明治から令和。 歩み続けている日本経済新聞社
株式会社日本経済新聞社は明治時代に創業され、長い歴史の中で常に時代の変化を先取りし、最新の情報を人々に届けることによって日本の経済的・文化的発展に貢献してきました。現在でも新聞業界のなかで確固たる地位を確立しながら、新聞の電子化や新サービスのリリースなど、歩みを続けています。そんな日経が行なっている事業について解説していきます。
・新聞・メディア事業
日本経済新聞社の主幹事業は、新聞業です。発行している新聞は、おなじみの「日本経済新聞」だけではなく、ミクロニュースの「日経産業新聞」、マーケティングジャーナルの「日経MJ(流通新聞)」、金融の「日経ヴェリタス」などがあります。また、紙の新聞だけではなく、電子メディアの運営も行なっています。「日本経済新聞 電子版」は常に更新しているものであり、多数の読者を抱えています。また、アジアの情報を入手できる「Nikkei Asia」、英語媒体の「Financial Times」、中国語サイトの「日経中文網」、医療系の「日経Gooday」などの媒体があります。
・リサーチ・コンサルティング事業
シンプルな媒体の提供だけではなく、データベース・調査・分析・コンサルティングも事業の一つとして行なっています。情報検索サービスの「日経テレコン」、総合経済データベースの「NEEDS」などのラインアップがあります。調査・分析・コンサルティング事業も幅広く展開しています。
・書籍・出版・印刷事業
日本経済新聞出版社により、ビジネス書や小説をリリースしています。書籍に加えて、ビジネスマン向けの雑誌も出版しています。
・放送 ・映像事業
日経グループには「テレビ東京」があります。中でも「ワールドビジネスサテライト」は人気があり、またBS・CSなどでも放送業を展開しています。
・その他
その他の事業として、アート事業が挙げられます。アートやオペラ、シンポジウムなど、多彩な文化活動を展開しています。スクールなどの教育事業も手掛け、優秀なビジネスパーソンを育成する土壌を整えています。その他に広告・デジタル情報・インデックス・システム開発・旅行事業など幅広い事業展開をしています。
【引用】
https://www.nikkei.co.jp/nikkeiinfo/service/business/
デジタル事業により収益基盤を強化
日本経済新聞社の過去3年の売上の推移をチェックしていきましょう。
(連結経営成績)
売上高
2019年12月期 3568億円
2018年12月期 3552億円
2017年12月期 3582億円
営業利益
2019年12月期 142億円
2018年12月期 129億円
2017年12月期 105億円
当期純利益
2019年12月期 35億円
2018年12月期 51億円
2017年12月期 64億円
日経は、現在「テクノロジー・メディアへの飛躍」を目標に掲げています。スマートフォンやSNSなど情報伝達手段は多様化し、表現手段も文字から画像、動画、音声、グラフィックスへと広がっていく中で、日経は世界最先端のデジタル・テクノロジーを自ら開発し、駆使するメディアを目指していて、既にAIやVR、ARを活用した新たな報道手法やサービスの研究・開発に取りかかっています。
圧倒的なコンテンツとテクノロジーを両輪にグローバルな成長を目指す日経。「日本経済新聞電子版」は有料会員数70万人超と世界有数規模のネットメディアに育ち、アジアの経済情報を世界に発信する「Nikkei Asia」の読者数も着実に伸びています。報道に加え、グローバルビジネスに欠かせない情報サービス、人材教育、イベント開催など幅広い分野でFTと連携し、世界レベルで存在感を高めていくとされます。
【参照】
https://www.nikkei.co.jp/nikkeiinfo/corporate/message/
グローバルな資本提携と電子化による新たな挑戦を続ける日経
OB訪問する前に、近年の日経に関するトピックスについて知っておきましょう。それぞれについて、具体的に解説します。こういったトピックスを押さえた上でOB訪問に臨むことで、会社の動きについての最新の情報を得られるなど、より有意義な訪問となるでしょう。
・日経電子版の有料会員数70万人に到達
「日本経済新聞 電子版」の有料会員数が2020年2月に70万人を超えました。2010年に創刊した当サービスは30~50代のビジネスパーソンを中心に有料会員数を増やしてきましたが、近年は20代を中心とする若者層のユーザーが増え、成長を後押ししています。このような成長の裏側にはiphoneなどのアプリ内で手軽に購読料を払えるようにする利便性の向上や、デジタル技術を駆使したコンテンツの質向上、アニメなどを用いたビジュアルな表現への挑戦など、価値ある情報をわかりやすく伝えようという努力があります。
【引用】
https://www.nikkei.co.jp/nikkeiinfo/news/release_20200217_01.pdf
・シンガポールのAI技術企業、DCフロンティアズと資本業務提携
2019年10月、シンガポールに拠点を置く新興のAI技術企業であるDC Frontiers社と資本業務提携しました。DCF社は日経と英フィナンシャル・タイムズが共同展開する英文データサービス「スカウトアジア」の開発に参画し、高度なAIを活用したニュースモニタリングや企業情報検索における先進サービスの強化に弾みをつけていきます。
【引用】
https://www.nikkei.co.jp/nikkeiinfo/news/press/589.html
成長の停滞が続く新聞業界。ポイントは時代に合わせた「デジタル化」
上記のような日本経済新聞社の詳しい企業情報だけではなく、新聞業界についても理解を深め、就活やOB訪問に活かしましょう。新聞社はある時期から右肩下がりになります。その詳しい内容や下降理由をチェックしていきます。
新聞業界の業績推移は、2002年から2005年までやや上昇している状況でした。しかし、2006年ごろから業績は下降し、2018年には節目となる発行部数4000万部を割り込みました。
新聞の売り上げや発行部数の減少理由は、デジタル時代の到来が主な原因です。スマホやパソコンで簡単に最新の情報を集めることができ、わざわざ紙媒体にお金を出す必要性がなくなりました。こうした状況は、広告収入も減ることを意味しています。 上記のトピックスで解説したとおり、日本経済新聞社はデジタル化に成功している印象がありますが、新聞業界全体は、まだまだといった状況でしょう。紙媒体との向き合い方やデジタルへのアプローチが今後の課題になりそうです。
【引用】
https://gyokai-search.com/3-newspaper.html
OB訪問に行く前にこれだけは準備すべし
日経へのOB訪問の時間をより有意義にするために準備しておくべきことを紹介します。事前準備をしておくことで、OB訪問でしか聞けない質問に時間を割くことができる、会社についての前提情報を元に話を発展させ、網羅的且つリアルな情報を聞き出せるでしょう。
・新聞業界や日本経済新聞社を理解する
まず準備すべきことは、新聞業界や日本経済新聞社に詳しくなることです。業界の動向を知り、会社の事業内容や社風などについて理解を深めることで、先輩方に聞かなければわからないことをみつけられます。新聞業界も日本経済新聞社も大規模なものですが、少なくともホームページは必ずチェックしましょう。採用ページには、さまざまな企業情報が集まっている傾向にありますので、閲覧をおすすめします。また、やりたい仕事がみつかっている人は、職種についてヒアリングすることもよいでしょう。
・近年の取り組み・最新のニュースをチェック
コーポレートサイトの「プレスリリース」( https://www.nikkei.co.jp/nikkeiinfo/news/press/ )には、日経が注目するビジネストレンドや実際に取り組みなどがまとめられています。これらに目を通すことで、日経が何に注目し、どういった動きをしているかを把握することができます。海外との業務提携や、新技術の導入など、最新のトピックスも多いので、十分に理解していれば、OB訪問で有意義なコミュニケーションをとることが可能になるでしょう。
・他の新聞社との違いを深掘りする
日経以外にも新聞社は多数あります。そのため、「なぜ日経でなくてはいけないのか」という問いへの答えを自分の中でしっかり持っておく必要があります。そこで大切なのは、他の新聞社との違いを徹底的に比較し、深掘りすること。自分で事前に情報収集をした上でOB訪問で質問することで、ホームページや説明会だけでは分からなかった、日経ならではの特徴が見えてきます。事前の情報収集では、日経の歴史、現在行われているプロジェクト、経営方針や理念など幅広く確認しておきましょう。
OB/OGへの質問を準備
ここでは、日経へのOB訪問時の質問項目について解説します。実際に働く社員の生の声を聞ける貴重なチャンスなので、当日「ここだけは必ず聞きたい!」という質問を準備しておきましょう。
・日経を選んだ決め手を教えてください。
OBの多くは他の新聞社も受けたうえで、日経に入社した可能性が高いです。この質問をすることで、日経と他の新聞社との違いが分かります。「なぜ日経でなくてはいけないのか」という問いに対する自分の回答を固めるための質問と位置付けましょう。
・活躍しているのはどんなタイプの人が多いですか
採用ホームページなどに書かれている求める人材要件は、抽象的な表現が多く、イメージしづらいことも多々。実際に働いている人の視点からの見解は非常に参考になります。担当領域などで異なる可能性もあるので、できれば複数人に同じ質問を聞けるといいでしょう。
・御社の理念を実現するために、実務ではどのような取り組みをされているのでしょうか
日経は企業理念として「社是」( https://www.nikkei.co.jp/nikkeiinfo/about/ )を掲げ、「自由で健全な市場経済と民主主義の発展に貢献すること」を目指しています。実際の業務とのつながりを知ることで、より深く理念について理解することができます。実際にエントリーをするとなると、自分の志望動機と企業理念は切り離せません。そのため理念を深く理解する努力を怠らないようにしましょう。
OB訪問で納得できる意思決定を!
就職活動において、納得した意思決定をするために、十分に情報収集をすることは不可欠です。その中でも、OB訪問で得られるものは「一次情報」。インターネットで取得できる二次情報ではなく、貴重な生の声を聞くことができます。事前準備をする際は、OB訪問でしか聞けない情報以外は、下調べをして把握しておきましょう。そして、時間に限りのあるOB訪問では、現場で働く社員にしか話せない一次情報を引き出す。OB訪問のゴールは内定獲得ではありません。入社後も自分自身が活き活きと働けるよう、納得した意思決定をするための貴重な情報収集の機会です。有意義な時間の使い方をしていただければと思います。
株式会社日本経済新聞社採用担当者の声
新聞社の仕事は多岐にわたり、企業説明会ではどうしても一般論のような説明が多くなってしまいますが、記者などの若手社員が数多くOBOG登録しており、実体験を踏まえた「生の声」を是非、聞いてみてください。あなたが抱いている新聞社のイメージが変わるはずです。「デジタル」「グローバル」の業務とは何か、自分はどんなチャレンジができるか。そんな疑問をぶつけてください。きっとリアルな日経が見えてきます。