森永乳業とは
森永乳業株式会社は東京都港区に本社を置く、日本の乳製品メーカーです。森永製菓とは兄弟会社の関係で、モリナガグループを形成しています。
かつては乳業業界最大手のメーカーでしたが、1955年に起きた事件で雪印乳業に業界最大手の座を明け渡します。その後、雪印乳業も事件をきっかけに売上が低迷し、現在では明治乳業が1位、森永乳業は業界2位となっています。
乳飲料やヨーグルトをはじめ、アイスクリームやデザート商品、栄養食品などを手掛けています。中でも、チルド飲料の「マウントレーニア」シリーズは1993年に発売され、チルドカップコーヒーの元祖といえる存在で、シェアNo.1です。
主力製品の「アロエヨーグルト」は、2008年度モンドセレクションの金賞を受賞しました。アイスクリーム部門・デザート部門も好調で、アイスの「エスキモー」シリーズではユニリーバと提携しています。
企業概要
大手乳製品メーカーの森永乳業はどのような企業なのでしょうか。事業内容をみていきましょう。
事業内容
B to C事業
BtoC事業は森永乳業の売上高の過半を占め、中核をなしている事業になります。「マウントレーニアカフェラッテ」などのチルドカップ飲料や「リプトン」ブランドのチルド紅茶、アイスクリーム、ヨーグルト、チーズや牛乳など日常の食卓になじみのあるさまざまな商品を展開しています。
機能性・食品素材事業(B to B事業)
クリームなどのさまざまな乳原料商品や、ビフィズス菌、ラクトフェリン、乳素材などの機能性素材を幅広い業態に提供している事業部です。
国際事業
ドイツにあるMILEI GmbH(ミライ社)の乳原料製造販売事業や、育児用調整粉乳の輸入事業、米国での無菌充填豆腐の製造販売事業などを行っています。
健康・栄養事業
健康・栄養事業には育児用粉ミルクを中心とする栄養食品、サプリメントなどの通信販売、子会社のクリニコが展開する流動食などが含まれています。
過去5年間の売上/利益推移
単位/億 | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 |
売上 | 6,014 | 5,926 | 5,920 |
営業利益 | 143 | 210 | 216 |
当期利益 | 105 | 132 | 157 |
当期益率 | 2% | 2% | 3% |
日本経済は、雇用・所得環境の改善が続くなかで緩やかに回復をしてはいるものの、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響など、不透明感が残る状況となっています。
健康志向の高まりによる機能性食品の伸長など、高付加価値品の一部に動きがみられる一方で、消費者物価上昇のペースが鈍く、引き続き厳しい競争環境となりました。
次年度の戦略
かがやく笑顔のために
森永乳業がお客さまに届けたい価値である「健康と幸せ」の結果として、社会に提供していきたいものを笑顔という言葉で表現しています。日々の生活や、家族や仲間との団らんを通じて、内面から自然と溢れてくる笑顔を生み出していきたいという想いを「かがやく笑顔のために」という言葉に込めています。
2018年の森永乳業に関するトピックス
森永乳業の最近のニュースも確認しておきましょう。関連するニュースは沢山出てきますので、世間が森永乳業に注目していることが分かります。
忙しい現代女性の食生活をサポート
健康意識が定着している昨今、食への関心は高まっており、野菜や果実など健康に寄与する食品への意識は高いようです。しかし、忙しい現代現代人の食生活は乱れがちで、特に仕事や家事を両立している女性は、食事を摂る時間が短くなったり、家族優先で自分の食事がおろそかになっている場合も多いのです。
森永乳業が発売する新商品「&フルーツベジタブル 果実と野菜のスムージ―ゼリー」シリーズは、忙しく食生活が乱れがちな女性をターゲットとした、果実+野菜汁100%のスムージ―ゼリーです。
マーケティング担当者自ら「野菜ソムリエプロ」の資格を取得し開発に関わっており、日本野菜ソムリエ協会が監修しました。女性が手軽に飲めるよう、スタイリッシュなデザイン性、中身が見える安心感や簡便性のある容器として透明なパウチ容器を採用しています。
砂糖・人工甘味料不使用で、野菜ソムリエが自然な甘さとおいしさのバランスを考え果実や野菜を選定しているので、素材本来の味わいを楽しめる商品です。
濃厚ギリシャヨーグルト パルテノが「優秀味覚賞二つ星」を受賞
ギリシャヨーグルト売上No.1ブランドの「濃厚ギリシャヨーグルト パルテノ」が世界のソムリエ・シェフから濃厚クリーミーな食感とおいしさを認められました。
2018年「iTQi(国際味覚審査機構)」の食品や飲料品の味覚と品質を国際的に評価するコンテストにおいて、優秀味覚賞二つ星を受賞しました。また、関東甲信越など一部の地区で販売した「濃厚ギリシャヨーグルト パルテノ プレーン加糖」をお客さまの要望により、全国で販売を開始します。
1990年代に整腸機能タイプやフルーツ入りが、2000年代後半には脂肪ゼロタイプが日本のヨーグルト市場に定着した後、新たなカテゴリー創出を目的として商品開発に取り組み、2011年9月に「パルテノ」を販売しました。
パルテノはギリシャ伝統の水切り製法を踏襲し、従来のヨーグルトになかったなめらかな食感で、濃密クリーミーな味わいと高い栄養を提供するとして、朝食だけでなく、夜や食後のデザートという食シーンも創造し、100億円規模のギリシャヨーグルト市場をけん引しています。
マウントレーニアから発売25周年記念ラテが登場
チルドカップコーヒー売上No.1ブランドの「マウントレーニア」から、発売25周年を記念した限定ラテ第二弾が登場します。発売25周年にかけて25種の豆をブランドした「マウントレーニア 25種の豆をスペシャルブレンド ~深煎エスプレッソ仕立て~」を全国にて新発売です。
マウントレーニアは1993年に発売したチルドカップコーヒーという新たなカテゴリーを創造したパイオニアブランドになります。気分やシーンによって飲み分けられるさまざまなラインナップが揃っており、カフェショップのような本格的な味わいをいつでもどこでも手軽に楽しめます。
「マウントレーニア 25種の豆のスペシャルブレンド ~深煎エスプレッソ仕立て~」は、産地・焙煎方法・焙煎度合いの異なる25種のコーヒー豆をブレンドした特別なカフェラテです。エスプレッソが引き立つ深い焙煎のブレンドにすることで、コーヒーの香ばしさを感じられる味わいと香りに仕上がっています。
食品業界の動向
内定を勝ち取るために、その業界の研究は非常に大事になります。食品業界の取り巻く環境もきちんと理解してからOB訪問に臨みましょう。
食品業界の業績推移
食品業界は、他の産業に比べると比較的安定したマーケットであるといわれています。しかし、少子高齢化に伴う人口の減少や女性の就業率上昇、世帯人数の減少など取り巻く環境は絶えず変化をしています。
平成27~28年の食品業界の業界推移は19兆2,940億円となっており、過去の推移をみると、平成17年から平成25年にかけて緩やかですが増加傾向にあります。
平成20年に前年から続いた値上げラッシュがようやく鎮静化しましたが、秋に世界的な景気後退の影響を受けて業績は伸び悩みの傾向になります。平成21年に入ると、長引く消費不況の影響により消費者の購買意欲がより一層低下する結果となりました。
平成24年末の政権交代以降、株価の上昇など国内景気が回復基調に変わります。また、平成25年にも消費者心理の回復、消費増税前の駆け込み需要などの影響により、堅調な業績を記録しています。一方で、平成25年に入り、為替が円安基調になります。原材料の多くを輸入に頼っている食品業界にとっては、逆風となりつつあります。
長期的に国内市場は縮小傾向に
原材料を輸入に頼っている食品メーカーにとって、円安は逆風になります。原材料の占める割合が高い製油、ソーセージ、ハム、ジャム、冷凍食品、ワインなどが相次いで値上げします。価格に敏感な消費者に考慮し、同じ値段で内容量を減らす「実質値上げ」を行うメーカーも相次ぎました。
国内の少子高齢化や人口減少を受け、食品大手各社は海外へ活路を見出しています。最大手の味の素はタイ、インドネシア、ベトナム、フィリピン、マレーシアなど東南アジアを中心に積極展開を始めました。国内ハム最大手の日本ハムは米国やオーストラリア、英国に生産拠点を設立しています。
また醤油最大手のキッコーマンは米国やシンガポール、台湾、中国などに子会社を設立しており、日本食ブームを背景に海外展開を進めています。
国内市場縮小の中、海外展開を加速している食品メーカーは、今後も海外展開の動きを活発化するものとみられ、今後の動きに注目が集まります。
森永乳業へOB訪問に行く前に準備すべき3つの項目
せっかくOB訪問に行くのですから、しっかり事前の準備をしてから臨みましょう。
森永乳業のしっかりした人材育成を知る
森永乳業の人材育成の為の研修の中で、面白い取り組みがあります。入社3年目までは新入社員一人一人に先輩社員がつき、しっかり基礎的な業務やビジネスマナーを指導してくれます。その後、多種多様な育成プログラムが用意されており、自分自身のキャリアプランに合わせた研修を受けられるようになっています。
その中で、マーケティング・販売・生産・管理などの部門別に必要な、専門的な知識の習得や能力の向上を目指した研修として、「ミルク大学」、「セールス大学」、「経理大学」という研修があります。
ミルク大学は生産部門の社内教育機関として、乳業技術・技能の伝承、品質技術の維持向上を目的とした製品カテゴリー別のテーマ研修のほかに、年代別研修として、入社2年目で「ホップアップ研修」、20代後半で「ステップアップ研修」、30代半ばには「ジャンプアップ研修」とそれぞれの階層に合った研修が用意されています。
セールス大学は名前の通り、営業部門の人財育成を目的としており、「生活者の視点で物事を考え、取引先と一緒に取り組みができるセールス」の実現を目標に、30歳前後のセールスに対して選抜型の研修を実施しています。約9カ月間でセールスに必要な知識やスキルを学び、卒業発表として経営トップ層にプレゼンテーションを行います。
経理大学は関係会社を含めた一定年数の実務経験を積んだ学習意欲の高い社員を対象に、外部教育機関のカリキュラムを活用した通信教育および集合研修を行っており、幅広い経理・財務知識習得の機会を提供してくれています。
このように、森永乳業の人材育成はしっかりと準備されていますので、入社してから自分がどのように成長したいのかを考え、その状況に合わせた研修を受けることのできる環境が整っています。内定前に企業の育成環境を知ることで、自分のキャリアプランをしっかりと考えるよい機会となり、OB訪問やその後の面接にも活かすことができます。
事前学習を念入りに行う
OB訪問はやはり限りある時間の中で、OBの方からどれだけ有益な情報を入手できるかがカギになります。そのための業界研究・企業研究は念入りに行うべきです。
食品業界は市場規模も大きく、今後の発展に海外を視野に広げていく企業が大半です。業界研究の定番の本といえば、日本経済新聞社から出版されている「日経業界地図」が有名ですが、もちろん事前に目を通して、ある程度のことは把握しておいて損はありません。
ネットも含めて研究に力を入れれば入れる程、みつからない情報がみえてきます。この、本やネットでも「みつからない情報」こそがOB訪問で質問すべき内容に繋がります。大事なOB訪問の時間に調べれば分かるようなことを質問しないよう、事前調査には力を入れましょう。
企業の特徴「オフサイトミーティング」を知る
森永乳業が風土づくりとして取り組んでいるのが「オフサイトミーティング」、気楽にまじめな話をする場です。社員が活き活きと働ける職場を実現するため、セクションを超えた従業員が参加する「オフサイトミーティング」を実施し、「活き活きと働く」を楽しくまじめに議論する場としています。
社員がそれぞれの価値観の違いを認識したうえで、お互いの考えを尊重しあい共通の価値観を共有していく、そして一人一人が納得をして日々働ける、そんな職場づくりを目指しています。
森永乳業では日々活き活きと活躍できる人材を求めています。自分自身が森永乳業のような社風で仕事をしていくことを想像し、今後のキャリアプランを立てるのに役立ててください。
OB/OGへの質問を準備
一番重要なOB・OGへの質問を考えましょう。事前にいくつか用意していけば、その場で話題として触れてしまった内容があっても他の質問ですぐ対応することが可能なので、複数用意していくことをおすすめします。
企業とのマッチング度を確認する質問
- 携わった仕事の中でやりがいを感じたことは何ですか。
自分自身が入社してからどの程度の仕事に携わることができるかが分かる質問です。この質問をしてみて、OBの方が熱心に業務のやりがいや逆に大変だったことまで話してくれる会社は、仕事に対する熱量の高い方が多い会社と判断できます。
自分自身が入社してから、どのような仕事に取組み、今後活躍していけるのかキャリアプランを考えることに役立てましょう。
- 先輩から見た森永乳業の風土はどのように感じますか。
ネットや就職セミナーでは分からない、企業の裏の顔がみえる質問です。実際に働いている方が感じる会社の雰囲気や風土はきちんと確認しておいた方が、今後入社してからのギャップを少なくすることができます。
就活に役立つ質問
- 実際に仕事をしてみて感じる、もっと勉強をしておいた方がよかったと思うことはありますか。
実際に働いている方だからこそ、自分が就職をしてみて必要だと思う知識や経験があるはずです。入社してから後悔しないためにも、ぜひ先輩に確認をしておきましょう。
- 海外で活躍したいと考えていますが、どの程度の語学力が必要だと考えますか。
海外展開も広く行っている森永乳業だからこそ、海外で活躍をしたいと考える学生の方も多いと思います。今後の語学学習のために、社内の方たちの語学力を知っておきましょう。
森永乳業は情熱のある人材を求めている
森永乳業には、新しい取り組みを積極的に進めるチャレンジ精神が根付いています。年次に関わらず仕事を任せてもらえることは、やる気のある人には大きく成長できるチャンスです。不可能だと思われたことにも、あきらめずに挑戦し続けた結果、今の森永乳業があります。