ビズリーチ・キャンパスは2021年12月にInternet Explorerのサポートを終了します。別ブラウザでのご利用をお願いいたします。

詳細を確認

BizReach Campus

App Storeから無料ダウンロード

ダウンロード
close
企業研究

「味の素」へのOB/OG訪問|企業の食へのこだわりを理解しよう

不況知らずといわれる食に関する部門の中でも、調味料部門の雄「味の素」。多くの子会社を持つ味の素ですが、味の素に就職するための準備、OB/OGの訪問する前に準備・用意すべきこと、企業理念からOB/OG訪問の際の注意点などをみていきましょう。

「佳良にして廉価なる調味料を作り出し、滋養に富める粗食を美味ならしむること」

昆布から抽出したグルタミン酸で味の素を作り出した池田菊苗博士(1908年)が語った言葉です。味の素は、この理念から起業への道を辿りました。初めはグルタミン酸というアミノ酸から作り出された会社ですが、今や世界を市場としたグローバル企業です。そんな味の素株式会社の沿革をたどってみましょう。

画像

企業概要

味の素グループは、創業の志を受け継ぎ、「食」と「アミノサイエンス」の事業を通じて人と地球の健やかな未来に貢献する、持続的成長力のある「確かなグローバル・スペシャリティ・カンパニー」の実現に取り組んでいます。
味の素株式会社の社会的使命は、開発、原材料調達、生産、販売というわれわれ自身の活動から生活者や顧客の使用シーンにいたる全バリューチェーンを通して、また、すべての顧客やサプライヤー、そしてわれわれの従業員と家族の社会生活において、「健康なこころとからだ」、「食資源」、「地球持続性」の3つに対して常に主体的に貢献していくことです。
「食資源の枯渇とフードロス」の食資源課題として、製品ライフサイクル全体での地球との共生(カーボンニュートラル、フードロスの半減、持続可能な調達、持続的な水資源保全、廃棄物のゼロエミッションの実現)を目指し、なによりも万全の品質保証を第一責任とし、そのうえで創業の志「おいしく食べて健康づくり」を事業の中核にして、発展的に世界中の人々に「Eat Well, Live Well.」をより多くの機会に実感していただけるように、食とヘルスケア、ライフサポートの分野でのモノづくり、サービスを通じてこのイニシアティブを発揮しています。
経営陣は、このイニシアティブによって社会にもたらす価値と企業として追求する経済価値を同時に高めることで味の素グループを持続的成長に導いていきます。
そのためにこの価値共創をASV(Ajinomoto Group Shared Value)と名付け、中長期にわたるビジョン実現のための企業戦略の骨子として味の素グループ全体への浸透を図り、17-19中計を策定し、その遂行をけん引していきます。
【参考:https://www.ajinomoto.com/jp/activity/csr/message/index.html

事業内容

味の素グループは、世界約400社の消費財メーカーとグローバル小売業で組織され、世界中の人々のよりよい生活や持続可能な地球環境といった業界共通の社会課題にリーダーシップを発揮する「The Consumer Goods Forum」のボードメンバーとして、このイニシアティブの普及と啓発に主体的に取り組んでいます。
SDGsのような国際的な目標達成についても、これら課題を地域ごとに自分事化し、課題解決のコンセンサス形成と具体的な取り組みへの外部連携がとても重要だと考えています。日本の製造、卸、小売業の各種団体やわれわれが事業展開する主要国でリーダーシップを発揮し、課題解決の輪を広げていきます。
栄養情報不足による栄養バランスの崩れがもたらす「不足栄養・過剰栄養」をなくし、都市への一極集中や急速に進む高齢化などライフスタイルの変化による多忙化、孤食化がもたらす「こころの健康問題」に取り組みます。
各国・地域の法規やグローバルルールなども踏まえ、味の素グループの基本的・普遍的な考え方と行動のあり方を示した「味の素グループポリシー」(AGP)とこれに基づく簡素、明確、透明性の高い組織統治、すべての役員、従業員による実践、すべての役員、従業員が「味の素グループWay」(「新しい価値の創造」、「開拓者精神」、「社会への貢献」、「人を大切にする」)を実践し、切磋琢磨する組織風土の実現をします。
その内容は、味の素グループ約34,000人の全従業員が高い水準で「働きがい」を実感し、ASV向上と高い生産性を追求しつづけるマネジメント「健康経営」、「多様な人財の活躍」日本の「働き方改革」を推進することです。

過去3年間の売上/利益推移

これからは味の素の、過去3年間の売上と利益推移をみていきます。データは下記のサイトを参照しましたが、営業利益率は計算した後で、端数を切り捨てしています。

(単位/億) 2016年度 2017年度 2018年度
売上 11,859 10,911 11,502
営業利益 910 836 833
当期利益 635 530 607
営業利益率 5% 5% 5%

【参考:https://finance.yahoo.co.jp/

次年度の戦略

2017-2019中期経営計画では、FIT & GROW with Specialtyを継続していきます。食品では、「地域ポートフォリオの強化」による確実なグローバル成長、アミノサイエンスでは、スペシャリティの確立により事業ポートフォリオを強化していきます。
また、アミノサイエンスとの融合領域としておいしさソリューションを新たな柱に育て、事業を支えるサステナブルなバリューチェーンを事業横断で構築していきます。
【参考:https://www.ajinomoto.com/jp/ir/strategy/managementplan.html

画像

2018年の味の素に関するトピックス

本年、味の素が関わり話題となったニューストピックスを紹介します。

マツコが食べるとスーパーから商品が消えるワケ

スーパーの棚からある商品が姿を消した、そんな現象を目にしたことはないでしょうか。普段、何げなく使っている調味料、インスタント食品、スナック菓子などが突如として脚光を浴び、爆発的な流行となる。食のブームが起きる背景には何があるのか。
ある食べ物がブームになる背景はさまざまですが、テレビ番組は「ブームとなる、きっかけ」として今なお強い影響力を持っています。
たとえば情報番組で、「ダイエットに期待できる」、「血液がサラサラになる」といった健康効果と結びつけられた食べものは、視聴者の関心を集めます。
一方、チョコミント、シューマイ、激辛麻婆豆腐、たらこパスタなど、最近、話題になったこうした食べ物は健康効果とは無縁です。視聴者の「ちょっと食べてみたい」という衝動を刺激し、「ブーム量産マシーン」となっているのが、バラエティー番組「マツコの知らない世界」(TBS系)です。
 今年5月に放送された「シュウマイの世界」では、マツコが味の素冷凍食品の「ザ・シュウマイ」について、「革命的なエポックのような商品、まるで冷凍食品ではない」と絶賛。同社によると、放送後の商品の売り上げは放送前の2倍に伸びたそうです。
こういったことから、だれもが一度は口にしたことのあるスナック菓子、定番のドリンク、調味料といった身近な食べ物のほうが、共感を呼び、消費を促すという時代のニーズがありそうです。

生産性向上の第一人者が厳選した「出社したくなるオフィス」

日本でもようやく「テレワーク」を取り入れる企業が増えてきました。テレワークとは、自宅などオフィス以外の場所で働くことを認める勤務形態です。通勤時間と労力の削減、身支度の軽減、プライベート時間の増加、業務の安定運用、従業員が居住する地域の経済活性などさまざまな効果が期待されています。
総務省は7月23日から27日にかけてテレワーク促進のための「テレワーク・デイズ」を主導し、企業・自治体・官公庁の参加とテレワークの実施を呼びかけました。ただ、テレワークが一般に広く浸透しているかというと、決してそうともいえません。
働き方の多様性を高め、雇用を拡大する手段の1つとしてテレワークは大変有効です。時間はかかれど、今後さまざまな職種や業種で間違いなく広がるでしょう。一方、「テレワーク時代」だからこそ、従来のオフィスの在り方を見直し、「社員が来たくなるオフィス」作りに工夫を凝らしている企業もあります。
味の素では、テレワークを促進する一方、社員食堂で無料のモーニングサービスを提供するなどオフィスに出社する社員の健康にも配慮しています。「食」と「健康」による生産性向上を試みているところに、味の素らしさを感じます。

「ズボラ飯」だけどオシャレ インスタ映えもする「アボバタTKG」

「手軽なのにオシャレ」と紹介されている「アボバタYKG」。その作り方は、レンチンして溶かしたバター(10g)とアボカド(半分)を混ぜてフォークでつぶして、卵黄と一緒にごはんへオン。食べるとき、焼いたベーコン、しょうゆと味の素を混ぜるというもの。暑い日などに、今日は火を使いたくないという人には、ぴったりかもしれません。

画像

調味料業界の動向

調味料・調味食品市場は、味噌や醤油、だし類などの伝統的な製品が苦戦を強いられる一方、調理の簡便化や長期保存などの利点からさらに加工度を高めた製品の需要が膨らんでいます。
また、ここ数年の内食化傾向の高まりも市場に影響を及ぼし、焼き肉のたれや鍋つゆなどの需要も拡大。新製品開発が相次ぎ、豊富なバリエーションで消費者の支持を獲得しています。浅漬けの素も子供のいる家族世帯に浸透し、一定の需要を確保。数年前にヒットした食べるラー油も一定のファンを獲得し、調味食品市場に1ジャンルを作りました。
ドレッシングもジュレタイプに続き、粉タイプ のドレッシングが登場。食卓に求められるニーズの変化をつかんだ製品開発が加速度を増している状況です。また、レトルト殺菌装置の性能アップも進み、従来よりも低温で内容物の熱変性を抑制した高品質の製品が増えているといえます。
調味料・調味食品分野では、メーカーの海外市場展開も本格化しつつあります。すでに大手企業の一部では、成長著しいアジア市場の新興富裕層を中心に需要を拡大し、生産・営業拠点の拡充を進展。原材料メーカーもすでに海外企業との提携などを通じ、現地生産・調達体制へのシフトを進める動きなどが浮上しています。

調味料業界の業績推移

人口減少による市場縮小
日本は現在少子高齢化が進み、人口が年々減少しています。今後も人口減少の動きが止まることはないよ予想されています。人口が減少するとはすなわち、食べ物を消費する人が減るということ。食品業界の売上によい影響をもたらさないことは、容易にイメージができるでしょう。
さらに、食料を消費する人の数が減っているだけでなく、一人あたりが消費する食費も伸び悩んでいます。国内市場が頭打ちになっている点は、食品業界にとって重要な課題です。人口が増加し、食品の需要も増加する海外、特に新興国へ事業を展開していく動きが活発になると考えられています。

中食の消費拡大、内食の停滞
中食(惣菜)の市場規模が拡大しています。なお家庭調理を意味する内食は停滞、外食はゆるやかに拡大。原料を加工する重要性がますます増していることが読み取れるでしょう。

日本の食品メーカーの低い利益率
日本の食品メーカーは、海外の食品メーカーと比較して利益率が低いことが課題です。味の素は2016年度連結業績は利益率が8.8%、、明治は6.8%となっています。
一方で「オレオ」で有名なモンデリーズ・インターナショナルが利益率30%、「キットカット」で有名なネスレが15%の利益率を誇っています。この点を考慮すると日本の食品メーカーの利益率は低く、課題といえるでしょう。

環境変動リスク
食品メーカーは製造コストが大きく変動することがあり、収益が不安定な傾向があります。原因は為替や相場などに影響されるからです。そのため、原価を低減させることや、商品の要領や価格などを状況に合わせて変更することが求められています。

新しい商品を消費者に提供し続けることで売上が倍増する
日本人の食卓事情の変化により、調味料業界では家で食事をすることが少なくなったため下降方向に、一方で手軽に食べられる「惣菜」などは、忙しい主婦の購入意欲が高くなり、緩やかな上昇傾向にあるようです。目新しい商品で手軽におかずを作る主婦の購入欲をあげることが必要になってきています。

画像

味の素へOB訪問に行く前に準備すべき3つの項目

「おいしく食べて健康づくり」という志を受け継いでいく味の素。OB/OG訪問に行く前に準備すべき3つの注意点を網羅しました。

エントリーシートに書くことを前提にして質問を用意する

まず、就職したい企業、この場合「味の素」になるわけですが、エントリーシートに書いているつもりで就職の希望や動機を書きだしてみます。
書いたものは友人や先輩などにみせて意見を聞き、足りない部分やわからない部分を自分であぶり出してOB/OG訪問の時の質問としましょう。重要なのは、「味の素」に訴えたい志望動機と熱意です。
「味の素」にOB/OG訪問した時にみつかった質問をぶつけるようにすることで、面接でも自分の想いを効果的に伝えることができるようになります。

味の素の食へのこだわりや企業理念を理解する

-「おいしく食べて健康づくり」という志
-粗食である料理の栄養状態を改善し、味も良くしたい
-栄養情報不足による栄養バランスの崩れがもたらす「不足栄養・過剰栄養」
-都市への一極集中や急速に進む高齢化などライフスタイルの変化による多忙化、孤食化がもたらす「こころの健康問題」
-「食資源の枯渇とフードロス」の食資源課題

こういった目標ともいうべき理念をすべての役員、従業員が「味の素グループWay」(「新しい価値の創造」「開拓者精神」、「社会への貢献」、「人を大切にする」)を実践し、切磋琢磨する組織風土の実現を目指しています。いわば、健康的な食生活の実現を味の素は目指しているのです。

OB/OG訪問前に最低限の情報は調べておく

調べて分かるようなことを社会人に聞くのは言語道断。時間をくださった社会人への失礼にあたるので、絶対にやめましょう。とはいえ、具体的に調べるべきことが分からないと難しいので、特に押さえるべきポイントは「会社の事業内容」と、会社が提供している価値とその対象です。誰に対してどのような価値を提供しているのか、具体的に実際に調べてみることが大切です。
「採用ページの募集要項」を調べることで、入社したときに働く条件、つまり初任給や福利厚生などを知ることができます。これこそ調べればすぐに出てくるので、必ず自分でチェックすること。 ‌ それを調べていくなかで疑問に思ったことや分からなかったこと、これこそがOB訪問ですべき質問です。事前準備のなかでわいてきた疑問は、書き残して当日に聞いてみましょう。

画像

OB/OGへの質問を準備

最終面接では就活や理念、企業で気づいた自分の強い信念を伝え、「だからこそ、この会社で働きたい」と熱意を伝えることが重要です。

「だからこそ、この会社で働きたい」という熱意を伝える

-味の素に就職して良かったと思うこと、残念だと思うことはありましたか?
-新製品に疑問を持つことはありましたか?

同じ食品メーカーでも、なるべく簡単で手軽な商品に力を入れている会社もあれば、ひと手間かけることを重視した商品に力を入れている会社もあります。それは商品をみればわかることです。
それ以前に、商品には会社理念が反映されるわけですから、会社理念をしっかり理解することは商品ができあがった背景を知ることにつながります。

美味しいものを多くの人々に食べてもらうために御社に就職したい(志望動機)

-エントリーシートをOB/OGに見てもらって率直に「御社に入りたいのですが、この動機で大丈夫でしょうか?」と聞く
-世界中に御社の出張所がありますが、海外勤務はどのような部署にいると声がかかるのですか?

志望動機は非常に大切です。味の素は日本だけでなく、世界中に多くの支店を持って「滋養に富んだ美味しい」食物を届けています。エントリーシートと合わせて、世界で活躍したい営業志望の方はどの部署だと日本国内、海外で活躍の場をもらえるか聞いておくことも必要でしょう。

新しい食べ物の創出をしたい

-食卓に新しいおかずを提供する、開発部門に就職希望なのですが、どうしたらその部署に配属されますか?
-御社の研究・開発に興味にあるのですが、このエントリーシートで配属することは可能でしょうか?

味の素では研究・開発部門に就職希望の方もいます。率直に希望の部署への配属を前提とした質問をするのも一案です。

画像

食の大切さを伝える

創業100年の歴史を背負い、味の素株式会社の先頭に立って、食事改革をしていく、または販路を広げるという大きな仕事を任せられる社員を味の素では欲しています。
そうなるためには、どのように自分をアピールできるかというのは、欠かせない目線、就職に当たって大切な考え方です。OB/OG訪問の際には、企業について事前に調べておき、上手に自分をアピールしましょう。OB訪問の時間を有意義なものにして、内定を目指しましょう。