世界をリードするロレアルグループの日本ロレアル
化粧品業界のリーディングカンパニーであるロレアル。その日本法人である日本ロレアル株式会社は、国内でも注目されている企業のひとつです。
本記事は、日本ロレアルの企業について理解を深めながら、OB訪問でより有益な情報を入手できるコツを紹介するもの。「外資系企業で働きたい」「大好きな美容関連の職に就きたい」という就活生は、ぜひお役立てください。
企業概要
世界中で事業を展開し、半世紀以上、業界トップクラス企業として躍進している日本ロレアル株式会社。そんな大規組織は、どのような事業を手掛けているのでしょうか。
基本的には、化粧品の製造や販売、マーケティングなどを行っていますが、さまざまなブランドも注目ポイント。詳しい事業内容や利益推移などについてみていきましょう。
事業内容
日本ロレアル株式会社の事業は大きく分けて4つあります。フレグランスの製造・販売を手掛けるロレアルリュクス事業、一般向けの製品を扱うコンシューマープロダクツ事業、プロ向けのアイテムを展開するプロフェッショナルプロダクツ事業、ほかにもアクティブコスメティックス事業を展開しています。それぞれどのような事業なのか解説していきましょう。
ロレアルリュクス事業
ロレアルリュクス事業は、フレグランスの製造販売を手掛けている事業です。百貨店を中心に取引しています。扱っているブランドは、「ランコム」、「ディーゼル」、 「ジョルジオ アルマーニ ビューティー」、「キールズ」、「イヴ・サンローラン・ボーテ」、「ラルフ ローレン」などがあります。
コンシューマープロダクツ事業
コンシューマープロダクツ事業では、量販店やドラッグストア、バラエティストアなどで、一般向けに化粧品などを販売しています。ブランドは、「ロレアル パリ」や「エッシー」などがあります。
プロフェッショナルプロダクツ事業
プロフェッショナルプロダクツ事業では、サロン向けの製品だけではなく、美容室で販売する商品を取り扱っています。「カリタ」、「ロレアル プロフェッショナル」パリ」、「ケラスターゼ」、「アトリエメイドby シュウ ウエムラ」、「デクレオール」、「アレクサンドル ドゥ パリ」などのブランドがあります。
アクティブコスメティックス事業
アクティブコスメティックス事業は、スキンケアブランド「ラ ロッシュ ポゼ」や「スキンシューティカルズ」を展開。医療にも採用されているブランドです。
過去5年間の売上/利益推移
日本ロレアルの売上/利益は未公開ですが、2017年12月通期決算では、前期と比較して売り上げも利益もアップ。営業利益に関しては、過去最高の記録をマークしています。また、停滞していた事業部も回復傾向になるなど、順調に数字を伸ばしています。
参考:https://www.wwdjapan.com/561503
次年度の戦略
ロレアルは現状、メイクアップよりも、スキンケア事業が伸びている状況です。また、アジアと北米の売り上げが並び、これからも中国を巨大なマーケットとして捉えることになるでしょう。また、トラベルリテールの売り上げが伸びており、今後も業績好調の状態が続く見込みです。
2018年の日本ロレアルに関するトピックス
2018年、ロレアルグループはどのような動きをみせたのでしょうか。まずは、FacebookでAR体験できるサービスのリリースが挙げられます。また、ナチュラルブランドの買収も無視できません。ロレアルの夏休暇も話題になりますので、それぞれのトピックを詳しくみていきます。
Facebook上でAR体験できるサービスを提供
ロレアルは、Facebook上でロレアルのブランドコスメを試すことができるARサービスの導入を明らかにしました。Facebookとビジョンが共通していることもあり、今後もコラボレーションを持続。ARの技術は、美容業界において消費者を大きく動かす可能性を秘めています。
ドイツのナチュラルブランドを買収
ドイツのナチュラル化粧品企業である「ロゴコス ナトゥアコスメティクス」をロレアルは買収しました。この買収は、ロレアルの空白状態となっているナチュラル市場を強化し、よりグローバルで躍進していく目的があります。また、皮膚治療施設「ソシエテ デ テルム ドゥ ラ ロッシュ ポゼ」も傘下にし、旗艦店として位置づける予定です。
ロレアルの夏休みは2週間
日本ロレアルの社員は、夏休みや冬休みを2週間取得していると話題になりました。長期休暇制度はありませんが、好きな時期に5日間休むことができ、有給休暇とあわせて長い人では3週間休む社員も。
休みが取りにくい環境でもなく、カレンダーでシェアされています。美容部員に関しては、「LOVE & CAREプログラム」という有給休暇を取れる仕組みがあり、仕事とプライベートの両立が可能な職場です。
化粧品業界の動向
日本ロレアル含む化粧品業界の動向もみていきましょう。業績推移などをチェックすることにより、おおまかに業界全体を理解することができます。業界研究は、OB訪問だけではなく、面接など就活のさまざまな側面で役立ちますので、しっかりと情報を頭に入れてください。
化粧品業界の業績推移
2008年~2012年までは、極端な上昇や下降もなく、平坦な状態が続きます。2013年からは一気に売り上げが上がり、2014年、2015年と順調に伸びています。今後の課題としては、インバウンド消費の動向やグローバル展開などがキーとなるでしょう。
訪日外国人による購入が上昇理由
2013年から売り上げが好調になった理由は、訪日外国人の急増です。日本の化粧品の品質のよさがうけ、いわゆる「爆買い」といった現象も生まれました。
現状では、インバウンド消費は不透明な状態ではありますが、化粧品メーカーの動きや消費者動向により、浮き沈みが目立つ可能性も秘めています。また化粧品業界は、異業種からの参入で国内の競争が激しくなり、海外に子会社を設け、グローバル展開に注力している企業も目立ちます。
日本ロレアルへOB訪問に行く前に準備すべき3つの項目
日本ロレアルへOB訪問に行く前に、準備すべきことがいくつかあります。まずは、しっかりと企業を研究することです。ロレアルグループは世界的な企業ですので、事業内容や提供している商品、ダイバーシティ推進など、さまざまな角度からチェックしてください。
また、日本ロレアルの商品を使用したことのない人は、実際に使っておきましょう。使用しているからこそわかる話も当日は聞ける可能性があります。もちろん、質問したい内容はリストアップしておいてください。
日本ロレアルについて理解を深める
OB訪問に行く前に必ずすることのひとつに、会社について理解を深めることが挙げられます。日本ロレアルは、世界トップクラスの化粧品会社ロレアルグループの日本法人です。
さまざまなブランドを展開し、多くの人を魅了しています。時間のある人は、日本ロレアルだけではなく、フランス本社など、さまざまな角度から研究すべきですが、最低でもホームページなどには目を通しておきましょう。どんな製品があるのか、研究開発はどのように行っているのか、環境や社会への関わり方、業績など、チェックしてください。
企業研究だけではなく、業界動向の確認もおすすめです。化粧品業界をチェックすることにより、日本ロレアルの強みや他社とは違う点などを把握できます。企業や業界について理解を深めることは、OB訪問での質問項目を増やせることになるでしょう。OB訪問でホームページや会社資料に記載されている情報を聞くことは、大変失礼です。
日本ロレアルの商品を使用する
さまざまなブランドを展開しているロレアル。もし化粧品やスキンケアグッズを使用したことがないのであれば、同社の製品を使用してみてください。スーパーやドラッグスストアで購入できるものであれば手が届きやすいですが、サロン向けの商品などはネットなどを活用して調べてみましょう。
ロレアルの手掛ける「メイベリン ニューヨーク」の「メイベリン ラッシュニスタ」、「ロレアル パリ エルセーヴ エクストラオーディナリー オイル」などは日本で生まれた製品です。
実際に使用してみることで、クオリティや技術力の高さを実感できるでしょう。OB訪問する企業の商品やサービスを利用せずに、質問などを作成することは難しいのではないでしょうか。コンシューマ向けのアイテムであれば入手しやすいので、ぜひ使ってみてください。
質問をリストアアップして送付
企業や化粧品業界について調べ、実際に商品を使用することにより、現場の人に聞かなければわからない質問内容が浮かびます。それをリストアップするようにしましょう。「就活に役立つのか」、「社風と自分はマッチするのか」という2つを軸に質問することをおすすめします。
そして可能であれば、その質問を事前にOBにメールなどで送付してください。先に質問内容を送るメリットは、先輩たちが質問に対してしっかりと考えてくれることが挙げられます。また、そのメール自体が日程調整の再確認として機能することもあるでしょう。
OB/OGへの質問を準備
OB/OGへの質問はどのような内容にすればよいのでしょうか。まずは、外資系企業という点をふまえ、社風を質問しましょう。会社の雰囲気は、就活時に必ずチェックするべきものです。
女性が多数活躍している企業でもありますので、女性のサポートについて聞いてもよいでしょう。また、製品の研究開発が気になる人は、どのような施設があり、他社との違いなどについて質問してもわるくありません。こうしたOB/OGへ質問すべき内容について解説していきます。
社風は自分に合うのか
フランスに本社を構え、世界各国で化粧品やスキンケア、ヘアカラー、香水などを販売しているロレアルグループ。外資系企業になりますので、一般的な日本の企業と社風が異なる可能性があります。社風が自分に合うのかどうか知るために、職場の雰囲気や企業文化について質問してみましょう。
-御社はどのような社風でしょうか?
管理職のおおよそ半分が外国人であるロレアルは、多くの日本企業と社風が異なるはず。人によって合う会社と合わない企業の雰囲気はありますので、OB訪問で詳しく聞いてみましょう。ロレアルは、自由な社風が魅力であり、フランスのカルチャーがしっかりと根付いている環境です。
有給取得率が高く、メリハリを持って働くことができるでしょう。有給休暇を取得している際、なにをして過ごしているのか質問することにより、プライベートの過ごし方も学ぶことができます。
-海外で働くことはできるのでしょうか?
グローバル企業だからこそ、海外勤務が実現できるのか気になるポイントです。職種により異なりますが、国内では、東京、神奈川、大阪、名古屋、福岡など全国を勤務地としていますが、外国で働きたい人は、海外赴任について質問してみましょう。
国内で働くことが前提とされていますが、状況次第では、海外に赴くことも可能です。日本にいたとしても、海外とのやり取りを頻繁に行う企業でもあります。選考プロセスにおいて、あるいは入社後にどれくらいの英語力が必要なのか併せて聞いてみてもわるくありません。
女性のキャリアサポート
ロレアルは、万全の女性キャリアサポートをしている企業でもあります。その内容や実態について質問してみましょう。腰を据えて働けるのか、キャリアアップできるのかなど、現場の人に聞いてみてください。
-女性の管理職はどれくらいの割合でしょうか?
女性の管理職のパーセンテージを質問することで、女性活躍を推進している企業なのか、男性主体の会社なのか、一般的な「ダイバーシティ」の考え方とずれていないのか、判断することができます。
ロレアルでは、2006年から2015年にかけて指導者的なポジションの女性が2.5倍増加し、経営幹部や研究者の58%が女性です。在宅勤務や時短勤務など、柔軟な働き方もできる環境ですので、キャリアサポートの制度面のディテールも質問してみましょう。
-産休や育休はしっかり取得できる環境でしょうか?
女性のキャリアサポートとして、産休や育休も無視できません。もちろん、日本ロレアルでは産休や育休をしっかりと取得することができ、美容部員には「Love & Care プロジェクト」という仕組みがあり、残業削減や介護休暇、育児休業延長などの制度を整えています。こうした環境だからこそ、産休・育休からの復職率はなんと約93%。復職後の働き方についても聞いてみてください。
参考:http://www.nihon-loreal.jp/csr/womensupport/
魅力的な製品のヒミツを知る
ロレアルは、国内にも「日本ロレアル リサーチ&イノベーションセンター」という研究施設を設けています。ここで製品の研究開発が行われていますが、研究所での仕事内容や研究開発内容について質問し、より企業理解を深めましょう。
-国内の研究所ではどのような研究を行っているのでしょうか?
ホームページなどを閲覧することで研究所について知ることができますが、より深く知るためには、OB/OGへ質問することをおすすめします。
神奈川県川崎市にある「日本ロレアル リサーチ&イノベーションセンター」は、世界向けの開発を進めている機関であり、研究の全工程を担っている施設でもあります。今進行しているプロジェクトなどについても質問してみましょう。
-研究職の1日の流れをお教えください
研究所についてより深く知るためには、1日のスケジュールを聞いてみましょう。世界向けの製品を研究開発しているからこそ、他企業の研究施設とは異なる仕事内容や、ロレアルだからこそやりがいを感じるポイントなどがあるかもしれません。
本国フランスやアメリカと連携しながら研究するため、グローバルな環境でもあります。さまざまな角度から研究開発職について質問してください。
日本ロレアルのOB訪問で内定を近づけよう
日本ロレアル株式会社のOB訪問で就活に有益な情報を入手するためには、まずは企業研究からはじめてください。ロレアルグループは、美容業界トップクラスの組織であり、女性を虜にしているブランドを多数展開しています。売り上げの伸びている中国などアジアをマーケットに、戦略を立てる見込みです。
企業について理解を深めた後、美容・化粧品業界の動向も要チェックです。おおまかな業績推移やロレアルのライバル会社、将来の展望などを確認し、どのような業界なのか把握してください。OB訪問で質問する際、業界動向の知識は役に立ちます。
そして、これらの情報をもとに、OB/OGへの質問内容を作りましょう。ロレアルグループの商品を使用したことのない人は、使用感やクオリティーなどを確かめるために、購入してみてください。
ドラッグストアなどで手にすることができる製品もあります。質問内容は、「外資系企業だからこそ社風は自分に合うのか」、「女性のキャリアサポートは整っているのか」、「製品開発のヒミツを知る」などの観点から作成することをおすすめします。当日は、企業側に失礼のないように、社会人としてのマナーを守り、丁寧な応対を心がけてください。