まもなく創業140周年の株式会社朝日新聞社
株式会社朝日新聞社の設立は、1879年。国内だけではなく、海外にも拠点を設け、全国紙「朝日新聞」やデジタルコンテンツなどを提供しています。
そんな同社への入社を希望する際は、OB訪問がおすすめ。先輩たちに直に質問できる機会は貴重です。ここでは、朝日新聞社の企業情報や新聞業界の動向、質問のコツなどについてみていきましょう。
企業概要
具体的に朝日新聞社は、どのような事業を行い、昨今の売上・利益推移や次年度の戦略はどのようになっているのでしょうか。こうした情報もOB訪問や就活時に役立ちますので、以下で詳しくみていきます。
事業内容
朝日新聞社の事業内容は多彩です。もっとも有名なのは、朝日新聞の発行。スマホなどのデジタルメディアでさまざまなコンテンツもリリースしています。また、イベント運営も大きな事業のひとつでしょう。広告・不動産・放送事業にも携わっています。
全国紙「朝日新聞」の発行
「朝日新聞」は、朝刊 641万3,000部、夕刊・ 202万6,000部の発行部数を誇る全国紙です(2017年3月期)。取材の拠点となる場所は、海外合わせて合計309カ所あり(2017年6月現在)、グループ会社には「朝日学生新聞」、「日刊スポーツ」などがあります。販売店の「ASA」も全国に多数あり、国内を代表する新聞です。
デジタルサービス
朝日新聞社のデジタルサービスも中心的な事業です。朝日新聞のデジタル版だけではなく、スマホ世代をターゲットにした「withnews」、アメリカのオンラインメディアである「ハフポスト」などがあります。近年は、ネットのコンテンツにも注力しています。
イベント運営
朝日新聞主催の大きなスポーツイベントとして挙げられるのは、「全国高校野球選手権大会(甲子園)」です。2018年には、第100回までになったこの大会は、今も根強い人気があります。
野球だけではなく、日本代表のサッカーなどもサポート。ほかにも、朝日カルチャーセンター、展覧会や音楽公演など、数々の文化活動を支援しています。
その他
他にも、グループ会社が手掛けている事業には、出版、広告、折り込み広告、印刷、放送、不動産、人材派遣などがあります。「AERA」、「テレビ朝日」などの媒体は、なじみ深いものでしょう。
過去3年間の売上/利益推移
これからは朝日新聞の、過去3年間の売上と利益推移をみていきます。データは下記のサイトを参照しましたが、営業利益率は計算した後で、端数を切り捨てしています。
(単位/億) | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 |
売上 | 4,200 | 4,009 | 3,894 |
営業利益 | 120 | 70 | 78 |
当期利益 | 39 | 88 | 120 |
営業利益率 | 1% | 2% | 3% |
次年度の戦略
紙の発行物の売り上げが減少している昨今、朝日新聞社は、不動産事業に力を入れています。自社ビルの一部を貸し出したり、新しいビルにホテルを入れたり、さまざまな事業を展開。ほかにも、社内の新規事業提案やM&Aなどを行い、売り上げや利益の拡大を目指します。
2018年の朝日新聞に関するトピックス
2018年の朝日新聞に関するトピックスを確認し、OB訪問の質問作成に役立てましょう。アメリカの大手新聞会社である「ニューヨーク・タイムズ」に記事広告の配信、人工知能による高校野球戦評記事の作成システムの開発、KDDIの「au WALLET チャージコース」との連携などが話題のニュースです。それぞれについて詳しくみていきましょう。
ニューヨーク・タイムズにて記事広告をリリース
朝日新聞社は、(公財)東京観光財団とのプロモーションで、アメリカの新聞「ニューヨーク・タイムズ」に東京都をアピールするための記事広告配信をスタートさせました。制作を担うのは、「T Brand Studio」というニューヨーク・タイムズのブランドマーケティング部門です。東京五輪などを背景に、こうしたPR事業は、今後も続けていく予定です。
人工知能による高校野球戦評記事の作成システム
朝日新聞社は、みんかぶと全国高校野球選手権記念大会の戦評記事を、AIにより自動で作成するシステムをリリースしました。両社の持つ膨大なデータや技術を駆使し、文章を作成できるシステムであり、ひと試合ではなくても、リアルタイムに記事をつくることができます。
KDDIとの連携
KDDIが発行・運営する「au WALLET プリペイドカード」と朝日新聞社は連携し、「朝日新聞デジタル au WALLET チャージコース」を開始しました。年間購読するごとに、9,000円分のチャージがあるコースです。こうした他社と連携したサービスは、今後も展開予定です。
新聞業界の動向
新聞業界の動向もおさえておきましょう。新聞業はある時期をさかいに、どんどん売り上げが下がっている状況です。業績推移や低下してしまった理由などを、詳しく解説します。
新聞業界の業績推移
2002年から2005年までは横ばい、あるいはやや上昇傾向にある業績ですが、2006年からは、右肩下がりの状態が続いています。これは、販売収入だけではなく、広告収入も同様です。その他の収入のみになると、少々右肩上がりの状態でしょう。
パソコンやスマホの普及が購買数を減少させる
2006年ごろから新聞の発行部数や売り上げが減ってしまった理由は、パソコンやスマホの普及が挙げられます。かつて新聞は、情報収集するために購買するものでしたが、今では手軽にスマートフォンで調べる時代になりました。そして、新聞への広告掲載もおのずと減少してしまい、若者向けの広告は、ネットに移行している状況です。
今後は、紙媒体やデジタルとどう向き合うのかが、売り上げ上昇のポイントになるでしょう。現状でも新聞社は、電子新聞などをリリースしていますが、スマホなどでは、お金を支払わず最新のニュースをチェックできる環境は拡大するばかりです。新聞業界は、ほかのニュースメディアに負けないような仕組みづくりが必要になるでしょう。
朝日新聞へOB訪問に行く前に準備すべき3つの項目
朝日新聞へOB訪問に行く際、事前に準備すべき項目が3つあります。まずは、企業・業界・職種などをしっかりと研究しておくことです。そして、その内容をふまえ、質問をつくっておきましょう。また可能であれば、事前にその質問をOBに送付してください。こうしたOB訪問に行く前に準備すべき3つの項目について詳しく解説していきます。
企業・業界・職種の研究を
企業・業界・職種の研究を行うことで、「知りたいけれども、直接聞いてみないとわからない」ということを発見できます。まずは、新聞業界について調べるようにしましょう。全体像を把握することで、企業の特徴などがわかりやすくなります。業界研究は、売り上げの構造や将来性などをみるようにしましょう。
そして、企業研究に移ります。会社の採用ホームページなどに情報がまとまっていることが多く、口コミなどもお役立てください。事前にやりたい仕事があるのならば、職種についてもチェックしましょう。朝日新聞社では、「記者部門」、「ビジネス部門」、「技術部門」と分かれており、記者や編集者、技術者など、さまざまな職種があります。
OBにする質問をつくる
企業・業界・職種の研究を終えたら、質問をつくります。ポイントは、「選考に役立つ内容なのか」、「朝日新聞社と自分は合うのか」の2点です。OBに会える機会はなかなかありませんので、選考に役立つ情報をたくさん集められると内定が近づくかもしれません。入社した志望動機、仕事の魅力などを質問していきましょう。OBへ志望動機の添削などを頼める可能性もあります。
組織と自分がマッチするのかをチェックする質問も重要です。どんな人が向いているのか、会社の雰囲気などをできる限りヒアリングしましょう。入社後に「合わない」となってしまえば、すぐに転職を考えてしまうリスクがあります。そのため、できるだけ事前に情報を集めておきましょう。
質問メールは事前に送ろう
作成した質問を、可能であれば事前にOBや企業側に送付してください。OB訪問は、限られた時間の中で行うものであり、質問内容を共有しておくことで、面談をスムーズにさせることができます。また、OBが会社のすべてを知っているとは限りませんので、わからないことを事前に調べられる時間もつくれるでしょう。
「時間制限で本当に聞きたいことを聞けなかった」というトラブルが発生しないように、質問メールは事前に送るようにしてください。このメールを送付することで、改めて日程を確認できるところも、メリットです。
OB/OGへの質問を準備
具体的に、OB/OGへの質問は、どのような内容にすればよいのでしょうか。まずは、事業の取り組みなどを聞いてみましょう。現在注力していることや、将来の展望などで構いません。
朝日新聞社にはさまざまな仕事があり、気になるものをピックアップして現場の人に質問することもOKです。入社後のイメージをより具体的にするために、働き方についても質問してみましょう。
注力している事業と将来性
ずっと腰を据えて働くためには、会社の手掛けている事業の詳細や今後の取り組みは気になるポイント。ホームページなどに記載のある内容をふまえ、オリジナルな質問をしてください。
- 御社が注力している事業をお教えください。
上記の質問内容は、朝日新聞社のホームぺージに詳しく載っていることですが、より具体的に聞きたいことがあれば、質問してみてください。自分の関わりたい仕事内容がみつかるかもしれません。朝日新聞社は、ネットニュースサイトなどデジタル領域を注力している状況です。
「朝日新聞デジタル」は、月間PV数が4億あり、他の有名媒体にニュース記事や動画を提供しています。分析ツールを駆使し、VR技術による動画配信なども行っていますので、紙の新聞以外の事業内容も詳しく聞いてみましょう。
- 今後の事業展開をお教えください。
会社の将来をチェックするために、今後の事業展開についてヒアリングしてみましょう。現状でも朝日新聞は、さまざまな新しい取り組みを実践していきます。たとえば「メディアラボ」という実験工房があります。新しいビジネスモデル構築のために、メンバーがアイデアを出し合い、研究を進める場所です。
「START UP!」という新しい事業を生み出すコンテストも実施。このコンテストから生まれた「A-port」というクラウドファンディングサイトもあり、新規事業リリースのサポートに余念がない企業だといえるでしょう。自分のアイデアをカタチにしたい人は、こうしたことを詳しく聞いてみるのも悪くありません。
参考:https://www.asahishimbun-saiyou.com/company/about
仕事内容の実態について
朝日新聞は、「記者部門」、「ビジネス部門」、「技術部門」と部門に分かれており、それぞれで担う業務が異なります。やりたい仕事がある人は、ぜひ職種についてさまざまな角度から質問してください。
- ○○という仕事を選んだのはなぜでしょうか。
先輩が現職を選んだ理由を知ることで、志望動機に活かせることも可能ですし、新しい発見があるかもしれません。「記者部門」においては、「取材記者」、「校閲」、「デザイナー」などの仕事内容をイメージしやすい職種から「航空部」という航空機運用を担うポジションもあります。
こうした新聞社らしい仕事内容以外にも、イベントプロデューサー、コンサルタント、IT技術者など、多彩な職種がありますので、ホームページや会社資料にない情報をヒアリングしましょう。
- 配属制度について詳しくお教えください。
国内外に拠点を構える大きな組織だからこそ、異動や転勤などは気になるところです。入社後のイメージをつかむためにも、配属制度について質問してみましょう。配属先は部門ごとにより異なりますが、配属先の希望を伝えることも可能です。
特派員以外の職種であっても、海外で働けるチャンスはあり、グローバルに活躍できる土壌があるといえるでしょう。「外国で働いてみたい」という人は、ぜひ海外勤務について聞いてみてください。
多彩な働き方を知る
朝日新聞社では、独自の制度を採り入れ、さまざまな働き方が実現可能です。ぜひ働き方のディテールを聞き、入社後のイメージをふくらませてください。
- 現状の福利厚生制度に満足していますでしょうか。
大手企業だからこそ、福利厚生は充実していますが、先輩たちが満足しているのか具体的に聞き出し、会社に入った後のイメージをつかみましょう。
朝日新聞社は、勤続3年以上の社員を対象にした「在宅勤務制度」、スキルアップなどのために最長3年取得できる「自己充実休職制度」、局によっては、「連続休日制度」を取得することもできます。ダイバーシティの推進もしており、女性の採用枠も、管理職の割合も増えている状況です。さまざまな制度を整えているため、気になることを詳しく聞いてみましょう。
- 先輩の今後のキャリアパスについてお教えください。
OB・OGは、人生の先輩でもあります。どのような将来像を描いているのか聞き出し、自分のキャリアパスについても想像してみましょう。答えによっては、参考になるかもしれません。朝日新聞に入社すれば、入社後の充実した研修制度を整えているだけではなく、自己申告制度によって、希望エリアを提出することも可能。「語学・ビジネス留学制度」、「私費留学休職制度」により、自分磨きができる環境でもあります。
福利厚生については、子育てサポートも整え、託児所完備、短時間勤務制度、育休産休制度、深夜、時間外、休日勤務を免除する仕組みもあります。将来のことも考え、制度面についてもしっかりとヒアリングしましょう。
参考:https://www.asahishimbun-saiyou.com/life/benefit
朝日新聞のOB訪問で就活に有益な情報を
朝日新聞のOB訪問で入社を近づけることは可能です。まずは、朝日新聞社についてしっかりと調べましょう。まもなく創業140周年を迎える株式会社朝日新聞社は、国内トップクラスの企業であり、「朝日新聞の発行」「デジタル領域のコンテンツ」、「イベント・文化活動」、「不動産事業」など、さまざまな事業を展開しています。
近年売り上げは低下しているものの、人工知能の活用やスマホへのアプローチなど、幅広いサービスを展開しています。こうした企業の詳しい研究だけではなく、業界動向も要チェック。各新聞社は、紙媒体からの脱却が求められているともいえます。朝日新聞へOB訪問に行く前に準備すべき項目として、企業・業界・職種の研究をじっくり行い、そこから質問を作成し、それを事前にOBへ送付しておきましょう。
実際に質問する内容は、「朝日新聞社と自分は合うのか」、「選考に役立つ内容なのか」などを意識しながら、つくるようにしてください。いずれにせよ、朝日新聞のOB訪問で就活に有益な情報を入手できるように、事前準備は欠かせません。
学生の皆さんのキャリア選択を応援します!
ビズリーチ・キャンパスでは、早期から将来を意識し、キャリア選択に前向きな学生の皆さんを応援します!
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