キリンビールで内定を勝ち取るために
「ラガービール」や「一番搾り」などの大ヒット商品で知られるキリンビールは、上位校の学生からも抜群の人気を誇っており、内定を勝ち取るためには企業研究などの準備が必要になるでしょう。
最近はインターネットやSNSを使えば簡単に情報が手に入るため、OB/OG訪問をしなくてもいいのでは、という言葉をよく聞きます。しかし、ネット上にある情報でエントリーシートを作成するとどれも似たような内容になってしまうことも。
現場の本音を聞くことのできるOB/OG訪問では、ネットにはない有利なアドバイスや情報がもらえることもあります。さらにOB/OGのつながりで上席のひとと話せる場合もあるかもしれません。さまざまな人の意見が聞けるOB/OG訪問をうまく利用して、就活を上手に乗り切りましょう。
企業概要
キリンビール株式会社は、持株会社であるキリンホールディングス株式会社の子会社です。国内総合飲料事業を統括する中間持株会社、キリン株式会社の傘下にあり、ビールや発泡酒を製造する事業子会社の位置付けです。
キリンビール株式会社は、1907年に創業しました。生産から販売までの各部門、バリューチェーン全体が一体となり、お客様にとって価値ある商品・サービスを創造し続けている会社です。また、「事業活動を通じた地域の活性化」や「環境への取り組み」を通じ地域のお客様との信頼関係を深めています。
事業内容
さまざまなライフスタイルや価値観にあう商品・サービスを提供し、安全・安心を追求した信頼されるものづくりを目指しています。
「キリン一番搾り生ビール」「キリン のどごし生」「キリン 氷結」などのヒット商品を創造し続けるとともに、ビールカテゴリーの魅力化を推進。グループ企業理念「飲みものを進化させることでみんなの日常をあたらしくする」を実現すべく日本のビール業界を支える大企業のひとつです。
酒類の製造
ビール・発泡酒・新ジャンルやワインをはじめ、チューハイ・焼酎・洋酒など、総合的な酒類のラインアップで、お客様にあたらしいおいしさ、楽しみ方を提案しています。
麦芽100%×一番搾り製法で、すっきりしながらうまみも十分な味わいの「キリン一番搾り生ビール」、120年以上にわたり愛され続けている日本の代表的ビール「キリンラガービール」、糖質70%オフの爽快なうまさの「淡麗グリーンラベル」、すっきりしたのどごしとしっかりしたうまさで進化するおいしさの「キリン のどごし<生>」、2001年の発売以来、缶チューハイ市場をけん引し続ける「キリン 氷結」シリーズなど、豊富なラインアップでニーズに応えた新しい価値を持つ商品を開発しています。
営業および販売促進
定期的にスーパーやお店を訪問し、品質向上の取り組みや豊富な酒類ラインナップを通じた提案活動を行います。また、売場の環境を整備することも重要な仕事です。お店独自のすばらしさをアピールするため、品揃えの提案や、売り場そのものを活性化させるクロス企画(食品と酒類の同時販売施策)などを積極的に考案します。
過去3年間の売上/利益推移
持株会社であるキリンホールディングス株式会社の売上/利益推移になります。こちらにある当期利益は、親会社の所有者に帰属する当期利益となっています。
(単位/億) | 2015年度 | 2016年度 | 2017年度 |
売上 | 21,969 | 20,750 | 18,637 |
営業利益 | 1,247 | 1,418 | 2,110 |
当期利益 | 1,281 | 1,406 | 2,337 |
営業利益率 | 6% | 7% | 13% |
参考:https://www.stockclip.net/companies/396
好調だったキリンホールディングスが2014年から急激に数値が落ちています。原因とされるのは、ブラジルで開催されたFIFAワールドカップで日本代表の公式スポンサーとなったキリンが、ビール好きのブラジル国民へ「KIRIN ICHIBAN」を広める計画に失敗した結果だと考えられます。
ブラジルではすでにビールのシェア65%を誇る「バドワイザー」が浸透しており、ブランドを持つ世界最大手アンハイザー・ブッシュ・インベブ社に抗うことができず、14年度の第3四半期決算の営業利益は70億円の赤字となってしまいました。
次年度の戦略
外部の環境変化を受け、中期的に酒類市場にも大きな変化が見込まれます。主力ブランドを中心に、ニーズにあった魅力的な商品提案を行い、縮小の続くビール市場を活性化させる方向です。
ビールカテゴリーは、将来的に酒税一本化により減税。さらにビール品目定義緩和により中期的な伸長が考えられます。主力ブランドである「一番搾り」と「クラフトビール」の商品向上へ投資を集中させ、ブランドを育成します。
「一番搾り」はリニューアル以降おいしさを評価され、大変好調です。また、おいしさに向き合った広告と店頭を連動させ、まだ「一番搾り」を試したことのない方へのトライアル機会を増やしていく予定です。「クラフトビール」は、キリンビールが飲食店向けに展開するクラフトビール専用のサーバー、タップ・マルシェの全国展開と共に、更なる売り上げが期待されます。
2018年のキリンビールに関するトピックス
「タップ・マルシェ」に採用された伊勢のクラフトビールが好評
伊勢のクラフトビール「伊勢角屋麦酒」を製造販売する二軒茶屋餅角屋本店が9月10日、同市下野町にビール工場を新設しました。
新工場は伊勢市の下野工業団地に位置し、敷地面積は5117平方メートル。ビール製造プラントをドイツのROLEC社製を採用し、これまでマニュアルで醸造していたものをオートメーション化することに成功しました。発酵・熟成タンクはすでに、4000リットル10本、2000リットル5本を設置していますが、さらに8000リットル4本を増設する予定です。
「伊勢角(いせかど)ビール」は1997年、「伊勢から世界へ」を合い言葉に21代目に当たる鈴木成宗社長が立ち上げました。2000年の「ジャパンビアカップ」で「神都麥酒(しんとびーる)」が金賞を受賞。他にも国内外で数多くのメダルを獲得しました。2017年には「ビール界のオスカー」ともいわれ最も歴史のある「IBA(The International Brewing Awards)」で「ペールエール」が念願の金賞を受賞しました。
キリンが開発した小型専用サーバー「タップ・マルシェ」に同社の「ペールエール」と「ヒメホワイト」が採用されました。「タップ・マルシェ」は3リットルのペットボトルに詰めたクラフトビール4種類が簡単に提供できるシステムで、現在19銘柄をラインアップ。キリンビール広報担当者は「伊勢角屋麦酒はブランド・品質共に素晴らしいクラフトブルワリーで、2銘柄ともお客さまから非常に好評を頂いている」と評価しています。
好調な第三のビール“本麒麟”が捉えたニーズ
第三のビール「本麒麟」は年3200万ケースを販売するもうひとつの第三のビール「のどごし〈生〉」以来の大ヒット商品になりました。3月の発売後、「ビールのような飲み応え」で人気に火が付き、当初は出荷を絞り供給が追い付かないほどでした。
6月には当初の年間販売目標約510万ケースに対して、約5割増となる約790万ケースに上方修正しています。本麒麟は低価格帯の第三のビールの中でもビールに近く、上質な苦みが特徴のドイツ産ホップを一部使用。通常より1・5倍長い、長期低温熟成製法を採用し、コクが強く感じられる高品質な味を追求しました。
キリンの広報担当は「第三のビールのユーザーが求める、本当はビールが飲みたいというニーズに本麒麟がこたえることができた」と説明しています。
「ドラフトギネス」リニューアルに伴い販売を強化
キリンビールは国内での販売権を持つ黒ビール「ドラフトギネス」を8月上旬の出荷分からリニューアルしました。パッケージはギネスの象徴とされるハープを上質感のある赤みを強めたゴールドカラーに変更。価格は1割弱値下げし、9月以降の販売で前年同期比約2割増の拡販を目指します。
ギネスの特徴は缶内に浮かぶ白い球体のカプセルによりきめ細かい泡が立つこと。販促キャンペーンでは、グラスに注いだ際、泡が滝のように流れて見える「サージング(泡立ち)」を「泡のショータイム」と名付けこれからPRしていく方針です。
また、飲食店ではグラスの下から照明を当てる発光ダイオードコースターと約2分を計測できる砂時計を用意しショータイムが楽しめるような工夫がなされています。
ギネスの2017年の販売は前年比約7%減の25万ケースと低迷しており、今回のテコ入れでどのように変わるか動向が気になるところです。
飲料業界の動向
花見シーズンや忘年会、新年会で欠かせない飲み物といえばビールです。直近で発表された国内大手ビール4社の決算をみると、サントリーHD、キリンHD、アサヒグループHDの3社は売上高・営業利益をともに伸ばし、サッポロHDは売上高は伸びたものの営業利益が減益となりました。
若者のビール離れや酒税法改正などによって先行きが不安定なビール業界。今後は各社さまざまな取り組みが必要となるでしょう。
飲料業界の業績推移
各社のビール類の売上高構成比には、それぞれ特徴があります。サントリーは新ジャンルが60%以上を占め、残りの大部分はビールで発泡酒はほとんどありません。
キリンはそれぞれが30~40%の割合。アサヒはビールが60%以上、新ジャンルが20%以上、残りが発泡酒。サッポロはビールが50%程度、新ジャンルが40%弱、残りが発泡酒でした。ビールではアサヒが国内シェア5割と圧倒的で、発泡酒ではキリンが圧倒的なシェアを占めています。
ビール・発泡酒・新ジャンルなどのビール類だけでシェアを比較すると1位はアサヒ、2位はキリン、3位はサントリー、4位はサッポロとなります。それぞれ人気ブランドのビールを持っており、アサヒは「スーパードライ」、キリンは「一番搾り」、サントリーは「ザ・プレミアム・モルツ」、サッポロは「エビス」が有名です。
新ジャンルに分類されるノンアルコールビールは、酒税がかからないため利益率がビールの約2倍にも。また、近年の健康志向によりビール市場における数少ない成長カテゴリーとして期待されています。現在はサントリーの「オールフリー」とアサヒの「ドライゼロ」がシェアを二分しており、激しいシェア争いが繰り広げられています。
国内ビールの出荷量は12年連続で過去最低を記録、一方海外では2ケタの大幅増も
平成28年のビール出荷量は4億1,476万ケース(前年比-2.4%)。12年連続で過去最低を記録しました。国内だけで見るとビール系飲料の出荷量は平成6年をピークに減少が続いています。さらに、近年は消費者の節約志向でビールの売れ行きも思わしくありません。「ノンアルコールビール」今では鈍化傾向にあります。
国内におけるビール市場は縮小傾向にありますが、ビール大手メーカーの業績は好調です。理由は海外事業の展開です。アサヒグループHDは東南アジア、中国を中心に販売が好調で前期比7.1%の増加。サッポロHDも東南アジアでの販売が爆発的に増え、前期比42%の大幅増を記録しています。
サントリーHDは米国で前期比1ケタ台後半の伸びを記録。スペイン、インド、ロシア、東南アジアで前期比2ケタ増の大幅な販売数増加を記録しました。
近年のビール業界は、少子化や節約志向で国内事業が苦戦する一方、海外での販売数は毎年増えており、明暗が分かれるようになりました。特に、東南アジアでの需要が好調で、今後も人口や所得の増加が予想され、さらなる伸びが期待されます。
キリンビールへOB訪問に行く前に準備すべき3つの項目
OB/OGから勉強不足だと思われないためにも、事前に準備しておくことをオススメします。準備をすませておくと訪問した時に余裕ができ、有意義な時間を過ごすことができますよ。
準備がしっかりできていたのに思うようにうまくいかなかった。そのような場合、何が悪かったのか原因を深く考えることで、結果的に自分について理解を深めることができます。そうしている内に、選考が本格的に始まったとき自己PRや志望動機を的確に伝えられるようになるはずです。
キリンビールの商品を知っておく
キリンビールのOB/OGは自社製品に誇りをもつひとが多い印象です。会社の製品に興味がないひとは、会社自体に興味がないとみなされてしまう場合も。お酒が飲めなくても新商品の情報やTVCMはチェックしておきましょう。
ホームページの内容はひと通り見ておく
家賃補助や子育て支援についての福利厚生、OB/OGへの質問コーナー、インタビュー記事など、キリンのホームページにはリクルートの情報がたくさん記載されています。ホームページに載っていることを質問すると時間の無駄になってしまうので、ひと通り目を通してみましょう。
服装や髪型に注意する
OB/OGは身だしなみや態度もしっかり見ています。スーツの大きさや髪型に乱れがないかなど意識するようにしてください。当日はバタバタしてしまうので、前日までに汚れがないかなどチェックするといいでしょう。訪問時は笑顔で挨拶し、終わった後はお礼のメールを忘れないように覚えておくことも大事です。
OB/OGへの質問を準備
気になる質問はあらかじめメモに箇条書きをするなどして用意しておきましょう。受け答えに対してただ、うなづいているだけでは、あなたが理解したかどうかが相手には伝わりにくいです。緊張する場面ではありますが、メモを取ることに集中し過ぎてないか、淡々としたトーンや表情で話を聞いていたりしてないか注意するようにしましょう。
「重要なことは〇〇や××ですね」という風に相手の言葉を繰り返したり「私も△△をしたときに同じ経験がありました」など自分の経験と先輩の話をリンクさせて話すことができれば、ただうなづくよりも親近感が生まれコミュニケーション能力や聞く力の印象UPにつながります。
入社後のギャップをなくすために知っておきたいこと
-転勤先での楽しい思い出や辛かった経験を教えてください
キリンビールでは転勤先が全国にあります。転勤に対して不安を感じているひとは楽しかったエピソードや辛いことがあればどうすれば克服できたのか聞くようにしましょう。転勤は避けることが難しいため、転勤した場合どのようなライフスタイルになるかなど、あらかじめイメージしておけばギャップに悩まされることは少なくなります。
-英語力はどのくらいあれば大丈夫ですか
キリンビールは今後も世界を舞台に活躍する企業です。キャリアアップを望む場合、海外赴任など英語が必要になるケースも考えられます。英語に自信がない場合、無理だとあきらめるのではなく、社内ではどのようなサポートが受けられるかなど聞いてみてはいかがでしょうか。
働いててよかったことや内定の決め手
-キリンビールで働いててよかったエピソードはありますか
働いているなかで成長を感じる瞬間や嬉しかったことを聞いてみましょう。他にも福利厚生や給与のことを聞いておくのも重要です。有給や残業時間のことばかり気にする質問は、マイナスの評価につながる可能性があるので、しつこく思われないよう注意が必要です。
-キリンビールに決めた理由を教えてください
当時のOB/OGが魅力的なひとだったから、大学の行事で将来性を感じたからなど理由はひとによってさまざまです。もし大学の行事を通して決めたOB/OGがいたら、オススメの行事を教えてもらいましょう。実際に参加することで将来を考える上でのヒントがみつかるかもしれません。
キャリアアップについて
-人材育成プログラムを受けたことはありますか
キリンでは、さまざまな人材育成プログラムを実施しています。入社1年目~3年目までは、ビジネスパーソンとしての基礎能力の向上を目的とした新入社員研修をはじめ、他にも学べる機会が豊富にあります。
入社4年目以降は、自分の能力をさらに成長・発展させるための支援が充実。海外派遣プログラムや経営リテラシーを学ぶビジネスカレッジなどの社内スクールで、将来を担う人材を目指し成長することができます。
人材育成プログラムを受けたひとがOB/OGにいるもしくは知り合いにいたら、実際どのような場面で役立ったのか聞いておきましょう。
-希望する部署がみつかった場合はどうすればいいですか
キャリアアップを目指すためには計画性をもつことも重要です。業務をこなしているうちに、自分のやりたい仕事がみつかった場合、その部署へ異動するにはどのような手順をふまなくてはならないのか聞いてみましょう。
キリンビールが求める人材とは
キリンビールの営業は、卸店・小売店・飲食店などの取引先との連携をはかりながら、顧客が満足のいく商品を提供しなくてはなりません。
例えば、スーパーなどの量販店では、キャンペーンなどの企画を提案したり、手にとりやすい陳列方法などを提案したりします。時には、地方自治体や地元メディア・法人とコラボレーションをはかり、イベントを開催することも。地域に根ざした営業活動のもと、非常にやりがいのあるお仕事です。
自分の力で会社を成長させたい、新しくチャレンジをしたい、地域に貢献した何かをやりたい、そういうアピールを上手く取り入れることで、内定まで進める可能性が高くなるでしょう。どのように伝えれば相手の反応が良くなるかなど、現場で働いているOB/OGが一番よく理解しています。一度話を聞きに訪問してみてはいかがでしょうか。
学生の皆さんのキャリア選択を応援します!
ビズリーチ・キャンパスでは、早期から将来を意識し、キャリア選択に前向きな学生の皆さんを応援します!
対策や企業研究よりも前にやるべきことがある…それは「どんな生き方をしたいか?」を考えること。その方法はネットで検索することでも、内定者の先輩に聞くことでもありません。実際に働く社会人の先輩たちに聞くことです。