三菱商事は人のつながりが強い企業
三菱商事は社員を大切にする企業で有名ですが、同時に人のつながりを大切にする企業でもあります。そのためOBや先輩と、積極的に関わることを推奨しています。
この記事ではOBを活用して三菱商事に就職する方法と、三菱商事で働くために大切なことを紹介しています。紹介している内容には人の体験談もありますが、就職活動の参考にしてください。
企業概要
三菱商事株式会社は国内および海外約90の国・地域に200超の拠点を持ち、約1200社の連結対象会社と協働しながらビジネスを展開している総合商社です。設立は1950年(昭和25年)4月1日ですが、そのときの企業名は光和実業株式会社でした。
最初は貿易仲介を中心とした口銭を稼ぐビジネスが中心でしたが、藤野忠次郎が社長に就任した1970年代より、資源開発への直接投資を手掛けるようになりました。
事業内容
三菱商事は総合商社で多くの事業を手がけていますが、事業内容をみていきます。
地球環境・インフラ事業グループ
地球環境・インフラ事業グループは、「環境事業本部」「新エネルギー・電力事業本部」「インフラ事業本部」の3本部で構成されています。
環境事業本部では、リチウムイオン電池の開発と製造事業を行っています。また蓄電事業・分散型太陽光発電等を活用した電力分野における新事業創出・次世代エネルギー開発なども行っています。
新エネルギー・電力事業本部では、国内外で火力や再生可能エネルギーによる発電事業を行うと共に、国内では、オンサイト発電事業や電力小売事業などを行っています。
他には国内外の顧客向けに、高効率の最新鋭火力発電設備や原子力発電設備・送変電設備や環境関連機器・その他付属設備などの供給・建設などの業務も行っています。
インフラ事業本部の交通インフラ分野では、空港の運営を中心に事業経営と鉄道車両・システムの供給に取り組んでいます。
エネルギーインフラ分野では、石油やガスの開発・輸送に係るインフラの運営と、化学品や鉄鋼製品などを生産する大規模な産業プラントの運営をしています。
新産業金融事業グループ
新産業金融事業グループには、3つの分野がありますが詳しい内容をみていきます。
企業投資・リース事業本部では以下の事業を行っています。
- プライベートエクイティ投資運用事業
- その他実物資産、事業を対象としたアセットマネジメント事業
- 国内外総合リース事業
- オートリースなど特定リース事業
- 航空機リースを含む民間航空関連事業
不動産事業本部では、以下の事業を行っています。
- グループ会社を通じた不動産ファンドの組成・運用ならびに関連事業
- 収益不動産開発事業
- 大規模都市開発事業
- 建設・不動産関連ソリューション事業
- インフラ関連金融事業
- データセンター運営事業
物流事業本部では、以下の事業を行っています。
- 国内外のネットワークを活用した総合物流事業
- 撒積船の保有・運航事業
- 物流業界における新規事業開発
エネルギー事業グループ
エネルギー事業グループでは、天然ガス・LNG・原油・石油製品・炭素・LPGなどの商品を提供しています。エネルギー事業グループが関わる地域は広く、世界中に拠点を置いています。
金属グループ
金属グループでは、鉄鋼製品・鉄鋼原料・非鉄金属の幅広い商品を取り扱っています。グループは、鉄鋼製品本部・金属資源トレーディング本部・金属資源本部で構成されています。
具体的な取扱品目は、原料炭・銅・鉄鉱石・一般炭・アルミ・ウラン・ステンレス原料がありますが、、グローバルベースの顧客ニーズに応えられるように、世界中に営業拠点を置いています。
化学品グループ
化学品グループでは、プラスチック・ポリエステル繊維・合成ゴム・石油化学品・工業塩・塩ビ原料・樹脂、メタノール・アンモニア・エタノール・肥料・食品化学などを扱った事業を展開しています。
化学品グループは、石油化学品本部・基礎化学品本部・ライフサイエンス本部・新規事業開発部で構成されていますが、世界中で事業を展開しています。
過去3年間の売上/利益推移
これからは三菱商事の過去5年間の売上と、利益推移をみていきます。資料は下記のサイトを参照しました。営業利益率の端数はすべて切り捨てしています。
参考:三菱商事の業績ハイライト
(単位/億) | 2015年度 | 2016年度 | 2017年度 |
売上 | 69,255 | 64,257 | 75,673 |
営業利益 | 103 | 4,011 | 4,743 |
当期利益 | -1,493 | 4,402 | 5,601 |
営業利益率 | -2% | 7% | 7% |
三菱商事は多くの事業部があり、世界中で事業を展開している企業なので、売上高も膨大です。営業利益率をみると特筆すべき数字ではありませんが堅調な営業利益率と言えます。
次年度の戦略
三菱商事では2018年度からの目標を掲げています。
- 資源と非資源のバランスの見直し
- キャッシュフロー重視の経営
- 事業投資から事業経営へのシフト
- 事業のライフサイクルを踏まえた入れ替えの加速
三菱商事の公式ページでは明確な戦略を記載しています。今回の目標は3カ年計画ですが、三菱商事らしい世界中のマーケットを意識した目標です。
2018年の三菱商事に関するトピックス
インターネット上で、三菱商事に関するトピックスをみていきます。
三菱商事が料理レシピ配信事業に参入
2018年8月23日に三菱商事は、CookpadTVと資本提携を行いました。CookpadTVは、料理レシピサイトで有名なクックパッドの連結子会社です。
CookpadTVは、店舗で料理動画を配信する「cookpad storeTV」・ユーザー投稿型の動画撮影スタジオ「cookpad studio」などの料理動画配信事業を展開してきましたが、三菱商事と資本提携を結ぶことにより、事業の加速化と拡大化が期待できます。
三菱商事は、同社が展開している流通企業向けデータ分析事業とCookpadTVを連携して、新しい広告商品の開発を目指しています。
三菱商事が若手アーティストを育成するイベントを開催
三菱商事が若手アーティストの育成を目的に実施している「三菱商事アート・ゲート・プログラム」のスペシャルイベントである「アートのちから」が、千代田区丸の内の丸ビルホールで9月15日に開催される予定です。
イベントのプログラム内容は、第1部は俳優・画家の片岡鶴太郎さんによるアートパフォーマンスで、第2部はチャリティー・オークションになっています。
第40回となるオークションには若手アーティスト13人が出品しますが、参加無料で定員は200人とのことです。
三菱商事が商社・卸売業界の働きやすい企業にランクインする
転職サイト「キャリコネ」などを運営するグローバルウェイが「労働時間」「やりがい」「給与」など6項目を評価した結果、三菱商事は働きやすい企業の第二位にランクインしました。
三菱商事が評価された点には、人事部内に「女性活躍・ダイバーシティ室」を設立して、仕事と家庭との両立支援に力を入れていることが挙げられました。他には2018年3月期に商社としては初めて純利益が、5000億円を超えたことも評価されたようです。
三菱商事の社員の声からは、「福利厚生は非常に恵まれている。寮や社宅も完備されており、一般的なイメージ以上に休みは取りやすい」「休日出勤もあるが、見合った給与ややりがいを得ているので、特に嫌だと思うことはない」との意見がありました。
商社業界の動向
これからは商社業界全体の動向をみていきますが、三菱商事・丸紅・伊藤忠商事・住友商事のデータを集めました。参照したサイトは下記です。
参考:商社業界の動向
商社業界の業績推移
年度 | 2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 |
売上 単位 億 | 4兆6,554 | 5兆8,989 | 6兆2,143 | 5兆8,300 | 5兆5,975 |
いずれも大手の商社だけあり、売上高は兆単位になっています。
2016年度から売上高が低減している
表をみると2016年度には売上が低減しています。この理由として考えられることは、チリの銅事業アングロ・アメリカン・スール(AAS)があります。三菱商事は中長期の銅価格見通しを引き下げたことで、2800億円の減損を迫られました。
総合商社は世界中でビジネスをしているので、為替の影響を受けたり海外の経済状況に影響を受けることが多いですが、それらの要因を分析して、手を打つのも商社の仕事でしょう。
三菱商事へOB訪問に行く前に準備すべき3つの項目
これからは三菱商事のOB訪問に行く前に、準備しておいた方がよいことをみていきます。
OB訪問でも採点されている
体験者の話では三菱商事ではOB訪問の段階で、応募者がチェックされることがあるとのことです。チェックと言っても厳しいチェックではなく、応募者の印象を人事部に伝える程度のことのようです。しかしそれでも悪い印象を、人事部に伝えられたら内定に悪影響を与えます。
OB訪問のときに良い印象を与えるには、まずは服装に気を配ることが大切です。高級なスーツは必要ありませんが、清潔感がある服装にすることが大切です。
次に大切なことはOBと話すときは、筋道を立てて話すことです。三菱商事のような商社では、コミュニケーション力が重要視されます。たとえOB訪問であっても、冗長でまとまりのない話し方は悪印象につながります。
話すことが苦手な人は前もって話したいことを、メモに箇条書きしておくのがよいです。メモに箇条書きするだけで、筋道だった話ができるようになります。
OBを通じてできるだけ多くの社員と会う
三菱商事は公式ページでもOBと会うことを勧めています。それも一人のOBとだけ会うのではなくて、多くのOBと会うことを勧めています。三菱商事が応募者にそのように勧めるのは、OBやOGと会うことによって、会社の雰囲気や具体的な業務内容、さらには社員の思いや志などを知ることができるからだそうです。
そのような思いがある三菱商事なので、若手社員の出身大学のキャリアセンターには、OB/OGリストを設置しています。OBやOGを探すときは利用したらよいです。
三菱商事は人を大切にする企業と言われていますが、OBやOGのことも大切にしているはずです。そしてできたらOB/OG経由で、良い人材が探せたらよいと思っている可能性があります。そのことをOBやOGを訪問するときに、忘れてはいけないでしょう。
OBやOGと会うときは、できる限り敬意を持って接することが大切です。そのように接すれば大学の評判もよくなるし、応募者自身の評判もよくなります。
OB・OGの所属や経験部署をチェックする
三菱商事は巨大な商社です。そのために勤務部署によって社風や、仕事内容が大きく異なる可能性があります。このことは三菱商事の公式ページや、企業パンフレットから知ることはできません。そうであれば先輩であるOBやOGから訊くのが一番ですが、OBやOGにも分からないことがあると知っておくことは大切です。
OBやOGが返答しやすい質問を選ぶときは、OBやOGの現在の勤務部署や今までに経験してきた部署のことも、前もって調べておくことが大切です。このことは当日になって訊いても遅いので、メールの段階で訊くことが大切です。
メールの段階では、自分が知りたい部署のことを伝えてもよいです。たとえOBやOGが経験したことがない部署であっても、その部署で働いている先輩を紹介してくれる可能性があります。OBやOGも後輩のために一肌脱ぎたいと思っているものです。
メールの段階では、いろいろと相談すればよいです。そして相談に乗ってくれたOBやOGには、訪問したときに丁寧にお礼を言いましょう。それだけでOBやOGは満足するでしょう。
OB/OGへの質問を準備
これからはOBやOGへの有意義な質問例をみていきます。
入社前に役立つ質問
- 頻繁に海外の企業と関わる仕事をするには、どの部署がいいですか?
- 研修前に準備すべきことは何ですか?
三菱商事のような総合商社で働きたい人の中には、海外の企業と関わりたい人はいるでしょう。しかし公式ページや企業パンフレットからは、このことが分かりません。そのようなときは、OBやOGに一番目の質問をすればよいでしょう。
三菱商事は総合商社で海外との関わりも深いですが、すべての部署が海外と関わっているのではありません。海外と関わり仕事をしたい人は、遠慮なくこのような質問をすることが大切です。
三菱商社のような企業では覚えることが多く、研修だけでは理解しきれない可能性があります。しかし前もって研修の内容を知っておくことで、研修前に準備をすることができます。
研修の詳しい内容が分からなくても、研修で出てくると予想される専門用語を覚えるだけでも、理解力の助けになります。専門用語が分からないだけで、話全体が分からなくなることはよくあることです。
入社後に役立つ質問
- 使用頻度の高い外国語は何ですか?
- 業務理解を深めることができる資格はありますか?
入社前は語学力に自信がなくても、入社後には外国語をマスターして、語学を使った仕事をしたいと思う人はいるでしょう。しかし現代は英語だけが重要視される時代ではありません。とりわけ三菱商事のような総合商社では、英語以外の外国語が必要とされることがあります。
三菱商事で必要とされる外国語を知ることによって、入社後は迷うことなく外国語の勉強に打ち込むことができます。
三菱商事のような総合商社の仕事は覚えることが多いですが、覚えるべきことが漠然としているのが特徴です。しかし関連する資格の勉強をすることで、必要なことを効率的に覚えることができる可能性があります。
訊くときは一つの資格だけではなくて、複数の資格を訊いた方がよいでしょう。三菱商事は仕事が多岐にわたっているため、覚える内容がさまざまです。
一つの資格を取得すれば、次は違う資格の勉強を始めたらよいでしょう。資格そのものは活かす機会がなくても、勉強をすることでさまざまな業務に対する理解を、深めることができるのではないでしょうか。
自分に合っているかを確かめる質問
- 一人で担当する得意先は何件ぐらいですか?
- 異なる部署の人と、仕事上でコミュニケーションすることはありますか?
三菱商事は人を大切にするよい企業ですが、自分に合っていなければ意味がありません。じっくりと得意先と付き合いたい人は、少なめの担当数が好ましいです。担当数が多ければ、自分の希望通りの仕事ができない可能性があります。
三菱商事のような大きな企業では部署間に垣根がある傾向が強いですが、他部署の人と交流して視野を広げたい人はいるでしょう。三菱商事でそれができるかどうかは、二番目の質問をして確かめるのがよいでしょう。
人にはいろいろな性格がありますが、同じ部署だけの人としかコミュニケーションしなければ、息が詰まる人はいます。そのような人は遠慮なく二番目の質問をして、三菱商事の社風は自分に合っているのかを確かめましょう。
三菱商事に入社して活躍するには
三菱商事は人を大切にする企業で、社員からの評判もよいです。そのような企業で働くことは、人生の幸せ探しにも、つながるのではないでしょうか。しかし三菱商事は就職先としても人気があるので、誰でも働けるわけではありません。
それでもOB訪問をたくさんして、多くの社員と関わることで、内定の可能性は少しは広がってきます。三菱商事は、OB訪問することを推奨しています。応募者は積極的にOB訪問して、内定を目指しましょう。
三菱商事のOB訪問なら、ビズリーチ・キャンパス
ビズリーチ・キャンパスには様々な企業の社員が登録しており、皆様の訪問依頼を歓迎します。
ご協力いただいている社員たちは、様々なバックグランドを持ち、自身のストーリーを歩んでいます。
もしかしたら、あなたのバックグラウンドを理解し、あなたのキャリア形成に寄り添ってくれる先輩がいるかもしれません。
まずは行動をしてみましょう。社会人は皆さん学生の味方です。