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業界研究

【阪和興業】活躍する人材を育てる新しい研修制度「企業内大学」とは

専門商社をわかりやすく紹介する「専門商社の魅力とは!?」シリーズ。今回は、鉄鋼を中心にリサイクル・プライマリー原料、食品、エネルギー・生活資材、機械、木材など幅広い商材を扱う阪和興業。採用と研修を担当する人事責任者の方に、独立系商社で働く魅力や新しい人材育成制度「企業内大学」について詳しく話を聞いた。

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企業紹介
1947年、鉄鋼の専門商社として創業した阪和興業。今では鉄鋼事業のほかにリサイクル・プライマリー原料事業、食品事業、エネルギー・生活資材事業、木材事業、機械事業の6つの事業領域に幅広く拡大。独立系商社として、自らビジネスを切り拓いてきた。さらなる成長に向けて、海外展開や新規ビジネスにも積極的に取り組んでいる。


人物紹介
阪和興業株式会社
人事部人材開発課
課長
堀 良行
1995年入社以来、食品部にて冷凍エビの輸入業務に従事。2010年にはアメリカ・シアトルのジョイントベンチャーにて、バイスプレジデントとして5年半駐在。帰国後、食品部を経て2018年より人事部に異動。現在は採用と研修の責任者を兼任する。MBAホルダー。


高い自由度の中で自らビジネスを切り拓く、独立系専門商社の強み

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―――本日は、ありがとうございます。まずは、阪和興業さまの強みや特徴について、ご紹介ください。


阪和興業は鉄鋼を中心に幅広い事業領域を持つ 商社 です。中でも、特定の企業やグループに属していない独立系の商社として、誰にも縛られることなく自由に、お客様のニーズに100%お応えすることができるのが強み。自分で考えて、自分で行動して、自分で解決するということを一人で一気通貫できるのが私たちのビジネスの面白さだと思っています。

―――業界を取り巻く環境はいかがでしょうか。


鉄鋼業界は斜陽産業じゃないかと思っている人もいるかもしれませんが、実際のところ世界中ではニーズがどんどん伸びています。2021年度の世界粗鋼生産量は約19億トンで、15年前と比べるとおよそ倍。東南アジアを中心として世界の鉄鋼需要は増加している状況です。また、鉄鋼業のCO2排出量が日本の産業部門全体の40%を占めており、カーボンニュートラル実現への重要課題のひとつでもあります。鉄鋼業界が脱炭素に取り組むことによって日本全体のCO2削減が進んでいきますし、この技術を確立し海外展開することができれば、世界全体のカーボンニュートラルに貢献することにもつながる。今後ますます広がりを見せていく分野になります。

―――海外展開がより活発になるということですね。


鉄鋼と同様に他の分野でも、食品部門やメタル部門、エネルギー部門も、国内だけでなく海外売上が非常に伸びています。私たちとしても「東南アジアに第⼆の阪和を」というスローガンを掲げ、積極的に海外事業を展開していくというのが今後の方針です。

―――堀さまご自身のキャリアについても聞かせてください。


私は入社以来、食品部で冷凍エビの輸入業務に携わっていました。入社4か月ぐらいから、一人でパキスタンやインドを飛びまわっていましたね。13年目に大阪本社で課長職となりマネジメントを経験した後、15年目で念願かなってアメリカ・シアトルに駐在。現地のジョイントベンチャーのバイスプレジデントとして、会社経営に関わりました。家族みんなで5年半過ごした後、帰国し再び食品部へ配属となりましたが、もっと経営に近い中枢の仕事がしたいという想いが強くなり、人事部への異動となりました。

―――人材育成にかける思いは、ご自身の経験によるところが大きいのでしょうか。


実はアメリカに行く前に、国内でMBAを取得しまして。そのとき、会社経営や人材育成について学んだことで興味が深まったことは大きかったと思います。駐在先で経営に携わるうちに、人を育てていく重要性を強く感じたんです。自分が一人でどんなに頑張ってもできることは限られる。でも10人集まれば、会社にとってより大きな成果を生み出すことができます。採用と育成に力を入れていかなければ、会社は伸び続けていくことはできないことを実感できた、貴重な経験でした。

―――人事に異動されて、いかがでしたか。


人材の採用や育成は、やはり奥が深いなと思います。毎年違う取り組みを模索していく中で、新しいことを日夜勉強している感じです。人材戦略に関しては、ちょうど阪和興業の人材育成の基盤となるものをつくっている最中です。それが2022年6月に開校した「企業内大学」。後世に残るものにしたいという想いでつくっていますし、やりがいを感じています。


能動的に考え行動できる人材を育成する、「企業内大学」

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―――新しい人材育成制度「企業内大学」について、詳しく聞かせてください。


実際に校舎を建てたわけではなく、オンライン上のバーチャル空間につくった仮想大学です。その名も「Hanwa Business School(HKBS)」。社員はここでアバターになって、24時間365日、自由にアクセスし受講することができます。今回HKBSでは、現有する阪和興業のノウハウやナレッジ、研修を時代に合わせて体系化してまとめました。さらにほかにも、オリジナルコンテンツを続々と追加していきます。例えば各部署の取引先や売上・人員構成などを紹介するコンテンツや、ゴルフコンペを運営するためのノウハウ動画など、社員が自分たちでつくっているものもあるんですよ。

―――社員のみなさんに期待すること、こうなってほしいという理想の姿はどのようなものでしょうか。


メールなどで送られてきたURLにアクセスして決められた時間になったら研修がはじまるというものがありますが、HKBSは違います。アクセスしたら実際に自分で校舎まで歩いて行って、教室や図書館などの目的地に向かい、それぞれ必要な知識を習得する。自分に必要なものを自分で見つけて、自分で取りに行くというプロセスを大切にしているんです。独立系の商社である私たちには、誰かに与えられる商売は一つもありません。だからこそ、自分でビジネスを切り拓く力、課題を抽出して自ら解決していく力が特に必要です。HKBSによって、社員それぞれが能動的に物事を解決していく力を身に着けてほしいという想いがあります。

―――自分で解決する力を養うことが、阪和興業さまの人材育成というわけですね。


その通りです。自分がこれから何をするべきか。これからは社会や会社でもなく、ますます個人が自分で決める時代になってくると思っています。自分のあるべき姿は一人ひとりバラバラです。今の自分には何が必要で、どう学べば得られるのかと考えた時、知識や情報を自由にインストールまたはアップデートできる場所としてHKBSを活用してほしいと思っています。

―――「Hanwa Business School(HKBS)」開校のきっかけは何だったのでしょうか。


「今の若い人たちに向けて、単なる受け身にならないような面白い研修ができないか」と、当時の経営陣からの提案がきっかけでした。開校までの期間は、第9次中期経営計画で構想を掲げてから1年半ぐらいですね。先進的な取り組みでもありますので、技術的な問題などいろいろありましたが、一つひとつ乗り越えて具現化していきました。開校式には、会長・副会長・社長がオリジナルアバターで登場するイベントを開催したんですよ。世界中からアクセスできますし、500人以上の社員が一堂に集まって大いに盛り上がりました。

―――「企業内大学」のプロジェクトに参加されて、いかがでしたか?


結構好き勝手なことを言って、基本的にやりたいようにやらせてくれるので、本当に感謝しています。そういう意味でも、会社のことが冗談抜きで本当に大好きで(笑)。いくつになっても自分のやりたいことができる、本当にレアな会社だと思っています。


独立系企業ならではの実力主義で、公平な評価と平等のチャンスを

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―――会社の雰囲気はいかがですか?


私が入社した頃は社員数1,000人くらいの会社だったんですが、今では倍の約2,000人。それでも雰囲気はまったく変わっていません。いい意味でいつまでもチャレンジャーといいますか、大手企業気質なところがなく、言いたいことが言える風通しのいい会社かなと。役員と社員が同じフロアで働いていて、すぐに相談できる距離感なので判断も早い。また上の人であっても、役職ではなく名前で「○○さん」と呼ぶところもいい風土だなと思います。これからも変わらずに続いてほしいところです。

―――阪和興業で働く魅力は、どんなところにあると思いますか?


親会社のいない独立系ならではの魅力とも言えるのですが、阪和興業は完全に実力主義。実際に、今の経営陣もたたき上げで成果を出してきた人たちですし、こうしたことは独立系企業にとって非常に大事だと思っています。実力があればすべての人にチャンスが与えられるという環境は、阪和興業で働く魅力です。そのため、評価についてもしっかりとしたシステムがあります。特徴的なのは、人材会議ですね。たとえば、課長が評価をしたら、その部の課長職以上が集まってその評価が正しいかどうか話し合い、次に部長たちと担当役員でさらに喧々諤々と議論し、最終的に役員が判断するという流れで評価が決定。何度も見直しをして、誰が見ても納得できるよう、公平に評価される環境がつくられています。

―――では、そんな阪和興業さんで活躍できる人材について聞かせてください。


阪和興業は動物園みたいなところだよ、とよく言っています。ライオンばっかりだとライオン園だし、キリンばっかりだとキリン園になってしまう。そうではなくて、ライオンがいて、キリンがいて、ペンギンがいて、ゾウがいて、いろんな特徴・価値観が集まるからこそ、動物園としての魅力・価値があるんです。それぞれが自分らしく、強みも弱みも認識した上で力を発揮すること。それがみなさんに期待することでもあり、当社で活躍していただける方なのかなと思います。

―――最後に就活生のみなさんに、メッセージやアドバイスをお願いします。


大事にしてほしいのは、自分という人間にちゃんと向き合うことですね。自分の強みや弱み、得意なことや不得意なこと、この機会にじっくりと考えてもらいたいです。アメリカでの駐在中、子どもの教育環境に触れた時に感じたのですが、向こうではマイナスを0にするのではなく、プラスをさらに伸ばしていくことに重きを置いているんですよ。これはすごく大事なことだなと。自分が得意なことで徹底的に勝負ができるよう、強みを生かせるフィールドを見つけることが、就活のポイントになってきます。内定を取ることを目的にするのではなく、入社して活躍することが大事なこと。いい会社に入るよりも、自分のスタイルが合う会社に入ることを重視してください。

―――自分の強みがわからないという人も多いと思いますが、そういう方に向けてなにかアドバイスはありますか?


いろんなことに興味を持って手を出してみるといいと思います。時にはミーハー精神で行列のできる店に並んでみるとか、流行りものを体験するとか。逆に伝統文化に触れて奥深さを学ぶのもいい。私自身は、英語の通じない国に行った時に受けた衝撃は忘れもしません。いろんな経験をして、今までにない自分の引き出しを増やしてみる。その引き出しをたくさんつくってつなげていくと、自分という人間がおぼろげな形になっていくと思います。

―――お話をお聞きして、人材育成にかける想いが伝わりました。「企業内大学」が活用された今後の変化も楽しみです。本日はお忙しい中、ありがとうございました!