キャリアプランとは?
就活でいう「キャリアプラン」とは、ざっくり言うと「これからどんな仕事をして、どんな社会人になっていきたいか」という将来像のことです。必ずしも細かい職種名や年次ごとの目標まで決めておく必要はありませんが、「どのようなフィールドで」「どんな強みを生かして」「どんな価値を周りに提供したいのか」といった方向性は、ある程度言葉にしておきたいところです。
企業は、完璧な答えを期待しているわけではなく、「社会人として働くイメージができているか」「入社後も学びながら成長していけそうか」を知りたいと考えています。そのため、就活生にとってのキャリアプランは、将来をがちがちに固定するものというより、今の自分なりに“こうなりたい”を整理しておくための道しるべ、と考えるとイメージしやすいでしょう。
キャリアプランの重要性について
キャリアプランは、面接で答えるためだけのものではなく、そもそも「どんな社会人になりたいか」を考える土台になります。将来像がぼんやりしたままだと、企業選びや自己PRも一貫性が出にくくなってしまいます。そのため、就活生がキャリアプランを考えることはとても重要なのです。
【重要性①】入社後のミスマッチ防止
入社後のミスマッチを防ぐ上でも、キャリアプランを考えておくことは重要です。「なんとなく有名だから」「雰囲気が良さそうだから」といった理由だけで企業を選ぶと、実際の仕事内容や評価のされ方が、「自分の理想と大きく違っていた」ということになりかねません。
一方で、「どんな力を身につけたいのか」「どのような役割で貢献したいのか」といった将来像がある程度言語化できていれば、その軸に沿って企業や職種を比較しやすくなります。結果として、入社後に「思っていたのと違う」というギャップを減らし、自分に合った環境で成長していきやすくなるのです。
【重要性②】自己分析の能力の有無
キャリアプランをきちんと考えられているかどうかは、「自己分析がどれだけできているか」の目安にもなります。自分の強み・弱み、得意なことや苦手なこと、どんな場面で力を発揮しやすいのか。こうした要素を整理できていないと、「なんとなく成長したい」「幅広く経験したい」といった曖昧なプランになりがちです。
一方で、自己分析を通じて自分の価値観や興味の方向性が見えてくると、「だからこの業界に挑戦したい」「将来はこういう役割を担いたい」と具体的なキャリアプランにつなげやすくなります。これは面接での説得力にも直結する大事なポイントでしょう。
【重要性③】主体的にキャリアを選ぶ力の有無
キャリアプランを考えることは、「自分の人生を自分で選び取る力」があるかどうかを示すことにもつながります。
なんとなく周りに合わせて業界や企業を決めてしまうと、入社後に環境任せ・会社任せになりやすく、モチベーションも続きにくくなります。一方で、「将来こうなりたいから、この仕事にチャレンジしたい」という筋の通ったプランがあれば、困難な場面でも目的意識を持って行動しやすくなります。企業側も、主体的にキャリアを描ける学生ほど、入社後も自ら学び成長してくれそうだと感じやすいのです。
キャリアプラン作成の基本ステップ
キャリアプランをつくるときは、いきなり「将来の夢」を決めるのではなく、まずは自分をよく知るところから始めることが大切です。自己分析を通じて強み・弱みや価値観を整理し、その上で「どんな自分になりたいか」「そのために何が必要か」を考えていきます。
こうした流れを経ることで、応募先企業での成長イメージもより具体的に言語化しやすくなるのです。
【ステップ①】自己分析
キャリアプランを作る上で、自己分析は土台となるステップです。ここが曖昧なままだと、「なんとなく安定していそう」「有名だから」といった表面的な理由で企業を選びやすくなり、後のステップで将来像を描こうとしてもブレやすくなってしまいます。
まずは、これまでの経験の中で「頑張れたこと」「楽しかったこと」「しんどかったこと」を具体的な場面までさかのぼって整理してみましょう。そのとき、自分はどんな役割を担っていたのか、どんな環境だと力を発揮しやすかったのか、といった視点も合わせて言語化していくことが大切です。こうして自分の価値観や行動のクセが見えてくると、次のステップで強み・弱みを洗い出したり、「どんな社会人になりたいか」を考えたりする際の、確かな軸になってくれます。
【ステップ②】強み・弱みの洗い出し
自己分析で過去の経験を整理したら、そこから「自分の強み・弱み」を言葉にしていくステップです。ここをきちんとやっておくと、「どんな仕事なら力を発揮できそうか」「逆にどんな環境だと苦戦しやすいか」が見えやすくなり、キャリアプラン全体の現実味がぐっと増します。
強みは「リーダーシップ」など抽象的な言葉だけで終わらせず、「ゼミで議論がまとまらないときに必ず論点を整理してきた」など、具体的な行動とセットで考えるのがポイントです。弱みも、「慎重になりすぎて行動が遅れる」など、今後の成長課題として見つめ直しておきましょう。こうして自分の特徴を整理しておくことで、「将来なりたい自分の姿」や「応募先企業でどう活躍したいか」を描く際の、重要なヒントになっていきます。
【ステップ③】将来なりたい自分の姿を想像する
将来なりたい自分の姿を考えるステップは、キャリアプランの「核」になる部分です。ここでは、いきなり職種名や役職を決めるというよりも、「どんな価値を周りに提供していたいか」「どんな働き方をしていたいか」といったイメージをふくらませていきます。
例えば、チームで物事を動かすのが好きなら「周囲を巻き込んでプロジェクトを前に進める人」、コツコツ型なら「専門性を深めて頼られる人」といった具合に、強みや価値観と結びつけて描いてみると良いでしょう。このステップを丁寧に行うことで、「そのために何が必要か」「どの企業なら実現しやすいか」といった次のステップにも、自然とつなげやすくなります。
【ステップ④】将来なりたい自分に何が必要か考える
将来なりたい自分の姿が見えてきたら、次は「その姿に近づくために、どんな経験やスキルが必要か」を具体的に考えていくステップです。
例えば、「周囲を巻き込んでプロジェクトを動かす人」になりたいなら、まずは基礎的な業務理解やコミュニケーション力、調整力が求められそうだ、といった具合に、必要な要素を分解していきます。ここを丁寧に言語化しておくと、「だから若手のうちから〇〇の業務に関わりたい」「この企業の研修制度や評価制度が、自分の成長イメージと合っている」といった形で、志望動機や入社後のキャリアプランにも自然とつなげやすくなります。
【ステップ⑤】応募先企業でどのように実現していくのか具体的に書き出す
応募先企業でどのようにキャリアプランを実現していくのかを書き出すステップは、これまで考えてきた内容を「面接で語れる形」に落とし込む段階です。自己分析で見えた強みや価値観、「将来なりたい自分の姿」と、企業の事業内容・職種・育成制度などを結びつけていきます。
例えば、「まずは〇〇の業務で基礎を身につけたい」「中長期的には△△のような役割に挑戦したい」といった形で、数年スパンのイメージを言葉にしてみると良いでしょう。大切なのは、一社ごとにきちんと内容を変え、「なぜこの会社で実現したいのか」までセットで考えることです。そうすることで、志望動機やキャリアプランの回答に、一貫性と説得力が生まれていくでしょう。
面接時に活用しやすいキャリアプランについて
面接で話しやすいキャリアプランの特徴は、相手が「この学生は仕事の進め方を現実的に捉えている」と感じられるかどうかにあります。細かな役職名や年数にこだわる必要はなく、「まずはどんな力を身につけたいのか」「その力をどう活かしていきたいのか」といった“成長の方向性”が筋として通っていれば十分です。
また、面接官は“将来を一方的に決めつけている学生”より、“経験を積みながら視野を広げられる学生”を好む傾向があります。理想の姿を示しつつも、「実際の業務を経験しながら、必要に応じて柔軟に軌道修正していきたい」といった姿勢を添えることで、現実味のあるキャリア観として受け取られやすくなります。
【職種別】キャリアプラン例文
キャリアプランは、志望する職種によって重点を置くポイントが変わるため、自分が目指す働き方に合わせて言語化しておくことが大切です。営業・事務・技術といった代表的な職種のほか、企画・マーケティング、クリエイティブ、人事・総務などでも、成長の道筋や貢献の仕方はそれぞれ異なります。
【例文①】営業職
【例文】
『私は営業職として、お客さまの課題に寄り添いながら、信頼されるパートナーになっていきたいと考えています。入社1〜3年目は、まず個人・法人いずれの営業であっても、商品知識や提案の型を徹底的に身につけ、多くの商談を経験することで基礎力を高めたいです。その上で、中期的にはお客さまの業界や事業構造まで理解し、単なる商品のご紹介にとどまらず、売上向上や業務効率化など一歩踏み込んだ提案ができる営業を目指します。最終的には、後輩の育成やチームの目標設計にも関わりながら、組織として成果を出せるよう貢献していきたいと考えています。』
【ポイント】
短期・中期・将来像をざっくり三段階で示しつつ、「商品知識を身につける」「商談経験を積む」「業界理解を深める」など、営業職ならではの具体的な成長ステップが描けている点がポイントです。また、「売上向上」「業務効率化」といったキーワードを盛り込むことで、キャリアプラン 面接で問われる「企業への貢献イメージ」も伝わりやすくなっています。
【例文②】事務職
【例文】
『私は事務職として、社内の業務が滞りなく進むように支える存在になりたいと考えています。入社後しばらくは、まず書類作成やデータ入力、スケジュール調整などの基本的な業務を正確かつスピーディーに行えるようになることが目標です。その上で、ミスが起こりやすい箇所や手作業の多いフローを自分なりに振り返り、Excelや社内システムを活用した効率化の提案にも挑戦したいと考えています。将来的には、部署全体の業務を見渡しながら、関係部署との調整や新人のサポートも担えるような、“頼られる事務担当”を目指していきたいです。』
【ポイント】
事務職のキャリアプランとして大事な「正確さ」「スピード」「効率化への意識」が、段階ごとに整理されている例です。華やかな成果ではなく、日々の業務の質を高めていく姿勢を具体的に書いている点がポイントと言えます。また、将来像を「管理職」と言い切るのではなく、「部署全体を見渡し、周囲を支える存在」として描いているため、事務職らしいキャリアの伸ばし方として面接でも伝わりやすい内容になっています。
【例文③】技術職
【例文】
『私は技術職として、ユーザーにとって価値のある製品づくりに関わりたいと考えています。入社後は設計・実装・テストといった基本工程を一通り経験し、自社の技術に確かな理解を持つことを目標にしています。中期的には、特定領域で専門性を深めながら、小規模な機能の開発を主担当として任されるレベルを目指したいです。将来的には、技術面だけでなく利用者の視点も踏まえ、より良い改善提案ができるエンジニアとして成長していきたいと考えています。』
【ポイント】
技術職の成長ステップを「基礎の習得→専門性の強化→価値ある提案」という流れで簡潔に示している点がポイントです。また、「ユーザー視点」や「専門性」など、技術職で評価されやすいキーワードを押さえているため、面接官にも現実味のあるキャリアプランとして受け取られやすくなるでしょう。
【例文④】企画・マーケティング職
【例文】
『私が描いているキャリアプランは、企画・マーケティング職として“数字と現場の声”の両方を踏まえて施策を考えられる人材になることです。入社後はまず、データ集計や資料作成、キャンペーン運営のサポートなどに携わり、一連の流れや指標の見方を身につけたいと考えています。数年後には、小規模でも自分が主担当となる施策を持ち、仮説を立てて実行し、結果を検証して改善するところまでを任されることが目標です。将来的には、営業や商品開発とも連携しながら、中長期的なブランドづくりにも関わっていきたいと考えています。』
【ポイント】
企画・マーケティング職で評価されやすい「データに基づく考え方」と「現場との連携」を押さえつつ、成長ステップを段階的に描けている例です。いきなり大きな戦略を語るのではなく、「基礎業務→小さな企画の主担当→ブランド戦略へ」とスモールステップで示しているため、面接官にも現実味のあるキャリアプランとして受け取られやすくなります。
【例文⑤】クリエイティブ職
【例文】
『私はクリエイティブ職として、デザインを通じて課題を分かりやすく伝えられる人材を目指しています。入社後は、バナー制作や簡単なレイアウトなど日々の制作業務を丁寧に行い、基礎力とツール操作をしっかり身につけたいと考えています。数年後には、ターゲットや目的を踏まえて自分なりの提案ができるようになり、小規模な案件を任されるレベルを目標にしています。ゆくゆくは、クライアントや社内担当者と相談しながら、企画段階から制作まで一貫して関われるクリエイターとして成長していきたいです。』
【ポイント】
「有名な作品をつくりたい」といった憧れだけでなく、「課題解決につながる表現」という視点を入れている点が、クリエイティブ職のキャリアプランとして評価されやすいポイントです。成長のイメージを段階的に描けているのも良いところです。表現力だけでなく、ターゲット理解や関係者とのコミュニケーションも含めてキャリアを考えていることが伝わる内容になっています。
【例文⑥】人事・総務職
【例文】
『私は人事・総務職として、社員一人ひとりが安心して力を発揮できる職場づくりに関わりたいと考えています。入社後しばらくは、勤怠管理や各種手続き、採用事務などの日常業務を通して、会社の制度やルールへの理解を深めることが目標です。数年後には、新卒採用や研修運営など、社員の成長に直結する業務を一部任せていただけるようになりたいと考えています。将来的には、現場の声を拾いながら制度改善や働きやすさの向上にも携わり、組織全体を支えられる人事・総務の担当者を目指していきたいです。』
【ポイント】
人事・総務職の特徴である「社員を支える役割」と「制度・ルールへの理解」を押さえつつ、基礎業務→採用・研修→制度改善へと、成長のステップが自然につながる構成になっています。また、「有名な制度を作りたい」といった派手さではなく、「働きやすさの向上」「現場の声を踏まえた改善」など、地に足のついた表現になっているため、面接でも受け止められやすいキャリアプランといえます。
【年齢別】キャリアプラン例文
キャリアプランは「一生分」を決めるものではなく、まずは新卒〜30代にかけての大まかな道筋を描けていれば十分です。新卒〜20代前半、20代半ば、20代後半〜30代というようにいくつかの時期に分けて考えることで、10年以上先の読めない変化も踏まえつつ、自分なりの成長イメージを整理しやすくなります。
【例文①】新卒~20代前半
【例文】
『新卒〜20代前半の数年間は、社会人としての土台づくりに一番力を入れたいと考えています。まずは担当させていただいた業務を通じて、ビジネスマナーや報連相などの基本を身につけることを優先したいです。その上で、先輩方の仕事の進め方をよく観察しながら、任された業務を最後までやりきる経験を積み重ねていきたいと考えています。失敗も含めて多くのことに挑戦する時期だと捉え、20代半ば以降に選べるキャリアの幅を広げられるような力をつけていきたいです。』
【ポイント】
新卒〜20代前半を「派手な成果を出す時期」ではなく、「基礎体力をつける時期」として位置づけている点がポイントです。目の前の業務にきちんと向き合う姿勢と、先輩から学ぼうとする素直さが伝わる内容になっています。
また、「20代半ば以降の選択肢を広げる」という表現を入れることで、短期だけでなく中長期も見据えていることをさりげなく示せており、キャリアプランの考え方としても自然です。
【例文②】20代前半〜20代半ば
【例文】
『20代前半〜半ばの時期は、新卒の頃に身につけた基礎を生かしながら、自分なりの強みを仕事の中で発揮していく段階だと考えています。担当業務の幅を少しずつ広げ、小さな案件やプロジェクトであれば主担当として任せていただけるレベルを目標にしています。その中で、“数字に強い”“調整役が得意”など、自分が周りより一歩リードできるポイントを見極め、20代後半以降に専門性を深める土台を固めていきたいです。』
【ポイント】
この時期を「基礎固めの延長」ではなく、「自分の得意領域を仕事の中で試していく時期」として捉えている点がポイントです。いきなり大きな役職を目指すのではなく、「小さな案件の主担当」という現実的な目標を置いているため、面接でも無理のないキャリアプランとして受け止められやすくなります。
【例文③】20代半ば~20代後半
【例文】
『20代半ば〜後半のタイミングでは、それまでの経験を踏まえて“自分の専門性”を一段深めていきたいと考えています。担当領域の知識やスキルを磨き、より難易度の高い案件にも挑戦しながら、周囲から相談されるような存在になることが目標です。また、後輩やチームメンバーと関わる機会も増えてくると思うので、自分だけで完結させるのではなく、人に仕事を任せたり、サポートしたりする力も身につけていきたいです。』
【ポイント】
20代半ば〜後半を「専門性の強化」と「周りを巻き込む力」を育てる時期として捉えている例です。役職名には触れず、「相談される存在」「後輩をサポートする」といった表現で、リーダーシップへの入り口を自然に描けているのがポイントといえます。
成長の方向性が伝わりつつも、具体的なポジションを決め打ちしすぎていないため、業界や企業を問わず使いやすいキャリアプランになっています。
【例文④】20代後半〜30代にかけて
【例文】
『20代後半から30代にかけては、これまで積み上げてきた専門性をしっかり土台にしながら、周囲に良い影響を届けられる存在になりたいと考えています。20代で経験した仕事の幅をもう一段広げ、難しい案件や新しいテーマにも少しずつ挑戦し、自分らしい強みを形にしていきたいと思っています。また、後輩や同じチームで働くメンバーが動きやすくなるよう、情報の共有やサポートにも自然と手を伸ばせるようになりたいです。個人の成果だけでなく、チーム全体が前に進むための関わり方を身につけることが、この時期の目標です。』
【ポイント】
30代以降を細かく決め打ちするのではなく、「専門性の確立」と「チームへの貢献」という大きな方向性で語っている点がポイントです。ここでも役職名には触れず、「難易度の高い案件への挑戦」「後輩のフォロー」など、どの業界でも起こりうる成長イメージでまとめているため、就活生でも無理なく話せるキャリアプランになっています。
キャリアプランを答える際のNG例〇選
キャリアプランは「それっぽく」話せていても、中身しだいでマイナス評価になることがあります。例えば、会社を踏み台にしたような内容や、志望動機と矛盾しているプラン、志望企業では実現が難しい目標、プライベートだけの話に終始してしまうケースなどです。
避けたいNGパターンを押さえながら、自分らしさが伝わる答え方を考えていきましょう。
【例文①】会社を踏み台にしてしまっている
【例文】
『御社ではまず3年ほど経験を積み、その実績を生かして別の業界にも挑戦したいと考えています。いずれは自分の会社を立ち上げたいので、御社で学んだことを武器にキャリアの幅を広げていきたいです。』
【NGポイント】
キャリアプランとしては本音かもしれませんが、面接の場で「数年で転職するつもり」「起業のための踏み台にしたい」と受け取られる言い方をしてしまうと、企業側は採用に慎重になります。せっかく育成しても、戦力になる前に辞めてしまうのでは…と感じてしまうからです。
将来の独立や転職を完全に否定する必要はありませんが、少なくともキャリアプラン 面接では「入社後しばらくはこの会社でどう成長したいか」「どんな形で貢献したいか」を中心に語る方が安全です。長期的な夢を話す場合でも、「まずは御社で〜」と、目の前の会社での成長を軸に置いて伝えるようにしましょう。
【例文②】志望動機と食い違ってる
【例文】
『志望動機:「御社のようにBtoBで企業の課題解決に関わる仕事がしたいと考え、志望しました。」
キャリアプラン:「将来的には一般消費者向けの商品企画に携わりたいです。自分のアイデアでヒット商品を生み出し、多くの人に使ってもらえる仕事が理想です。」
』
【NGポイント】
志望動機では「BtoBで企業の課題解決に魅力を感じている」と話しているのに、キャリアプランでは「BtoCの商品企画でヒット商品を出したい」と答えてしまっているパターンです。このように、志望動機とキャリアプランの軸が食い違っていると、「本当にうちの仕事に興味があるのだろうか?」と疑問を持たれてしまいます。
キャリアプランを考えるときは、「なぜこの会社・この事業で実現したいのか」「志望動機で話した内容とどうつながるのか」を意識しておくことが大切です。両者に一貫性があるか、一度セットで見直してみると安心でしょう。
【例文③】志望企業で実現ができない内容
【例文】
志望動機:「国内での店舗運営ノウハウに惹かれ、まずは日本の店舗で経験を積みたいと考え志望しました。」
キャリアプラン:「将来的には海外拠点の立ち上げメンバーとして、海外店舗の運営や現地スタッフのマネジメントに携わりたいです。」
※この企業は海外展開をしていない、もしくは今後も予定がないケースを想定
【NGポイント】
企業として海外展開をしていないのに、「海外店舗の立ち上げ」「海外駐在」をキャリアプランの中心に据えてしまうと、「うちでは叶えられない前提で話をしているな」と受け取られてしまいます。事業内容や拠点、職種の有無をきちんと調べずに答えている印象にもつながりかねません。
キャリアプランを考えるときは、「この企業の事業や職種の範囲で現実的にありうるか」を一度立ち止まって確認することが大切です。その上で、「まずは〇〇の領域で経験を積みたい」「将来的には△△のような役割を担いたい」と、志望企業のフィールドの中で描けるプランにしておきましょう。
【例文④】プライベートな目標だけになっている
【例文】
『キャリアプランとしては、30歳までに結婚してマイホームを買えるような生活水準を目指したいと考えています。そのために安定した収入を得て、プライベートも大切にできる働き方をしていきたいです。子どもが生まれても家族との時間をしっかり確保できるように、ワークライフバランスの取れた環境で働きたいと思っています。』
【NGポイント】
結婚やマイホームなど、人生設計を考えていること自体は悪いことではありません。ただ、キャリアプランを聞かれているのに、仕事でどんな役割を担いたいのか、どのように成長して会社に貢献したいのかといった「キャリアの話」がほとんど出てこないと、面接官は評価のしようがありません。
プライベートな目標に触れる場合でも、「そのためにどんな働き方・専門性を身につけたいのか」「どのように会社の中で価値を発揮したいのか」と、仕事の話につなげておくことが大切なのです。
【例文⑤】プラン内容・期間などが抽象的
【例文】
『キャリアプランとしては、まずは御社でしっかり経験を積み、その後はさまざまな業務にチャレンジしながら成長していきたいと考えています。ゆくゆくはリーダー的な立場になって周りを引っ張っていけるような存在になりたいです。期限についてはまだはっきりとは決めていませんが、その時々で自分にできることを精一杯やっていきたいと思っています。』
【NGポイント】
一見前向きな内容に見えますが、「しっかり経験を積む」「さまざまな業務」「リーダー的な立場」など、どれもふわっとしていて具体性に乏しい例です。いつ頃までに、どのような力を身につけたいのか、どんな仕事で周囲に貢献したいのかが見えてこないため、面接官も成長イメージを描きづらくなります。
キャリアプランを話すときは、「入社〜数年」「その後数年」といった大まかな区切りで構わないので、期間と内容をセットでイメージしておくことが大切です。
まとめ
面接で聞かれるキャリアプランは、「立派な将来像」を語る場というより、あなたがどんな価値観で働き、どのように成長していきたいのかを伝えるための質問です。自己分析から強み・弱みを整理し、「どんな社会人になりたいか」「そのために応募先企業で何を経験したいか」を、職種や年代のイメージと結び付けながら言葉にしてみてください。
今回紹介したOK例・NG例をヒントにしつつ、「この会社でこう成長していきたい」という筋の通ったプランを、自分の言葉で語れる状態まで整えておくと安心でしょう。
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