りそな銀行のOB訪問の準備｜情報収集と質の良い質問が鍵

りそなグループの中核を担うりそな銀行とは

りそな銀行を志望するならOB訪問をしっかり行いましょう。情報収集という意味で、非常に有効だからです。ただ、中途半端な準備をすると、質のよいOB訪問ができない可能性もあります。
そんな状況を避けるために、なにを意識し注意すればよいか準備の時点でポイントを意識することが大切です。りそな銀行のOBでしか分からないような質問を用意し、本番でミスがあっても慌てないための準備を行いましょう。

企業概要

りそな銀行はりそなホールディングス傘下の銀行の1つです。りそな銀行ができた背景には多くの合併があります。1918年（大正7年5月）大阪で株式会社大阪野村銀行が設立されました。
1927年、大阪の村銀行から野村銀行に商号が変更され、1948年に、野村銀行から大和銀行に名前が変わったのです。また、1943年、埼玉県下の4つの銀行が合併して埼玉銀行が設立されました。埼玉銀行も協和銀行と対等合併を行い1992年、あさひ銀行に変わっています。そして、2001年大和銀行とあさひ銀行が経営統合しました。
2001年12月、大和銀行、近畿大阪銀行、奈良銀行が共同で株式移転し、持株会社株式会社大和銀ホールディングスが設立されています。さらに2002年3月、大和銀ホールディングスとあさひ銀行が株式交換を行って経営統合しました。そして2002年8月、大和銀ホールディングスが、株式会社埼玉りそな銀行を設立したのです。
2002年10月に、大和銀ホールディングスの商号がりそなホールディングスに変わりました。2003年、大和銀行、埼玉りそな銀行分割後のあさひ銀行が合併し、株式会社りそな銀行に名前が変わったのです。このように、多くの合併などを経てりそな銀行が生まれました。

事業内容

りそな銀行の就活ではOB訪問の準備とは関係なく、基本として、事業内容を理解しましょう。りそな銀行はりそなホールディングスの傘下にあります。また、100％出資会社です。採用については、りそな銀行と埼玉りそな銀行の合同採用となります。りそなホールディングスは、大きく6つの分野と事業に分かれているのです。

法人
りそなの事業の特徴は「経営課題解決型ビジネス」です。都市銀行×信託銀行という独自性があります。法人顧客に対し、資金提供、経営コンサルティングを行います。
法人営業から事業承継、与信審査から不動産関連業務、企業年金やシンジケートローンまで法人が求める問題を解決する業務です。りそな銀行が独自で開発したものとして、自社承継信託、資産承継信託などがあります。これらの商品は経営者の意思を大きく反映できる承継方法として評価が高いです。

国際
国際では、本部セクションで国際業務推進を担当する業務です。また、りそなグループの海外拠点で行う業務もあります。海外拠点で行う業務としては、企業の海外進出のためのあらゆるサポートを担っています。
進出、発展、拡大まで担当。アジア全般をカバーしているのも特徴でしょう。すでに海外進出をしている企業へのサポート業務も担います。海外の有力銀行とも提携している業務です。

経営管理
経営に関する問題の解決、企画立案、リスク管理や内部統制、組織インフラまで経営管理に関する業務を担当します。信用リスク統括部、経営企画、オムニチャネルなどがあげられるでしょう。
信用リスク統括部は、信用リスク管理を統括し、企画立案を行います。りそなの傘下銀行から関連会社の信用リスク管理まで行うのが特徴です。リスク管理では、りそな銀行一つだけの問題ではなく、グループと経営の根幹に関係します。
経営企画では、中期経営計画の策定や経営戦略を踏まえ、組織体制を構築します。人員計画や、投資、経費、経営資源の配分や収益管理に関することまで幅広く対応します。オムニチャネルでは、フィンテックを活用し、サービスの提供や事務処理に関する問題を改善するのです。

プレミアム層取引
顧客の個人資産のニーズに対応し問題解決やサポートを行います。資産運用や住宅ローンに関することはもちろん、不動産の有効活用や相続、遺言信託までさまざまな業務を担当。特に信託という不動産などもカバーできる所に、りそなの強みがあるといえるでしょう。

窓口
店舗に訪れる顧客対応を行います。支店など、窓口で手続きを担当するのも大きな業務の1つです。新規口座の開設から、すでに設けた口座の名義や住所変更についての手続き業務があります。同時に、投信信託や、保険など、金融商品の提案を行っているのも特徴です。
また、事務マネジメントという業務もあります。事務についての業務を統括する業務です。業務の精査や管理、人事評価や店頭運営などを担当しています。苦情やトラブルへの対応も行っているのです。
他にも、個人営業があります。基本的には、一般の個人顧客に対し、個人年金保険や国際や外貨預金など資産運用へのアドバイスを行います。相続対策やローンなどの提案を行う業務です。また、窓口サービスにおける業務の担当者をまとめるチームリーダーなどを行います。

専門系
金融工学や金融技法を駆使するプロフェッショナル集団です。アナリスト、アクチュアリー、ファンドマネージャーなどがあります。アナリストでは、株や債券の情報を分析、評価します。金融工学なども駆使しファンド運用も業務の1つです。
アクチュアリーでは、年金、保険の科率計算、制度設計などを行います。ファンドマネージャーは、ファンドを金融市場で運用。それぞれ専門的な知識が必要で、多大なプレッシャーがあるといえるでしょう。

過去5年間の売上/利益推移

2012年から2017年までの連結経常収益はどうなっているでしょうか。2012年から2014年まで、8500億円台から8000億前半という状況で大きな動きは見受けられません。
ただ、2015年になると、8600億円台となっています。しかしそこから伸びがありませんでした。2016年には8174億、2017年には7580億円と減少傾向となっています。
（りそなホールディングスによるデータです。端数は四捨五入。営業利益率は経常利益率の数値を出しています）

次年度の戦略

りそなホールディングスでは、グループ全体の中期計画を2017年4月に策定しています。

基本戦略

- オムニ・チャネルの進化
- オムニアドバイザーの育成
- オムニ・リージョナル体制の確立
りそなホールディングス中期経営計画より引用

基本姿勢は「お客様の喜びがりそなの喜び」というものです。次世代リテール金融サービスモデルの構築、中長期的な収益構造改革の実現があげられます。
オムニチャンネルの進化や26,000名規模のオムニアドバイザーを育てること、オムニ・リージョナル体制の確率などがあります。これによって新しい顧客との接点を作ること、ニーズへのアプローチ、新しい収益へのアプローチが期待できるようになります。
他のビジネス戦略として、リテール、信託や運用や不動産を深めることを掲げています。さらに、人材育成やネットワークを再構築、カスタマーエクスペリエンスを重視した組織体制の確立、プロセス改革などを計画しているのです。

2018年のりそな銀行に関するトピックス

りそな銀行の情報収集の一環として、ニュースをチェックしておきましょう。りそな銀行の近況を知るヒントになります。近況を知れば、りそな銀行の今後を占う情報も得られるでしょう。2018年、りそな銀行ではどのような動きがあったのでしょうか。

ウォレットASPシステムウォレットステーションを活用

8月30日、ウォレットASPシステム「ウォレットステーション」についてりそな銀行や埼玉りそな銀行などに提供されることが発表されました。
開発したのは、インキュリオンデジタルです。ウォレットステーションは、QRコード決済やバーコード決済に対応したウォレットサービス。銀行ウォレットにいろいろな機能をつけくわえることも可能です。

大阪北部地震の被災者を対象にした災害復旧融資をはじめる

6月19日、りそな銀行と埼玉りそな銀行が大阪北部地震で被災した人を対象に、預金払戻しの特別対応や、災害復旧融資を行うことを発表しました。通常、払い戻しについては通帳や証書、届け出た印鑑が必要です。地震により被災して紛失した場合、通常の紛失とは異なる状況といえます。
今回の特別対応では、通帳や証書や印鑑がなくても、本人確認さえ取ることができれば対応可能という特別対応です。定期預金に関しても、期限前の払い戻しにも対応します。
災害復旧融資に関しても、住宅取得のための住宅ローンなどに対し、3つのプランが用意されています。金利の割引や、最大1億円の融資、法人や個人事業主に対しても事業資金ローンを設けているのです。

平日休業がスタート

8月8日より、りそなホールディングスの一部店舗で平日休業がスタートしました。平日休業により、1店舗辺りの稼働人員を適正にするという試みです。背景には、低金利による収益の悪化による店舗コストの削減があります。
また、金融庁も、平日休業可能な関連法案を改正する動きを見せています。この取り組みにより、店舗の運営に柔軟さが出るようになりました。営業時間を延長する動きも出てきています。
りそな銀行の場合、あきる野支店五日市出張所で、毎週水曜が定休日となります。これにより人員コストの削減などが期待されています。

銀行業界の動向

就活では企業研究はもちろん、業界研究もしっかり行わなければなりません。業界動向を知れば、本当に銀行業界を志望してよいかどうかも確認できます。銀行業界の動向を見ていきましょう。

銀行業界の業績推移

銀行業界は、平成17年から19年までは好調でした。しかし平成20年から下降しています。平成21年で上昇すればよかったのですが、そこからまた業績が減少しました。平成21年と22年はほぼ横ばいでしたが、23年に業績が回復傾向になっています。
それでも平成23年から25年まで、劇的な業績アップというわけにはいかなかったようです。平成26年まで、堅調に上昇しました。しかし平成27年に多少減少傾向となっています。しかし平成19年と同レベルの業績までの回復は見られていません。

リーマンショックやマイナス金利政策で苦戦

平成17年から19年まで銀行業界も好調でした。19年まで辺りの好調の背景には不良債権処理や大手金融グループの間での再編や合併が落ち着いたからです。このまま安定すればよかったのですが、リーマンショックによる金融危機が、世界全体に大きな影響を与えました。
日本も大きなダメージを受けています。有価証券評価損によって、平成21年前後は巨額赤字となりました。それでも平成23年以降は堅調に回復しています。ただ、平成27年には、マイナス金利政策が導入されたこと、海外事業への苦戦が足を引っ張っています。また、地方銀行では再編や統合が起こっているのも見逃せません。

りそな銀行へOB訪問に行く前に準備すべき3つの項目

りそな銀行のOB訪問できちんと準備をすれば、本番で大きな失敗への回避が期待できます。準備のポイントをきちんと押さえて、何があっても対応できる状態を作りましょう。

最低限の情報をしっかりチェックしましょう

OBもどんな就活生がくるのか楽しみにしています。一番がっかりされるのは、少し調べたら分かるようなことを聞かれることです。そうならないよう、ホームページなどを見てりそな銀行の情報を得ておきましょう。ただ、設立日や事業内容だけを把握しているだけでは不十分です。 例えば一般的なOB訪問での質問に「強みはなにか」というものがあります。それもホームページには掲載されているのでチェックしましょう。
りそな銀行で働くことの魅力だけではなく、価値観も、ある程度チェックすることができます。質問でりそな銀行独自の強みを聞きたければ、すでにある情報より一歩踏み込んだ内容の質問をしましょう。

トップメッセージや企業理念もチェック

OB訪問をするなら質問内容は重要です。一般的にどんな企業でも通用するような質問もよいですが、そればかりではいけません。りそな銀行の企業研究をしっかりやっていることをアピールできるような質問を意識しましょう。
OB訪問での質問を考える場合、トップメッセージや企業理念などにも目を通すことが大事です。トップメッセージには、これからのりそな銀行の戦略も含まれています。同時に、企業理念は企業風土を知るためのヒントになります。
企業風土に関連した質問を検討中の人もいるでしょう。トップメッセージや企業理念などをチェックした上で、もう一歩深い部分を聞けるような質問を考えることも大事です。もちろんトップメッセージや企業理念以外にも情報があちこちに転がっています。

ダイバーシティなどの取り組みも調べておきましょう

事業内容以外のことも、きちんと理解しておきましょう。りそな銀行を含めたグループ全体でダイバーシティへの取り組みに力を入れています。また、個人的なスキルや経験を積みたいと感じたら、キャリアサポートが充実しているかどうかもチェックしたほうがよいでしょう。
りそなでは、専門性が向上できる人材育成環境が整っています。また、人間力をアップするため、キャリア形成をサポートする体制も整っているのです。社員が勤務地を希望できる制度もあります。事業や職種以外の情報も把握してから、OB訪問に向かったほうがよいでしょう。

OB/OGへの質問を準備

OBやOGは、OB訪問でどんな質問をしてくるのか期待しているものです。よい質問ができる就活生は優秀な人材である可能性が高いからです。ただ、よい質問を考えるのはなかなかむずかしい話でしょう。質問ばかり考え過ぎて他の準備がおざなりになってもいけません。どんな質問をすればよいか、ポイントを押さえましょう。

中見出しマッチング度をはかれる質問　

りそな銀行と相性がよくなければ、長期的に働くことはできません。OB訪問では、マッチングを確かめる質問ができます。本当にりそな銀行を志望してよいか、就活を進めればよいかどうか確かめるためにマッチングに関する質問をしましょう。

- 御社は「従業員が満足することが顧客の満足につながる」という価値観を持っていることを知りました。社員の意欲についても尊重するそうですが、実際、そのような風土だと強く感じた、具体的なエピソードなどがあれば教えてください。

りそなグループでは、従業員満足度が顧客の満足度の向上につながるという価値観を持っています。キャリアアップの方法についても、さまざまな選択肢が設けられています。
そのような点を理解した上で、実際に働いているOBがどのように考えているか聞いてみましょう。意欲がある従業員が、どんなチャレンジをしたのか、具体的なエピソードを知ることで、より深くりそなを知ることにつながります。

- 従来の銀行のようなマニュアルを白紙にしたという話を知りました。社員が新しいマニュアルを考え直すという取り組みはすばらしいと感じます。自分なりのマニュアルを作る上で、苦労したことか、よかったことがあれば教えてください。

りそな銀行は従来の銀行とは異なり、マニュアルを一度白紙にするという取り組みを行っています。これは自分で気づいて考え行動しながら仕事をすることが、りそなの原動力になるという考え方からです。
ただ、マニュアルがないと、正解は自分で考えなければなりません。りそなで働く中、その点でよかったことや苦労したことを、OBから聞けば、自分が働きやすい風土かチェックできるでしょう。

企業研究に役立つ質問

OB訪問の一番の目的は企業研究です。企業研究を深めるために企業に関する質問をしましょう。企業研究を深めれば深めるほど、ライバルに対しリードできるからです。

- アジア進出に力を入れていると感じています。国際業務の中で海外進出支援を志望しているのですが、その業務をする上でどの程度のレベルの語学力が必要なのか教えてください。

海外で働くことへの意欲を持っている人も多いでしょう。しかし意欲がありチャレンジできる風土はあるといっても、能力不足では不適任と判断される可能性もあります。
そうならないよう、りそな銀行である業務を志望する場合、どれだけの能力が必要かOBに聞いておいてもよいでしょう。OBに聞いて能力不足を感じれば、本選考まで努力してカバーすることもできます。

- ソリューションフィールドとカスタマーサービスフィールドから選択できることを知りました。それぞれの仕事の醍醐味などがあれば教えてください。

りそなの新卒採用に関しては、2つのフィールドから選べます。ソリューション・フィールドでは、大企業や中小企業、さらに富裕層の顧客が対象です。
一方のカスタマーサービス・フィールドは、個人や富裕層、さらに窓口業務などがあります。それぞれ対象が異なるため、OBにしか分からない仕事の醍醐味があるかもしれません。その点を深く知ることで、企業研究に活かすことができるでしょう。
また、この質問はマッチングを確かめる上の材料にもなります。注意したいのは、あくまでキャリアの軸を決めるというものです。銀行員としてスタートし、業務を行うのはどちらのフィールドでも同じです。ただ、このフィールドの選択で、なにを専門として強みにするのかが変わるので注意しましょう。

選考に役立つ質問

他に気になることがあれば、積極的に質問をしましょう。企業研究をしていけば、どうしても分からない部分が出てくるものです。不安を払拭するための質問をしましょう。

- ソリューションフィールドとカスタマーサービス・フィールド、それぞれ、どのような人が活躍できているでしょうか。

専門系のお仕事に関しては、ソリューション・フィールドとカスタマーサービス・フィールドの併願は可能です。ただ、専門系以外だと、コース併願は認められていません。そのため、応募前にどちらがよいか深く考える必要があります。
選択するための材料を考えると、自分の適正と照らし合わせる必要があるでしょう。ソリューション・フィールドとカスタマーサービス・フィールド、それぞれどのような人が活躍しているか知ることも、選択の材料となります。

- りそな銀行では、意欲さえあれば年齢が若くても活躍できることを知りました。ただ、個人でのスタンドプレーがある程度許されるのか、それともチームワークが特に重視されるのか、どのような風土だと感じているでしょうか。

りそな銀行はチャレンジ精神を推奨しています。若いうちからも活躍できる土壌があるのですから、意欲が高い人や、出世をしていこうと考えている人にはやりがいがある企業といえるかもしれません。
ただ、個人的な能力を評価されるのか、あくまでチームワークが重視されるかで、評価もまったく異なってきます。もちろんどちらも備わっていればよいのですが、実際の所をOBに質問してみましょう。

誠実な人間が好まれるりそな銀行

りそな銀行では、オムニ・チャネル戦略を推進するなど積極的に新しい技術を取り入れています。また、ソリューション・フィールド、カスタマーサービスフィールドなど、どんなことを専門にしたいのか、就活の時点で決める必要があります。
さらに誠実でなければ求める人材ではないと判断される可能性もあります。どんな人間が求められているかしっかりと理解し、OB訪問に挑みましょう。