金融業ってどんな仕事?
「金融」とは、「お金を融通する」と書きます。資金を多く持つものが、必要なものに資金を橋渡しする役割をすべて「金融業界」と呼んでいます。なんとなく、「銀行・保険・証券」の3種類を「金融業界」と呼ぶ、という認識でいる人も多いのではないでしょうか。近年、金融業界各社が、自由にサービス料金を設定できるようになり、銀行、証券、保険などの分野の枠を越えることができるようにもなりました。たとえば銀行が証券や保険を販売することができるようになり、「融資の仕事がしたかったけど、個人のお客様に投資信託のご案内をしています」という銀行マンも珍しくなくなっています。とはいえ、それぞれの「得意分野」と「メインの仕事」はやはり今でも強みです。特に、「リテール」と呼ばれる「個人」を対象にした分野か、「ホールセール」と呼ばれる「法人」を対象にした分野に興味があるかで大きな違いがあります。まずはしっかりとそれぞれの役割を学んでおきましょう。
都市銀行(メガバンク)
大都市に基盤を置き、全国規模で支店網を持つ銀行を都市銀行と言います。現在、日本で都市銀行(都銀)は、みずほ銀行、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、りそな銀行、埼玉りそな銀行の5行です。さらに、そのなかでもみずほ銀行、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行をふくむ、みずほフィナンシャルグループ、三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループ、をメガバンクと呼びます。預金・融資・為替という、いわゆる銀行の3大業務を全国規模、世界規模で行なっています。
地方銀行
全国展開する都市銀行と違い、地元・地域の企業や個人を対象に、預金・融資・為替の業務を行なっています。全国地方銀行協会に加盟する「第一地銀」と、相互銀行から転換した第二地方銀行協会に加盟する「第二地銀」があります。自分の志望する地銀がどちらか、面接の前に把握しておきましょう。面接時に「知っている?」と確認されたりすることがあります。
信託銀行
信託業務(有価証券・不動産・知的財産などをふくむ)と併営業務(相続関連・証券代行・不動産関連業務など)をメイン業務として行なうことができる銀行を信託銀行と呼びます。金融資産に限らず、お客様のあらゆる資産に関して、「信」じて「託」していただく銀行です。一般の銀行よりも、富裕層を中心としたお客様とより深い信頼関係を構築していくこと、高い専門性と幅広い知識が求められます。
信用金庫
銀行と同じ、預金・融資・為替業務を取り扱う、という点では同じですが、最大の違いは「非営利団体」であることです。地域社会や会員のための利益を優先しています。「信用金庫法」で定められた金融機関で、その地域や会員組織の中小企業や個人を対象にした協同組織になります。
生命保険
「人の生命に関して、かけられる保険」が生命保険です。日本では20年、30年と積み立てて将来に備える貯蓄性の高い保険が好まれてきました。近年ではすべてネット上で完結する生命保険会社も登場してきましたが、女性を中心とした自社営業スタッフが契約を獲得するスタイルが今も主流です。
損害保険
生命保険が、「人の生命にかかわり、必ず支払うことを約束する保険」であるのに対して、損害保険は「偶然の事故や災害によって発生した損害を補填する保険」になります。生命保険会社が自社の社員で保険をセールスするのに対し、損害保険はセールスを「代理店」が担当するのも、大きな違いです。
証券会社
金融業界の垣根が低くなったことで、証券の売買に関わるブローカー(委託売買)業務・ディーラー(自己売買)業務、証券の発行にかかわるアンダーライティング(引受)業務、セリング(募集・売り出し)業務といった証券会社の四大業務だけでなく、リテール向けのアセットマネジメント(資産管理)業務に力を入れる証券会社が増えています。
「金融業界」志望動機の書き方
金融業界は、全般的に志望動機に対する選考時の位置づけが高い業界です。「なぜ金融業界を選んだのか」「なぜ金融業界の中でもその業種、その企業なのか」を明確にすることを求められます。その金融機関の「特徴」をあげることが重要なのではなく、「なぜあなたはその点を重視するのか、どのような志向性でその結論に至ったのか」まで伝えられるかが重要です。まずは、各業態の大まかな特徴から、「志望動機の書き方のイメージ」をつかんでみましょう。さらに、個別企業が力を入れている分野や方向性まで、企業研究を進めてください。
都市銀行(メガバンク)
世界に向けて展開する日本企業のグローバル規模のプロジェクトを支えることができることが興味を持った一番のきっかけです。グローバル経済を学ぶゼミで、銀行がビジネスの進出を支えたケースを学んだとき、「知識と経験を重ねていくことで、一つのビジネスを成功させるだけにとどまらず、日本の国益そのものに貢献できる仕事だ」と感銘を受けました。経済を専攻したものとして、今まで学んだ知識を活かしたい、興味を持って取得した資格を活かしたいと考え、都市銀行のホールセール部門での仕事を希望しています。なかでも貴行は最も強固な海外ネットワークをお持ちです。最も豊富な事例を経験できると考えております。
地方銀行
金融という、企業にも個人にも重要な局面をささえる仕事に興味を持ちました。部活動のマネジャーとして、情報や環境整備で選手がさらに活躍する姿を支えてきたことと、共通性を感じたからです。さらに地域密着型のサービスという点で、一つのお客様と長くお付き合いができる点にも惹かれています。この地域ですべての地銀の店舗見学におじゃましたなかで、お客様がもっともいろいろな「相談」をしやすいように取り組まれていると感じたことから、そのような環境で働きたいと考えています。
信託銀行
「銀行なのに、不動産や投資信託、遺言まで、こんなに幅広い仕事にチャレンジできるのか」と驚いたのが最初に興味をもったきっかけです。大学時代、2つの資格取得と成績優秀者へのチャレンジ、アルバイトでのトップセールスを狙うことを同時にチャレンジしたときは、集中力をキープしながら次々にやるべきことに取り組むことができたと考えています。そのような、「自分を常に成長させる環境」があるのではないかと感じたため、志望いたしました。
信用金庫
「信用金庫は、転勤が少ないよ」この点に惹かれています。自分の個人的な理由ではなく、転勤が少ないことで、お客様と長くお付き合いができる、地域企業の支援に最初から最後まで立ち会うことができるのではないかと期待しているからです。
生命保険
生命保険は、自分だけでなく家族を大切に思う気持ちをカタチにしたものなんですよ、とOGの先輩社員の方からおしえていただきました。なにかセールスをするのなら、自分が自信をもって「よいもの」をお勧めしたいと考えていた私にとって、とても心に響きました。
損害保険
「リスクをコントロールする」この言葉を、学内合同企業説明会でうかがったとき、「こんなにやりがいのある仕事はほかにない」と感じました。事故は避けられなくても、事故の後のリスクは減らせる、とお聞きして、実際に交通事故で入院した経験のある私にとって、「その安心を一人でも多くの人に伝えたい」という思いに気が付いたからです。
証券会社
銀行などでも投資信託が売り出されたり、ネット証券が多数うまれたりするなか、私が仕事でこだわりたいのは「商品が同じなら、営業の魅力で取引先を決めたい」と思われるような営業マンになることです。それが最もシビアに評価されるのが証券会社ではないかと感じています。
志望動機、これでいいかな…そんなときは
金融業界は「志望度合いの高さ」を、「なぜ他社ではなくウチなのか」をきちんと説明できる、という点で評価するところが多い業界です。
「志望動機、これでいいのかな…」不安になったときは、実際にその会社で、さらに「志望している職種で」活躍している先輩社員に客観的に見てもらうのがいちばん。また、総合職を志望しているなら、なるべく早い段階でリクルーターに紹介してもらいたいものです。「この学生はマナーも志望度合いもきちんとしているから、採用担当者に紹介できる」という印象を持ってもらうのも重要です。
「OB訪問」はいつはじめても「役に立った」「やってよかった」という先輩学生の声多数。就活をはじめる前で、どんな職種があるか知りたい!という学生さんも、四年生で本命企業の面接直前です!という学生さんも、ぜひOB訪問を活用してくださいね!
一次情報を得て、自分の未来を見つけに行こう
採用ホームページやニュースなどのメディアを読んで、業界・企業研究に励むことはとても大事なことです。 しかし、それらの多くは二次情報に過ぎません。何かしらのバイアスがかかっており、正しい情報であるかどうかは自身で選択していかなければなりません。
情報収集で重要なことは、「どれだけ新鮮な一次情報」を得られるか、ということ。 そしてその一次情報を得る手段としては、「とにかく人と出会う」ことが重要になります。
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