲間からの情報は本当にありがたかったですね。ただ、もともとネットワークがある場合は、そこまでコミュニティにこだわらなくてもいいと思います。

――サマーインターンは何社くらい参加されましたか。

実は、外資の戦略系コンサルティング会社で参加できたのは1社だけなんです。エントリーシート(ES)は通ったけど、最終面接はほとんど通らなくて……。コンサルティング会社は、インターン参加が必須の場合が多いので、かなりショックでしたね。

――ケース面接の練習は積んでいたとのことでしたが、どのあたりに通過できない原因があったと思いますか。

サマーインターンの時点では小手先感があったのかも、と今となっては思います。ケース面接で練習した質問を聞かれた面接は、パターンで覚えていたので通過することができました。

でも、最終面接では上の方の面接官が出てきて、売り上げ改善の施策など、経営者目線での答えが必要になったんです。結論が正しいかどうかは置いておいて、自分なりのロジックで説明することが求められました。実際に選考に通過した人は、ちゃんと説明できている人ばかりでした。

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