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お知らせ

「キャリアの見える化」で博士人材の将来の選択肢を増やす

株式会社ビズリーチは、博士課程の学生や博士課程への進学を検討中の学生のキャリア選択を支援する「ビズリーチ・キャンパス for 博士」を2025年5月から提供しています。なぜ敢えて博士に特化したのでしょうか。「博士課程を修了した後のキャリアがあまりに見えない」。こう語る、株式会社ビズリーチの藤田拓秀新卒事業部事業部長に「ビズリーチ・キャンパス for 博士」の狙いや今後の展望などを聞きました。

目次

プロフィール
藤田 拓秀
株式会社ビズリーチ 執行役員/新卒事業部 事業部長
大学を卒業後、2013年に株式会社ビズリーチ入社。ビズリーチ事業部ビジネス開発部でコンサルタントとして従事した後、OB/OG訪問ネットワークサービス「ビズリーチ・キャンパス」の立ち上げに携わる。同サービスを運営する新卒事業部で、ビジネス開発職として日系大手企業の新卒採用支援に、また新領域推進室室長として戦略立案・実行に携わった後、2022年8月、新卒事業部事業部長に就任。

圧倒的に少ないキャリア情報

──「ビズリーチ・キャンパス for 博士」の概要を教えてください。

「ビズリーチ・キャンパス for 博士」は、博士課程の学生に加え、博士課程への進学を検討している学士・修士課程の学生を対象としたキャリア支援のプロダクトです。
学生は、このプロダクトを通じて博士号を持つ社会人にオンラインでOB/OG訪問ができ、博士課程を終えた後のキャリアについて具体的なイメージや知識を得られます。

企業側は、博士課程在籍中もしくは博士課程への進学を検討する学生向けに、OB/OG訪問の機会や、イベント情報を提供していきます。
株式会社ビズリーチは、キャリアに関するリアルな知識を得ることで将来の選択肢を広げてもらいたいと考え、OB/OG訪問を支援する「ビズリーチ・キャンパス」を2016年から提供してきました。

学士・修士課程の学生がメインユーザーの「ビズリーチ・キャンパス」では、
学生は、自身の興味がある企業で働いているOB/OGや、その企業から内定を受けている先輩にコンタクトをとります。

この機能を応用し、「ビズリーチ・キャンパス for 博士」では、学生が所属している大学の垣根を越えて、博士号を持つ様々な領域の社会人に話を聞けるようにしています。

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──学生にとってはどのような需要があるのでしょうか。

博士課程に進学する学生は毎年約1.5万人いますが、博士号取得後に民間企業や公的機関へ就職する人は、そのうち6,000人程度と一部に限られます。
現状では、博士課程の学生は、所属する研究室の先輩や教授から情報を得ながら、それまでの研究で培った高い専門性を活かせる就職先を自分で探し、エントリーするのが一般的です。

こうした、研究分野の延長である「既定路線」以外のキャリアを探すための情報は、ほとんどないのが実情です。

これは、そもそも博士人材が少ないことに加え、博士人材に特化して採用をしている企業やその情報が少ないことも原因でしょう。
さらに、学士や修士と比べて博士課程修了後に就職する学生は少ないため、その層に向けて情報を提供しようという民間のサービスは生まれにくくなっています。

国や大学の課題感

──たしかに、博士課程への進学を検討している学生や博士課程の学生向けと聞くとかなりニッチだと感じます。そんな中、なぜ「ビズリーチ・キャンパス for 博士」を立ち上げたのでしょうか。

日本ではいま、国や大学が博士人材の育成・活躍支援に力を入れています。
その取り組みを国や大学と共にすることは、学生時代の早い段階から様々な選択肢を検討できるように「ビズリーチ・キャンパス」というサービスを提供してきた、私たちのミッションだと考えました。

──国や大学はなぜ、博士人材の育成・活躍支援に力を入れているのでしょうか。

背景には、日本の研究力や産業競争力に対する危機感があります。
他の先進国が注目度の高い論文数を増やす中、日本だけが同水準にとどまり、国際的なシェアが大幅に減少しています。その背景の一つに、博士課程への進学率が日本では伸びていないことが挙げられます。

(図版)
・日本では博士人材が増えていない
・人口100万人あたりの博士号取得者数
出典:文部科学省 科学技術・学術政策研究所「科学技術指標2025及び科学研究のベンチマーキング2025」(2025年8月)

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こうした背景もあって、大学の国際競争力を上げるため、日本は国を挙げて博士人材の育成を強化しようとしています。

──博士課程を修了した後のキャリアを知ることがなぜ、博士人材を増やすことにつながるのでしょうか。

学士・修士課程の学生へのインタビューを通じて、博士に進みたいのに、仕方なく修士課程修了後に就職するというケースが一定程度存在することがわかってきました。
修士課程に在学中であれば学部生と同じように、新卒採用の枠組みで就職先を探せます。

一方で、博士課程修了後にどんなキャリアの選択肢があるのかが、学生にはわかりません。キャリアが不透明であるが故の不安感から、なかなか博士課程に進むことを選択できないんです。
博士課程を修了した後のキャリアの解像度が高まれば、安心して博士課程に進もうという学生が増えるかもしれません。
キャリアの解像度が高まることで、修士課程の過ごし方も変わってきます。

ある大学の先生から困っていることとして伺った話では、修士課程修了後に博士課程には進まず就職する場合、修士課程の1年生時は、授業への出席も厳しい場合があるそうです。
でも、博士に進む選択肢を視野に入れていれば、修士課程の間は研究に集中できます。

変わり始めた企業

──博士人材を採用する企業側に変化はあるのでしょうか。

まだ一部ではありますが、博士課程の学生を積極的に採用しようという企業も出てきています。
その背景には、企業による「より専門性の高い人材の獲得」へのシフトがあります。
以前は、総合職として一括で新卒採用し、ジョブローテーションをさせながら幹部候補を育成するのが一般的でした。

しかし、グローバルな競争が激しくなる中で、企業は新しい事業を次々と生み出す必要に迫られています。
その結果、即戦力人材が必要となり、短期間でスペシャリストを育てる方針に切り替わってきています。新卒採用の段階から、技術職を、専門性に応じ複数の職種に分けて採用する企業も出てきているくらいです。

専門性が求められるようになれば、博士課程の学生の需要は明らかに高まるでしょう。実際、工学、情報、農学、化学、食品系は特に、博士人材だからこそマッチするような求人が出てきています。
また、AIが浸透する中で、定型化された単純なタスクが減ってきています。今後、この傾向が強まれば、より専門性が高い即戦力人材が必要になるのではないかと思っています。

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好循環のきっかけを作る

──「ビズリーチ・キャンパス for 博士」の開始から約1年が経ちましたが、手ごたえはありますか。

共に取り組みたいと思っていただける大学が多く、協力者が増えているところに大きな手ごたえを感じます。
そうした大学とイベントを開催すると、多くの学生が集まります。博士課程修了後のキャリアに関する情報へのニーズはあると実感しています。

こうしたイベントの参加者からは「自分の専攻分野以外でどんなキャリアがありうるのか」「専攻以外の分野のキャリアを選んだ時にどんなデメリットがあるか」といった質問が出ていました。
専攻分野の延長線上の進路はわかるけれど、それ以外の選択肢はやはり想像しにくいようです。

──今後はどのように事業を拡大していく予定ですか。

博士課程は専門性を突き詰めているので、必然的に悩みも個別性が高くなります。情報系と人文系では、博士課程修了後のキャリアのあり方も全然違います。
だからこそ、自分と同じ専攻分野を修了してキャリアを歩んでいる社会人からでないと、リアリティのある答えを得られないことが多くあります。

毎年6,000人程度の博士人材が民間企業などに就職しているということは、10年で6万人規模の博士号を持つビジネスパーソンが生まれているということです。まずはこの方たちに「ビズリーチ・キャンパス for 博士」に登録していただくことで、学生がより個別の相談をできる状態を作っていきます。それによって、博士人材のキャリアの選択肢を増やしていきたいと考えています。

──博士人材の活躍の場を広げるためには、企業の変化も必要ですね。

今後、博士人材のキャリアの選択肢を増やしていくためには、やはり企業の協力も欠かせません。
例えば、多くの企業では夏や冬にインターンシップを開催しています。学士や修士課程の多くの学生が参加しますが、博士課程の学生は研究活動の都合上、数週間単位で研究を離れることが難しい場合もあります。

だからこそ、博士課程の学生を対象に短期間のインターンシップを開催するなど、民間企業と接点を持つ機会を設けることは、非常に意義深いと言えるでしょう。こうした取り組みを実施する企業も出てきています。

企業が博士人材を採用し、その方たちが就職後に活躍する事例が増えていけば、より博士人材のキャリアの選択肢も増えるという循環が生まれることが期待できます。
そのためにも我々は、博士課程に進み、修了した後に就職した方の事例をきちんと共有、発信していかなくてはいけません。

将来的には、こうした取り組みを通じて博士課程への進学が学生にとって当たり前の選択肢となること、それが日本の大学の国際競争力の向上、ひいては日本全体の発展に寄与できることを願っています。

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ビズリーチ・キャンパス for 博士のLPはこちら
https://site.br-campus.jp/phd