インターンシップは、学生が実際の職場で業務を体験し、スキルを磨きながら進路を考えられる貴重な機会です。就活においても、インターンシップ経験が評価されることが多いため、他のライバルよりも有利に就活するのであれば早めに準備に取り掛かることが重要でしょう。
そこで、本記事では、インターンシップの内容やメリット、意義などを詳しく解説します。これからインターンシップを考えている方は、ぜひ参考にして、自分に合ったプログラムを見つけましょう。
※なお、2023年より適用された新ルールにより、1日程度の就業体験を伴わないプログラムはインターンシップではなくオープン・カンパニーと呼ぶことになりました。ただし、混乱をさけるため、この記事では1dayプログラムもインターンシップに含めて解説していますので、ご了承ください。
そもそもインターンシップとは
インターンシップとは、大学生を対象に企業が提供する就業体験のことです。インターンシップは、企業やプログラムによって実施期間はさまざまで、内容も多岐にわたります。大学3年生の夏から冬にかけて参加することが一般的です。
インターンシップの内容とは
インターンシップは、参加するプログラムによって内容が異なります。具体的には以下のとおりです。
説明会・セミナー・講義形式
・1日程度のものが多く、会社説明会とほぼ同じような形式でおこなわれる
・厳密にはインターンシップではなくオープン・カンパニーと呼ばれる
・参加しないと本選考に進めないケースがある
ワークショップ・プロジェクト形式
・グループワークで商品開発や新事業の提案などの課題に取り組むものなどがある
・数日~1カ月程度のものが多い
就業体験形式
・企業の仕事を実際に体験する
・長期の場合、給料(報酬)が支給されることが多い
志望する業界や企業が定まっていない段階であれば、さまざまな説明会形式のプログラムに参加するのがおすすめです。説明会形式であれば、効率よく各業界・企業の情報収集ができ、興味のある領域を絞りやすいためです。
ある程度気になる業界が明確になってきたら、業務の様子や職場の様子を知るためにワークショップ形式や就業体験形式のインターンシップへと切り替えて参加しましょう。
インターンシップに参加する5つのメリット
インターンシップに参加すべきであることは理解しているものの、なぜ参加する必要があるのか、明確に把握できていないケースは珍しくありません。
インターンシップに参加すべきだと言われる背景には、大きく5つのメリットが関係しています。ここからは、インターンシップに参加する5つのメリットについて詳しく見ていきましょう。
①業界研究ができる
インターンシップに参加する大きなメリットのひとつが、業界研究ができる点です。業界研究とは、世の中にはどのような業界があって、どういった特徴があるのかなどを調べることを指します。就活において、自分に向いている業界ややりたいことができる業界を見つけるために欠かせません。
就職情報サイトや業界について解説した書籍でも概要は掴めるものの、表面的な理解に留まるケースも少なくありません。しかし、インターンシップに参加すれば、実際の就業体験をとおして具体的な業務内容について理解を深めたり、求められるスキルと自分の持つ能力を比較してマッチしているか否かを判断したりすることが可能です。
実際に現場で事業に触れて「他社との違い」を感じたり、「将来性」を考えたりすることもできるでしょう。
②職種研究ができる
インターンシップは、就業体験をとおして職種研究ができるのも大きなメリットです。一般的に、ひとつの会社にはさまざま職種があります。事務や営業など、漠然と仕事内容が想像できるものがある一方、アクチュアリーやコンプライアンスオフィサー、ファシリティマネージャーなど、専門性が高くわかりにくい職種もあるでしょう。
サイトや書籍で調べてみても、具体的な仕事の様子はなかなか理解しづらいことも少なくありません。インターンシップで実際に仕事を体験することで、どのような業務を担うのかが把握でき、自分に合っているかどうかも判断しやすくなります。
また、実際に企業で働く社員とのコミュニケーションも可能です。業務における心構えや大変だと感じること、やりがい、キャリアパスなど、さまざまな質問ができれば職種への理解を深めることもできるでしょう。
③入社後のイメージを深められる
入社後に働く自分をイメージできる点は、インターンシップならではのメリットです。インターンシップでは、実際の職場を訪問して業務を体験することが一般的です。そのため、職場の様子や社員が仕事に取り組む姿を自分の目で確認できます。入社したらどのような流れで業務を進めるのか、どのような雰囲気の中に身を置くことになるのか、といった部分をイメージしやすくなるでしょう。
「興味があった業界だが、自分には合っていなかった」「自分の強みが活かせる場面が少ないと感じた」と気づくケースもあり、ミスマッチ防止にもつながります。
④志望理由の根拠につながる
志望理由を裏付ける体験として面接に活用できる点も、インターンシップの大きなメリットです。
就活では、面接や応募書類などで志望動機を問われます。その際には「どうして他社ではなくその企業を志望するのか」を明確に話すことが必要です。どの企業でも通じる志望理由を述べると「他の企業でも問題ないのでは」と判断される可能性があるためです。
とはいえ、企業ごとにオリジナリティのある内容を考えるのに苦労するケースは少なくありません。インターンシップに参加していれば、「デザインの業務をとおしてUXデザインにおける価値を知った。UXデザインでとくに成果を挙げている企業に入社したい」といったより深みのある志望動機につながるでしょう。
実際に体験したことをベースにしているので具体的かつオリジナリティのある内容になり、説得力が生まれ、差別化を図ることも可能です。
⑤単位認定される場合がある
大学によっては、連携している企業のインターンシップに参加すると単位が認定されるケースもあります。夏休みに実施される2週間未満の短期プログラムが多く、認定される単位数は1~2単位です。
ただし、どのインターンシップでも参加すれば単位認定されるわけではありません。大学指定のインターンプログラムで、事前にキャリアセンターや就職課などへの申請が必要なケースが一般的です。
実践的な学びが評価される上に、学業とキャリア準備を両立できるのがインターンシップの魅力です。早めに情報収集を行い、興味が持てそうなプログラムを探し申し込んでみましょう。
高難易度企業群志望にあたってのインターンシップの意義
従来、就活は3年生の3月1日からエントリーが始まり、4年生の6月から本格的に採用活動がスタートすることが一般的でした。しかし、いわゆる就活ルールに従わずに採用活動を始める企業が増えているのが実情です。3月以前から採用活動を始めることを、早期選考と言います。
早期選考を実施している業界・企業の多くは、外資系や総合商社、マスコミなどです。これらの業界・企業は、インターンシップでの成果を選考の基準にしたり、インターンシップ参加を早期選考に進める条件にしたりしていることが少なくありません。
そのため、早期選考を実施している高難易度企業を志望している場合は、早めにインターンシップ情報を調べておくことが重要です。受付が開始されたらすぐに申し込み、参加しましょう。
インターンシップはいつから?
ここからは、インターンシップの募集時期や情報の調べ方、参加時期などについて解説します。余裕を持ってインターンシップの準備を始めるためにも、以下を参考にしながらスケジュールを立てていきましょう。
インターンシップの募集時期
インターンシップの申し込み時期は企業やプログラムの内容によってさまざまです。随時受け付けているものもあれば、1~2か月前のケースもあります。
夏休みにインターンシップに参加したい場合は、大学3年生もしくは大学院1年生の6月頃には募集先を確認しましょう。
この時期は、受付が開始するインターンシップが増えていく時期であるため、こまめにチェックしましょう。
1月ごろから情報を公開し始める企業もあるため、インターンシップで有益な経験を積みたいと考えている学生は、早い段階で対策を徹底してください。
なお、インターンシップの情報収集の方法は以下が挙げられます。
・志望企業の公式サイト・SNSのアカウント
・就職情報サイト・アプリ
・インターンシップ紹介サイト
・大学のキャリアセンター
申し込みにエントリーシートの提出が必要な企業も多いため、事前に準備しておきましょう。
インターンシップの参加時期
インターンシップには、7~8月開催の夏インターンと、10~12月開催の秋冬インターンがあります。
就活生がはじめてインターンシップに参加した時期でもっとも多いのは大学3年生の夏休みにあたる8月です。次いで、7月や9月が多くなっています。夏休み時期にインターンシップの参加率が高いのは、大学の授業がないことが要因のひとつです。また、この時期はインターンシップの募集が多く、さまざまな企業を見て回るチャンスも得られます。
なお、早期選考で決まる学生の多くは、8月よりも早い段階で複数のインターンシップに参加している傾向です。早期選考を実施する企業を志望している場合は、早めの情報収集・申し込みを意識しましょう。
インターンシップエントリーの準備
希望するインターンシップのプログラムに参加するためには、事前に入念な準備が必要です。就活と同様に、インターンシップでも適性検査や面接などの選考が実施されることが多いためです。
ここでは、インターンシップに向けて必要な準備を紹介します。
適性検査の勉強をする
インターンシップによっては、事前に適性検査を実施するケースがあります。適性検査に合格するためにも、事前にしっかり対策しておきましょう。
適性検査では、一般に以下の二つが実施されます。
テストの種類
能力検査 ・国語や数学、英語といった学力を検査する
・一般常識や最低限の知識があるかを確かめることが目的にある
性格検査 ・性格や行動パターンを調べる
・企業が求める人物像により、重視される項目が異なる
適性検査では、以下の検査ツールがよく用いられます。
・SPI
・玉手箱
・GAB
・CAB
問題集が市販されているので、購入して勉強するとよいでしょう。
企業研究をする
参加したい企業の研究をしましょう。なぜなら、インターンシップに参加する際は、エントリーシートが必要なことが多いからです。企業の基本的な情報を知っているか否かで、エントリーシートの内容に差が生じます。
企業について理解が浅い状態で、エントリーシートを作成しても説得力のある内容にはなりません。選考を突破するためには、企業理念や事業方針、業務内容、業績などをふまえた回答が必要です。きちんと企業研究を実施してきたことが伝わり、意欲が認められて合格チャンスが高まります。
自己分析する
自己分析は、就職活動における重要な準備のひとつです。自己分析とは、自身の価値観や考え方、強みや弱みなどを明確にするために、自分と向き合い深く理解する作業のことです。
就職活動全体の中でも、とくに重要な準備と言えるでしょう。なぜなら、自分に適した企業を見つけること、志望企業において効果的に自己アピールをおこなうためには、自分自身をよく理解しておく必要があるからです。
自分の価値観や強み、弱み、満足できるキャリア選択、自分が抱えている課題、などはすべて自己分析で明確にできるものです。
自己分析の方法には、「自分史を作成する」「マインドマップを活用する」「自分の行動や考えについて“なぜ”を繰り返し問いかけて深堀りする」など、多岐にわたる手法があります。また、オンライン上で無料で利用できる自己分析ツールも増えています。便利なツールを活用しながら効率的かつ効果的な分析を進めていきましょう。
頻出質問の回答内容を考える
インターンシップの選考では、頻出質問が存在します。準備せずに回答しようとしてもうまくまとまらないことが多いため、事前にどう答えるか考えておきましょう。
おもな頻出質問には以下があります。
・インターンシップ参加を希望する動機(志望動機)
・自己PR
・学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)
・インターンシップで学びたいこと
志望動機は、会社ではなくインターンシップに参加したい理由を記載する必要があります。数あるインターンシップの中からそのプログラムを選んだ基準や、期待することなどを意識して書くとよいでしょう。
ビジネスマナーを確認する
インターンシップに申し込む前に、ビジネスマナーも確認しておきましょう。面接がある場合、マナーに問題があれば高い評価が得られない可能性が高いためです。また、インターンシップに参加すると、社員と直接かかわることになります。失礼のないように、最低限のマナーを身につけておくことが必要です。とくに、以下のマナーは意識しましょう。
・明るくはっきり挨拶する
・ビジネスシーンに即した身だしなみに整える
・敬語・丁寧語・尊敬語・謙譲語などを正しく使い分ける
・報告・連絡・相談のタイミングや頻度を適切に選ぶ
・声をかける際には相手の都合の良いタイミングを見計らう
上記の中でも、正しい敬語の使い方には注意が必要です。アルバイト経験の中で敬語を使うことに慣れていると思っていても、「バイト敬語」と呼ばれるような不適切な敬語が定着している場合があります。言葉遣いも含め、正しいビジネスマナーを身につけておきましょう。
短期インターンと長期インターンの違いとは?
まずはインターンシップの種類を理解しておきましょう。インターンシップは大きく分けて 「短期インターン」 と 「長期インターン」 の2つに分けることができます。両者は同じインターンとはいっても、期間・プログラム・実施対象が異なっているため一括りにすることができません。
長期インターンは基本的に全学年の学生に開かれているのに対し、短期インターンは主に就活を控える3年生・大学院1年生を対象に実施されます。
つまり、長期インターンは広く就業体験の場として開かれているのに対し、短期インターンはより採用活動の色が強いという特徴があります。
やるなら短期インターン?長期インターン?
インターンシップは魅力的なものが多いですが、せっかく参加するのであれば自分の目的とあったものに参加するべきです。
下の表は、目的別に長期インターンと短期インターンを比較評価したものです。自分の目的にあったインターンシップを考えてみましょう!
ぜひ自分の目的にあったインターンシップは何なのか考えてみてくださいね。
さて、次によくある質問にお答えしていきましょう。
就活のためには必ずインターンに参加する必要がある?
必ずしも参加しなければならないわけではありません。しかし、企業の多くはインターンシップを新卒採用活動の一環として実施しているので、当然有利になることもあるでしょう。面接を数回しただけで内定をだすよりも、少しでも就業体験をしてもらった上で採用するほうがミスマッチは少なくなりますよね。
もし強く関心のある企業があるのであれば、ぜひインターンシップに参加してみると良いでしょう。学生の皆さんにとっては企業研究としても役立ちます。
また、就職活動に限らずキャリア観形成のためにも良いことがあるでしょう。
多くの社会人と触れ合い、さまざまな経験をすることを通じて、より具体的に自分のキャリアをイメージできるようになるはずです。
まとめ
いかがだったでしょうか?今回はインターンシップについてまとめました。
自分がどんなインターンシップに参加したいのかじっくり考えて、目的にあったインターン先を探してみてくださいね。
インターンを控えた学生の皆さんは、後悔のないよう、ぜひエントリーしてみることをおすすめします。インターンに参加することで大学のバックグラウンドが異なる学生と知り合い、そこから切磋琢磨して成長できるチャンスです。また、長期インターンで全力でワークに取り組んだ仲間は、一生の友達にもなり得えます。
そんな貴重な機会を、ぜひ自分のために活かして欲しいと思います。
人気大手企業就活ならビズリーチ・キャンパス!
ビズリーチ・キャンパスは三井物産、JR東日本、三井不動産、三井住友銀行、ソニー、NTTデータ、サントリーなど様々な業界の大手企業が利用しており、人気大手企業就活を目指す学生にとって必需品と言えるサービスです。
・誰もが知る人気大手企業から、特別座談会・選考免除・特別選考ルートなどのスカウトが届く
・人気大手企業によるビズリーチ・キャンパス限定のインターンシップ
・人気大手企業による各業界特化型の限定イベント
・難関企業内定者による就活対策講座を毎日開催
・先輩が『いつ・何をして・何に悩んだのか』を綴った就活体験記。就活全体像や時期別の悩みの具体的な解消方法がわかる
ぜひビズリーチ・キャンパスご活用し皆様にとって最適なキャリア選択を実現してください。