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海運業界とは?主な仕事内容や将来性、年収まで徹底解説 | ビズリーチ・キャンパス

物流の大動脈とも言える「海運業界」。私たちの生活に欠かせないあらゆるモノを、海を通じて世界中に運ぶ重要な役割を担っています。 本記事では、海運業界の基本的な仕組みから、主な仕事内容、やりがいや将来性、働き方の魅力までを解説します。

目次

まず海運業界とは?

海運業界とは、貨物や資源などを大型の船で世界中へ輸送する物流の要となる産業です。
日本のように資源を輸入に頼る国では特に重要で、グローバル経済を支える“縁の下の力持ち”とも言えます。国際的な視点でダイナミックに活躍できるのが特徴です。

海運業界2つのビジネスモデル
一口に海運業といっても、実は大きく2つのビジネスモデルに分かれます。
「船舶の賃貸・売買」と「物資輸送」という2つの柱について解説します。

①船舶の賃貸と売買
海運業界の「船舶の賃貸・売買」ビジネスモデルでは、自社で船舶を保有し、他社へ貸し出したり売却したりすることで収益を得ます。
顧客になる業界としては、旅行業界が客船を必要とするケースや、自動車業界が完成車輸送用の専用船を借りるケースなどが挙げられます。

②物資輸送
海運業界の「物資輸送」モデルでは、海運会社が貨物を船で直接運び、その運賃を主な収入源とします。定期船(決まった航路を定期便として運航)や不定期船(顧客の依頼に応じてルート設定)を使い分け、顧客の物流ニーズに応える方式です。
輸送先の業界は非常に幅広く、食品業界・アパレル業界・エネルギー業界・自動車業界・電機業界などが含まれます。
例えば、自動車メーカーは部品や完成車を海上輸送で運び、石油会社は原油や石化製品をタンカーで輸送します。物資輸送は、事業者どうしの契約量・ルートの選定・効率性などが収益性を左右するビジネスです。

海運業界の市場規模
日本では、貿易における輸出入貨物の99.6%(トン数ベース、2023年)が海上輸送で運ばれており、国際物流の大部分を海運が担っています。
また、日本籍を含む船腹量(船の総トン数)に関しては、ギリシャ・中国に次ぐ世界第3位の規模を誇るというデータもあります。
国際市場を見れば、海運はまさに世界貿易と連動する巨大産業です。金額ベースの「国内海上輸送市場規模(○兆円)」については公的な公式推計は発表されていないため、金額動向は国際収支統計(サービス収支:輸送/海上貨物・旅客等)で把握するのが適切ですが、一説にはおよそ数兆円規模(国内海上輸送市場)とも推計されています。
このように、海運業界は日本経済とグローバル貿易双方において、欠かせないインフラ基盤としての性格を持っています。

※参考:
https://www.mlit.go.jp/maritime/content/001753372.pdf
https://www.mlit.go.jp/maritime/content/001895997.pdf

海運業界の大手日本企業

「海運業界」の中で、日本には世界的に知られる大手企業がいくつもあります。

・日本郵船
・商船三井
・川崎汽船
・NSユナイテッド海運
・飯野海運

業界を代表するこれらの企業。それぞれの特徴や事業内容について解説します。

日本郵船
日本郵船(にっぽんゆうせん)は、1885年創業の日本を代表する総合物流企業で、世界最大級の海運グループの一角を担っています。
自動車専用船やコンテナ船、ばら積み貨物船、LNG(液化天然ガス)船など多彩な船種を保有し、海上輸送のみならず、陸上・空輸・倉庫・ロジスティクスまで一貫したサービスを展開。環境対応型の次世代船やDX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組みにも注力しています。
求める人物像としては、「軸のあるジェネラリスト」。幅広い知見をもちながら、自分の強み(=軸)となる職務遂行スキルを複数持つ人材を重視しています。グローバルな視点で物事を捉えられる柔軟性や、変化を恐れず挑戦し続ける姿勢なども重要でしょう。配属によっては海外勤務や海上勤務の可能性もあり、広い視野と行動力が活かせる職場環境です。総合職では、語学力や論理的思考力、課題解決能力が評価される傾向があります。

商船三井
商船三井(MOL=Mitsui O.S.K. Lines)は、日本を代表する海運大手の一角で、幅広い事業ポートフォリオを持つ総合海運企業です。
貨物輸送における外航海運を基盤としつつ、LNG 船、ばら積み船、コンテナ船、また海洋構造物・洋上設備、物流・倉庫、さらには環境対応・再生可能エネルギー事業など多岐にわたる分野へも進出しています。近年は脱炭素や次世代燃料への対応を推進し、環境技術面での競争力強化にも注力しています。
求める人物像として、採用サイト上で「自律自責型の人財」を掲げています。困難な状況でも当事者意識を持ち、課題を自ら発見・解決できる力が重視されるでしょう。
また、バイタリティ、柔軟な思考力・状況対応力、コミュニケーションやリーダーシップ能力も評価対象です。海運の事業は国際性・専門性・変動性が強いため、語学力や異文化適応力も重要とされる点も押さえておきたいところです。

川崎汽船
川崎汽船(K LINE)は、1919年創業で日本の海運業界を代表する企業のひとつです。
海上輸送を軸に、陸上輸送や倉庫、物流サービスを統合したソリューションを提供しており、自動車専用船、LNG 船、ばら積み船など多様な船種を使い分けています。近年は、燃料転換や環境配慮にも力を入れ、脱炭素の観点からの技術革新を進めています。
求める人物像としては、「チームワーク重視」「自律性・当事者意識」「変化に対する対応力」が挙げられています。特に、川崎汽船では多国籍・異文化環境での協働が日常であり、広い視点で物事を捉えられる人、挑戦を楽しめる人が適性を持つとされています。語学力を含めた総合力が重視され、若手時から幅広い業務に挑戦できる環境が用意されています。

NSユナイテッド海運
NSユナイテッド海運は、鉄鋼原料やエネルギー資源の輸送に特化したドライバルク(ばら積み貨物)輸送で知られる、海運業界の中堅大手企業です。売上高ランキングでは、日本の海運企業の中で第4位に位置づけられています。
事業領域としては、鉄鉱石・原料炭などのドライバルク輸送を主軸に、鉄鋼業向け国際輸送を展開、輸送契約の交渉・運航管理・船舶保険・船舶代理店業務・企画・渉外業務といった物流・管理機能を幅広く手がけています。
求められる人物像としては、堅実で誠実に業務を遂行できる姿勢が重視されます。社是にも「誠実で良質な海上輸送サービスを提供し、社会の発展に貢献する」とあり、信頼・安全運航・環境意識・自己変革・人材育成を大切にしているといわれています。また、少数精鋭であるがゆえに部門間の垣根が低く、若手でも比較的早期から裁量を持つ機会がある点や、乗船研修・外国拠点研修などを通じて実務経験を積める制度も整っています。

飯野海運
飯野海運(IINO)は、1899年創業の歴史を持つ独立系海運会社で、資源・エネルギー輸送を主軸としつつ、不動産事業も併営するユニークな企業です。
海運部門では、大型原油タンカー・ケミカルタンカー・ガス船(LPG/LNG)・ドライバルク船など多彩な船種を運航し、世界各地でエネルギー・化学製品の輸送を手がけています。また、東京を中心とした都市部にオフィスビルを保有・賃貸運営する不動産事業も収益基盤として構築し、海運事業のリスク分散を図っています。
飯野海運が求める人物像は、安定性と挑戦性のバランスを持つ人材です。海運は市場変動や国際情勢の影響を強く受けるため、変化に応じて柔軟に対応できる適応力が重視されます。 また、業務が比較的少人数体制で進むこともあり、若いうちから責任ある仕事を任されるケースも多いとされ、「自発性」「行動力」「主体性」が評価されやすい環境です。
海運関連業務のみならず、不動産領域への関心や複数分野で能力を発揮したい意欲も強みとなるでしょう。

海運業界の近年の動向

世界情勢やエネルギー政策の影響を強く受ける海運業界。近年はコロナ禍による物流混乱や脱炭素対応、運賃の高騰・下落など大きな変化が続いています。
業界を取り巻く最新のトレンドや注目の動きをみていきましょう。

物流量増加により活況
新型コロナウイルスの影響で、世界中の人々の暮らし方が一変しました。
在宅勤務・テレワークの普及とネット通販の拡大で、世界の物流需要が一気に急増。その反動でコンテナが行き渡らず、港は混雑し、海運の運賃は高止まりに。外航を中心に各社の業績は大きく持ち直し、過去最高益に達したケースもあります。
グローバルな供給網を支える要としての役割が改めて意識され、海運業界への関心も高まりました。

人手とコンテナの不足と運賃高騰
海運業界では、近年「人手不足」と「コンテナ不足」が大きな課題となっています。
まず人手については、船員の高齢化や若手のなり手不足により、長期航海を担える人材が世界的に減少傾向にあります。一方、コンテナは世界中で共用されており、一部の港に滞留してしまうと他地域で不足が発生するという構造的な問題を抱えています。特に新型コロナの影響で港の機能が一時的に停止した地域では、コンテナの滞留と偏在が深刻化しました。
これらが複合的に影響し、輸送スケジュールの遅延やコスト増を招き、結果として海運運賃の高騰に繋がっています。就活生にとっては、こうした業界の背景を踏まえ、課題に対してどのように貢献できるかを考えることが、志望動機にも活かせる視点となるでしょう。

海運業界の将来性は?

世界のモノの流れを支える海運業界は、これからも経済の土台として不可欠な存在です。
一方で、燃料の転換やデジタル化が一気に進み、課題と伸びしろが共存する業界ともいえます。

政治情勢や原油価格の変動は継続する
海運は外部環境の影響を受けやすい産業です。中東の緊張や原油の値動きひとつで燃料費が跳ね上がり、採算がぶれてしまうことも。こうしたリスクは今後も避けて通れないため、変動への対策として、近年では複数の収益源を持つ事業ポートフォリオの構築が進んでいます。
例えば、不動産事業を展開する企業や、再生可能エネルギー輸送など新たな分野に進出する動きも見られます。収益基盤を分散させることで、外部環境の変動に強い経営体制を整えつつあります。

越境ECの拡大
越境ECとは、企業が自国以外の消費者に対してインターネットを通じて商品を販売する仕組みです。アジアをはじめとした海外市場で日本製品の人気が高まる中、国をまたぐ物流需要が今後さらに増えると見られています。
こうした動きは、海運による国際輸送の役割を一層重要なものにし、業界全体の成長を後押しする要因の一つとなっています。越境ECの拡大は、海運業界にとって中長期的な追い風といえるでしょう。

海運業界の職種と仕事内容について知ろう

海運業界には、海の上で働く「海上職」と、陸上から船舶や物流を支える「陸上職」があり、職種ごとに求められる役割やスキルも異なります。
代表的な職種とその具体的な仕事内容についてみていきましょう。

船での仕事|海上職
海上職とは、実際に船に乗り込み、世界中の海を舞台に船の運航や管理を担う“現場のプロフェッショナル”のことを指します。

・航海士
・機関士
・通信士
・船員

などがあります。
海の最前線で長期間の航海に従事するため、体力や精神力に加えて天候や国際情勢、乗組員同士の信頼関係など、あらゆる状況に対応する判断力と行動力が求められます。航海中は陸地と離れた環境での勤務となりますが、世界を舞台に働けるやりがいや、専門性を活かせる点に魅力を感じる人も多いでしょう。

①航海士
航海士は、船の安全な運航と貨物の輸送を現場で支える海上職の要です。
出航前には気象・海象・航路の検討をもとに航海計画を策定し、燃料や速度、時間などを算定。航海中はレーダー・GPS・海図などを駆使し、他船との距離管理・進路制御・見張りを行います。停泊時や入港・出港時には、泊地作業や係船・錨操作、荷役監督、書類チェックも担当します。
等級(1等〜3等)によって業務範囲が異なり、上級になるほど乗組員指導・部門統括なども任されます。航海士には国家資格「海技士(航海)」が必要とされるケースが多く、専門知識と責任感が問われる職務です。

②機関士
機関士は、船の“心臓部”である機械設備を運転・保守・点検する専門技術者です。
主機(エンジン)や補機、発電機、ボイラー、空調装置、水処理系統など多岐にわたる機器を管理し、航海中は常に監視と記録を続け、不具合の予兆を察知して対応します。停泊時や荷役時には整備作業を実施し、船体稼働状態を維持します。
等級(例えば三等・二等・一等機関士)に応じて扱う機器範囲や指導・管理業務も変化します。機関士として働くには「海技士(機関)」などの国家資格が求められるのが一般的で、専門知識と責任感が問われる職務です。

③通信士
通信士は、船舶と陸上との通信を担う海上職の一つです。無線電話や衛星通信装置を用いて、航行中に必要な情報を陸地や他船とやり取りします。通信機器の点検・整備・動作確認も業務の一環です。ただし、現在では通信設備の進歩により、船長や航海士が通信業務を兼任するケースが多く、専任の通信士を置かない船舶も珍しくありません。
情報伝達に誤りがあれば運航に重大な影響を及ぼすため、正確さと的確な判断力、冷静な対応力が求められる職務です。

④船員
「船員」とは、航海士・機関士などの“職員(オフィサー)”を除く、船上での様々な実務を担う部員クルーのことを指します。
甲板部員(Deck Crew)は、航海士の指示のもとで見張り、甲板作業、係船・錨操作、荷役補助などを担当。機関部員(Engine Crew)は、機関士の補助として機械室での清掃・給油・補助操作、機器整備などを行います。
部員は海技士免状を持たない場合でも、STCW基本訓練等の所定の安全訓練が必要(一定要件で免除・省略規定あり)。実務経験を積みながら船内の動きを支える縁の下の力持ちです。協調性や体力、現場対応力が求められる役割であり、オフィサーへキャリアアップする足がかりとなる重要な職域です。

陸からのサポート|陸上職
陸上職とは、実際に船に乗ることなく、オフィスや港など陸上から船の運航や物流全体を支える職種です。

・事務職
・技術職
・営業職

海上職が現場の最前線を担う一方で、陸上職はその運航を計画・調整・管理し、ビジネスとして成立させる役割を果たします。顧客対応や契約交渉、スケジュールの調整、船の整備計画など業務は多岐にわたり、語学力や調整力、柔軟な対応力が求められます。

①事務職
事務職は、海運会社の背後で航海を支える重要なポジションです。案件に応じて船を手配する「船舶調達」、航路計画や入港手続きなどを調整する「運航管理」、貨物書類作成や港湾手続きなどのオフィス業務を担います。
ミスが運航遅延やコスト増につながるため、高い正確性とリスク管理感覚が求められます。規模の大きな業界である分、同じ事務仕事でも扱うデータ量や関係者数は多く、総合的な視点が不可欠です。事務職は業界全体を支える“縁の下の力持ち”として、将来のキャリアを広げる基盤となる職種でもあります。

②技術職
技術職は、船を“形づくる”、“支える”エンジニア的役割を担う陸上の専門職です。
新造船の仕様検討、図面のチェック・承認、造船現場での品質・進捗管理を行い、竣工後は保守・点検・修理に関わります。加えて、運航データを活用して効率化や環境対応技術の導入も推進。例えば、低燃費推進器の設計や排ガス規制対応技術の導入などが求められます。
技術職は、知識と現場感覚を兼ね備え、海運の安全性と経済性を支える重要なポジションでしょう。

③営業職
営業職は、海運会社の“顔”として貨物の受注や顧客との窓口を担う重要な役回りです。荷主(メーカー・商社など)や物流企業と交渉し、輸送契約を結び、海上輸送の案件を創出します。
提案力や交渉力、顧客ニーズの把握が不可欠で、運賃・スケジュール・船種・荷姿・保険などを総合的に調整する力も問われます。営業は売上を左右するポジションであり、業界動向を追いつつ、他部署と協力してソリューションを設計できる視野の広さも求められます。

海運業界で求められる能力は?

海運業界では、国際的な取引や複雑な物流を扱うため、柔軟な発想と的確な判断力が欠かせません。現場対応力に加え、語学力やチームワーク、状況に応じて最適な判断を下す力などが求められます。

分析力
海運業界で「分析力」が求められるのは、需給バランスや燃料価格、ルート選定などが日々揺れ動くからです。荷動きや市況を読み解き、将来の収益予測を立てることは、運航計画や船の手配にも直結します。
例えば、数年先を見越して船を発注する場合には、需要や燃料コスト、地政学リスクを複合的に判断する必要があります。こうした判断なしでは損益が大きくぶれるため、情報を整理し、本質を見抜く力は海運の現場で非常に重宝される能力なのです。

責任感
海運業界では、一人ひとりの判断や行動が大きな影響を及ぼすため、強い責任感が求められます。例えば、航海士や機関士は、長期間の航海中にトラブルが起きても冷静に対応しなければなりません。陸上職であっても、運航管理や荷主との契約においてミスは許されず、船の遅延や損失につながることもあります。
また、海運は国際的なビジネスであり、時差や文化の違いを超えて連携を取る場面も多いため、自分の役割を自覚し、やり遂げる覚悟が必要です。責任感は、チームの信頼を築く上でも欠かせない資質といえるでしょう。

リーダーシップ
海運業界では、船上・陸上を問わず、さまざまな立場の人たちと連携しながら仕事を進めるため、リーダーシップが重要な資質のひとつとされています。
例えば、航海士や機関士は、緊急時やトラブル時に瞬時の判断と指示が求められ、現場を動かす力が不可欠です。陸上職でも、荷主や船会社、港湾関係者など多様な関係者と調整しながら、業務全体を主導していく場面が多くあります。また、国籍や文化の異なるクルーと働くことも少なくないため、相手の立場を理解しながらチームをまとめる柔軟さも必要です。
リーダーシップは、役職に関係なく発揮できる力として評価されます。

英語力
海運業界はその大半が国際取引で成り立っており、業務の随所で英語が使われます。
例えば、海上職であれば、船内の共通語は英語であり、外国籍の乗組員との意思疎通、航行時の通信、寄港地での手続きなどに欠かせません。陸上職でも、海外の荷主や代理店、造船会社、保険会社とのやりとりは日常的に発生します。特にメールや契約書、マニュアル、海事関連の国際ルールはすべて英語表記が基本となっているため、読み書きだけでなく「正確に理解し、伝える力」が求められます。
高度なビジネス英語である必要はなくても、基礎的な英語力を備えておくことで、活躍のフィールドが大きく広がる業界です。

海運業界で働く魅力を知ろう

海運業界は、世界を舞台に活躍できるスケールの大きさが魅力です。目立ちはしないけれど、グローバル経済を根底から支える存在として、大きなやりがいを感じられる仕事です。
そんな海運業界ならではの「働く魅力」について紹介していきます。

世界で働ける
海運業界の大きな魅力のひとつは、「世界という舞台で働けること」です。船は国境を越えて航行し、寄港地も多岐にわたるため、海外の港湾や離れた国々での現場体験や取引に触れる機会が豊富です。
例えば、航海士や営業職であれば外国籍のクルーや海外の荷主と日常的にやりとりをし、英語や文化理解が必要な場面が多くあります。陸上職でも、国際契約や代理店業務、海外拠点との調整など、グローバルな業務に関与できるケースが多いです。
こうした環境で働くことで、視野が広がると同時に、キャリアの可能性も国内だけではなく世界に広がっているのです。

スケールの大きい仕事に関われる
海運では、一つの仕事で動く貨物量も金額も非常に大きくなります。
例えば、コンテナ船を1隻動かすには数千〜数万個のコンテナを扱い、それが複数国をまたいで輸送されます。陸上職で運航契約を結ぶ際には、1年分の輸送量や収益を見込む交渉が3ヶ月間に集中して行われる、といったプロジェクト規模も一般的です。
失敗すれば損失も大きい分、成功したときの達成感も桁違い。こうした大きな責任を負いながら、グローバル物流を動かす仕事に携われることが、海運業界ならではの醍醐味といえるでしょう。

人々の生活を支えられる
海運業界は、私たちの日常を支える「縁の下のインフラ」としての側面があります。日本は島国で食料・資源・製品の多くを海外に依存しており、その輸出入の大半を海運が担っています。
例えば、電化製品、衣料、食品、燃料など、多種多様な品物が船で運ばれ、港で荷役され、最終的に店頭や家庭へ届けられます。海上職はこうした貨物を安全かつ確実に輸送する役割を果たし、陸上職は契約やルート調整、運航管理によって物流を滞らせないよう支えます。
自分が携わる仕事が、全国・世界の人々の暮らしに直結していく実感は大きなやりがいです。運んだ品々が日々の暮らしを支えていることを、肌で感じられるところに、この業界ならではの魅力があるでしょう。

海運業界を目指すなら?

スケールが大きい海運業界の仕事に魅力を感じたら、まずは業界の特徴や働く人の役割に目を向けてみましょう。今のうちからできる準備や視点が、説得力ある志望動機づくりにもつながっていきます。

今からできる対策は?
海運業界に興味があるなら、早いうちから準備を始めておくことがカギになります。特におすすめしたいのが、「業界の動向を知ること」と「語学力を鍛えること」です。

まず、業界の動向を知るには、ニュースサイトや業界紙を読むだけでなく、実際に海運業界で働く人に話を聞いてみるのが一番。大学のキャリアセンターやOB・OG訪問を活用すれば、現場のリアルな声を聞くことができ、仕事のイメージがぐっと具体的になります。
特に「海上職と陸上職の違い」や「海外拠点とのやりとりの実態」など、ネットだけでは得られない情報に触れられるでしょう。

また、語学力は海運業界で活躍する上で欠かせないスキルの一つ。船舶の動静管理や輸出入に関わるやりとりでは、英語でのコミュニケーションが求められます。日常的な読み書き・会話力を磨くのはもちろんですが、まずは客観的に英語力を示せるTOEICのスコア取得を目標にするのも有効です。目安として600点以上を目指し、履歴書に自信を持って書けるようにしておくと良いでしょう。

どちらも今すぐ取り組めることばかり。小さな一歩が、確かな志望動機につながっていきます。

※関連リンク:https://br-campus.jp/articles/report/47

海運業界の志望動機のポイント
海運業界の志望動機を伝える際は、大きく3つの軸を意識しましょう。

まず1つ目は、「なぜ海運業界なのか」。例えば「物流の要として社会を支える業界で働きたい」「国際的な仕事に関わりたい」など、自分の興味や価値観と結びつけて語ることで、納得感が生まれます。

2つ目は、「なぜその企業なのか」。同じ海運業界でも、取り扱う貨物や航路、経営戦略は企業によって異なります。企業独自の強みや取り組みに着目し、「なぜ他社ではなくこの会社を選んだのか」をしっかり言語化しましょう。

そして3つ目が、「自分がどう活躍できるか」。語学力や異文化理解力、困難な状況でも柔軟に対応できる力など、自分の強みがどう仕事に活かせるかを具体的に伝えることが大切です。企業側が「一緒に働くイメージ」を持てるような言葉選びを意識しましょう。

海運業界の志望動機の例文を紹介
『私は、グローバルな物流を通して社会を支えたいという思いから、海運業界を志望しました。これまでの学びで培った分析力・調整力を活かし、物流の歪みを捉えて改善提案できる人材になりたいと考えています。
貴社を志望する理由は、脱炭素対応や次世代燃料の開発に強みを持ち、環境と経済の両立を追求している点に共感したからです。特に、貴社のグリーン船舶導入計画に興味を持っており、将来的にそうしたプロジェクトに参画したいと考えています。
入社後は、営業や運航管理などを経験しながら、分析力と語学力を活かして海外取引先との折衝や収益最適化に挑みたいです。将来的には、国際航路の開拓や技術開発部門との橋渡しを担えるよう、主体的に学び続けたいと考えています。』

海運業界について理解を深めて就活に挑もう!

海運業界は、国際物流を支えるインフラとして社会に不可欠な存在です。グローバルな舞台での活躍や、スケールの大きな取引に携われる点は大きな魅力といえるでしょう。
本記事では、業界の仕組みや仕事内容、将来性、求められる力、志望動機の考え方までを網羅的に解説しました。
志望する際は、自分自身の興味や強みとどう結びつけられるかを意識して、説得力のある志望動機を練り上げていきましょう。

海運業についてよくある質問

海運業の仕事内容は?
海運業の主な仕事は、船を使ってモノを国際的に運ぶことです。
営業や運航管理、貿易実務などの陸上職と、実際に船に乗って運航を担う海上職に分かれます。荷主との調整やスケジュール管理、トラブル対応など、幅広い業務を通じて物流を支えています。

海運業の平均年収はいくらですか?
海運業の平均年収は全体的に高水準の傾向にあります。
しかし、資料により幅があり、上場大手の提出会社(単体)では、有価証券報告書で1,200〜1,600万円台(年度により変動)が確認できますが、転職・就活サイトの「業界平均」は算定範囲が異なり400〜700万円台の推計もあります。最新の有価証券報告書と母集団の違いを必ず確認しましょう。
※海上職は手当の影響が大きく、職種・年齢・会社で実額は変わります

人気大手企業就活ならビズリーチ・キャンパス!

ビズリーチ・キャンパスは三井物産、JR東日本、三井不動産、三井住友銀行、ソニー、NTTデータ、サントリーなど様々な業界の大手企業が利用しており、人気大手企業就活を目指す学生にとって必需品と言えるサービスです。
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