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就活生が語る

誇り高き孤高の守護神。その目が見据える未来とは―私の就活 vol.10

履歴書に並ぶ華やかな経歴、受けた企業は軒並み内定…。そんな就活生を、人は「就活強者」と呼びます。彼らがフォーカスされる機会は数多くあれど、どこか自分とは違う世界の話のように聞こえてしまう。そこで本連載では、あえて、ごく普通~の大学生の就活体験記を集めました。今回お話を伺ったのは、慶應義塾大学OBの升澤圭一朗さん。ハンドボール部で主将を務める升澤さんが見据える未来を、一緒に覗いてみましょう。

ハンドボール界のインフルエンサー

――本日はどうぞよろしくお願いいたします!

升澤さん:慶應義塾大学4年の升澤圭一朗です。よろしくお願いします!

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――いきなりですが、升澤さん、何かスポーツをされていますか?すごく体を鍛えていらっしゃるので…!

升澤さん:体育会でハンドボールをやっています。小学生のころから続けているので、もう10年以上経ちますね。

――やっぱり!ちなみに、ポジションは?

升澤さん:キーパーです。
ハンドボールを始めたばかりのころに、たまたま僕がキーパーになった試合があって、その試合でうまくゴールを守れたので、「升澤そのままキーパーな」ということでここに落ち着きました。(笑)
元々僕は人と違うことをするのが好きなたちなので、キーパーというポジションはすごく魅力的でした。

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――チームで唯一無二の存在というわけですね。

升澤さん:そんな感じですね。
だけど、その独自性が仇になる部分もあるというか…。

――そうなんですか?一体、どういうところが仇になるのでしょう?

升澤さん:実はハンドボールのキーパーって、専門のトレーニングをする機会があまりなくて。高いレベルに至らない限り、専門トレーニングに触れることすらないままキーパー人生を終えてしまう、という現状なんです。

僕の通っていた高校は、週7で練習してインターハイ優勝を目指すような強豪校だったので、そういうトレーニングができたのですが、大学のハンドボール部にはあいにくそれがなかったんですよ。だから、「ないなら自分がやればいいか」という感じで、僕がキーパーの専門トレーニングを初めました。

それで、そのついでと言ってはなんですが、軽い気持ちでトレーニング動画をツイッターに載せてみたら、その動画が結構バズったんですよね。(笑)

――思わぬ反響があったんですね!

升澤さん:そうなんです。
でも、1回バズっただけだと、偶然なのか必然なのか分からないじゃないですか。だから、確認の意味も込めてもう一回載せてみたんです。そしたらまたバズったので、需要の大きさを感じて、ちゃんと動画配信をしようと決意しました。

――全国のキーパーにとって待望のコンテンツが誕生した瞬間ですね。ちなみに、どういう風にそれを広めていったのですか?

升澤さん:手始めに「ますトレ」という名前をつけてみたり、ロゴを作ってみたりしました。名前や目印があったほうが、独自のコンテンツとして認知してもらいやすいですしね。
それから、基本的にツイッターで配信しているので、ツイートの時間帯や長さに気を付けるようにしました。

――時間帯や長さって、具体的にどんなことを意識するのでしょう?

升澤さん:21時前にツイートすると中高生のフォロワーの目に留まりやすいな、とか、1分以上の動画だと速度制限を気にしてしまうだろうな、とか、そういうことを意識しています。
そんな感じで発信を続けているうちに、「キーパーのトレーニングといえばますトレ」くらいのレベルで認知をしていただけるようになりました。

「僕のカタチ」を残すために

――すごい…。ハンドボール界の有名人ですね。

升澤さん:ありがとうございます。(笑)
でも、僕はこれだけに留まりたくないので、ますトレに関してもう一つ企画を考えているんです。

――そうなんですね!差し支えなければ、どんな企画か教えていただけませんか?

升澤さん:「日本中のゴールキーパーを守護神に」をテーマに掲げ、47都道府県を渡り歩きながらキーピング技術を授けていく、「ますトレ47都道府県行脚」という企画です。
この企画を通して、日本全国にキーパートレーニングの重要性が伝わればいいなと思っています。
それができるのは僕しかいないと思うので、最後に「これが升澤だ」ってところを見せられたらな、と。(笑)

――ハンドボール人生の集大成にふさわしい企画ですね!ちなみに、どうしてそれをやろうと思ったのですか?

升澤さん:簡単に言えば、「自分の価値を残したい」と思ったからですね。
先ほど「体育会に所属している」と言いましたが、体育会は素晴らしい組織である一方で、危険な面もあると僕は思っていて。

――危険な面、というと?

升澤さん:たとえば、僕たちの部活は2部から1部への昇格を目指して日々頑張っているけど、それが達成できなかった場合、「頑張った」という目に見えないものしか残らないじゃないですか。僕は、それがすごく怖かったんです。

――「頑張った」の尺度は人によって違いますもんね。

升澤さん:そうですね。
それに、「体育会での経験が社会に出てからどう活きるか」と聞かれたときに、「膨大な練習量に耐えた」と答える人って多いと思うんですけど、「それは違うでしょ…」と僕は思うんです。それってただの根性論に過ぎないし、もしも働き方改革が推し進められている会社に入ったら、そんなものは全く意味を成しませんから。

そうなると、「じゃあ僕には何が残るんだ?」となってしまう。だから、自分にしかできないこと、自分にしか提供できない価値を見出していきたいと思ったんです。それが僕にとっては「ますトレで47都道府県を回ること」でした。

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群れる自分への嫌悪感

――なるほど…。そういう思いって、何がきっかけで生まれたのでしょうか?

升澤さん:きっかけかあ、そうだなあ…。
僕自身、1・2年生のときは、自分が一番どっぷり浸かっていた「部活」というコミュニティの中で、みんなと群れている時間がすごく楽しかったんです。
だけど、基本的に「群れ」って思考を停止している状態なので、1人になった途端弱くなるんですよね。イワシと一緒です。あれも、魚編に「弱い」と書いて「鰯」ですし。(笑)

――たしかに!(笑)でも、升澤さんはその群れに入りびたりすぎなかった、と。

升澤さん:はい。
別のコミュニティの中から客観的に、群れている自分を見たときに、「これはいかん、自分は何も考えちゃいない」と思ったんです。
そのときに初めて「このままイワシでいるのは嫌だ」「何か残さなきゃ」という気持ちが芽生えました。

――ますトレに精を出し始めた背景には、そのような経緯があったんですね!ちなみに、過去の升澤さんがイワシだとすると、今の升澤さんは…?

升澤さん:うーん、サメくらいにはなれたんじゃないですかね。(笑)

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――サメですか!大躍進ですね!(笑)ところで、それほどハンドボールに情熱を注いでいたということは、ハンドボール選手として生きていくことも考えたのではないですか?

升澤さん:もちろん、その選択肢もありましたよ。実業団に所属してハンドボールを続けるか、一旦プレーから離れて就職するかの二択でした。
だけど、ハンドボールにより大きな影響を与えられるのはどちらかと考えたときに、自身が選手としてプレーするよりも外から働きかける方が良いだろう、と思って、就活をすることに決めたんです。自分の中では、すごく大きな決断でした。

――そうだったんですね。では、その決断をしたタイミングで、本格的に就活を始めたのですか?

升澤さん:いえ、この時点では「就活をする」と決めただけで、それ以外のことはまったく考えていませんでした。(笑)就活っぽいことを始めたのは3年生の11月くらいからです。
でも、そのころは「友達に誘われたから説明会に行く」という感じで、特に自分の意志で動いていたわけではなくて。
結局、本腰を入れたのは年が明けてからですね。なんせハンドボールばかりしていたので…(笑)

守護神が抱く夢

――ハンドボール一筋なのも升澤さんらしくてすてきです!就活を始めてからは、自分と向き合う機会が多かったと思うのですが、その結果どんな価値観が見えてきましたか?

升澤さん:価値観という言葉で表現するのが正しいかどうか分からないけど、「どこに行くか」より「何をするか」で考えることは大事にしていました。
本来なら就活って、目的と手段があって、その目的を達成する手段として会社を選ぶべきじゃないですか。

――「これがしたいからここに行く」ということですね。

升澤さん:はい。
だけど、周りを見ていると、「何をするか」の部分をすっ飛ばして、業界を問わず誰もが知っている有名企業を片っ端から受けていく、みたいな感じで、「どこに行くか」を重視しすぎる人が多いなと思っていて。僕はそれに対して違和感を抱いていました。
僕は理由がないと頑張れない人間なので、そういう決め方は絶対にできなかったんです。

――なるほど…。ちなみに、升澤さんの「したいこと」とは何なのでしょう?

升澤さんますトレを事業化することですね。
ハンドボールのようなマイナースポーツって、「教えたい人」と「教えてもらいたい人」が一定数いるのに、そのマッチングができていないんです。
だから、まずはハンドボールからその現状を変えていって、ゆくゆくはマイナースポーツ全体で「教えたい」「教えてもらいたい」のニーズをマッチングさせるサービスをつくりたいなと思っています。

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――おお、すごい…夢、叶うと良いですね!ところで、それだけはっきりとした夢があるということは、最初から目指す業界も絞れていたのですか?

升澤さん:いえ、そういうわけでもないんです。実は、周りに目指している友達が多いから、という理由で、自分にとってあまり興味関心のない業界をみていた時期もありました。(笑)
だけど、そこに入ってしまったら「なりたくない自分」になってしまうな、と思って、その選択肢を消していったんです。

――なりたくない自分、というと?

升澤さん:大学1・2年のころの「群れていた自分」です。
ある業界のOBの方に「どうしてその会社を選んだんですか」と聞いたとき、「一番早く内定が出たから」という答えが返ってきたことがあったのですが、僕はそれに対して「いや、なんで?」って思っちゃったんですよね。理念や価値観もそれぞれ違うだろうに、そこに共感するでもなく選ぶのってどうなのよ、と。

そういう人たちがいる中に飛び込んでしまったらまた自分は群れてしまう、そうはなりたくない、って思ったんです。
そういうわけで、周りの友達に影響されてみていた業界を消していきました。
「なりたい自分になる」ことより、「なりたくない自分にならない」ことの方が簡単にできますしね

手段としての会社選び

――升澤さんの意志の強さを象徴するようなエピソードです…!さて、そんな中で、今の内定先に出会うまでに、どんな経緯があったのでしょう?

升澤さん:出会いは社長の著書ですね。それがめちゃくちゃ格好良くて、「この人が創り上げた会社で働きたい」と思ったんです。

――その本の中で印象に残っているフレーズはありますか?

升澤さん「人生はどの山を登るかによって決まる」です。
就活もこれと一緒だなと思いました。会社を山に例えれば、どんな山に挑むかによって自分の人生の充実度は大きく変わっていくので。その上で、「どうせ登るなら、これからどんどん大きくなっていく山に登りたい」と思ったんです。

――どんどん大きくなっていく山、ですか。

升澤さん:要は「今後間違いなく伸びる産業」ということですね。
今の時代って、人間が人間らしく生きていくためには、衣食住に加えてITが必要不可欠だなと思っていて。この中で一番伸びる余地があるのって、ITじゃないですか。だから、ITしかない、と思ったんです。

あの、いきなりですけど僕、めちゃくちゃ成長欲求が強くて。身長ですらもミリ単位でいいから伸ばし続けたい、ってくらい、成長したがりなんですよ。(笑)

――おぉ…唐突ですね。(笑)成長欲求とITがどう繋がるのですか?

升澤さん:今まで自分を成長させてきてくれたハンドボールがなくなったときに、何で成長すればいいのかと考えると、一番手っ取り早いのは「産業自体が成長しているところに身を置くこと」だと思ったんです。そうすれば自ずと自身も成長していくだろうな、と。

――なるほど!ばっちり繋がりました!では、そこからはIT業界に絞って就活を進めていったのでしょうか?

升澤さん:はい。成長環境という面だけでなく、自分のやりたいことをやるための手段という面でも、ITがぴったりだなと思ったので、そこに身を投じようと決心しました。

先ほど「ますトレを事業化して、教える側と教えてもらう側のマッチングを図りたい」と述べましたが、これからの時代はオンラインでのコーチングが発展していくと僕は思っていて。
通信速度が速くなったり、解像度が上がったり…そういったIT技術の向上が、コーチングの世界を変えていくはずだと信じているんです。

――ほうほう。それで、夢を叶えるための勉強をIT業界でしようと思ったんですね。

升澤さん:そんな感じです!
あまりにも見る範囲を絞っていたので、「盲目的すぎやしないか」という不安も一瞬よぎりはしたのですが…。結局のところ僕のやりたいことはブレなかったので、自分の想いを信じて、そこに向かって駆け抜けていった結果、IT系の2社から内定をいただくことができました。

――その中から今の内定先を選んだ決め手は何だったのですか?

升澤さん社長への憧れが大きかったです。やっぱり、あの本を読んだときに抱いた気持ちが忘れられなかったんですよね。
それから、社会により大きな影響を与えるためには、規模の大きい会社に入るべきだとも思ったので、より大規模な今の会社を選びました。

――おお、「初志貫徹」という感じですね!ところで、今までのお話を聞いていると、升澤さんの就活はかなり順風満帆だったように感じたのですが、実際のところはどうでしたか?

升澤さん:そうですね…。誤解を恐れずに言えば、うまくいきすぎました
でも、それは決して僕がすごい人だったからというわけではなくて、「何をするか」が明確だったからに過ぎないんですよね。「これをやるためにここに行きます」と言い続けていたらうまくいっただけで。

100パーセント「ここだ」という確信がないまま、企業名というラベルに翻弄されている人がどこかで躓くのは当たり前だし、ゴールが見えていてそこから逆算して考えていく人がうまくいくのも当たり前なんです。

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必要なのは、ゴールから逆算する力

――おお…。最後まで升澤さんらしい答えをありがとうございます…!では最後に、この記事を読んでくださった学生さんに向けて、何かメッセージをお願いします。

升澤さん:今までも散々言ってきましたが、「どこに行くか」より「何をするか」、さらに言えば「何をするか」より「なぜするか」が本当に大事だと僕は思っています。
それを明確にしていけば、自ずとどこに行けばいいかは見えてくるし、自分の進んだ道は正しいと思えるはずです。皆さんにも、そういう就活をしてほしいなと思います。

――貴重なお話ありがとうございました!

取材:中野はな・山野内智也
編集:中野はな

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