GABって何?
GABとは、日本SHL社が開発・販売している総合適性テストです。大卒・短大卒を対象にした新卒総合職の採用のために開発された検査で、もともとはペーパー形式試験であるマークシート・テストのみでしたが、2012年にWeb版がリリースされ、Webテストとしても活用されるようになりました。
内容は知的能力(言語・計数)とパーソナリティ(人とのかかわり方、考え方など)について測定、入社時に見ておくべき「ヴァイタリティ」「チームワーク」などの9つの能力特性、将来のマネジメント適性、「営業」「研究/開発」などの8つの職務適性について予測するものです。グローバル展開する企業のために、英語でも同様の試験が受けられるグローバル版にも対応しており、世界統一基準で選考をする必要がある企業などに強く支持されているテストです。GABを利用する代表的な業界は総合商社と金融業界ですが、このような理由もあるでしょう。
GABには、企業によって3種類の受験スタイルがあります。
自宅受験するWebテスト版「WebGAB」
所要時間合計80分(例題込み)
言語理解 52問25分・計数理解 40問35 分・パーソナリティ68 問 約20 分
※パーソナリティは必ずすべての設問に回答するため、セッションタイムアウトを除いて基本的に時間制限はありません。一般的な回答時間が約20分となっています。
会場に出向いて受験するテストセンター版「C-GAB」
試験時間45分(例題込み)
言語理解32問15分・計数理解29問15分・英語24問10分。
※パーソナリティ試験は、各自事前にWeb上で受験します。
個別企業の用意した会場に出向いて受験するマークシート版「GAB」
所要時間合計90分
言語理解 25分・計数理解 35 分・パーソナリティ 約30 分
※問題数は公表なし
GABとSPIの違いって?
そもそも「GAB」と「SPI」は、就職選考試験の過程で受ける能力試験・適性試験の「それぞれ別の会社の商品名」です。
「GAB」は「日本SHL社」の、「SPI」は「株式会社リクルートキャリア」の商品になります。企業ごとに、導入している能力試験・適性試験が異なるのは、その利用目的が異なるからです。また、多くの企業では「自社を受験する学生の能力や適性が、経年でどのように変化しているか」を比較・追跡調査したいと考えるケースが多いため、毎年同じ能力試験・適性試験が実施される傾向があります。
自宅で受験するWebテスト版、会場に出向いて受験するテストセンター版、個別企業の用意した会場に出向いて受験するマークシート版がある点は「GAB」も「SPI」も同様です。違いは能力試験の問題の出し方です。
・SPI:短い文章でシンプルな設問が出される。1科目のなかに、さまざまな分野の出題がある
・GAB:言語・計数ともに、長文や図表の読み取りを短時間で回答する必要がある。1科目のなかに同じ形式の問題が続く
SPIもGABも問題を解くのに必要な学習知識は中学修了程度の内容になりますが、GABは長文読解能力に合わせて、相当の処理スピードを要求されます。「GABがWebテストの中でいちばん難易度が高い」と就職活動を経験した先輩学生に言われている理由です。
GABとCABの違いって?
「SPIとGABが違う会社の別の試験だということはわかったけれど、似たような名前のCAB(キャブ)っていう試験があるらしいんだけどなんですか?」という質問も多くあります。
CABって何?
CABとは、GABと同じく、日本SHL社が開発・販売している総合適性テストのひとつです。GABは、特定の職種を対象にした試験ではありません。一方、CABはある特定の職種にフォーカスした能力試験・適性試験になります。それが「コンピュータ職」です。一般的にSE(システムエンジニア)、プログラマと呼ばれる職種についての適性を専門に測る試験になります。そのため、IT業界やSE、プログラマ関連職種を志望しない学生が、このCABを受験することは少ないと言っていいでしょう。したがって、文系総合職志望の方、理系でも電機・機械や化学、建築学科などで、専門職や研究職を志望されている方はCABの対策をする優先順位は高くありません。
CABはGABと比較してだけでなく、SPIや玉手箱といったほかのテストとも内容が大きく異なります。言語分野のテストはなく、暗算などの計数関連、命令表などの思考力を試す内容となっています。
所要時間合計:Webテスト版72分・マークシート版95分
内容:則性・命令表・暗号・パーソナリティ
※パーソナリティ試験はGABと共通です
GABを出すのはこの企業!
CABに対して、GABは職種を限定していませんが、GABを実施している会社にも特徴があります。GABを採用選考試験に利用している代表的な企業は三井物産です。C-GABを利用しています。
比較的高い知的能力を求める企業、「新卒採用は営業職のみ、販売職のみの配属」という企業ではなく、企画職やバックオフィスにも新卒を採用する大企業が利用する傾向があります。
いずれにしても、GABはSPIと全く違う問題形式です。対策をとる必要がありますが、自分が希望する業種・職種によっては一度もGAB形式のテストがなかった、ということもありえます。志望企業がどのタイプのテストを利用しているか知りたい、という方にお勧めするのがこちらの書籍です。
この業界・企業でこの「採用テスト」が使われている! 【2019年度版】
2017年の夏インターンシップ選考100社、2018年卒対象の選考1200社、計1300社分の人気企業の採用テストについて掲載しています。
一般的に、企業は毎年同じ種類のテストを実施する傾向があります。すでに志望企業が決まっているなら、より重点的に対策すべきテストが何か把握して取り組むと効率的です。
GAB対策のコツ
志望企業がGABを利用していることがわかったら、対策が必要です。SPIとは全く異なるGABの試験内容。本番ではじめて取り組む人と、一度でも体験したことがある人とでは結果が大きく変わってきます。おおまかな内容と、気を付けるべきことを言語編・計数編に分けてまとめます。
言語編
▼出題形式
出題スタイルは全問共通です。数百字の本文を読み、その本文について書かれた3~4つの設問分について、それぞれ以下A~Cのいずれに当てはまるかを回答します。
A. 文脈の論理から明らかに正しい。または正しい内容を含んでいる
B. 文脈の論理から明らかに間違っている。または間違った内容を含んでいる
C. 本文の内容からだけでは、設問分は論理的に導けない
本文例:私は読書が好きです。なぜならどんな場所でも楽しむことができるからです。
設問例:読書をするには、静かな場所がいちばん集中できる。
実際の本文はこんなに短くはありません。このように対応する箇所がはっきりしている場合は判断しやすいのですが、長文になることで文章の趣旨をしっかり把握するのが難しくなります。コツは「本文」に忠実に判断することです。一般常識や自分の考えを反映するものではないということを意識しましょう。
計数編
出題スタイルは全問共通です。表やグラフ、図形から数値を読み取り、設問にあった数字を選択します。
例:下記の表から数値を読み取り、選択肢から答えを1つ選びなさい
A社の従業員数推移
A社の2015年度本社従業員数は、1995年度大阪支社の何倍か
4.3倍 1.2倍 12倍 0.4倍
設問自体は難しいものではないのですが、とにかくスピードが必要です。コツは選択肢同士の数値が大きく違うときは、「概算」で求めればよいということです。必ずしも正確な計算の答えを求めなければならないわけではないと意識して取り組んでみましょう。
オススメGAB対策本
多数の本が出版されているSPIと異なり、GAB対策本は多くありません。そのなかでも、毎年改定版を出版しているのがこちらです。GABよりもCAB対策のページのほうが分量が多いのですが、法則性を知るだけでも取り組みやすさに違いがでます。
必勝・就職試験! 【Web-CAB・GAB Compact・IMAGES対応】CAB・GAB完全突破法! 【2019年度版】
効率的な学習で、難易度が高いといわれるGABの選考通過率をあげていきましょう!
webテスト対策は必要。でも、本質的なキャリア形成をしたいなら
webテスト対策は、内定の確率を上げるのに必要なことですが、はたして「内定を獲得すること」は真のゴールといえるのでしょうか?
「仕事」という時間は人生の大半の割合を占めています。そんな中、周りの意見や評価に流され、自分の心の中の意思に反する形でキャリアを選ぶことは将来の自分の首を苦しめるだけなのではないでしょうか。 テスト対策に取り組む前に、ぜひ自分自身と語り合ってみてください。
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