<プロフィール>
Hさん/男性
名古屋大学/院卒
工学研究科
ガクチカ:学業/ゼミ/研究, サークル, サークル幹部
就活開始:修士1年生の4月
初内定 :修士1年生の3月
OB/OG訪問:7人
内定取得先:ITコンサル, 総合商社, 自動車・自動車部品・輸送機器, プラントエンジニアリング
入社予定先:商社(総合商社)
#理系院生 #総合商社 #コンサル #業界研究
01:就活スタート(準備)期
ーーいつから就活を開始したか?
修士1年生の4~5月。
修士が始まり、就活をする時期であると実感したから。研究室の先輩にスタートは早い方が良いと言っていただいたため、始めた。
学部3年生の頃に1度就活していたが、サークルに力を入れていたので一旦先延ばしにした。加えて、学部生の頃は研究が忙しく一旦就活から身を引いていたので、修士に入ったことで本腰を入れ始めた。
ーー何からスタート・準備したか?
ビズリーチ・キャンパス、ワンキャリア、外資就活など就活サイトの登録。
インターンシップの申し込みスケジュールを知るために入れた。企業の検索、インターンシップの〆切確認や、企業の口コミを調べるのが目的で利用した。
ーーこの期間に志望していた業界・企業は?
ほぼ全業界。
絞り込むには早いかと思い、インターンシップ等で自分が興味があるのかを確認しようと思っていた。
文系職・理系職は絞らなかった。研究を活かす仕事があることを知りつつも、将来の可能性を狭めないために、夏は職種理解も込めて幅広く受けようと思った。
ーー応募までの過ごし方や意識した準備は?
インターンシップの締切に間に合うこと。
コアタイムもあり、研究室にいる時間も多かったため、研究によって就活に遅れが生じてしまうことも危惧していた。そのため、周りに後れを取らないために早い時期から活動をしていた。
ーー応募までに困っていたことは?
業界研究。
多くの人が知らないようなtoB(対企業ビジネス)企業などに対し、働くイメージや興味がもてるのかが分かっていなかったため。
自分がこの業界で働く意義、業界の動向などを知らなければ就活での選択は自分が望む将来につながらないため、情報収集をしていた。
企業HPを見たり、IR(有価証券報告書などの投資家向け情報開示)を読んで将来の経営プランを知ることで、将来の成長性などを見たりしていた。
株式投資の経験から将来性の判断のためにIRを見ることが力になると知っていたので、就活でもそれを活かした。
ーーこの期間はどんな心境だったか?
①いい意味で半分「遊び」感覚。
感覚派の人間なので、やっていることが面白くても、周りの人が合わないとやっていけないと思っていた。
そのため、実際の社員の雰囲気などを知った上で入る企業を判断したいと考え、企業見学をしたいと思っていた。
②未来への不透明感。
業界を何も知らず、将来自分がどこで働いているかイメージがつかなかった。
ーー応募までに「やっておいてよかった」は?
早いうちから行動を起こしたこと。
最初の時期は応募母数が少なく、参加障壁が比較的低い印象があり、多くの企業を見るには夏から行動したことが活きたと思う。
ーー応募までに「やっておけばよかった」は?
ガクチカの選定と校正。
400文字のガクチカを作っていろんなESで使っていたが、面接で太刀打ちできない瞬間があったため、早めに校正をしておくべきだった。
02:夏インターンシップ期
ーーいつから夏インターンに応募したか?
修士1年生の6月〜9月。
ーーこの期間に志望していた業界・企業は?
インフラ、機械、自動車、エネルギー、化学、SIer、デベロッパー、商社、コンサル。
広くみていた。広告や金融は違うかもと思い始めた。金融は取り扱うお金の額に対して給料が低いという点にギャップを感じた。
広告はとある漫画の中で大変さを知り、見て楽しむ側の方がいいと思い広告は辞めた。夏インターンシップで志望しようと思った業界は、昔から興味があった業界ではある。
ーー何社に応募したか?
30社程度。
インフラ、機械、自動車、エネルギー、化学、SIer、デベロッパー、商社、コンサル。インターンシップ以外のイベントも含む。
一緒に頑張っていた友人が、バイトの後に研究室で就活をしていたことに触発されたり、ほとんどの業界を見たいと考えた時に、エントリー数が少ないのでは意味がないと思ったため、母数は稼ごうとした。
ワンキャリアの体験記や過去のESを参照したり、インターンシップの評判を調べたりした。15社程度通過。インフラ、自動車、コンサル、SIer、エネルギー、化学に参加。業界の中でも細分化されているので、化学メーカーとエネルギーが参加業界の多数を占めた。
ーー夏インターンで体験/知れたことは?
企業の魅力、強み、唯一な点。
業界が同じならどれも同じだと思っていたが、企業の中でここだけは負けない点を企業側が押し出していたので、その点を見極めたり、企業が押し出す強みを自分の軸と比べて、入社した時のビジョンを考えるようにしていた。
実際に参加してSIer、インフラ、化学系の技術職は自分には合わないと思った。エネルギーは面白いと思った。
化学系の技術職は研究が苦手なこともあり、数十年これを続けるのはきついという点と、勤務地が選べない点から周りと離れることへの不安感もあり興味がなくなった。
SIerは複数日程で業務体験をしたが、なんとなく興味を持てなかった。インフラは自分でできる幅が狭いと思い、自分の力で成し遂げられる業務の幅の狭さから、モチベーションを保ちにくいと思い受けるのを辞めた。
エネルギーは導入部分に関わる点に身近な感じがした。海外から石油を輸送したりする点に興味を持ち、志望しようと思った。
海外に関わる仕事は惹かれた上に、自分の知識が活きると考えて、志望しようと思えた。
ーー当時の過ごし方や意識した対策は?
無理に準備しすぎないこと。
面接は最初はガチガチに回答を作っていたが、丸暗記感があると落ちると思った。そこで、面接経験を積んで自然な言葉で回答を話せるように対策した。
インターンシップを受けるときにも、落ちても落ち込まないようにすることや、参加できればいいの気持ちで選考を受けることで、一喜一憂しないようにした。
何度練習しても1回の本番の方が学ぶことが多いので、選考を受けていく中で対策をした。そのために、夜中にESを書いたりするなど、エントリー数はひたすら増やそうとした。
ーー当時困っていたことは?
研究室との両立。
夏休みが1週間程度しかなく、インターンシップでの休みがとりづらかった。
指導教員が就活反対派だった上に、インターンシップに行くことに対してもあまりよく思ってもらえなかった。研究職以外で働きたい自分にとっては、研究職を受けることを想定している教授とは考えが合わなかった。
受かったインターンシップには全部行こうと思ったので、ほぼ無理やり参加したり、夏休みの期間に参加したりして、何とか参加していた。
ーーこの期間はどんな心境だったか?
実際に色々な企業を受けられたので、自分の中で業界の優先順位をつけられた。
実際に受けた企業でも、聞いた情報と知っていた情報に相違がなければ、秋冬は受けず本選考まで待つようにして、秋冬はより情報を取りに行きたい企業に絞ってエントリーできるように優先順位を付けた。
ーーこの期間に「やっておいてよかった」は?
研究との両立のために、企業から与えられたことは全部やるようにしていた。
午前中研究室にいて、午後にイベントに参加するなど、やるべきことはやりつつ、就活にも上手く時間を割いて夏の時期を充実したものにすることができた。
ーーこの期間に「やっておけばよかった」は?
①ESの書く時間をぎりぎりにしないこと。
研究との両立で体力的にも辛かったが、何とかエントリー数を稼ごうとして粗削りでも出していたため、ESは締切ぎりぎりになりがちだった。
②スケジュールの確認。
1つ行きたい企業のESを出し忘れて、夏に出しておけば選択肢が変わったかもしれないと思った。
③面接練習をもっとしておけばよかった。
グループディスカッション(以下、GD)や書類は得意だった。
しかし、この時期は面接でのイレギュラーな質問や、面接の型を知らなかったため、本選考で困らないために場数を踏んでおくべきだった。
03:秋冬インターンシップ期
ーーいつから秋冬インターンに応募したか?
修士1年生の10月に応募開始。2月まで参加。
ーーこの期間に志望していた業界・企業は?
デベロッパー、商社、化学メーカー、エネルギー、プラントエンジニアリング。
夏の選考で受けられなかったデベロッパーや、受けきれなかった化学メーカーやエネルギーなどを中心に受けた。
新たにプラントエンジニアリングを受けたのは、スカウトを受けたのがきっかけだが、インターンシップの中で自分の研究との親和性を感じ、興味を持った。
ーー何社に応募したか?
10~20社程度。
本選考の練習もかねて、常にESを出しつつ面接を受けるスタイルに慣れるためにもなるべく多く出そうとしていた。
ワンキャリアの口コミや、企業HPの興味を持ったところを踏まえて逆質問をできるようにしていた。
6~7社参加。デベロッパー、プラントエンジニアリング、エネルギー、化学メーカー、商社。
ーー秋冬インターンで体験/知れたことは?
デベロッパーの仕事や特色は理解できたと思う。
プラントエンジニアリングはどのように環境問題にかかわるのかを知ることができて、面白いと感じた。
商社は関わる領域によって仕事の内容も変わるが、実際に働くイメージが付いた。規模の大きさ、やりがい、自分の仕事における成果がどれくらい見えるかを重要視した。
化学メーカーはシェア1位の企業もあり、規模が大きい。エネルギーは止まったら日本が終わるので、規模も当然大きい。エネルギーのない国に届けるという点でも自分の成果が見えやすい領域だったので、興味を持てた。
ーー当時の過ごし方や意識した対策は?
夏インターンシップとあまり変わらないが、ESの中でガクチカを2、3個書く必要がある企業もあり、自分の中で精査して選べるようになった。
インターンシップは参加できればいいなと思っていたので、引き続き一喜一憂しないようにした。
面接の場数は踏めたが、通過率が悪かった。GDが得意だったため、あった方が通りやすい印象だったが、試行回数が増やせたのは良かった。
ーー当時困っていたことは?
時間が欲しいと思っていた。
いかに研究室から抜ける時間を作るかに神経を使っていたので、研究との両立が難しかった。
メンタルを強く持つことで、教授に怒られても気にしないようにした。理系あるあるだが、研究室との関係で就活がつぶされてしまうことを自分は好まなかったので、自分の人生と研究を天秤にかけて、怒られてもへこたれないようにした。
好きなスポーツで発散して、ストレスをためないようにした。
ーーこの期間はどんな心境だったか?
早期選考やコンサルの本選考もあり、心持ちは本選考とインターンシップの狭間だった。
本選考は落ちたら終わるということを実感し、インターンシップのようにいけたらいいというマインドは通用しないと感じた。
本選考における志望動機を見つけるためにもインターンシップに参加する必要があると思ったので、スタート期に思っていた企業見学という見方よりは、より自分の人生を考えてワークに参加する姿勢を取るようにした。
ーーこの期間に「やっておいてよかった」は?
行動を続けること。
一度でも燃え尽きたら動けなくなると思っていたので、粗削りでもエントリーを続けることに意味があった。
ーーこの期間に「やっておけばよかった」は?
面接が被ったときに対策なしで挑むことを防ぐべきだった。
対策をしていなかったために機会を損失したことはもったいなかったので、対策を少しでもするべきではあった。
04:本選考期(秋冬IS以降)
ーーいつから本選考に応募したか?
修士1年生の12月に応募開始。修士2年6月まで参加。
ーーこの期間に志望していた業界・企業は?
コンサル、プラントエンジニアリング、商社、デベロッパー、エネルギー、化学メーカー、機械メーカー。
共通する軸はやりがい、規模感、成果の反映に加えて、自分がワークの中で楽しいと思えた業界に出すことを決めた。
フィーリングでいいと思えた業界は全て出すようにした。
ーー何社に応募したか?
20社程度。
機械メーカーは行きたい企業が2社、プラントエンジニアリングは1社のみなど、商社とデベロッパー以外は行きたい企業が限られていたので、少なめになった。
引き続きワンキャリアの口コミや、企業からのメールをチェックした。書類は18社程度通過。
ーー当時の過ごし方や意識した対策は?
ガクチカなどの基本的な部分はインターンシップで完成していたので、なぜ興味を持ったかなど具体的な志望動機の部分を磨いていた。
ワンキャリアや就活会議で聞かれることを調べて、聞かれるところを精査していた。ただ、ガチガチに用意したからこそ逆に上手くいかないときもあったので、その場で自分の言葉を用いて説明できるようにすることを意識した。
ガクチカを詰められたりなど、本選考の中で感じる刺激もあったので、本番の中でも改善点を見つけるようにした。
ーーこの期間はどんな心境だったか?
早く内定が欲しい。
早めに就活を始めていて、長期化しつつあった。他の人も内定を取り始めたため自分も内定が欲しいと思っていたが、焦りはなかった。
ーーこの期間に「やっておいてよかった」は?
ESを出し続けたこと。
エントリーし続けることで、機会を増やし続けられるから。
ーーこの期間に「やっておけばよかった」は?
志望企業のOB/OG訪問をし、本選考での志望動機を作成したり働いている方のイメージを聞いて解像度を上げること。
インターンシップに参加できなかった企業こそ社員の雰囲気や話すネタを掴むためにOB/OG訪問を早めから始めるべきだった。
研究との両立でめんどくさいと思っていたため、本選考期に少ししただけ行った。早めから行っておくことでよりマッチングできたと思った。
05:意思決定期
ーー意思決定の時期は?
修士2年生の6月。
ーー最終的に何社から内定を得たか?
4社。総合商社、コンサル、プラントエンジニアリング、自動車部品メーカー。
ーーこの期間はどんな心境だったか?
いろんな業界を受けた中でも、3月に何社か内定したため6月は軽い気持ちで受けられた。
ーー最後は「どこ」と「どこ」で迷ったか?
総合商社とコンサル。
川上から川下まで関われる点に興味があり商社に決めたが、コンサルにも魅力があった。
3月選考でコンサルの内定をもらったときにはコンサルに決めていた。プラントエンジニアリングはエネルギーに近いが、1番多くの業界に関われるのはコンサルなのでコンサルに決めた。
しかし、川上だけに関わる点でコンサルは商社よりも志望度は高くなかった。
ーー最後の「決め手」は(どうやって決めた)?
事業規模の大きさや事業領域の広さ。
商社の領域の広さに惹かれた。また、コンサルは依頼を受けて提案する点で自分のやりたいことに関わり続けるのは難しいが、商社は事業会社だからこそ自分で動いて興味のある所に食らいつこうとできる点で魅力だった。
ーー就活全体を振り返ると(またはアドバイス)?
ESの書く時間をぎりぎりにしないこと。
特にインターンシップにエントリーする際に、ぎりぎりでESを出せなかったり、見落としていた企業もあったため。
自分で出さないのと選考で落ちるのでは全然意味が違うので、後悔を残さないためにもスケジュール管理とESの余裕を持った提出が重要だと感じた。
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