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就活生が語る

教育への熱い思いを追求し続けた大学生活。その中で芽生えた社会に出る覚悟とは—私の就活 vol.11

履歴書に並ぶ華やかな経歴、受けた企業は軒並み内定…。そんな就活生を、人は「就活強者」と呼びます。彼らがフォーカスされる機会は数多くあれど、どこか自分とは違う世界の話のように聞こえてしまう。そこで本連載では、あえて、ごく普通~の大学生の就活体験記を集めました。今回お話を伺ったのは、早稲田大学OBの今井貴之さん。教育に対する熱い思いと、それを追求し続けた今井さんの「5年間」を覗いてみましょう。

オープンゼミに没頭した大学生活

—本日はどうぞよろしくお願いいたします!

よろしくお願いします!

—まず最初に、簡単に自己紹介をお願いします。

はい!現在、社会人1年目の今井貴之です。出身は早稲田大学教育学部で、生涯教育を勉強していました。
小さい頃から野球をやってたので、大学では野球サークルに入っていました。1,2年の頃は勉強、サークル、バイト…、まあ普通の大学生って生活をしてましたね(笑)。
大学時代の後半からは、他大学のオープンゼミに入って、それ一色の生活をしていました。

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—ありがとうございます。では早速、学生時代のお話を色々聞いていきたいと思います!まずは…教育学部出身なんですね。なぜ教育学部へ行かれたのかお聞きして良いですか?

教育って、ただ数学や国語を学ぶものじゃなくて、その人の人生や価値観を豊かにしてくれるものだと思っていて、そんな教育のあり方に興味があったんです。
それで、早稲田大学には、生まれてから亡くなるまでの幅広い教育について考える、「生涯教育」という学問を学べるところがあったので、ここだな、と思って入りました。

—なるほど。そう思ったのは、何か原体験があるんですか?

学生時代に、「良い先生」とか「嫌な先生」との出会いって、必ずありますよね。皆さんも色々と思い出があると思うんですけど…。
僕自身、小学校の時は、すごく良い先生に出会えたんですが、高校の時、部活の顧問とチームのそりが合わなくて、チーム崩壊寸前まで雰囲気が悪くなったことがあったんですね。
それで僕は、教育は学生だけでなくどんな年代にも必要なものなのではないか、と。それで、教育に興味があったんですね。

—それで教育学部に入ったんですね。入学してからは、どんな生活をしていましたか?

1,2年生の頃は、大学での勉強に一番力を入れていました。教育や社会学の本を片っ端から買って読み漁っていましたね。家の床抜けるんじゃないか、ってくらい(笑)。本の虫でした。
でもそれ以外は、さっきも言ったとおり、スタジアムの売り子のバイトをしたり、野球のサークルに行ったり、あとは恋愛など…。

--「ザ・大学生!」みたいな...。

まさにそうです。本当に普通の大学生って生活でしたね。自分が浪人している時に友人がキラキラした生活をしているから、「倍速でいかなきゃ!」って思っていました。

--一方で、大学の後半からは、ゼミ一色だったということですが…。

はい。オープンゼミには3年生の後半に入って、それ以降はゼミの中のプロジェクトに没頭していました。

--なるほど、学外のゼミに行かれていたんですね!プロジェクトでは、何をやっていたんですか?

プロジェクトでは、「PBL(Project Based Learning)」という学習のアプローチを用いて、地域の高校生の「何か地域に良いことをしたいな」という思いの実現を手助けする活動をしたり、総合の時間をいただいて将来についてのキャリア教育を開いたりしていました。

--そのオープンゼミに入ろうと思ったきっかけは何だったんでしょう?

きっかけは1年生の頃、たまたま学園祭に来ていたゼミの先生の講演でした。その講演内容が、自分の感じていた問題意識とピタッとかみ合った気がしたんですよ。
その先生は、大きな視点では日本の教育システムを変えようとされている一方で、実際に大学で面白い学生を育てている。理論を研究しつつ、実践もしていて、自分の考えに合った人に出会ったのは初めてでしたね。

--運命的な出会いだったんですね。

はい。まるで電撃が走ったみたいな感じでした。
というのも、ひたすら本を読んで勉強をしていても、心のどこかで「口先ばかりで社会は変わらないな」というモヤモヤもあって。学問を突き詰めても机上の空論だし、結局何も変わらないなと思っていたんです。

やってみた結果、なおさら今やりたいことへの思いが強くなった

--気持ちは分かります。勉強をしても、良い成績が取れたとしても、一人も変えられない...という遣る瀬なさですよね。

そうそう。そんなモヤモヤが心のどこかにあったんですが…気づけば3年の夏になっちゃって(笑)、ひとまず就活を始めてみたんですね。

--モヤモヤを抱えながら、とりあえず就活を始めたんですね。

はい。その頃は明確な判断基準とか軸もなく、いろいろな規模・業界の会社を見て自分に合うところを見つけようと思っていました。でも、心からやりたいと思えるような仕事には出会えなくて。精神的にもキツかったし、心からやりたいと思えないような仕事を一生続けるのは無理だと思いました。

--「なんか違うな…」と思いながら就活していたわけですね。

そうですね。全部しっくりこなかった。そんな中でだんだん、自分の中の課題意識も見えてきて。「やっぱり、教育について何かしたい」って思いが強くなってきました。そうじゃないと、何のために大学に来たのか分からないし。

—それって、とても大きな悩みですよね。

もう、めちゃくちゃ悩みました。ちょうどそのオープンゼミが公募していた時だったので、そっちに踏み込もうと考えていたんですね。でも、踏み込んだら就活するのは難しいし…。「俺、人生どうするんだろう?」って思っていました。
でも、究極まで悩んだ時に、「大学でやり残したことがあるまま社会に出たくない、どうしてもやりたい」と思ったんですね。
それで、卒業が1年遅れるかもしれないけれど、今自分のやりたいことをやろうと決めて、5年生になることを決めました。

—それは大きな決断ですね…!そして就活を辞め、オープンゼミの方に没頭するようになったのですね。

はい。やってみた結果なおさら今やりたいことへの思いが強くなった。それが最初の就活でしたね。
ゼミにのめり込んでからは怒涛の日々でした。大学の最初の3年間と後の2年間では、まったく色合いが違うな、と思います。とても密度が濃かった。

--具体的には、どのようなことをやっていたのですか?

毎週末、福島や長野などの地方に出向いて授業を開き、平日は、翌週末の準備をして、また地方に出向く...。そんな生活を送っていました。
とても大変でしたが、高校生の顔つきが変わっていく瞬間や、プログラム後に「ありがとうございました!」と言われた時には、努力が報われた気がして、一番嬉しかったです。「良いことやってるな〜!」みたいな気分です(笑)。高校生の願いを叶えてあげられることに、モチベーションを感じていました。

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プロジェクトで芽生えた「社会に出る覚悟」

--良いですね!とてもいきいきしている今井さんが目に浮かびます。

本当に楽しかった。天職なんじゃないかって思うくらいでした。でも、プロジェクトをすすめていく中で、自分の中で社会に出る覚悟を持てるようになったんです。

--社会に出る覚悟、とはどういうことですか?

そこでの成長に限界を感じてしまったんですよね。例えば、授業を売り込むために営業に行くのですが、先輩方もいない中だったので、自分の力が足りず営業がうまくいかなかったんですね。このままやっていても、成長せずに時間だけ過ぎちゃうだけだな、と。
あとは単純に、お金がなかった(笑)。本当はその活動で食べていきたいと思ったけれど、今のままでは食べていけないなと思いました。
成長して、自分で稼げる力を身に付けたい。そう思ったので、社会に出ようと決心しました。

--プロジェクトに本気で取り組んだことで、自分が社会に求めること・実現したいことがはっきりしてきたのですね。そして改めて、就活を始めた、と。

そうですね。5年生の6月までは、がっつり就活をしてました。

--なるほど。今井さんの就活における軸や方針はどんなものでしたか?

就活で大事にしていた軸は、3つありました。
まず、成長環境です。自分の頭や手足を動かして、自分で稼げるような力をつけられる仕事。何よりも一番、自分の成長を求めていました。
そして、魅力的な人の存在です。この人の元だったら、自分は成長できると思えること。
3つ目は、社会的に意義のある事業をしていると感じられるところです。
この3つを掲げて、就活をしていました。
この軸は、ゼミでの活動を通してだんだんと見えてきました。活動での経験を振り返りながら、徹底的に考えられたかな。

--「社会的意義」が軸の一つとなっているところに、今井さんのこだわりを感じます。もっと具体的にいうと、どのような「社会的意義」をイメージしていますか?

個人的には「広さ」と「深さ」の2種類のあり方があると思っていて。「広さ」とは、例えばECのように、世の中の多くの人にプロダクトを届け、一人でも多くの人を幸せにすること。「深さ」は、一人一人の内面や価値観、人生に大きな影響を与えるような価値、というイメージです。
自分は、「深さ」を重視したいなと考えていましたね。

--なるほど。とても今井さんらしい...!その判断基準で、会社を選んでいったんですね。

はい。最終的には10〜20社ほど受けましたが、全て自分の中で「ここなら自分は納得できる」と思えるところでしたね。どの会社も、自分にとって深い価値のあることをやっていると感じられるところだと自信を持って言えるし、そんな決断ができたのは誇りです。

--最終的に今の会社を選んだ決め手は何でしたか?

魅力的な人の存在と、社会的意義の深さでした。自分がより成長できそうで、自分に合う風土の人がいるところを見て、今の会社に入る決断をしました。そして、何よりもやっている事業が「相手を幸せにしているな」という実感を強く持てるものでした。「社会的意義の深さ」は自分の中では外せないポイントでしたね。

--そこまで自分の中で納得のいく就活ができたのは、すごくうらやましいです。

自分、こだわりが強いので...(笑)、しっかりと考え抜いてやり切ることができました。だから、就活に関して後悔は全くありません。

--さて、多くの成長機会を求めて社会に出た今井さんが、社会人となってから数ヶ月が経ちましたが、自分の中で、「ここが一番変わったな」と思ったところはありますか?

物事に取り組むときの本気度が変わりました。大学時代は「まぁいっか」と妥協してしまうこともあったけれど、それはなくなりましたね。自分が出したい成果を出すために頭を絞りぬき、持っている力はすべて出し切るようになりました。

--ありがとうございます。そして、これから就活を始める学生の中には、きっと今井さんのように多くの悩みを抱く人もいるかと思います。今井さんだったら、どうアドバイスをしますか?

就活は、人生の中の大きな選択を迫られる時期ですよね。「他の人がやっているからなんとなく…」みたいな動き方をしてしまうと、必ず疲弊します。そうならないために、自分自身にちゃんと「自信」を持つことが大切なのかなと思います。

--自信を持つためには、何が必要だと思いますか?

自分の中の明確な価値観をちゃんと認識することです。自分の価値観は、自分の経験の中からしか生まれないなと思っていて。だから、他の人の引用や判断基準で考えないこと。それが重要だと思います。自分の価値観って何だろう?と、とことん考え抜いてほしいと思います。

--今井さんが3年生のころ、1度目の就活を始めたときには、それは見えていましたか?

まったく見えていなかった(笑)!超フィーリングでした。「んー、これでしょ!」みたいな。でも、他の人に自分を語り、自分を客観的にみる中でどんどん見えてきましたね。結構時間がかかりました。いわゆる自己分析に、2,3ヶ月かけた気がします。
でも、間違いなく「これだ!」と思える時が来ます。それまで考え続けることが大事かな。

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「何事も、とことんやり切ること。」後悔しない学生時代を送るために

--ありがとうございます。最後に、学生の皆さんへメッセージをお願いします。

何事も、とことんやり切ること。それを伝えたいですね。僕自身、そうやって今まで生きてきました。大学時代の活動をとことんやり切ったので、学生時代に後悔なく社会人になることができました。
やり切らずに残ったままだと、不安やモヤモヤがどこかに残ってしまうと思います。そして、そんな不安やモヤモヤから目を背け続けていると、いつか必ず顕在化してしまいます。自分のやりたいことがあったら、まずやり切ってから、次のことを考える。それが大事だと思います。

--貴重なお話ありがとうございました!

取材:鈴木崚平・中野はな
編集:鈴木崚平

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