就職活動において、やるべきことはたくさんあります。しかし企業研究は範囲が広すぎて、どこから手をつければよいかわからないという学生も多いのではないでしょうか。
そのような時は、業界研究本を読むことから始めると効率よく進められます。まず関心のある業界をピックアップし、業界や個別企業を深く研究するという進め方が良いでしょう。
ここでは業界研究にあたり、ぜひ読んで欲しい4冊を紹介します。
業界研究はなぜ必要なのか
業界研究はどうして必要なのでしょうか。その理由を考えてみましょう。
就職後のミスマッチを無くすため
最近の企業では能動的な従業員を求める傾向にあり、また個々人の能力開発も重視しています。そのため、興味に合わない業界に進むと同期との差もつき、大変苦しい社会人生活となるでしょう。 能力を発揮するためには、あなたに合った業界や職種で働くことが大切です。そのためにも業界研究は大切です。
ビジネスでのマクロな視点を得られる
ビジネスでは、競合他社を意識したり、グループ内企業との連携を重視することが少なからずあります。また、どの企業が業界を主導しているかを知ることも重要です。 他にも、それぞれの企業が国内や海外でどのくらいのシェアを持っているか、知っておく必要があります。 このように業界研究をすると、ビジネスでのマクロな視点を得られることも特徴の一つです。
成長産業か、成熟産業かを見分ける
あなたが希望する業界が成長産業なのか成熟産業なのかは、就職後の人生に大きな影響を及ぼします。 成長産業では忙しいかもしれません。しかし売上や給与も大きく伸びる可能性がありますから、働きがいを得ることもできるでしょう。 一方成熟産業では今後の大きな成長は望みにくく、往々にしてパイの奪い合いになります。そのため、働いても報われないこともあるかもしれません。 就職先の選択肢がもっとも広いのは、就活のときです。そのためどの業界に進むか良く考える材料として、業界研究は大切です。
業界研究おすすめ本4選
業界研究をする際には、インターネットも一つの方法です。 しかし業界の概要をつかんだり、多くの企業を比較検討する場合は、業界研究本を読む方が効率的です。それは編集者があらかじめ就活に必要な情報を精選し、コンパクトにまとめているためです。 数ある業界研究本の中でも、以下の4冊はおすすめです。 会社四季報 業界地図 就職四季報 企業研究・インターンシップ版 日経業界地図 図解入門業界研究シリーズ ここではそれぞれの業界研究本の魅力について、説明していきます。会社四季報 業界地図
「会社四季報 業界地図」は「会社四季報」を刊行する東洋経済新報社が発行しています。 本のサイズはB5版、全ページがカラー印刷で、Kindle版もあります。
業界別に174の項目に分けて説明しており、特に注目の業界は巻頭にまとめて記載しています。
各業界は見開き2ページでの解説が基本です。業界内の主要各社の関係を中央に、まさに地図のように図解で示されています。グラフや図も多用しており、視覚的に業界の動向をとらえやすい構成となっています。
また以下の内容も掲載されており、業界の概要がつかめるようになっています。
業界規模、業界の今後の見通し 主要各社の社名、売上高、営業利益、平均年収、平均年齢、売上高などの前年比増減 各社間の関係や、他業種との関連 業界ごとのコメント
さらに就活生が読む業界研究本という点も踏まえて、業界知識をつけられる記事も掲載されています。
業界地図の見方や、会社四季報を見る際の用語説明(巻頭ページ) 「もうけの仕組み」(利益をあげる仕組みを、図解も交えてわかりやすく解説) 業界キーワード 職種ガイド(職種の説明) 注目の会社、注目の街やエリア
もちろん業界ごとの説明だけではなく、巻頭ページには以下のような業界間の比較やランキングも掲載されています。
業界規模ランキング 各業界のトップ3企業 業界ごとの平均給与ランキング
「会社四季報 業界地図」は業界の概要を一目で見渡せる本ですから、進むべき業界を選ぶために使うと良いでしょう。業界研究の1冊目としてふさわしい本といえます。
就職四季報 企業研究・インターンシップ版
出版元は「会社四季報 業界地図」と同じく、東洋経済新報社です。インターンシップを機に企業研究を始める人に特化した業界研究本となっています。本のサイズはB6版、本文ページはモノクロです。またKindle版もあります。
インターンシップが何かわからなくても、この本で理解できることが大きな特徴の1つです。インターンシップ当日は企業講演があるタイプなのか、それともグループワーク形式なのかということも、この本である程度わかります。 あわせて、予め入場予約が必要だったり、面接対策が必要なのかということについても解説されています。
またインターンシップの説明にとどまらず、企業研究や業界研究、仕事内容の説明にも多くのページが割かれていることも特徴です。就職後を見据えた解説もされています。
それぞれの章では随所に図や表、イラストがあり、視覚的にわかりやすくなっています。また、以下のような工夫もされています。
重要な情報には、太線が引かれている インターンシップや就活ならではの注意点を解説 随所に課題が設けられ、調べた結果などを書きこめる 各章の最後のページには○×テストがあり、理解度を確認できる
これにより、読んで課題をこなすだけでインターンシップや業界の研究が進められる仕組みとなっています。
また巻末には、インターンシップを行う主要企業の情報がコンパクトにまとめられています。特にインターンシップは概要、時期、実施箇所、募集人数など、簡潔かつ十分な記載がされていますから、対策を立てる参考となるでしょう。
日経業界地図
日経業界地図は、日本経済新聞社が発行する業界解説本です。サイズはB5版、全ページカラーとなっています。またKindle版もあります。
巻頭や本文には以下のような工夫がされており、「会社四季報 業界地図」よりも就活に一歩踏み込んだ構成となっています。
巻頭袋とじに「いまさら聞けない経済ニュース&日経TEST」があり、知識をチェックできる 巻頭特集記事として、就活に向けた日経業界地図の使いこなし方の説明がある 各業界のページでは、業界の理解に役立つ図解や解説がある 見開き下の文章に業界の基礎知識の解説があり、就活生でもわかりやすい
またビジネスマンは多忙であるということから、以下のようにわかりやすさ重視の構成になっていることも特徴です。
各業界のページでは、企業間の関係を地図のように、図解で示している ページ上部に、業界の概況を20文字前後で示している ページ右下に、業界のポイントとして1~2項目を、25文字以内で説明している 巻頭や各業界のページで、主な品目ごとの企業シェアをグラフで示している
さらに、最近の日本経済界のニュースやキーワードなどの解説もありますから、話題に乗り遅れる心配もありません。業界ごとに年表の掲載もあります。 もちろん日経記者による今後の注目ポイントなど、コメントも記載されています。
また本文に掲載されている各企業については、主力製品やサービス、売上高、営業利益、従業員数等といった、基本的な情報も記載されています。
このように日経業界地図は、就活生にとって使いやすい業界研究本といえるでしょう。
図解入門業界研究シリーズ
他の業界研究本はすべての業界の内容が1冊に納められていることに対し、このシリーズは業界ごとに特化した内容となっていることが特徴です。そのため、業界をすでに絞っている学生におすすめしたい本です。
本のサイズはA4版、本文は2色刷りです。なお業界によっては巻頭カラーページが設けられている場合もあります。
本文に記載されている内容は業界ごとに異なりますが、おおむね以下のような項目となっています。
業界のトピックスやトレンド 業界の概要や、現状と課題、及び将来について 業界構造や主な企業の説明 職種の紹介や、その職種の代表的なタイプ 仕事内容の説明 業界各社の戦略 仕事をする上で求められる姿勢やスキル 有資格者しかできない仕事の場合は、資格の種類と取得方法 公的制度や国家、地方自治体の予算と関連する場合は、その内容の説明
随所に図解や表、グラフなどがあり、わかりやすくなっています。また欄外にはコラムや業界用語など、就活に役立つ知識が満載です。
本によっては見開き2ページで説明するようにするなど、さらにわかりやすくする工夫もされています。
おわりに
ここまで、さまざまなタイプの業界研究本を紹介してきました。
どこから業界や企業研究など、就活の対策を始めたら良いかわからない!という学生でも、まず手にするべき一冊が見つかったのではないでしょうか。ぜひ書店などに出向き、本を手にとって見て下さい。
そして今日から業界研究本を第一歩として、就活準備を進めていきましょう。
また、就活を進めていく中で選考対策をすることが必要になってきます。その際に、母校のOBの方にアドバイスを伺うことで有利に対策をすることができます。
一次情報を得て、自分の未来を見つけに行こう
採用ホームページやニュースなどのメディアを読んで、業界・企業研究に励むことはとても大事なことです。 しかし、それらの多くは二次情報に過ぎません。何かしらのバイアスがかかっており、正しい情報であるかどうかは自身で選択していかなければなりません。
情報収集で重要なことは、「どれだけ新鮮な一次情報」を得られるか、ということ。 そしてその一次情報を得る手段としては、「とにかく人と出会う」ことが重要になります。
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