そもそもWebテストってなに?
Webテストとは、「能力試験・適性試験を、インターネットに繋がったパソコンを利用して受験するスタイル」の総称です。どんな内容の試験を受けるかは、各企業が採用しているWebテストの種類によって異なります。まずはどのような内容の試験を受けることになるのか、どのように受験するのか確認しましょう。
【どんな内容なの?】
大きくわけて2種類、知能を問う「能力検査」と、性格やストレス耐性、価値観といったものを測る「性格・適性検査」に大別されます。それぞれ、さらにいくつかの項目に分かれており、企業は自社の求める問題形式を組み合わせて実施します。実施率が高いのは、「言語&非言語&性格適性」の3種類の組み合わせです。
▼能力試験
→言語分野:いわゆる国語的な設問です。
→非言語分野(数的能力):いわゆる算数的な設問です。
→英語能力:英語力を確認する設問です。
→事務処理能力:同じ作業の繰り返し、間違い探しなどで事務処理能力を確認します
→一般常識:時事問題などが出題されます。Webテストではあまり利用されません。
→IT適性:プログラマーをはじめとするIT業界の職種適性を見る能力試験です。
▼適性試験
→性格検査:個人の行動特徴や性格についての検査です。
→ストレス耐性検査など:適性試験の中には、細かな気質・性質について確認するためのテストも存在しますが、学生にその目的はほとんど開示されることはありません。
【Webテストはどうやって受けるの?】
受験方法は大きくわけて3種類。いずれの方法で受験するかは、企業によって異なります。試験によっては、一度受験すれば複数の企業の選考に流用できるケースもあります。
▼自宅や大学、ネットカフェなど、インターネットが繋がり、利用条件に適合する任意のパソコン(一部スマートフォン可)で受験する
動作確認が必要ですが、交通費や移動時間を使うことなくWebテストを受験することができます。
▼専用に用意された「テストセンター」に、出向き受験する
前もって予約をとり、専用の会場で受験します。動作確認がとれていること、テストに適した環境であること、受験に際し、不明な点はスタッフに確認できること(内容については不可)などのメリットがあります。なお、インターネット経由で受験するという意味で、自宅で受験するのもテストセンターで受験するのも「Webテスト」です。一部の企業で、あえて区別をつけるために自宅受験型を「Webテスト」、会場受験型を「テストセンター」と呼び分けているケースがあります。
▼企業の用意した選考会場や会社内に用意されたパソコンで一斉に受験する
実施企業は少数ですが、Webテストを企業内で受験するパターンも存在します。
今回、Webテストについて解説しましたが、同じような内容の試験を、マークシートを用いた筆記試験で行なう企業もあります。選考ステップによって、複数のテストを組み合わせるケースも珍しくありません。とはいえ、最も受験可能性の高いのがWebテストになります。対策と勉強をするなら、まずはWebテストからはじめるとよいでしょう。
「テストセンター」「SPI」と何が違うの?
「Webテスト」が何かはわかったけれど、先輩の体験談やキャリアセンターの就職講座でよく聞く、「SPI」という試験について。生協の就活対策コーナーにも「SPI対策本入荷しました!」って書いてあるし、就活で受ける試験のことをいうのかな…?と疑問に思っている方のために、「Webテスト」「テストセンター」「SPI」の関係についてスッキリまとめました。
「SPI」は商品名!
よく誤解されているのが、「Webテスト=SPI?」ということ。これは必ずしもイコールではありません。例えて言うなら、「Webテスト=瞬間接着剤(商品カテゴリ)」「SPI=アロンアルファ(商品名)」「テストセンター=プラスチック用(商品の使い方)」という関係です。SPIとは、株式会社リクルートキャリアが開発した「採用で最も利用されている適性検査」の商品名です。アロンアルファといえば瞬間接着剤、サランラップといえば食品用ラップフィルム、といったように、「SPIといえば採用の適性検査」となっている、と考えてください。さらに、SPIにはWebテストだけではなく、ペーパーテストも存在します。「テストセンター」も、SPIの受験方式のひとつです。企業は目的によって、SPIを「自宅のパソコンで」受けてもらったり「テストセンターで」受けてもらったり「会場でマークシートで」受けてもらったりします。このあたりの言葉の定義が食い違っていると、せっかく先輩に情報を聞いても混乱することになるため、よく確認することが必要です。
実施率の高いWebテスト
Webテストの概念を学んだところで、よく利用されている3つの商品についてご紹介します。これら3つの試験については、必ず本番前に一度内容を確認しておくことをおすすめします。
玉手箱
日本エス・エイチ・エル株式会社のWebテストの商品名です。日本エス・エイチ・エルでは玉手箱の他にも、「WebGAB」、「WebCAB」というWebテストを扱っています。自宅受験の他に、テストセンターも存在します。
GABとCABについては、マークシート形式のペーパーテストも存在しますが、玉手箱にはペーパーテストはありません。
▼内容
計数…四則逆算、図表の読み取り、表の空欄の推測の3種類のテストがあります。
言語…長文を読んで、論理的な正誤や趣旨の判断をする問題が出題されます。
英語…英語は企業によって省略されるケースも多数あります。言語系と同じく長文読解です。
パーソナリティ…入社時に見ておくべき「ヴァイタリティ」「チームワーク」などの9特性、将来のマネジメント適性、「営業」「研究/開発」などの8つの職務適性について予測する性格適性検査
▼代表的な利用企業
J.P.モルガン、野村證券、日本生命保険、日立製作所、日産自動車、川崎重工業、味の素など
TG-WEB
株式会社ヒューマネージ提供のWEB版キャリアパーソナリティ適性検査の商品名です。
▼内容
計数…暗号、展開図が出題されるパターンと、同義語、対義語、ことわざが出題されるパターンがあります。
言語…空欄補充、並べ替え、長文読解が出題されるパターンと、方程式、図表が出題されるパターンがあります。
英語…高難易度の長文読解が出題されます。企業によっては省略。
性格テスト…キャリア形成を行う際に最も基本となる性格要件を確認します。
▼代表的な利用企業
資生堂、日本テレビ放送網、ユー・エス・ジェイ、ライオン、デロイト トーマツ コンサルティング、三菱東京UFJ銀行、ジョンソン&ジョンソンなど
SPI WEBテスティング
株式会社リクルートキャリア提供、年間利用社数11,900社(※2016年度実績)、日本で一番使われている能力・適性試験の自宅受験スタイルの商品名が「SPI WEBテスティング」です。
▼内容
計数…獲得した情報をもとに新しい情報や的確な判断を導き出す力や、グラフや表を正確に解釈する力
言語…言葉や文章の意味・構成・要旨を的確に理解する力
英語…企業によっては省略。
性格…性格のほか、人物イメージ、職務適応性、組織適応性を確認します
▼代表的な利用企業
NTTドコモなど
※SPIのWebテストは、多くの導入企業がテストセンター形式を利用します
失敗しないWebテストの受け方
Webテストの内容は対策・勉強していても、はじめてのWebテスト受験は緊張するものです。また、事前の準備不足やトラブルが発生しては、実力を発揮することができません。注意事項をきちんと確認しましょう。
電卓は必須
自宅受験のWEBテスティングでは、電卓の使用を前提とした問題構成と出題時間が設計されています。もちろん禁止事項ではありません。短期間にたくさんの問題を処理する必要がありますので、スマホの電卓機能ではなく、専用機を使用することをおすすめします。なお、テストセンター形式では電卓は使用禁止になります。持参する必要はありません。
事前の動作環境確認を忘れずに
Webテストは利用できる動作環境に制限があります。性格適性検査はスマホでも対応可能なこともありますが、言語・非言語(計数)分野ではほとんどパソコンで受験することになります。パソコンのOSやバージョン、ブラウザの動作環境については規約を確認しておきましょう。もし、受験途中で何らかのエラーが発生した場合は、落ち着いてヘルプデスクに電話連絡を入れられるように、必ず電話番号を控えておきましょう。
就活ナビサイトなどで一度体験してみよう
まずは感覚をつかむために、リクナビ、マイナビ、キャリタスなどの就活ナビサイトが提供しているWebテストを体験しましょう。高得点を狙うには、操作の慣れも重要な要素です。
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webテスト対策は、内定の確率を上げるのに必要なことですが、はたして「内定を獲得すること」は真のゴールといえるのでしょうか?
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