海外事業まで幅広く展開する大阪ガスとは
大阪ガスの内定を得たいなら、質の高い情報が必要です。面接などでも、質の高い情報を活用することで、面接官の好評価を得られます。ただ、少し調べて簡単に分かるような情報は質が高いと言えません。本当によい情報を得るには、OB訪問をしましょう。
OB訪問では、ホームページに記載されていない、よいことも悪いことも含め、さまざまな情報を得られるからです。ただし準備が不十分だとOBから貴重な情報を得られないでしょう。
企業概要
大阪ガスは1897年(明治30)年に設立されました。その後、1905年(明治38)に中之島本社屋や岩崎町工場を竣工し、ガス供給をスタートさせています。1924年には、提示料理講習会を開始しました。その後、昭和から平成にかけて規模を拡大させたのです。
平成に入ると、阪神淡路大震災による都市ガス供給停止、29年に都市ガスの小売全面自由化が開始され影響を受けています。そのような逆境にも負けず、平成18年には風力発電事業を開始し、30年には新しいグループブランドDaigasグループを導入しました。
事業内容
大阪ガスのOB訪問を行うなら、事業内容をきちんと理解しておきましょう。主な事業内容として、国内エネルギーのガス、電力などがあります。海外エネルギーや、ライフ&ビジネスソリューションも代表的な事業です。しかしそれだけで事業内容を理解したと考えてはいけません。具体的な事業内容もチェックしておきましょう。。
ガス事業
ガス事業を国内外で展開しています。都市ガスの原料となる天然ガスを、世界中から調達しています。オーストラリアをメインにした、ガス田の権益も取得しており、開発プロジェクトにも参画。イタリアでもガス配給事業を行っています。
国内のガス事業では、安定的な都市ガスの製造、供給を担っており生活を支えているのです。「大坂ガスサービスショップくらしプラス」などのサービスチェーンやライフサポートサービスにも取り組んでいます。また、LPG・LNG・産業ガス事業も展開中です。
電力
オーストラリアでは、風力発電、カナダでは太陽光発電などを行っています。東南アジアでも、産業用を対象にしたエネルギーサービス事業に取り組み中です。国内でも、電力事業に力を入れています。電力小売自由化以降では、60万件を超える供給を行い積極的に展開中です。
関連会社社エネットの販売代理店では、工業や商業施設に対し電力販売を行っています。また、家庭や飲食店や商店にも電力を提供。他にも発電事業として、火力、コージェネレーション、再生可能エネルギーなども取り扱っています。
ガス機器販売
ガス機器販売では給湯器のエコジョーズなどを販売しています。他にも、ガス温水床暖房ヌック、ガスファンヒーターやガス温水浴室暖房乾燥機ミトカワックなどを取扱中です。また、センサーコンロも提供し、家庭用のコージェネレーションシステムの販売も行います。その他、ガス警報器や火災警報器などの設備や調査も主な業務です。
LPG・LNG・産業ガス事業
工場やオフィス、商業施設などにエネルギーシステムを提供しています。都市ガスを燃料にしたガスエンジン、ガスタービン、燃料電池での発電と、熱エネルギーを空調や給湯に回す分散型発電システムのガスコージェネレーションシステムを取り扱います。また、ガス急冷温水器のナチュラルキラー、ガスエンジンヒートポンプ、ガス暖房機器やボイラなども取り扱う事業です。
ライフ&ビジネスソリューション
ライフ&ビジネスソリューション事業も積極的に行っています。高機能材料や空気洗浄機などに使う活性炭製造、販売事業などがあげられるでしょう。
情報ソリューションの分野では、エネルギー分野で蓄積しIT技術を元にした多くのITサービスに取り組み中です。データセンターサービスや統合認証ソリューション、データー分析ソリューションなども業務としてあります。今後、IoTビジネスの拡大が計画されている事業です。
都市開発事業
ライフ&ビジネスソリューション事業として都市開発事業に取り扱っています。分譲、賃貸マンション、オフィスビル物件の開発です。建物や施設の運営など、不動産全般を担っています。
分譲マンションのブランドでは「シーンズ」賃貸マンションやオフィスでは「アーバネックス」などのブランドがあります。京都では、新規事業創出をサポートする、京都リサーチパークという産業集積拠点を手がけています。オフィスビルや病院や研究施設、工場などの設備運転や管理、警備や清掃などの管理サービスを提供する事業です。
技術開発
基礎、応用、商品まで、あらゆる技術開発を行っています。2018年には、イノベーション本部が新設されました。天然ガスを利用する省エネ、快適さを実現させるための機器などの技術開発を行っています。
エンジニアリング技術を活用したプロジェクトや、環境分野での技術の開発、ビジネスソリューション技術の開発も行われているのです。また、国内で初めての水素ステーションを開所しました都市ガスから水素を作る水素ステーションです。また、京都府内で初めての移動式水素ステーションの開所も行っています。
その他の事業
ビジネスから日常生活まで多くのソリューションを提供しています。フィットネスクラブやテニスクラブ、キッズスクールや大坂ガスクッキングスクールなども運営。セキュリティーサービスや、介護付き有料老人ホームグループホーム、住宅設備機器の卸売のような在宅に関連する事業、リース、クレジット、保険代理店業、オフィスサービス、人材アウトソーシングなど非常に幅広い事業を展開中です。
過去3年間の売上/利益推移
これからは大阪ガスの、過去3年間の売上と利益推移をみていきます。データは下記のサイトを参照しましたが、営業利益率は計算した後で、端数を切り捨てしています。
(単位/億) | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 |
売上 | 13,220 | 11,838 | 12,962 |
営業利益 | 1,466 | 972 | 781 |
当期利益 | 843 | 612 | 377 |
営業利益率 | 6% | 5% | 3% |
大阪ガスの2012年の売上高は1兆2947億円規模です。そこから、2015年まで上昇しました。しかし2016年から2017年にかけて下落。2018年に多少回復していますが、2015年と比較をするとまだまだの状況です。
2012年から2015年は、ガスの販売単価が高めに推移したことが売上高の上昇につながりました。2016年に下落した背景には、販売単価の下落や販売量が減ったことがあります。2017年の下落の理由として、ガス事業での原料費調整制度による都市ガスの販売単価が低めになったことが考えられています。
次年度の戦略
阪ガスでは中期経営計画2020と、長期経営ビジョン2030を策定しています
基本情報
- 商品サービスの拡充
- お客様への対応を徹底すること
- 都市ガス・LPG・電力などで顧客に選ばれるコトを目指す
- 業務用、工業用の顧客に対するソリューションの提供
- ガス、電力に加え、ニーズに答えるサービスを提供
大中期経営計画2020では個人的な家庭に対するソリューション提供の強化が掲げられました。困ったことを解決するソリューションの提供、エネファームという機器開発や普及が検討されています。ガス、電力のセットによる料金提案なども、新しい取り組みです。
業務、工場などの顧客に対しエネルギーの最適管理や、建物や設備の一括管理、メンテナンスまで、ユーティリティエージェントとしての活動強化が計画されています。自社火力の開発、再生可能エネルギー電源の拡充や競争力を高めることも模索中です。
2018年の大阪ガスに関するトピックス
2018年の大阪ガスのニュースをチェックしましょう。大阪ガスは、インフラに関係する企業です。そのため大きな動きがあると、社会に大きな影響を与えます。大阪ガスを志望するなら、リアルタイムの情報を知り、OBに良い印象を持ってもらえるよう心がけましょう。
国内最大級のバイオマス専焼発電所を建設
2018年7月31日、大阪ガスが、100%子会社のガスアンドパワーと共にバイオマス専焼の発電所建設を発表しました。場所は千葉県袖ヶ浦。国内最大級となります。
大阪ガスの新しいグループブランド、Daigasグループは、すでに名古屋発電所、名古屋第二発電所、市原バイオマス発電所、松阪木質バイオマス発電事業を手がけています。ただし、今回はDaigasグループ単独での開発と運営では、初めてのプロジェクトです。発電所の運転スタートは、2022年の7月が予定されています。
トイレのの空き状況を簡単にチェックできる「ekul toilet(イークル トイレット)」
2018年8月21日大阪ガスと株式会社バカンが提携し「ekul toilet(イークル トイレット)」というサービスの提供を2019年から始めることを発表しました。業務用のクラウドサービスであり、リアルタイムでトイレの混雑情報が分かるものです。
このサービスでは、トイレの空き状況をチェックできます。利用者のストレス対策が期待される取り組みです。他にも、管理者のための安全・防災対策としても期待されています。例えばトイレの滞在時間をチェックすれば長期滞在者かどうかが分かります。
体調不良でトイレから出られなくなった人、不審者がトイレに潜伏することをいち早く確認できるのです。セキュリティ強化という意味でも注目される取り組みとなっています。
大阪ガス新グループブランド「Daigasグループ」スタート
2018年3月8日大阪ガスは、新グループブランドの「Daigasグループ」をブランドロゴと共に発表しました。大阪ガスは、2017年に長期経営ビジョン2030を発表しています。そこで連結経常利益を2017時点より、3倍に増加させることを目標にしました。
今回のDaigasグループを創ったことはグループの一体感を示す目的があると思われます。同時に、グループ全体で将来的なビジョンを達成するという強い決意が込められているのです。
ガス業界の動向
ガス業界の動向も押さえる必要があります。企業研究と共に業界研究を深めることで、OB訪問での質問も質が高いものになります。ガス業界を知ることで大阪ガス自体の立ち位置などが見えてくるのです。
ガス業界の業績推移
平成17年から20年にかけ、業績は順調に右肩上がりでした。しかし平成21年から減少し、平成17年と同等レベルになっています。それでも平成21年から26年には順調に伸びていきました。しかし平成27年に再び下降となったのです。ただし、平成17年や21年ほどではありません。
火力発電によるガスの救急増加が業績に良い影響
ガス業界の業績は原子力発電所の停止による影響が大きく反映されました。原子力発電所が停止し、火力発電に転換しているからです。火力発電の燃料としてガスがあります。ガスの供給が増加すれば業績の好調につながるのは必然でしょう。
ただし、平成27年は暖冬でした。家庭用のガスの販売が減ったことで業績は減少。平成29年には、都市ガスの全面自由化も今後業績に大きく反映されるはずです。他業種から参入する企業との競争が高まることが想定できるでしょう。
大阪ガスへOB訪問に行く前に準備すべき3つの項目
事前準備を充実させれば、自然とOB訪問の成功に近づきます。ただ、どんな準備をすればよいかはなかなか分からないものです。準備で押さえるポイントを知り、OB訪問を充実したものにしましょう。
事業内容についてもう一步深く考えてみましょう
大阪ガスの事業内容を理解するのは基本です。ただ、もう一步踏み込んで考えてみてください。ガス業界は社会的にどのような役割を持っているのかも深く考えておきましょう。
OBは高い意識を持った人材を探しています。大阪ガスが行っている事業をまったく知らない人と、高い意識を持ち、使命感を持って大阪ガスを志望する人材、どちらが好印象でしょうか。その点も含め、大阪ガスの事業内容を理解する必要があります。
採用情報についてもきちんと目を通しましょう
大阪ガスの職種に関しては、ゼネラル/スペシャリストコース、プロフェッショナルコースがあります。また、大卒と高専卒でも異なっているのが特徴です。
ゼネラルスペシャリストコースでは、営業や海外営業、経理や財務などがあり幹部候補という扱いとなります。プロフェッショナルコースは技術職です。高専卒などが対象で主に現場での仕事となります。このような違いがありますので事前にチェックしましょう。
事業内容以外の情報もチェックしましょう
事業内容以外にも大阪ガスではどんな取り組みや活動を行っているのかも知っておきましょう。Daigasグループとして、環境や社会貢献活動、社会貢献活動に力を入れています。志望企業を絞るためにも重要な情報です。
事業内容以外でどんな取り組みをしているかは、大阪ガスでなければならない志望動機の1つにもなるでしょう。また、事業内容以外の取り組みは、OB訪問だけではなく、面接でも聞かれる可能性があります。自分の中で情報を集めて整理しておくことが大切です。
OB/OGへの質問を準備
OBやOGへの質問は、質の高いものを意識することが大事です。どんな質問をするかでも勉強しているかどうかが分かるからです。OBやOGも、意識の高い人材を出会いたいと考えています。それなのに、基本的な事業内容を聞いて終わるだけではがっかりさせてしまうでしょう。評価が低くならないよう、OBやOGへの質問にも高い意識を持つことが大事なのです。
マッチング度をはかれる質問
企業と相性が悪ければ、長期的に働くことができません。入社する前に、大坂ガスは自分と合っているかどうか確かめましょう。
- 大阪ガスで活躍されている方は、どのような人が多いか、特徴などがあれば教えてください
企業理念などを見れば、ある程度、社風を理解するヒントを得られます。ただ、大阪ガスのような大手だと従業員数も多いです。その社員の方々が企業の風土を作っているといえるでしょう。
どのような社風かは働いている人でなければ分からないことも多いです。その点を一步踏み込んで聞いてもよいでしょう。社風と合っているかどうかは、長期的に働けるかどうかのヒントになります。
- 大阪ガスで働いていて、よかったこと、同時につらかったことなども教えてください
仕事をする上ではよいこともあれば悪いこともあります。辛いことと直面すると、逃げ出したくなることもあるでしょう。ただ、そこで逃げてばかりいると成長にはつながりません。OB訪問では、よいことだけではなく、悪いことも聞いておいたほうがよいでしょう。
同時に「これだけは覚悟しておいたほうがよい」という内容も含めるとよいです。「こんなこともするなんて聞いていない」と入社後に感じても後の祭りです。OB訪問ではネガティブな部分の実情も聞けるチャンスなのでしっかり確認しておきましょう。
- 就活の時、大阪ガスでなければならなかった理由があれば教えてください
志望動機については、OB訪問だけではなく面接でも必要です。企業研究や業界研究を深めれば、ある程度、自分なりの志望動機も考えているかもしれません。ただ、独りよがりになってもいけないでしょう。
OBにどうして大阪ガスでなければならなかったのか、志望動機を聞いてみることは、マッチングだけではなく、面接対策にもつながります。自分が考えていた志望動機とOBが考えていた志望動機に違いがあるかどうかチェックしてみてください。
企業研究に役立つ質問
OB訪問は大阪ガスの深い情報を得ることができます。企業研究を深めるのに役立つ質問もしておきましょう。
- 経営効率化目標を推進していると聞きました。その効果は出ているでしょうか。また、その点で苦しいと感じることはあったでしょうか?
大坂ガスの取り組みに、経営効率化目標が設定されています。生産系の工場や設備投資、サービス水準の向上に努めることが掲げられています。ただ、その取り組みが行われるようになったあと、働く環境に、何か変化があったかどうかはチェックしておいたほうがよいでしょう。実際に自分が働くとなれば大きく関係するからです。
- 海外事業にも取り組んでいると聞きました。海外営業などの業務を志望しているのですが、語学力はどれぐらいのレベルが必要でしょうか。
大阪ガスでは海外事業にも力を入れています。語学力に自信がある人は、海外事業に関わりたいと検討する人もいるでしょう。ただ、海外で働くなら語学力が必須です。
どれだけ自信があったとしても、日常会話ができるレベルと、ビジネス用語も踏まえて話せるのではまったく異なります。この質問は語学力に限らず、大阪ガスで必要とされるスキルレベルを知る質問全般で応用可能です。OB訪問で聞いておけば自分に足りない能力を確かめられるでしょう。
- 他のガス会社と大きく異なる点を感じることはあるでしょうか?
ガス会社は大阪ガスだけではありません。他にも東京ガスなどがライバルとしてあげられるでしょう。都市ガス全面自由化によって、他業種からも参入があれば、競争は今後、一層激しいものになることが予想されます。その点で、大阪ガスの強みなどを実際に働いているOBに聞けば、気づくこともあるでしょう。
選考に役立つ質問
貴重な情報を得ても、本選考で採用されなければ意味がありません。選考に役立つ質問をして、大坂ガスへの就職を有利にしましょう。
- 大阪ガスの選考は、人物重視で行うと知りました。また、行動力や向上心がある人、コミュニケーション能力がある人などが求められています。それ以外にも、このような人物が好まれるなどあれば教えてください。
大阪ガスの求める人物像についてはホームページをチェックするだけでもある程度、情報を得られます。ただ、OB訪問ではそれ以上の情報を得るチャンスです。求められる人物像以外で好ましい人物像があるかもしれません。求める人物像に関し、ホームページにはない情報を得られる可能性があります。
- ゼネラル/スペシャリストコースと、プロフェッショナルコースがあります。それぞれ求められる能力の大きな違いとして何があるでしょうか?
大阪ガスの職種はゼネラル/スペシャリストコースとプロフェッショナルコースに分けられます。ゼネラル/スペシャリストコースは、通常幹部候補生と考えればよいでしょう。プロフェッショナルコースは、現場での仕事が中心となります。
ゼネラル/スペシャリストコースも、現場での仕事をするようですが、やはり求められるものは違うはずです。それぞれどんな能力が求められるか知っておくことも、配属に関係してきますし、求められる人物像のイメージの強化につながる情報となるでしょう。
- 私が大阪ガスを志望する理由を聞いて、どのように感じられたでしょうか
志望理由についてストレートに感想を求めてみるのもよいでしょう。なぜ大阪ガスでなければならないのかは、OBだけではなく面接官も気になるポイントのはずです。その点をしっかり深掘りしなければ、説得力がなくなります。
この質問は、マッチング度をはかる「就活の時、大阪ガスでなければならなかった理由があれば教えてください」とも関連しています。そのため自分なりのしっかりとした志望理由を考えておくことは大前提です。それを踏まえ、セットで聞いてみるのもよいでしょう。
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