<プロフィール>
S.H. 男性
京都大学大学院 農学研究科
就職予定先:伊藤忠商事株式会社
インターン参加社数:7社
OB/OG訪問人数:40名
ES提出社数:30社
面接社数:20社
内定社数:4社
希望業種を商社に変更
――商社に興味が湧いたのはいつ頃でしたか?
本気で商社を目指そうと思ったのは3~4月頃です。商社のOB/OG 訪問で話を聞き、主体的に事業に関わることができる商社の方が自分に合っているのではないかと思いました。OB/OG 訪問は計40人くらいしましたが、そのうち25人くらいが商社の方でした。
――OBOG訪問を始めたのはいつ頃でしたか?
年明けに1人か2人にお会いして、本格的に動き出したのは3月か4月です。関東にしかOB、OGの方がいなかったので、コンサルなどの面接に行く際に訪問していました。
――商社に興味を持ったきっかけは何ですか?
大学に入った頃から、「商社は面白い」と周りが言っているのを耳にしていたので、ぼんやりと憧れの気持ちはありました。また、将来は経営に携わりたいという思いもあったので、ビジネスに幅広く関わることができる商社は、その点で良いと思っていました。
――自己分析などを通して、就活の軸はできていましたか?
もともと軸が明確にあったわけではなく、「多様な人とコミュニケーションを取りながら進めていく仕事」が良いとぼんやりと考えていました。そして、インターンの自己分析で潜在的に承認欲求が高く、対人関係を重視する傾向があるということが分かりました。
他の人からの分析を踏まえても、上記のような仕事が自分に合っているように感じました。コミュニケーションというのも職場内だけでなく、お客様のところに足しげく通い、たわいもない会話が仕事に繋がったりする、というのも面白いかなと思いました。
――10月頃にESを添削してもらっていたということでしたが、商社を受ける頃にもブラッシュアップをしましたか?
ESの内容は頻繁に変わりました。OB/OGの方たちにESを見せることで、自分のどういう強みを出すと良いかアドバイスしてもらい、ブラッシュアップしていきました。商社に関しては自分を表現することが大事だと感じ、字数が許す限り、結果だけでなく、思考や行動のプロセスを説明し、自分がどういう人間で何をしてきたかを中心に書きました。
――OB/OG訪問を通して商社の志望度が上がっていきましたか?
商社はOB/OG訪問をした際、チームで一つの目標に対して前進している印象を受け、自分に合っているような気がしました。次第に商社への想いは強くなっていきました。
――面接対策はしていましたか?
かなりしていました。OB/OG訪問でも模擬面接をしてもらい、クラスや部活の友達にも頼んでいました。実践的な模擬面接をしてフィードバックをもらうのが一番有益でしたし、最終的に面接がうまくいったのも、模擬面接を通して自分の考えや思いを整理することができたおかげだと思います。
――面接で気をつけていたのはどういう点ですか?
会話のキャッチボールをしっかりするということです。最初の頃の面接はガチガチに緊張していたこともあり、自分の用意してきたことを相手の質問に無理やり当てはめていたと反省しました。商社で面接がうまくいったのは、相手の質問の意図を理解し、自分の中で咀嚼した上で、正直な答えを返す、という単純なコミュニケーションをしたからだと思います。それまでは、作ったような答えでしたが、商社の面接では自分を素直に出せたのが良かったと思います。
ショックを乗り越え、気の持ち様を変える
――選考で落ちた時はショックだったと思いますが、そういう時はどうしましたか?
早期に受けた選考で落ちた頃はかなりショックで気分も落ち込みましたが、「自分自身と合わなかったのだから仕方ない」「相性が良くないと企業が判断したのだ」と気の持ち様を切り替えるようになりました。たまには気分転換に友人と飲みに行く等、ストレスを抱え込まないよう、自分自身をコントロールすることを気をつけていました。
――早期に選考で落ちたことで学び、5~6月に活かした点などはありますか?
スケジュールを詰め込みすぎないということです。3~4月に面接をたくさん入れてしまい、不採用の連絡を受けた直後に別の選考に行ってまた落ちたこともあったため、5~6月はあまり詰め込まないようにしました。また、3~4月は、志望動機なども時間をかけて考えられていなかったため、それを避けるためにもエントリー数は減らして一社に掛ける時間を増やし、とことん面接の練習もしました。それまでは抽象的なことしか話していなかったので、少し長くても具体的で相手がイメージしやすいように話そうと心がけました。
――それで、結果は変わりましたか?
選考の結果に直接影響したかはわかりませんが、ただ「リーダーシップがあります」というより、「○○の理由でテニス部に入り、リーダーとして○○という課題感を持っていたため、○○の取り組みをしました」と具体的に話すと、強い関心を持ってもらえました。面接官と学生というより、個人と個人のコミュニケーションになったような印象を持っています。それが影響したのかもしれません。
――テニス部時代の「学生時代に力を入れていたこと」については、どのように話しましたか?
ただ自分が行動して周りをまとめたと言うだけだと、根性論みたいになってしまいます。どういう考えや思いがあったのか、行動の背景を説明するようにしました。また、プロセスだけでなく、幸いダブルスの成績が地区で4位から準優勝になったという結果があったので、成果を含めて話をしていました。
――内定をいただいた企業の中から、伊藤忠商事を選んだ決め手は?
商社の中でも伊藤忠商事は食料関係に強みを持っているのと、少数精鋭で若手でも主体的に挑戦できる環境があるので、自分が一気に成長できるように思いました。
――就活で一番苦しかったこと、悩んだことは何ですか?
面接で落ちた時、自分を否定されたような気がして落ち込みました。また、どうやって自分を表現したらいいのか悩みました。でも、うまくいかない時こそ気づきを得るチャンスと捉え、うまくいかない原因は何かを考えるようにしました。
――就活を通して、自分が成長したなと思える点はありますか?
相手に伝える時に論理が重要なことに気づきました。話の流れなどを気にしながら、相手にうまく伝えられるようになったのは成長した点だと思います。また、人間としての成長は、物事をプラスに捉えられるようになり、切り替えが早くなったことです。そして、以前は自分の弱さを出さないようにしていましたが、今は弱さも自分の一部だと認められるようになりました。
――それでは、最後に、就活生にアドバイスをお願いします。
選考が上手くいかず気分が沈むこともあるかと思いますが、結果に一喜一憂せず、前向きに進んでほしいと思います。就活というのは多くの会社を知ることができるだけでなく、自分自身をとことん知ることができる機会でもあるので、ぜひ楽しんで就活に取り組んでください。
――今日はお忙しい中、本当にありがとうございました。
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