就職活動における面接は、企業に自分をアピールする絶好の機会です。しかし、どれだけ優れた能力や熱意を持っていても、基本的なマナーが欠けていると良い印象を与えることは難しくなります。
面接官は、応募者の振る舞いや態度を通して社会人としての基礎力を見極めています。本コラムでは、面接で高評価を得るために押さえておきたいマナーの基本や、注意すべきポイントについて解説します。準備を万全にして、自信を持って面接に臨みましょう。
面接のマナー!面接官はどこを見ている?
面接では、採用担当者は応募者のスキルや経歴だけでなく、態度や仕草、話し方、表情といったマナー面も細かくチェックしています。たとえば、面接室への入退室時の挨拶や礼儀正しさ、着席する際の動作がスムーズかどうか、面接中の姿勢が良いかなどが重要な評価ポイントです。
また、話し方では声の大きさやトーン、言葉遣いが適切か、質問に対する回答が簡潔で分かりやすいかが見られます。さらに、表情については笑顔や目線の配り方が自然で親しみやすい印象を与えているかも大切です。
【面接前のマナー】服装・身だしなみ編
「派手に着飾るのはダメなことぐらいはなんとなく分かるけど…具体的にどこをどうすれば良いの?」 という疑問を持たれている方も多いのではないでしょうか?
最低限押さえておきたいポイントを順に解説していきます。
髪型、顔
髪の毛は地毛と同じ色、あるいはそれに近い色にしましょう。男女共に "清潔感" が重要です。細すぎる眉毛は垢ぬけた印象を与えてしまうので、避けたほうが無難です。
男性が気をつけるべきポイント
・ 長髪はNG。
・襟足、もみあげは長すぎないこと。
・ヒゲを剃り残しなく、しっかりと剃る!
女性が気をつけるべきポイント
・明るい印象にするため眉毛は出すこと。
・お辞儀をした時に顔にかからないよう、 長髪の方は後ろで束ねる。
・厚化粧、ノーメイクは避ける。ナチュラルメイク。
・ カラーコンタクトはNG!
服装
スーツは、体形に合っていることが大事です。 決して高価なものを買う必要はなく、サイズ感さえ合っていれば格好良く着こなせます。店員さんと相談しながら決めるのがオススメです。
色は、落ち着いた色の黒、紺、グレーの3色 から選択で。シワ、ほこり、しつけ糸が取られているか?なども抜かせないポイントです。
また、スーツの上にコートを着る場合は、ロングコートよりもハーフコートがオススメ。面接官に若い印象を与えることができます。
コートを選ぶ際はスーツ、靴、鞄とのトータルコーディネートを考え、 黒、紺、グレー(女性の場合はベージュも)といった落ち着いた色をチョイスしましょう。
男性が気をつけるべきポイント
・しっかりとズボンの折り目をつける。
・Yシャツから中の衣類が透けないように。
・ネクタイは派手すぎず、スーツの色にあったものを。
女性が気をつけるべきポイント
・パンツスーツの折り目をしっかりとつける。
・スカートは座った時に、膝にかかるくらいがベスト。
・コートにベルトがついているタイプのものは、しっかりと締める。
関連リンク:【私服?スーツ?】就活における面接時の服装のマナーについて
https://br-campus.jp/articles/report/187
時計、鞄、靴、その他
トータルで「しっかりとした就活生」であるという印象を与えるために、細部にも気を抜かないようにしましょう。爪は短く切り、時計などのアクセサリー類はシンプルなものをつけること!
また、 カバンは社会人になっても使えるもの(A4サイズの紙が折らずに入れられる、床に置いた時に立つ、明らかなブランドものは避ける) を選ぶのが賢明です。
男性が気をつけるべきポイント
・靴下はダークカラーを選択。 (白はNG!)
・革靴は黒のプレーントゥを推奨。
女性が気をつけるべきポイント
・ ベージュなど、自分の肌の色に近いストッキングを履く (ビジネスシーンでは素足NG)。
・伝線したり、破れたりするかもしれないので、予備を必ず持っておく。
・パンプスのヒールは 3~5cm が疲れにくく、スマートな印象を与えられる。
靴はかかとがすり減っているものは避け、磨いておくのがベター ◎
【面接のマナー】受付編
・ あらかじめ携帯電話の電源をOFFにしておく。
・受付の前に身だしなみをチェックしておくこと。
・早く着きすぎない。10分前がベスト。
・採用担当者の 名前と担当部署 をしっかりと確認しておく。
受付に入る前には、携帯電話の電源を切り、髪型と服装をチェックするといった確認を徹底しましょう。自分を採用担当者の立場に置いて考えてみてください。受付で身だしなみをチェックしている就活生がいたら
「時間がなくて急いで家を飛び出してきたのかな?」 =段取りが悪い就活生
と感じてしまうと思いませんか?後で受付の人に印象を聞いているかもしれないですね。
また、遅刻はもってのほかですが、逆に早く着きすぎるというのもマイナスです。会社側の準備が終わっていないのに押しかけてしまっては、あちらに迷惑をかけてしまいます。
「相手の立場に立って物事を考えられない人なんじゃないの?」
と思われてしまうようなことは避けましょう。遅延など、止むを得ない理由で遅刻する場合は、早めの連絡がマストです。
受付に行ったら、 「本日〇時からの採用面接で伺いました~と申します。恐れ入りますが、採用担当者の△△様にお取次ぎいただけますでしょうか?」 という風に伝えましょう。
担当者の名前と担当部署はしっかり覚えておくこと!人の名前を間違えるというのはとても悪い印象を与えてしまいます。
受付がインターホンや電話の場合もありますが、その場合も同様です。
・ 採用面接のため訪れた
・ 自分の名前
・ 採用担当者の○○様にお取次ぎいただきたいという旨
以上の3点が失礼なく伝わっていればOKです。受付時のセリフだけでも何度か声に出して練習しておきたいですね。
【面接のマナー】控え室編
・ おしゃべり、音楽を聴く、読書はNG
・化粧直し、タバコも ×
・貧乏ゆすりも見られている
受付が終わると、面接まで控え室で待機することになります。もしかしたら大学の友人が同じ控え室にいるかもしれませんが、おしゃべりはNGです。イヤホンで音楽を聴くことや読書もやめておいたほうがいいでしょう。
控え室に灰皿があるケースもあるようですが、会社を出るまでタバコは我慢です。タバコの煙が苦手な人もいるかもしれません。 「他の就活生を思いやる気持ち」 というのは面接官もしっかり見ていることでしょう。
基本的に悪目立ちすることは避けなければならないので、他の人と明らかに違う行為は控えるようにしましょう。 貧乏ゆすりなども非常に目立ちます。 志望動機や自己PRの最終確認をして、迫っている面接に備えるのがベターです。
【面接のマナー】入室編
・ノックは2回?3回?
・入室時は 「失礼いたします」&「お辞儀」
入室時のノックは3回 です。2回と間違えて書かれているサイトもちらほら見かけますが、間違えても2回ノックは厳禁です。トイレの在室確認だけにしてくださいね。
ドアの向こうから「どうぞ」という声が聞こえたら入室し、ドアの方を向いてドアを静かに閉めます。面接官に向き直り、「失礼します」と言って、お辞儀をします。
話し方のマナー
・相手の目を見て話す
・ハッキリと大きな声で
・要点を押さえて簡潔に伝える
・適切な敬語を使う
相手の目を見て話すのが得意でない人は多いのではないでしょうか?しかし、 目を見て話すということはコミュニケーションの基本 とされていますし、面接官にも「こいつは自信があるぞ!」と思ってもらうチャンス!
普段から相手の目を見て話す練習をしておきましょう。大きな声でハキハキと話すことも、自信を伝える大事な要素です。
次に、どういう話し方をするかです。 多くの企業はロジカルシンキングができ、それを言葉にして伝えることのできる学生を求めています。
なので、質問された際に、即答で喋り倒さなければならないという訳ではありません。きちんと間をおいて考えた上で、簡潔な話し方をすることが求められます。
・ 「結論から申し上げますと~です。なぜなら~であるからです。」
・ 「それについては大事なポイントが3つあると思っております。まず1つ目は~。」
といった具合の話し方をすると良いでしょう。
自己PRの際も、同じように論理的に話すことが望ましいです。話している時は 背筋を正し、リラックスした表情で。 敬語も不自然な敬語を使ってしまわないように、本などを参考に基本的な敬語の使い方は押さえておきましょう。
お辞儀の角度のマナー
30~45度 の角度を推奨
背中が丸まっているのは×
ここでもしっかりと背筋を伸ばしましょう。
椅子に座る時のマナー
面接では、採用担当者は態度や仕草、話し方、表情だけでなく、座り方や鞄の置き方などの細かなマナーも注視しています。入室後、椅子に座る際は、まず椅子の横に立ち、「○○大学の△△です。本日はどうぞよろしくお願いいたします」と自己紹介をした後、面接官に一礼しましょう。
次に「おかけください」と勧められるまで座らないことが基本です。着席したら、浅めに腰掛け、背筋を伸ばして姿勢良く座りましょう。手は膝の上に自然に置き、足は揃えて床にきちんとつけます。
鞄の置き方についても注意が必要です。鞄は椅子の後ろや机の上に置くのではなく、椅子の横や足元に置くのが適切です。椅子が複数ある場合は、指定された椅子に座るか、特に指示がない場合は面接官から指示があるまで出入り口側の席の横に立ち、指示を待ちましょう。
【面接のマナー】話し方編
面接での敬語やマナーは、第一印象を大きく左右する重要な要素です。敬語には「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の3種類があり、それぞれの使い分けを理解することが求められます。
尊敬語は相手を敬う際に、謙譲語は自分を下げて相手を立てる際に、丁寧語は言葉遣いを丁寧にする際に使います。
また、面接では「二重敬語」に注意が必要です。たとえば、「おっしゃられる」などの重複表現は誤りです。さらに、一人称は「わたし」または「わたくし」を使うのが適切で、「僕」や「自分」は避けるべきです。日常的な口癖や語尾の伸ばしも控え、「えっと」「あの」などの間投詞が多用されないよう心がけましょう。
「御社」といった正しい企業表現を使い、具体的な言葉で分かりやすく伝えることが重要です。また、質問に答える際は相手の話が終わるのを待ち、丁寧なクッション言葉を添えると好印象を与えられます。
関連リンク:OB訪問や面接で使える!正しい敬語の使い方
【面接のマナー】退出編
質疑応答では自分の思うように話せましたか?「好印象を与えられた!」という人は、最後に減点をされないように。「ダメかも…」という人も、最後まで何があるか分かりません。あきらめないで!
退出の時は
① 椅子に座ったまま 「本日はありがとうございました。」と一礼。
② 立ち上がり、椅子の横で 「ありがとうございました。」と一礼。
③ ドアの前で向き直り、 「失礼いたします。」と一礼し、退室。という手順になります。
気を抜かず、丁寧な所作を心がけましょう。 ドアは静かに閉めること。
面接が終わっても、 会社を出て家に帰るまで誰に見られているか分かりません。 受付でも「ありがとうございます」と挨拶をするのが一流の就活生です。
面接でのNGな行動や振る舞いは?
面接では、次のような行動や振る舞いに注意が必要です。
【1】遅刻や早すぎる到着
面接時間に遅れると、社会人としての基本ができていないと判断され、大きなマイナス評価につながります。電車遅延などやむを得ない事情がある場合でも、必ず事前に連絡を入れましょう。
また、面接開始の1時間以上前に到着するなど、早すぎる到着も控えましょう。面接官の準備を妨げる可能性があります。目安は10~15分前に到着することです。
【2】挨拶ができない・声が小さい
面接での第一印象は挨拶から始まります。小さな声や視線を合わせない挨拶は、やる気がない印象を与えてしまいます。入室時だけでなく、退室時の挨拶も忘れずに行いましょう。明るい表情で、はっきりとした声で挨拶することが、良い印象を与える第一歩です。
第一印象が悪ければ、どれだけ素晴らしい自己PRや志望動機があったとしても、評価が低くなるおそれがあります。
【3】身だしなみの不備
面接において清潔感のない服装や髪型、汚れた靴は印象を大きく損ねます。たとえば、シワの寄ったシャツや寝ぐせのついた髪型は、準備不足やだらしなさを感じさせます。服装や靴、髪型など、細部にまで配慮して清潔感を意識しましょう。
就職活動・転職活動は連日行うケースもあるため、洗い替えを用意しておくことが大切です。
【4】挙動不審な仕草や態度
目線を合わせない、貧乏揺すりをする、頻繁に髪を触るなどの挙動不審な行動は、緊張感が伝わるだけでなく、自信のなさや落ち着きのなさを印象付けてしまいます。面接中は、背筋を伸ばして姿勢を保ち、リラックスしつつも落ち着いた態度で臨むことが大切です。
挙動不審な原因が自信のなさに起因する場合は、自信がつくまで面接対策を行うなどしましょう。
【5】不適切な言葉遣いや話し方
友達と話すようなカジュアルな言葉遣いや、語尾を伸ばした話し方は避けるべきです。面接では、正しい敬語や丁寧語を使い、立場や状況に合った言葉遣いを意識しましょう。普段から意識して練習することで、自然な敬語が使えるようになります。
模擬面接を繰り返すことで、面接でうっかり不適切な言葉を使うリスクを軽減できます。
【6】相手の話を聞かない態度
面接官の質問を最後まで聞かずに食い気味で答えたり、質問内容を無視して的外れな回答をしたりすることは、コミュニケーション能力が低いと判断される原因になります。
相手の話をしっかり聞き、質問内容を理解した上で的確に回答することが、面接での基本的なマナーです。また、グループ面接の際に他の人の回答を待たずに話そうとすることも避けましょう。
おわりに
面接というだけで緊張するのにマナーもたくさん…当日あたふたしないためにも、入念な準備が就活成功のカギです!
もちろん、紹介したマナーは会社や業界によって違いますので、この機会に気になっている企業や、業界の先輩に OB訪問 をして聞いてみてはいかがでしょうか。
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