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企業研究

キリンビバレッジへOB訪問する前に押さえておくべきこととは何か

東証1部上場のキリンHD連結子会社キリンビバレッジ。数々のヒット商品を生み出す国内大手の飲料メーカーです。就活生の間でも人気が高く、内定を勝ち取るのは容易ではありません。OB訪問をする前は、企業研究をおこない周囲との差別化を図りましょう。

キリンビバレッジについて

1963年創業のキリンビバレッジは東証1部で上場しているキリンホールディングスの連結子会社で、清涼飲料事業を担当している清涼飲料メーカーです。
半世紀にもわたるノウハウを生かし「飲みものを進化させることで、みんなの日常をあたらしくしていく。」という考えのもと「生茶」、「メッツコーラ」、「アルカリイオン水」、「午後の紅茶」など、さまざまなヒット商品を生み出してきました。
また「事業活動を通じた地域の活性化」、「独自技術を活用した健康推進」、「環境への取り組み」など、社会課題の解決・改善にも貢献。キリンブランドを通じてお客様や社会との「絆」を大切にしています。

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企業概要

「あたらしい飲料文化をお客様と共に創り、人と社会に、もっと元気と潤いをひろげていく」という理念のもと、キリンビール社、メルシャン社、キリンビバレッジ社、キリン社が酒類事業、飲料事業の垣根を越えて一体となって、日本綜合飲料事業を展開しています。
お客様や社会の声にしっかりと耳を傾け、さまざまなライフスタイルや価値観にあう商品・サービスを提供することを通じ、あたらしい価値を共に創っていきます。また、安全・安心を追求し、おいしさにこだわることで、お客様から信頼されるものづくりを目指す企業です。

事業内容

キリンビバレッジの事業内容について確認していきましょう。

清涼飲料の製造および販売
1986年の発売以降、日本の紅茶飲料市場をリードし続ける「キリン 午後の紅茶」、火の力でコーヒー本来の香味を引き出した「キリン ファイア」、茶葉を低温で丁寧に抽出した後に、最新テクノロジーでまるごと微粉砕した“かぶせ茶”を加えた「キリン 生茶」、大自然がゆっくり育んだ天然水をアルカリイオン化した「キリン アルカリイオンの水」やフランスで生まれたナチュラルミネラルウォーターの「ボルヴィック」など、どこでもみかける有名な商品を生み出しています。
また、特定保健用食品史上初のコーラ系飲料である 「キリン メッツ コーラ」や世界中のお母さんの「おいしさの知恵やワザ」からインスピレーションを受け、ひと手間加えた「キリン 世界のKitchenから」など、健康への意識が高い現在のニーズにあった商品や若者を中心に話題となった商品まで幅広く手掛けています。

キリンビバレッジ湘南工場・滋賀工場
1973年の操業開始以来、飲料製造工場のトップランナーとして、「午後の紅茶」や「生茶」など、約30品目のペットボトル入り商品を製造しています。1998年には「廃棄物ゼロ」(再資源化率100%)を実現した社会への貢献も考えられた工場です。
お茶、コーヒー、果汁、炭酸などさまざまな種類の商品を安全・安心且つ効率よく製造。2013年には「清涼飲料水(茶・コーヒー等)の製造」においてキリングループ初となる食品安全システムに関する国際規格「FSSC22000」の認証を取得しています。

過去5年間の売上/利益推移

2017年は営業利益が改善しており、利益も昨年の約2倍となっています。売り上げは減少傾向にありますが、キリンホールディングスの有価証券報告書にはとくに理由の記載が見当たりませんでした。

(単位/億) 2015年度 2016年度 2017年度
売上 21,969 20,750 18,637
営業利益 2,110 1,418 1,247
当期利益 2,420 1,181 -473
営業利益率 11% 6% -3%

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参考:https://pl-bs.net/kirin/

次年度の戦略

キリンビバレッジ株式会社とキリンビバレッジバリューベンダー株式会社が2019年1月1日(火)付で統合し、キリンビバレッジグループ一体経営による利益ある成長の実現に向けて動き出します。
2015年7月に設立したキリンビバレッジバリューベンダーの主な事業は、自動販売機に関連する商品企画・マーケティング・機材開発・販売関連業務など。
「ハコモノ」からわくわくする「活きモノ」へを創業指針としており、自動販売機専用商品の開発や、自動販売機コミュニケーションサービス「Tappiness(タピネス)」を展開し、自動販売機事業に独自性と専門性をもたせ、経営の効率性を高めてきました。
少子高齢化など今後も続く厳しい市場環境において、キリンビバレッジグループが成長し続けるためには、2つの会社を統合することで自動販売機部門の強化を継続しながら、一体経営によるさらなる経営の効率化や、地域に密着したエリア戦略の推進を図ることが必要と判断。各部門の得意分野を活かし、キリンビバレッジグループが一体となって、成長による利益創出を目指す方針です。

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2018年の(企業名)に関するトピックス

OB訪問の際に勉強不足だと思われないためにも、キリンビバレッジに関するニュースで、直近にあった気になる話題をチェックしてみましょう。

90周年「キリンレモン」、20~30代を中心に売り上げが好調

今年発売90周年を迎えた「キリンレモン」が4月10日にリニューアルしました。7月の時点で年間目標の360万ケースから500万ケースに変更、最終的には当初目標の約7割増の600万ケースに上方修正すると発表がありました。
好調の要因について、初代「キリンレモン」のパッケージをモチーフにし、瓶に見立てたボトルの透明感や中央に配した聖獣マークが20~30代女性を中心に高い評価を得たこと。
BiSH、水瀬いのりさんなどのアーティストとのコラボレーション動画を展開してきた「KIRIN LEMON Tribute(キリンレモントリビュート)」が、累計再生回数5,300万回を突破したことがあげられます。
また、人工甘味料・着色料・保存料不使用などの品質へのこだわりをみせながら、瀬戸内レモンピールエキス使用し、甘さを控えた現代のライフスタイルにふさわしいさわやかなおいしさが好評で、20~30代を中心にリピーターを増やしていることが考えられます。

飲料自販機の抱える問題。衰退回避へAI投入も?

缶コーヒーは最も利益率が高く、自販機販売の40%を占める主力商品。できたてのコーヒーが飲めるコンビニや値引き商品として売り出されるドラッグストアなどに影響され、現在各企業で自販機ビジネスに逆風が吹いています。
また、固定客があったオフィスの飲料自販機も、喫煙者減少によるたばこ部屋の減少や働き方改革による残業減、テレワークの拡大などで売り上げが落ちてきています。
キリンビバレッジの自動販売機事業を担うキリンビバレッジバリューベンダーは、「自販機は、キリンが売りたいブランドを24時間、年中無休で売ってくれる言わば販売店として位置付けられる。
自社ブランドを育成でき、価格も比較的崩れないので、きちんとフィーが入ってくる」と話しており、定価販売で利益率が高い優良な販売ルートである自販機ビジネスを守るため、AI(人工知能)搭載の新型機開発や優良立地の争奪戦など各社が自販機ビジネスを守るために動き出しています。
コカ・コーラグループは、AIを搭載した最新鋭の自販機700台をテスト設置しており、新しい解析手法を使いどの品揃えや値付けが客を引き付けるか分析。また、アサヒ飲料はマイナス5度まで商品を冷やせる自販機の開発。キリンビバレッジやダイドーは、食品との併売機やポイントが貯まる自販機を展開しています。

コーヒーとお茶のあいだ、新商品の「麦のコーヒー」は定着するか

キリンビバレッジが7月に発売した新商品の「世界のKitchenから 麦のカフェ CEBADA(セバダ)」は外見はペットボトルに入ったブラックコーヒーなのにコーヒー豆は使用せず、麦を使用しているのに麦茶ではない、スペイン・レバンテ地方の家庭で作られる、麦の飲み物「アグア・デ・セバダ」をベースにした、従来にはなかった飲料商品です。
世界のkitchenシリーズは、2011年に発売した「ソルティライチ」がブランド全体の1~7月の出荷量を前年同期より13%増加させた実績もあり、「CEBADA(セバダ)」が「ソルティライチ」に次ぐ商品になればと期待されています。

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清涼飲料業界の動向

健康志向の現代。ニーズにあったお茶やミネラルウォーター、エナジードリンクの売り上げを伸ばす一方で、従来の炭酸飲料や缶コーヒーは減少傾向にあります。これから迎える少子化問題に加え、企業はどのようにして切り抜けていくのか動向が気になるところです。

清涼飲料業界の業績推移

飲料業界の中でも、1つの大きなジャンルとなっている缶コーヒーが、コンビニコーヒーの登場により売り上げが低迷しています。リーズナブルなのにカフェと同等のクオリティが楽しめるコンビニコーヒーに対抗できる手段を考えることが今後の課題になります。
販路をコンビニ以外で考えるとどうなるでしょう。飲料業界企業によって得意としている販売ルートはそれぞれ異なります。ダイドーなど、自動販売機をメインに収益をあげている企業は、すでに普及しきった国内では頭打ち状態に。
また、自動販売機による収益も減少傾向にあります。定価価格で収益が見込める自動販売機は多くの企業にとって重要な販路。今後は売り上げを回復させる方法やそれに代わる新しい販路をみつけていく必要があるでしょう。
最近は消費者の嗜好も変わりつつあります。健康志向が高まる近年では、野菜ジュースの生産・販売に各社が力を注いできました。しかし、2015年に発表された各社の収益によると、野菜ジュースの売り上げが減少傾向であることが判明。
消費者の求めるものが変化しつつあることを裏付ける結果となりました。今後は消費者の動向に目を光らせ、新たに望まれる商品の開発・生産をすすめる必要性があります。

売り上げが低下し続ける清涼飲料業界でシェアトップ争いが激化

清涼飲料業界内の勢力図としては、コカ・コーラ系列が高いシェアを占めており、サントリー、キリンといったビール系メーカーが追随の構え。そこに、ボルビックやエビアンなど海外ミネラルウォーター勢も加わり、シェアトップの争奪戦が繰り広げられています。
買収や統合で勢力を伸ばす企業もあり、平成27年7月、サントリー食品インターナショナルが日本たばこ産業(JT)の自動販売機事業を約1,500億円で買収。平成29年4月には、コカ・コーライーストジャパンとコカ・コーラウエストが経営統合し、コカ・コーラボトラーズジャパンが発足。
発足後は単純合算で売り上げ1兆円を超え、国内最大級の清涼飲料会社が誕生することになりました。今後の少子化問題に伴い、国内の消費が落ち込む中、業界内の競争はさらに激化するでしょう。これからは中国や東南アジアなど海外への事業展開も期待されます。

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キリンビバレッジへOB訪問に行く前に準備すべき3つの項目

事前に準備している人と、見切り発車でなにも準備していない人では与える印象が全く異なります。OBやOGから「やる気のある後輩」と思われるためにも、事前準備は前日までにしっかりと済ませましょう。

主力商品の知識はおさえておきたい

1989年2月に伊藤園から発売された「お~いお茶」は、親しみやすいネーミングで緑茶飲料の存在を広く知らしめ、さらにペットボトル化することで、あらゆるシーンで緑茶を楽しめる文化を確立させました。
長年「お~いお茶」の独壇場だった緑茶飲料市場に新しい風が吹いたのが2000年3月。キリンビバレッジの「生茶」が販売目標800万ケースに対して2,250万ケースと、驚異の売り上げを達成。当時好感度No.1女優だった松嶋菜々子が出演しているCMと、生茶葉を使った商品特性がお茶に縁のなかった若い女性層の開拓に成功したのです。

キリンビバレッジでやりたいことを説明できるように

例えば「飲料を通して世界に発信していきたい」だけではインパクトに欠けてしまいますし、なぜそうしたいのかが伝わってきません。「新しい飲食文化を創造するといった理念に共感し、キリンを知らない他国へ新たな文化や価値を広めたい」と具体的に話すことによって伝わりやすくなります。
あまりにも話が長くなってしまうと、結局なにを言いたいのか見失ってしまうこともあるので、なるべくスッキリとまとめた文章を考えるようにしましょう。また、せっかくのOB訪問ですから、面接でもこうやって話したいのですがいかがでしょうか?と質問することで優位なアドバイスをもらえるかもしれません。

ホームページで顔写真や名前をできるだけ把握しておく

キリンのホームページは就活生に向けての情報がたくさんあります。各部門で活躍している先輩方のエピソードが顔写真と名前付きで載っているので是非見るようにしてください。心に残ったエピソードは誰がどういうことをしていたのか覚えておき、なぜ印象に残っているのか話せるようにしておくとよいでしょう。
まだ具体的にキリンでなにをしたいのか決まっていない人は、目標をみつけるきっかけにもつながりますし、入社後の仕事内容がイメージしやすくなります。

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OB/OGへの質問を準備

企業研究を進める中で疑問に思ったことは、スムーズにたずねることができるよう事前にまとめておきましょう。質問があるかたずねられたとき「特になにもありません」と答えると「わが社に興味がない」とみなされマイナスのイメージを与えてしまう可能性がありますので注意してください。

将来のグループ経営を担う人材育成について

-新人研修の思い出や実際の研修内容はどのようなものでしたか?

入社1年目~3年目まではビジネスの要となる基礎能力の体得を目的に、新入社員研修をはじめとした学べる機会が豊富にあります。その中でも、思い出に残るような体験や実際にどういうことを研修するのか聞いてみてはいかがでしょうか。

-人材育成プログラムを利用しているひとはいますか?

キリンでは自己の強みをさらに伸ばせたり、弱みをしっかり克服できるよう、海外派遣プログラムや経営リテラシーを学ぶビジネスカレッジなど社内スクールがいくつかあります。OBやOGのなかで実際に利用した人がいれば、どのような場面で役立てることができるのか、実体験を聞いて入社後のイメージを膨らませてみましょう。

好きなことを仕事にできるのか

-やりたいことにチャレンジできますか?

活躍している先輩方のエピソードがホームページに載っていますが、海外でお酒造りを学んだり清涼飲料のヒット商品開発にかかわっていたりと実にさまざまです。そして誇りとやりがいを感じているかたが多く、魅力的に感じられます。OBやOGが感じる仕事のやりがいについて聞いてみるのもよい勉強になるでしょう。

-自分が希望する部署へどうすればいけますか?

入社後は自分の希望する部署先を伝え、企業側が適正や要因状況をみて判断します。所属先が決まってから商品開発にかかわったり海外へPRをしたいなど自分の進みたい道がみつかった場合、現在所属している部署を何年続けるとよいか、どのような結果を残せばよいかなど軽くでもいいので事前に聞いておきたいところです。
また、希望する部署があらかじめ決まっている場合、どのようなスキルが必要とされているか把握できれば、事前にそのスキルを身につけておくことで、本格的にはじまる面接でのアピールポイントへつながります。

転勤先や福利厚生について

-転勤先はどのような場所ですか?

転勤先は日本全国にあるのか、実際住む場所は県庁所在地なのかなど、事前に確認しておくといざ働いたときとのギャップが減らせます。転勤したことのあるOBやOGの場合、転勤先での面白いエピソードや苦労したことなどを聞いてみてはいかがでしょうか。

-魅力を感じた福利厚生はありますか?

大手の企業なので一般的な福利厚生は備わっていると考えてよいでしょう。住宅関連でいえば、持ち家の住宅手当、賃貸の家賃補助、社宅が借りられるなど企業によってはさまざまなルールがあります。
福利厚生について聞きすぎると嫌な顔をされる可能性も考えられるので、住宅補助について、子育て中の方の働きかたなど的をしぼって質問するようにしましょう。

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発展し続けるキリンビバレッジが求める人材

国内の市場は成熟しつつあり少子化問題も合わさって、このままではキリンの未来は必ずしも明るいとは限りません。そのためにも、これからは更なる変革が必要となってくるでしょう。
昔はお水やお茶にお金を払うなんて考えられませんでした。今では飲料商品として買うのが当たり前になっており、スーパーやコンビニなど、どこへいってもみかけるようになりました。つまり、今までになかった市場を切り拓くことに成功した事例がキリンにはあります。
これからも愚直に追求していくことで、キリンは発展し続け新しい文化をつくるという気概を、社員一人ひとりが持って仕事に臨むことが求められていくでしょう。飲料を通して新しい文化をつくりたい、そういった人材が活躍できる企業体制が今後も取り組まれていくと思われます。

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