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就活生が語る

20卒に読んでほしい。絶望のテニサー学生が紡ぐ起死回生のストーリー-私の就活 vol.3

履歴書に並ぶ華やかな経歴、受けた企業は軒並み内定…。そんな就活生を、人は「就活強者」と呼びます。彼らがフォーカスされる機会は数多くあれど、どこか自分とは違う世界の話のように聞こえてしまう。そこで本連載では、あえて、ごく普通~の大学生の就活体験記を集めました。すると、「就活無双じゃなくても、就活した人の数だけ、大切なストーリーがある」 ということが見えてきました。一足先に就活を終えた先輩の、等身大のお話を聞いてみましょう。

サークルにバイト、遊びにコミットした大学初期

ーー本日はよろしくお願いします!

堀越さん:よろしくお願いします!早稲田大学商学部5年の堀越です。緊張しますね…(苦笑)
正直、テニサー※1とかオーランサークル※2とかで遊んでばっかりだったし、就活も確固たる軸とかを持っていない意識低い系だったので、本当に記事になんてなるのかな?って感じです…。まぁ、盛ることなく本当にそのまんま話しますね。

※1 テニスサークルのこと
※2 オールラウンドサークルのこと。オールラウンドになんでもやるサークル

ーーぜひ盛ることなくお願いします(笑) さっそくですが、堀越さんはどんな大学生活を送ってきたのですか?

堀越さん:僕は千葉県のなんちゃって進学校出身で、頑張って勉強して現役で早稲田に入ることができました。とにかく、早稲田に入ればなんとかなるだろうってことで、学部とかにこだわりはそこまでありませんでした。
そして、大学1年生はとにかく遊びましたね。遊びにコミットした自信はあります。(笑)まずはテニサーに入って、合宿やらなんやらでとにかく遊んでました。今でも楽しかった良い思い出はあるのですが、生産性はなかったかもしれません(苦笑)それで、そのテニサーに所属しながらも、友達と新しくオーランサークルをつくってみたりと、遊びに遊んだ1年生でした。

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このサングラスの方と仲が良かったとのこと。強そう

ーー単位は獲れ…?

堀越さん:ませんでした。結構落としちゃいましたね…(苦笑)
両親に申し訳ないなと本当に思います…が「後々なんとかなるでしょ」って当時は思っていましたね。

ーー2年生は何をしていたのですか?

堀越さん:2年生はバイトをしていましたね。客単価1万円弱のちょっと高級な居酒屋でホールをやっていました。

ーーバイト中に何か意識してたことってありましたか?

堀越さん:意識してたことか…。強いて言えば、単価の高い商品を売ろうと意識していましたね。
例えば、ドリンクはビールやカクテルより日本酒を注文してもらったほうが単価が高いので、日本酒について勉強してお客さんに勧めてました。あと、のどぐろ(魚の種類)の料理が8,000円とすごく高いので、それを上手くお客さんに勧めてみたりとか。そのくらいかな…。

ーーおぉー、しっかり働いていますね。

堀越さん:うーーーん、普通な気がしますけどね。僕はバイト入った当初からそれほどやる気があったわけじゃなくて、店長の影の努力を知ってからやらなきゃなって思ったんです。
「時給が良いし、立地も良いな」ぐらいのなんとなくさで始めたバイトだったので、成長欲求とか高い志なんて全く無くて。ただ、店長は良い売上を出すために本当に努力しているのが働いていると伝わってきて、その姿勢に感化されました。
あとは、単純に、自分が働いている日の売上が低いと悔しいじゃないですか?だから、気付いたらがむしゃらになってました。(笑)
やるときはやるタイプです。

「俺って大学で何もしてなかったな...」サマーインターンで気付いてしまった現実

ーーさて、そろそろ就活の話を聞きたいのですが、就活っていつ頃から意識しましたか?

堀越さん:3年の夏頃からです。全然就活とか意識してなかったけど、周りに流されてなんとなく動いてみましたね。
それで、大手損害保険会社の5Daysのインターンに1個だけ参加しました。大学のゼミがリスクマネジメントを専門にしていたので、少し興味があったから応募してみたって感じです。

ーーインターンで何か気付いたことや学べたことはありましたか?

堀越さん:ありました。保険について知識が深まったとかもあったのですが、一番大きかったのは、「俺って、大学で何もしてなかったな」という気付きです。
社員さんとか周りの学生に対して、自信を持って「僕はこれをやってきました!」って言えることがなかったんです。
一方、周りの学生は「学生団体で〜〜」とか「企業でインターンしてて〜」とか言っていて。
こんなんじゃ、面接で話せることなんてないな、と。
やばい…と強く思いました。

ーー危機感を抱いたんですね...。それからどう自分を変えようとしたのですか?

堀越さん:...休学することに決めました。語学留学してからインドで働いてやろう、と。

意識低い系から一転。甘えられない環境、インドで一旗揚げる決意

ーーえ、急すぎません?(笑) 何でそうなったんですか?

堀越さん:急に聞こえますよね。(笑)理由は2つですかね…。
1つは、人に誇れる何かをやってみたいな、という気持ちです。
面接で話せるエピソードづくりだけではなく、スキルアップをしたい。大学生という自由な時間を自分のために思いっきり有効活用したい、と思ったんです。
まぁ、これは気づくのが早い人なら休学せずとも済む話なのですが、自分は期間を伸ばすしかなかったって感じですね。

2つ目は、周りの友達に影響されたからです。
一緒に遊んでいる友達は、遊びながらもなんだかんだちゃんとしている人が多かったんです。短期留学に行った人はたくさんいましたし、文系だけどがっつりプログラミングを勉強し始めた人など、なんだかんだやることやっていて、だから「自分も」となりました。
大学1年から仲良くしている友達も、休学して語学留学を考えていて、一緒にやろう!となれたことも大きかったです。

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ーー 一念発起やってみよう、となったんですね。休学中の活動は具体的に何をしていたのですか?

堀越さん:まずは、フィリピンで3ヶ月間、英語の語学留学をしました。この期間は、英語でコミュニケーションが取れるようになるために勉強していました。英語で読み書きはある程度できたのですが、コミュニケーションは全然できなかったので、苦労しました。
とにかく、インドでインターンすることを先に決めていたので、そこで通用するように努力しましたね。朝早く起きて、英語の先生と雑談しに行ったり、現地の飲み屋で現地人とコミュニケーションを取ったりとか。
その語学留学後に、インドのベンチャー企業で6ヶ月間、フリーペーパーの営業インターンシップをしました。

ーー段階を踏んだんですね。ところで、そもそもなぜ「インド」にしたのですか?

堀越さん:せっかく英語を勉強するので、英語を使ってビジネスをしたいなって思ったんです。英語をきちんと定着させたかったので。でも、自分の英語力ではアメリカとかは無理で、採用してくれないっていう現実がありました。
じゃあもう、開き直って王道じゃなくて未知に挑戦してみようかなって思ったんです。(笑)インドって新興国としてすごく注目されていますが、実態は未知じゃないですか?
想像つかなすぎて、逆にやってみたいなと。

ーーチャレンジ精神がすごい。実際に、インターンをやってみてどうでしたか?

堀越さんめちゃくちゃつらかったです。もう、ほんとにつらすぎた。(笑)
インターン先の社長と渡航前に面談をして、「漆黒だから、覚悟しろよ」と言われてちょっとビビっていたのですが、想像を超えてきました。
僕が担当していたのは、日本人観光客向けにインドの飲食店を紹介するフリーペーパーの営業で、とにかく飲食店を回って「広告、載せませんか?」とひたすら営業しました。
社長からの営業成績に対する詰められ方がエグくて、ここで話すのも憚られるのですが、もう凄かったです。(笑)業務時間についても終業時間は決まっていなくて、22時まで外回りをすることもザラでした。

ーーかなりキツそうです...。正直、辞めたいとか思わなかったんですか?

堀越さん:思いませんでした。
...とか言ったらかっこいいのかもしれませんが、普通に辞めたかったです。(笑)日本帰りたい家系ラーメン食べたい、って、そればかり考えていました。

ーーすごく素直ですね。(笑) でも、辞めなかった、と?

堀越さん:はい。辞めませんでした。
自分の決断でインターンを決めたんだから、何が何でも成果を残さないとダメだと思っていたからですね。帰国してから、誰かに少しでも誇れる成果を残さないといけない、と。
辛かったし、辞めたかったというネガティブな感情も事実ありましたが、インターン先の社長には感謝しています。甘えられない環境を作ってくれていたので。

ーーインターンを通じて学んだことって何ですか?

堀越さん:この質問、就活の面接を思い出しますね。(笑)聞かれまくりました。
「信頼関係を築きあげることの大切さ」と、「アクション量の設定とそれをこなすことの大切さ」です。

営業という仕事柄、お客様との人間関係はとても大事だと実感しました。断られることの方が圧倒的に多かったのですが、たまに興味を持ってくれて掲載を決めてくれたお客様を大切にしましたね。
お客様先で「チャイ(インドで国民的飲み物の紅茶)」を作る修行をさせてもらったり、お客様が僕の誕生日を祝ってくれたりと、とても良い思い出です。

もう一つのアクション量についてですが、受注までのプロセスを描き、そのプロセスごとに目標数字を設定します。その数字をこなすまで帰らない、という半分気合のやり方です。
これは社長から教えてもらったことなのですが、この考え方を取り入れてから自分の中で受注数の見込みが見えてきて、目標数字も達成できるようになり、とても大切な考えだなと思いました。

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インドでの営業時代、お客様から誕生日を祝われる堀越さん。すごい人数

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こんなバースデープレートまで用意してもらった。幸せそう

自分にとっての“幸せ”を叶えられる会社選び

ーー帰国後、就活に対する意識の変化ってありましたか?

堀越さん:変わったかな…?どうだろう。
自分の中で話せるエピソードができたから、就活に対して前向きに取り組もうって気持ちになっていたかもしれないです。
日本に帰ったのは1月で、すぐに就活を始めようと思っていたけど、ちょっと休憩したいとも思ってしまった(笑)から、就活を実際にスタートしたのは3月の解禁と同時でした。

ーーインターン疲れですね。(笑)業界はどのあたりを見てたのですか?

堀越さん:業界はかなり広く見ていましたね。
金融は、損保、銀行と全般的に見ていたし、通信業界、商社も見ていました。
不動産も最初は見ていたけど、途中から違うなと感じました。街づくりは楽しそうでなんとなく興味あったけど、関われるのは一握りだと思ったので。
まとめると、規模の大きなビジネスをやっている会社を見ていて、いわゆる大学生の人気ランキング上位って感じの業界を見ていました。(笑)

ーー特にこだわりはなかったんですね。

堀越さん:そうですね。
結局、どこで何をしたいとかが全然なかったんですよね。インドの経験から、それでも別にいいかって思っていて。フリーペーパーとか全然興味なかったんだけど、やってみたら楽しいこともやりがいもたくさんあったし、色んな業界を見てみたいなって思ったんですよね。

ーーなるほど。ちなみに、就活するにあたって何か意識していた戦略的なものってありましたか?

堀越さん:いや、別になかったです。
リクナビ、マイナビを眺めて、なんとなく興味あるところにエントリーしまくりました。大手企業中心で100社ぐらいエントリーしたと思います。

ーーベンチャーという選択肢はなかったんですか? インドではベンチャー企業で働いていたと伺ったので...。

堀越さん:うーーーん、少しは見たけど、幸せになれないと思ったんです。インドで働いた時、忙しくてプライベートがなくなっちゃうことを経験して、就職は無理だなって。インターンは期間が決まっていて、終わりが見えたから頑張れたけど。
あ、誤解してほしくないのは、もちろん働きまくることに楽しい部分はあったし、「ベンチャー=働きまくる」ってことも僕の偏見。でも、僕にとっては幸せになれないな、って感じです。

ーー幸せになれない、ですか。堀越さんにとって「幸せ」って何なんですかね?(情熱大陸みたい…)

堀越さん:答えるの恥ずかしいですね。(笑)
たまに「夢はなんですか?」と聞かれることがあって、その時にいつも答えているのは、「幸せな家庭を築きたい」ってことなんです(笑)
これは本心で、立派な一軒家で仲良い家族と楽しく過ごしたい、もちろん友達とも遊んで楽しく生きていきたい、と思っています。
だから、僕にとってはプライベートの時間を取れることや、安定して十分なお金をもらえることが大事。いわゆる「安定志向」って感じだけど、自分はそれでいいと思ってるんです。

ーー考えた末に、大手に就職することが良いと判断したのですね! その後、就活はどうだったのですか?

堀越さん:とりあえず、たくさんエントリーした企業のES(エントリーシート)を書きまくるのと、SPIとかのWebテストを受けまくる日々が始まりました…。
ESを書いているとその企業の志望度が自分の中でわかってくるのは楽しかったです。志望動機を考える中で、自分とその企業を擦り合わせていく…まぁ「その企業で働いている自分をイメージして、どんなところで貢献できそうか」っていうイメトレみたいな感じです。
それを考えている時に、ワクワクするかどうかで「この企業は行ってみたい、この企業はちょっと違うかも」っていうのがわかってきました。
で、実際に面接とか選考が始まっていきました。

嘘ついて話を盛る就活はしんどい。でも、キラキラエピソードもいらない

ーーほうほう、ザ・大手を目指す学生さんって感じの就活スタートですね。面接ではどんなことを話したんですか?

堀越さん:もちろん、インドのことです!インドでインターンしている人なんてほぼいないから、面接官の皆さんが興味を持ってくれました。(笑)

ーー確かに、少ないでしょうね。(笑)どう自分をアピールしていましたか?

堀越さん:自分を変えるためにインドに行く「行動力」と「チャレンジ精神」、プレッシャーに負けずに営業をやり抜いた「精神的なタフさ(弱音は吐くけど…)」をアピールしていました。
あと、インド人にチャイの弟子入りをさせてもらうぐらいのコミュ力(コミュニケーション力)はあったので、「コミュニケーション力はあります」みたいなこともアピールしていましたね。

ーーインドに行って、堀越さんの良さが実体験とともに伝わるので、スッと入ってきます! 逆に、インド行ってなかったら…

堀越さん:行ってなかったら、サークルとバイトのことを盛りに盛って話していたでしょうね。(笑)
バイトリーダーで圧倒的業務改善、立ち上げたサークルは100人規模まで成長、とか…
って、就活メディアでこんなこと話しちゃっていいんですかね?

ーー問題ないです!あくまで、堀越さんの体験談なので、本音が聞けて嬉しいです。(笑)

堀越さん:そうですか。(笑)
何か、バイト・サークルエピソードを悪く言っているように見えちゃうかもしれないけど、そう受け取ってほしくないので補足すると、結局「他人に自信を持って話せるぐらい、本気でやっていたか」ってことに尽きると思います!
バイトでもサークルでも、自信をもって「私はこれをやりました!」って話せるなら、エピソードなんて何でもいいんじゃないかなって。
バイト・サークルエピソードですごい人だって僕の周りにたくさんいます。
ただ、僕はそこでの活動を自信を持って話せなかったってだけ。

ーーインドは映える、キラキラエピソードっぽいですが、本質はそこじゃないってことですね?

堀越さん:そうです!
なんか偉そうで嫌なんですけど、そうだと思います。
「他人に自信を持って話せるぐらい、本気でやっていたか」ってことだと思います!
逆に、そういう話せることをやってこなかった人には、キツそうだなって。
嘘つきながら就活するのはしんどそうです。

ーー面接官も本気ですから、しんどいかもしれませんね...。それで堀越さんはどの企業から内定をもらったんですか?

堀越さん:メガバンク、大手損保、大手通信会社の3社から内定をいただきました。偶然かわからないけど、3年生の時になんとなく興味あった業界でした。

ーーその中からどの企業を選んだんでしょうか?!

堀越さん;大手通信会社にしました!どの企業も興味あることだったので、最後の判断軸は、給料と忙しさがメインです。
海外インターンとは対象的に、めちゃくちゃドメスティックな企業になりましたね。(笑)

ーーたしかに。(笑)でも、それでいいんですもんね?

堀越さん:はい!自分は納得しています。もちろん仕事も本気でやりますし、プライベートも楽しんで幸せに生きます。(笑)

おわりに「同じ失敗をしないでほしい」

ーー最後に、これを読んでくださっている学生さんに何かメッセージはありますか?

堀越さん:僕は、結果的に大学5年間に悔いはありません。バカほど遊んだし、英語も勉強できたし、ストイックに自分を追い込む経験もできました。本当に、楽しかったです。
後輩のみなさんに伝えたいこととしては、僕が偉そうに言えることじゃないですが、「人に自信を持って話せることをやるべき」ってことと「自分にとって良い企業を探そう」ってことですね。

僕の今回のエピソードがまさにそれなのですが、自分が「人に自信を持って話せることがない」と気付いた時はかなりショックでした...。
この記事を読んだ人の中で、もしそれに気付いた人が、今からでも挽回してくれたら嬉しいです!

もう一つ「自分にとって良い企業を探そう」は、世の中色んな事を言う人がいるけど結局決めるのは自分だし、入社して働くのも自分。だから、自分の価値観で「自分にとって良い企業」を探してほしいなって思います。
実は、僕の周りの休学している友達はベンチャー志向の人が多かったりします。でも、そこには流されず僕にとって良い企業を探せました。

満足できる学生生活を過ごして、就活も頑張ってください!

ーー貴重なお話、ありがとうございました!

取材:中野はな・平川貴詞
編集:平川貴詞

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