テレビ東京とは
テレビ東京は、全国にネットワークを有する民放キー局のひとつです。「アニメ」、「経済報道」、「健全なエンターテインメント」の3分野で独自の強みを発揮しています。
1988年に放送を開始したワールドビジネスサテライトでは、「経済ニュース番組」というジャンルを確立しました。新世紀エヴァンゲリオン、ポケットモンスターなどのアニメ番組は社会現象となり、アニメ分野に強いのも特色です。
また、2013年の参議院選挙の際には、池上彰の参院選ライブが在京キー局でトップという高視聴率をマークしました。2010年にはテレビ東京、BSジャパン、テレビ東京ブロードバンドの三社が経営統合し、ホールディングス制に移行しました。
これにより地上波、BS波、インターネット配信、それぞれの分野にコンテンツを効率的に提供できる体制となりました。テレビ東京は、ホールディングスの中で地上波放送事業を担っています。2016年には六本木グランドタワーに本社移転し、最新の放送設備やスタジオを備えています。
企業概要
企業研究の第一歩として、テレビ東京の事業内容、過去5年間の業績推移、次年度の戦略について、チェックしておきましょう。
事業内容
テレビ東京では、放送法によるテレビジョン放送事業、番組の制作、販売、ライツ事業など放送に関する事業を多数行っています。ここでは、新卒採用の募集を行っている部署の事業を中心に説明します。
制作
テレビ番組の企画、制作を行う部門です。テレビ東京では、制作部門では情報バラエティ、ドラマ、音楽、などのエンタテインメント系の番組を企画、制作しています。「TVチャンピオン」、「空から日本を見てみよう」などテレビ東京らしいといわれる独自の視点をもった番組が多数あるのが特徴です。
報道
政治、経済、社会分野の番組の企画、制作を行う部門です。テレビ東京では「ワールドビジネスサテライト」、「池上彰の総選挙ライブ」、「ガイアの夜明け」などの人気番組が多くあります。ディレクターが記者として現場に取材に出向き、経済に詳しくない視聴者にもわかりやすいことを念頭においた番組制作を行っています。
スポーツ
スポーツの取材、中継、ニュースの制作を行う部門です。オリンピックや世界大会の際にはスポーツ特番も制作。「世界卓球」、「柔道グランドスラム」など、他局ではあまり放映されない種目の世界大会を放映しています。
柔道グランドスラムでは、地上波のみならずインターネット配信を含む5つのプラットフォームで試合のライブ配信を行うなど、新しい取り組みにも挑戦しています。
編成
全放送のタイムテーブルを決定するテレビ局の司令塔ともいえるセクションです。ターゲット層、曜日、時間帯、裏番組などを分析し、戦略的に放送方針を決定していく部署です。テレビ東京では、映画番組の制作もこの編成局が行っています。編成局は、視聴率や売上など数字を通してテレビ局全体の流れが把握できる部署です。
営業
広告主であるスポンサー企業のニーズに合ったCM枠を販売し、テレビの影響力をマネタイズしている部門です。このCM枠の売上がテレビ局の収益の柱です。
近年は、テレビ番組と連携したインフォマーシャルなどテレビCMにとどまらない新しい形態の広告モデルの開発も行っています。テレビ東京では、イベント事業のプロデュースも営業局が担当しています。
アニメ
アニメ番組の企画、制作、国内外への番組販売、DVD、キャラクターグッズの商品化などのライツ事業まで、アニメに関わる全ての事業を行っています。近年、中国をはじめとしたアジア地域での売上が好調な分野で、今後の成長が期待されています。
マーケット拡大のため、海外の制作会社と共同して番組を制作するなど、新たな取り組みも行っています。テレビ東京のアニメ制作部門のライツ事業は、CM広告収入に次ぐ第二の収益源となっています。番組の評価が視聴率だけでなく、関連商品の売上にもあらわれてくるのが特徴です。
コンテンツビジネス
アニメ以外の番組の二次展開や映画への出資業務担う部門です。ドラマやバラエティ番組のDVD化や書籍化、インターネット、モバイル配信などによりコンテンツの価値を最大限に膨らませる仕事です。
今後のテレビのあり方を柔軟な発想で模索し、ビジネスにつなげていく、テレビの新しい時代を担うホットな部署です。2018年4月には、インターネットで動画配信を行う独自プラットフォームParaviの運用もスタートし、コンテンツ配信分は今後の発展が期待されています。
技術
番組制作に関わる、照明、音声、カメラなどを担当する制作技術や、系列局への伝送などを担当する放送技術などを担当する部門です。テレビ東京の技術部門は少数精鋭で、入社後すぐに責任のある仕事を任されるのが特徴です。
過去3年間の売上/利益推移
これからはテレビ東京の、過去3年間の売上と利益推移をみていきます。データは下記のサイトを参照しましたが、営業利益率は計算した後で、端数を切り捨てしています。
(単位/億) | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 |
売上 | 1,362 | 1,426 | 1,471 |
営業利益 | 72 | 63 | 74 |
当期利益 | 47 | 42 | 60 |
営業利益率 | 3% | 3% | 4% |
テレビ東京の最近の業績をみると、売上、利益ともに堅調に推移しています。2017年度は売上、営業利益ともに過去最高を達成しています。中国市場でのアニメ事業(「NARUTO」、「BORUTO」)が好調なこと、2016年の本社移転により業務効率が改善し営業費用が圧縮されたことが増益の要因です。
2018年度は配信事業への投資が増加するため、一時的な利益縮小を見込んでいますが、2018年度中期経営計画では、コンテンツ収益の増加により2019年度には再び増益となるとされています。
最近の業績や決算内容は、投資家向けの資料 (IR資料)を参照するのがおすすめです。パワーポイント形式の資料に、決算のポイントや経営計画が端的にまとめられています。
【参考:https://www.txhd.co.jp/ir/library/】
次年度の戦略
地上波、BS波、インターネット配信の一体的な運用の本格的実行が柱となります。2018年4月には、日本経済新聞社、TBS、WOWOW、電通、博報堂と共同出資した、Paravi事業を開始しました。また、2018年12月からはBSジャパンによるBS4K放送も始まります。これにより放送事業を再強化していく戦略です。
中国をはじめとするアジア地域のコンテンツ市場もニーズが大きい魅力的なマーケットと捉え、アニメ事業、ライツ事業を海外にも積極的に展開していきます。
2018年のテレビ東京に関するトピックス
企業の最近のトピックスは、面接やOB訪問の際に話題になることもありますので、インターネットのニュースサイトなどをチェックして、最近の情報を頭に入れておくようにしましょう。
動画配信サイトParavi サービス開始 コンテンツ有料化の時代へ
2018年4月より、テレビ東京、TBS、WOWOW、日本経済新聞社、電通、博報堂の6社が共同出資した動画配信サービスParaviの事業がスタートしました。
すでに同様の動画配信プラットフォームはいくつもありますが、 Paraviでは1週間に50本以上のコンテンツを毎日更新、国内最大級のドラマのアーカイブ、日経新聞などによるテキストコンテンツや音声コンテンツの配信、既存のコンテンツだけではないParaviオリジナルコンテンツを配信するなどで、他との差別化をはかろうとしています。
テレビは無料でみるものという文化が根付く日本で、自分がみたいコンテンツにお金を払うという流れがどこまで定着していくかや、既存の地上波コンテンツとの共食い関係にどう対処し共存していくのかが、今後の課題となりそうです。
BSジャパン「BSテレビ東京」に社名変更しBS4K新時代へ準備
テレビ東京ホールディングスの連結子会社であるBSジャパンは、2018年10月より「BSテレビ東京」に社名変更することを発表しました。これを機にテレビ東京グループの一員であることを明確にし、チャンネルの認知度を高め、テレビ東京グループらしい独自性のある番組作りを進めるねらいです。
12月にスタート予定のより高画質な新4K衛星放送(BS4K)の開始に備え、テレビ東京という冠を掲げて、地上波、BS波、インターネット配信の3メディアの連携をより強めていくとしています。
ワールドビジネスサテライト 30年続く経済番組の存在意義
テレビ東京の看板番組ともいえるワールドビジネスサテライトが2018年4月で放送30周年を迎えました。放送開始当時は経済番組はあまり多くなく、同番組が経済ニュース番組というジャンルを確立したといっても過言ではありません。
経済に詳しくない視聴者にもわかりやすい番組作りを常に念頭に置いて、取材時にはあえて初歩的な質問をすることで、取材対象からわかりやすい説明を引き出すなど、視聴者の代表としての視点を大切にしているといいます。
また、20年以上続く人気コーナー「トレンドたまご(トレたま)」では世の中に知られていない斬新な切り口の商品や企業を取り上げています。トレたまでピックアップされたことがきっかけで商品がブレイクするという動きもあり、まだ世に知られていない中小企業に光をあてるというねらいもあるそうです。
このように、専門性と独自性をもったテレビ東京にしか作ることができないニュース番組であることがワールドビジネスサテライトの存在意義だと担当プロデューサーは語ります。
テレビ業界の動向
企業研究の一環として、業界全体の動向を把握しておくことも欠かせません。志望動機や自己PRにも業界の動向を踏まえた内容を盛り込むことができると、より深く説得力のあるものになりますので、しっかりとチェックしておきましょう。
テレビ業界の業績推移
テレビ業界の主な収益源はCMによる広告収入です。インターネット広告の著しい増加や、若年層のテレビ離れによる視聴率の不振により、CM広告収入は減少しており、テレビ業界の業績は低迷気味といえます。
インターネット広告は各個人の好みに応じた商品を細かく訴求することが得意なのに対し、量産型の洗剤、食品など大衆むけの商品の訴求には、依然としてテレビCMによるマス広告が効果的です。よって、今後テレビ業界が急速に低迷していくというわけではなさそうです。
メディアの多様化にどう対応していくかが今後の鍵
テレビ業界では、地上波放送、BS放送に加え、インターネット配信サービス分野に参入し、コンテンツを多様なメディアを使って配信していく動きが出ています。
地上波と同一のコンテンツをただ配信するだけでは、共食い関係が生じるだけになってしまいますので、どのようにしてコンテンツの持つ価値を最大化し、メディアミックスによる相乗効果を上げていくかが今後の鍵になります。
また、従来の広告収入中心の経営ではなく、コンテンツビジネスや関連商品の販売を行うEC事業、音楽事業、スポーツクラブ事業、不動産事業などへ事業を多角化する動きもあります。テレビ業界は、業界構造の変革期を迎えているといえます。
テレビ東京へOB訪問に行く前に準備すべき3つの項目
企業情報やテレビ業界の動向を調べて、ある程度概要がつかめたら、次はOB訪問をしてみましょう。OB訪問をすることによって、実際に働いている社員の方の生の声を聞き、テレビ東京で働くイメージをより明確にすることができます。ここでは、OB訪問に行く前に準備しておくべきことを説明します。
テレビ東京の採用ページで求められる人材像をチェック
OB訪問を有意義な時間にするために、企業のホームページ、リクナビ、マイナビなどの就活サイトに公開されている情報は事前にチェックして頭に入れておくようにしましょう。特に、企業の採用ページには、その企業が求める人材像について書かれていることが多いので、しっかりと読んでおきましょう。
例えば、テレビ東京の新卒採用ページでは、新入社員座談会というページがあります。ここでは、入社したばかりの社員が座談会形式で、志望動機、インターンなどの就活中のエピソード、入社後に感じたギャップ、将来の目標やビジョンなどを語り合う様子が掲載されています。
テレビ業界は華やかなイメージがありますが、「テレビは視聴者の人と同じ考え方を持っている、普通の感覚を持った人じゃないと作れない」、「自分を面白くさせるより、人の面白さを引き出す能力をみせられたらすごい」など、テレビ東京を志望する学生へのメッセージとして重要な部分は太字にして、求める人材像を伝えています。
また、社員紹介ページにも、各部署の仕事の具体的な内容や1日のスケジュール、どんな人にテレビ東京に入社してほしいかについての記載があります。自分だったらこの社員に何を質問するかを考え、OB訪問のシミュレーションをしながら、じっくりと読んでおくとよいでしょう。
テレビ東京の社員が書いた本を読み企業文化を深く知る
企業研究を行う場合には、まずはインターネットで公開されている情報をあたるのが一般的ですが、これはどの学生もやっています。他の就活生に差をつけるために、テレビ東京の社員の方が書いた本を読んで、もう一歩踏み込んだ企業研究をしてみましょう。
これらの本を読むことで、インターネットから得た情報とはひと味違った切り口で、テレビ東京の企業文化や社風を深く感じ取ることができます。OB訪問の際に話題にあげて、実際のところはどうなのかを聞くのもよいでしょう。
・テレ東的、一点突破の発想術 (ワニブックスPLUS新書)
・TVディレクターの演出術: 物事の魅力を引き出す方法 (ちくま新書)
テレビ東京OB/OGへの質問を準備
ここからは、OB訪問の際にする質問を具体的に考えていきましょう。限られた時間内で聞きたいことをもれなく聞くために、事前に質問を準備していきましょう。質問事例をいくつかあげますので、参考にしてみてください。
テレビ東京で働く社員の生の声を聞く
OB訪問は、実際にテレビ東京で働く社員の方のリアルな声を聞くことができる貴重なチャンスです。インターネットの情報からは得られない生の声を聞くことで、入社後のイメージをより鮮明に描くことができます。
- 1日のスケジュールを教えてください。
この質問では、実際の労働時間や繁忙期のスケジュールなどを確認することができます。とくにテレビ局の仕事は、担当する番組によって放送時間が異なるため、人によって仕事のスケジュールが大きく異なるはずです。
ドラマ部門なら3カ月ごとのクールによって区切りがあるでしょうし、報道部門なら生放送が多く、また天災など突発的な事象への対応も迫られます。できれば複数のOBに訪問を行い、それぞれの部門の仕事のスケジュールの大まかなイメージをつかんでおき、入社してからのギャップを少しでも小さくしておきましょう。
- テレビ東京では、若いうちから責任のある仕事をどんどん任せられると伺いました。実際に働かれていて、それを感じるエピソードなどはありますか?
採用ホームページでは最年少で◯◯のポジションを任された、など武勇伝的なエピソードが掲載されがちです。OB訪問で、社員の方が体験した具体的なエピソードをたずねることで、特殊なケースなのか企業文化として根付いていることなのかを確認することができます。
企業研究を深めるための質問
企業研究を進める中で、疑問に思った点やもっと深く聞いてみたいと思ったことを質問しましょう。
- 御社では、地上波、BS波、インターネット配信の一体化を経営戦略として掲げているとうかがいました。実際に現場ではどのようにして各メディア間の連携をはかっていますか?
テレビ東京のトップが掲げる経営戦略が、現場で働く社員にどのように浸透しているのかを聞く質問です。全社一体となってビジョンを持って仕事をしているかや、社内の風通しのよさを知ることができます。
- アニメ部門のライツビジネスが好調のようですが、その要因はなんだと思われますか?
業績が伸びている事業についての質問です。収益を上げている勢いのある分野についての具体的な話を聞くことで、テレビ東京の強みや将来性のある分野をより深く理解することができます。また、業界の今後の動向を知るうえでのヒントにもなります。
採用の選考に関する質問
OB、OGは、テレビ東京の採用選考を勝ち抜いた就活経験者です。エントリーシートや自己PRの内容、面接の様子など、選考に関する質問も積極的にしてみましょう。採用方針や選考基準、選考の流れは、その時々によって変わるので、選考に関する質問はできれば年齢の近い方に質問するのがよいでしょう。
- エントリーシートには、入社したらどのような番組を作りたいかを具体的に書く欄があります。企画書を添付した方もいるそうですが、◯◯さんはどのようにされましたか?
エントリーシートや企画書を持参して社員の方にフィードバックをお願いすれば、内容をブラッシュアップした状態で、自信をもって面接に臨むことができます。貴重な機会ですので、エントリーシートや企画書は必ず持参しましょう。
- 面接では他局ではなくなぜテレビ東京を志望するのかをよく聞かれると思いますが、◯◯さんは、なぜテレビ東京を志望したのですか?
面接では、なぜ同業他社ではなく、うちの企業を志望するのかという質問をよくされます。複数の企業を受けることが多い中、はっきりとした志望動機がないと答えづらい質問です。
テレビ東京には、独自の切り口で作られた特徴のある番組がたくさんあるので、ピンポイントで特定の番組に携わりたいという強い熱意を持って入社している人も少なくないようです。OBの方の具体的な志望動機を聞くことで、どのように話せば、面接官に熱意が伝わるのかヒントを得ることができます。
話を聞くだけでなく自分の志望動機を聞いてもらったり、社員の方が担当されている番組の感想を自分のことばで伝えることも、面接の練習にもなるのでおすすめです。受け身で質問をせず、自分なりの答えや意見を持って、話を聞くように心がけましょう。
OB訪問は取材の練習にもなる
テレビ東京をはじめ、テレビ局の仕事には、取材を通して視聴者に情報をわかりやすく伝えるという仕事が多くあります。
OB訪問や面接は、取材対象である企業のことを事前に入念に調べ、実際にその企業で働く人に会って話を聞き、得た情報を整理して、自分のことばでアウトプットするというように、取材と同様のプロセスを多く含みます。入社後に必要な取材のスキルを学ぶ機会にもなりますので、OB訪問は積極的に行いましょう。
またOB訪問を行ったあとは、やりっぱなしにせずに、対応してくれたOB、OGへのお礼のメールを送ったり、エントリーシートや志望動機をブラッシュアップするなどの事後フォローも行いましょう。そうすることでOB訪問で得た知識や情報を自分のものにし、就活に役立てることができます。
学生の皆さんのキャリア選択を応援します!
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