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選考対策

【必勝就活術】今から読めなきゃ本番で差がつく決算資料

秋冬インターンと本選考に向けて、現段階から企業分析しておくことで、志望度をアピールができます。 業界・企業分析は様々な方法がありますが、客観的に細かく分析できるかがESや面接で結果を出せるかの鍵になります。

こんにちは!ビズリーチ・キャンパス編集部です。 興味のある業界がわかっても、どの企業も同じように見えてしまうことはありませんか?例えば、総合商社はどの企業も大きく、グローバルにビジネスを展開しています。しかし、企業ごとに取り組んでいる事業や強み弱みは大きく異なります。それぞれの特徴を掴んでおくことで、各企業の志望理由を明確に考えられるため就活において高い評価を得ることができます。 OB訪問などで企業の強みや弱みを聞くことはできますが、直接人事には聞きずらい給与のことや今後変化が大きい世の中で安定性が担保されているかなど気になることもあります。実は、IR資料を読むことで会社説明会では深く説明されない企業の特徴を掴むことができます。 今回は企業分析におけるIR資料の活用方法を紹介します!

企業分析の順番

企業分析の順番を間違えてしまうと必要以上に企業選びに時間がかかってしまうことがあります。

1.業界の全体像を把握する

まずは業界地図や業界本を使って業界ごとに業界の成長性や安定性を比較してみましょう。
その中で興味のある業界をいくつかピックアップしましょう。

2.企業を比較する

業界地図や四季報を元に、同じ業界内の企業を比較してみましょう。
比較することで業界内の企業のポジションについて理解することができます。
具体的には売上や従業員数をすぐに比較できます。

3.IR資料を読む

これが最重要かつ就活生の間で差がでるポイントです。
この後に詳しく見ていきますがIR資料は企業が社会に対して企業の現状を説明する資料になるため、
わかりやすく書かれており企業の長所や短所を見つけることができます。

4.OB訪問にいく

最後は直接企業の人に会いにいって雰囲気や社風など字面からは理解できない情報を確認しにいきましょう。
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IR資料とは

そもそも上場している企業は投資家に向けて企業の現状を説明する義務があります。
それに従って企業は「決算報告書」などのIR資料を発表しています。
決算報告書は財務諸表など決算を報告する資料の総称となります。

メリット

IR資料を読むことで、以下のことがわかります。
・企業の強みや弱み
・売上・営業利益
・展開している事業と成長率
・給与や平均年齢
など。
企業の強みや弱み、次期戦略を掴むことは面接対策において重要です。
面接の定番質問とも言える「入社してやりたいことは?」という質問に対して、現状の弱みを指摘しながらも
次期戦略に合わせて自分ならどのように貢献したいか述べることで説得力のある返答ができます。

デメリット

反対にIR資料では知ることができないこともあります。
例えば会社の雰囲気や社風について理解するためには直接企業の人と接点を持つ必要があります。
そのためには、OB訪問や会社説明会に行き積極的に雰囲気や社風を確かめに行きましょう。

IR資料の読み方

IR資料の読み方を説明します。
今回は3つの目的(給与、安定性、次年度戦略)を持って企業を分析します。
IR資料にはさまざまな情報が含まれるため、最初は読みにくいと感じると思います。
何を知りたいのか目的を持ち、見る情報を限定することで混乱せず読むことができます。

待遇や給与を知る

待遇や給与の違いは気になりますよね。
業界水準よりも高いのか低いのかなどOB訪問などでは聞きづらいことだと思います。
待遇や給与を知りたい場合は、IR資料の「有価証券報告書」を読みましょう。
以下は三菱商事株式会社の2017年3月発表の有価証券報告書になります。

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出典:http://www.mitsubishicorp.com/jp/ja/ir/library/fstatement/pdf/2016_04/y2016_04.pdf

各事業の人数や平均年齢、平均給与が明確に記されています。
次に三井物産株式会社の2017年3月発表の有価証券報告書を見てみましょう。

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出典:http://www.mitsui.com/jp/ja/ir/library/securities/__icsFiles/afieldfile/2017/06/21/ja_98yuho.pdf

2社を比較すると、平均年齢や平均継続年数はほとんど変わらないことがわかります。
しかし平均年間給与を見ると、どちらも賞与や超過勤務手当を含んだ上で三菱商事株式会社の方が170万円程度多いのがわかります。

配属人数の表記をご覧ください。2社を比較すると表記が異なっています。
例えば三菱商事株式会社は「新産業金融」を持っており、三井物産株式会社は持っていません。
これは三菱商事株式会社が「リース」「不動産」「企業投資」に関する事業を持っているということです。
この事業に興味がある方は三菱商事株式会社を志望すべきと言えます。

他にも「エネルギー事業」に関連する人数は200名ほど三菱商事株式会社のほうが多いとなっていますが、
三井物産株式会社の地域ごとに振り分けられた社員の中にもエネルギー事業に関わっている人もいるでしょう。
このように比較が難しいところもあるので、こういったものはぜひ説明会やOB訪問の際に質問しましょう。

企業の安定性を知る

最近はテクノロジーの発展やエネルギー資源の変動などでどの業界も変化が激しく企業の存続が絶対的に安定ということはありません。
その中でも倒産リスクが少なく、しっかり仕事に打ち込める企業を選びたいですよね。
その時に見る指標は、企業の稼ぐ力を表す「営業利益(売上高営業利益率)」です。
この情報は、企業が発行する「決算短信」やYahoo!ファイナンスなどで確認することができます。

Yahoo!ファイナンスで三菱商事株式会社と三井物産株式会社の営業利益推移を見てみましょう。

<三菱商事株式会社>
2015年3月決算 (2014年の成績) 212,059百万円
2016年3月決算 (2015年の成績)10,304百万円
2017年3月決算 (2016年の成績)401,138百万円
<三井物産株式会社>
2015年3月決算 (2014年の成績)190,270百万円
2016年3月決算 (2015年の成績)121,036百万円
2017年3月決算 (2016年の成績)260,440百万円

営業利益でみると直近3年では三菱商事株式会社の方が利益を生み出していることがわかります。
これは注力している事業によるものや海外事業の為替の変化などが影響していると考えられます。
三菱商事株式会社の営業利益が2016年3月決算で大きく減少しています。
その理由を三菱商事株式会社のIR資料(2016年の業績見通し)で調べてみると、
「2015年はエネルギー資源・金属資源の価格下落や開発計画の見直しから大幅な損失を出した」との記載があります。
エネルギー・金属事業は例年価格変動による収益の変化が大きく常に世界の情勢に注意しながらビジネスをしていく必要があります。
そして三菱商事株式会社は今後収益を安定させるために新しいエネルギー事業の開拓や金融投資事業などに注力していくことが考えられます。
このように企業は投資家に向けて業績を説明する資料を公開しているため、そういった情報から企業の強み・弱みを分析することができます。

企業の次期戦略を知る

最後に企業の次期戦略を見ていきましょう。社員は企業の戦略に沿って仕事を進めていくことになります。
具体的に次期戦略を調べるためには、「事業への投資・展開」に関する情報を得ることが大切です。
これは「中期経営戦略」「決算説明会資料」によって説明されている場合もありますし、日頃のビジネスニュースからも知ることができます。

一例として、三菱商事株式会社が2017年5月9日に発表した「中期経営戦略」を見てみましょう。
トレーディング事業をベースに、メインだった金属資源などの「市況系」と事業経営や投資事業といった
「事業系」のバランスをとり、収益バランスの最適化を目指すと捉えられるグラフが掲載されています。
ここから今後電力事業などへの投資や不動産事業などの経営に力を入れていくことがわかります。
他にも「自動車」や「LNG」に今後注力していくことがはっきりと書かれています。

営業利益の時に見た資料と連動していることがわかります。
世界の情勢・市況に収益を左右される金属資源を最適化しつつ収益安定化のために投資事業に力を入れていくことになっています。
投資事業の中にも「不動産」「リース」「自動車」などさまざまです。
自動車は今後自動運転技術の発展に伴い、世界のネットワークを活かして商社が果たす役割は大きいと考えられます。
このような情報を元に入社して具体的に何に取り組みたいのかしっかり考えられると志望動機が明確になりそうです。


決算資料の見つけ方

決算資料を探すには以下の方法が考えられます。
・「企業名+決算資料/有価証券報告書」で検索する
→企業の公式ホームページからダウンロードできます。
・Yahoo!ファイナンスで企業情報を調べる
・四季報で企業ページを見る

この際の注意点が3点あります。
・何を知りたくて見るのか明確にする
・数年分見てみる
・数字が上がっている・下がっている場合、原因を調べる

決算資料は場合によっては数十ページと長くなっています。
そのため具体的に何が知りたくて調べているのかを明確にしたほうが、混乱せずに決算資料から必要な情報を得ることができます。
そしてぜひ数年分見てみましょう。2年前には業績が伸びていたのに1年前は下降傾向に入っている場合もあります。
その原因を調べることで企業や業界に対する知識をつけることができます。

おわりに

IR資料は一見難しそうに見えますが、もともと一般投資家向けに書かれているものなので情報量は多いですが難解なことはありません。順番を間違えずしっかりと企業分析することで、企業へのアピールができますし面接時にしっかりとその企業で貢献したいことを話せるでしょう。
ぜひIR資料での分析とOB訪問どちらもいかして、より実践的な企業分析を進めてくださいね。

一次情報を得て、自分の未来を見つけに行こう

採用ホームページやニュースなどのメディアを読んで、業界・企業研究に励むことはとても大事なことです。 しかし、それらの多くは二次情報に過ぎません。何かしらのバイアスがかかっており、正しい情報であるかどうかは自身で選択していかなければなりません。

情報収集で重要なことは、「どれだけ新鮮な一次情報」を得られるか、ということ。 そしてその一次情報を得る手段としては、「とにかく人と出会う」ことが重要になります。

ビズリーチ・キャンパスでは、様々な社会人と出会える機会をご用意しています。 学生ならではの特権を使って、今しか聞けない話を聞きに行ってみませんか?