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OB/OGが語る

メガバンクSummit ~採用リーダーによる「メガバンクの仕事とキャリア」~

2021年11月に、ビズリーチ・キャンパス特別イベント『メガバンクSummit』を開催いたしました。 みずほフィナンシャルグループ、三井住友銀行、三菱UFJ銀行という、日本を代表とするメガバンクが一堂に会する当イベント。若手社員と採用リーダーが登壇し、各行の成長環境や入社後のキャリアについてアツいトークを展開します。 メガバンクで働くことの醍醐味を知ることはもちろん、各行を比較・検討できる貴重なイベントとなりました。当記事では、採用リーダーが登壇した後半部分「メガバンクの仕事とキャリア」の様子をレポートします。

【登壇者プロフィール】

藤井 秀明(株式会社みずほフィナンシャルグループ)
入社21年目。入社11年目までは日本を代表する大企業のお客さまを担当する法人営業に従事。12年目から4年間は勤務地を香港に移し、グローバル企業を担当し、お客さまのM&AやIPO等もサポート。帰国後は業務企画を2年間経験し、現在では人事で採用・教育領域での総括を担う。

菅家 哲朗(株式会社三井住友銀行)
入社15年目。入社3年目までは法人営業部で大企業を中心に約10社を担当。入社4年目から約6年間、市場部門で株式・債券の運用業務や欧州・新興国の経済分析を担当。うち1年間は英国系の証券会社でエコノミスト業務に従事。その後、人事部にて人材リソースコントロールや働き方改革、ダイバーシティ推進を手掛けた後、現在は採用グループにて採用・若手育成の統括を担う。

岡田 照昌(株式会社三菱UFJ銀行)
入社19年目。入社10年目まで法人営業担当者として中堅・中小企業から上場企業まで幅広く担当。11年目から大手自動車メーカーを担当し、取引先のM&A案件やグローバル戦略に関わる。15年目から現在にかけ、人事部の上席調査役として採用・人材育成・人事異動組成などを包括的に担当する(※取材当時)。

前半のレポートはこちら

https://br-campus.jp/articles/report/1046

採用リーダーが語る「メガバンクの仕事とキャリア」

先ほどご登壇いただいた若手の皆様も6年目にしてこれだけの経歴をお持ちなのかと驚きましたが、ただいまご登壇いただいているベテランの皆様方においてはより深みのあるご経歴、さすがでございますね。皆様の長いキャリアの中で様々なご経験をされてきたと思いますが、変化が激しいこの世の中におきまして「メガバンクの社会的な役割として変化したもの・変化しないもの」についてお聞きかせいただけますでしょうか。

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藤井(みずほ):
まず、全体を通じて変化しているなと素直に感じます。預金や融資といった単なるプロバイダーではなくなりましたね。提供するサービスは多岐に渡り、過去のやり方に固執していては立ちいかなくなっているでしょう。一方で、変わらない部分でいうと、社会に資金を提供するインフラであることはもちろん、苦楽を共にする長期的なパートナーであること。リスクをとりながらお客さまと共に長期的な目線で社会を作り上げていくという点はコアな部分として変わらないと思っています。

菅家(三井住友銀行):
現代は変化の激しいVUCAの時代と言われていますが、その中で我々が変えてはいけないことは、市場に資金を提供する銀行の間接金融機能をしっかり担保することでしょう。何が起こるか予測がつかない世の中だからこそ、経営者に寄り添い企業を支えるということ、ひいては経済を回していくことは、銀行に課せられた使命であり原点だと思っています。その過程において、お客さまとリレーションシップを深めて信頼関係を構築していく。この信頼関係という礎は、どれだけ外部環境が変化しても変えてはならないものです。一方で変わったものは、常に変革が求められる様になったことです。目まぐるしく変わる世の中や環境のスタンダードに合わせて、どんどん新しいことに挑戦しなければいけないようになっていると感じています。

岡田(三菱UFJ銀行):
メガバンクのサービスの在り方は大きく変わってきています。「銀行機能は必要だが今ある銀行は不要である」という20年以上前の有名な言葉がありますが、まさに社会経済のインフラとしてバンキングサービスは必須であるものの、店舗運営含めたお客さまとの向き合い方は変えていかなければいけないし、実際に変化していると感じています。一方で、決して変えてはいけないことが信頼関係です。会社の経営や人々の生活に欠かせない「ヒト・モノ・カネ」に加え、今の世の中で必要な情報。これらは信頼があるところに集まります。この堅牢な信頼関係という基盤があるからこそ銀行ビジネスが成り立つので、絶対に揺らいではいけないことだと思います。

お客さまとのリレーションシップや信頼関係という普遍的な価値がある一方で、色々な変化も訪れていると。その中で、ビジネスという切り口で考えると何がどのように変わってきているのでしょうか。

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菅家(三井住友銀行):
昔は銀行が規制業種だったこともあり、間接金融のあり方は「預金をお預かりして資金を提供する」ということが求められていました。しかし、現在はその「あるべき姿」が多様化してきていますね。外部環境の面でも、フィンテックという新しいプレイヤーが登場したり、資本主義のあり方を根本から変える可能性があるSDGsが注目されたり、多くの変化が訪れています。その中で、銀行も常に変わっていかなければいけません。環境変化に合わせて、より世の中が便利で良くなるための新しいビジネスを提供していく必要があると思います。

藤井(みずほ):
菅家さんのお話に続けると、銀行業は規制業種でライセンスを取得して行う仕事ですが、自由化の流れで規制緩和は進んでいます。その分、外部から参入してくる競合も増加することで金融存続が問われたりもするのですが、規制が緩和されるということは外から中へだけでなく、中から外に広がるチャンスでもあると思っています。その動きが今まさに変革の時を迎えています。従来の銀行業務だけでなく、今までできなかった新しい価値を生み出すビジネスを展開するチャンスでもあるわけです。例えば、メガバンクが保有する大量の顧客基盤を基にマーケティングに繋げていくなど、新規ビジネスを始める大きな潮流が生まれているといえるでしょう。

岡田(三菱UFJ銀行):
銀行単体だけではなく、周囲と協力することでより次元の高い価値を提供していくことが求められるようになっていますね。例えば、フィンテックというプレイヤーの出現は銀行にとって脅威であるかのように捉えられがちかもしれませんが、実際は違います。すでに我々3メガバンクはフィンテックと協業して新しいビジネスを始めており、競合や脅威ではなくビジネスパートナーであると認識しています。この関係性は、フィンテックだけに限ったものではありません。3メガバンクを合わせて考えると、日本を代表する全ての企業と取引があり、銀行はそれらの企業と協業することで何でもできると思っています。こういった発想を忘れずに、周囲を巻き込んでどんどんビジネスを広げていくことがこれから求められるのではないでしょうか。

従来のビジネスが変化していく中で、もしかすると内部からの反発もあるかと思います。必ずしも変化を好まず、今までのやり方を貫きたいという声も出てくると思うのですが、社内に変化や変革を浸透させるためにされている施策などはあるのでしょうか。

藤井(みずほ):
お客さまと接している現場の社員は、「変わらなきゃいけない」というダイレクトなニーズを様々なシーンで感じることが非常に多くあります。お客さまだけではなく社会全体の動きとしてもそれは感じざるを得ないので、変化を受け入れて対応することは避けて通れない流れです。そのため、変化に対してネガティブな人間はあまりいないと感じています。
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岡田(三菱UFJ銀行):
変化には勇気が必要で痛みも伴いますが、もはやその変化に対応していくことは必須になっています。外部環境の著しい変化はハンドリングできませんし、お客さまから求められる価値・サービスも変わってきている。そこに対し我々も対応していかなければ、存在意義すら危ぶまれてしまいます。そのために、会社としても自律的・自発的な変化を促す人事制度を整備し、銀行の存在意義をはじめお客さまや社会にどのような価値を届けるべきかを全社一丸となって認識し直す取り組みも進めています。世の中から求められることに遅れることなく、波に乗るでもなく、先頭に立って牽引していく気概がなければいけない。私自身も、40歳を超えてまだまだ学んでいかなければいけないと襟を正しいているところです。

菅家(三井住友銀行):
従来の価値観では、「変化しないこと」が銀行の価値でもありました。そのためそこの思想を根本から変えていかなければいけなくて、逆を言えば我々がパラダイムシフトを起こしていく大きなチャンスであると考えています。経営層から新入社員まで全社を通じて意識を変えていくため、3メガバンクともに様々な取り組みを行っています。その甲斐あって、「変化や変革は決して怖いことではなく、世の中をより良くしていくために必要である」という考えに従業員の意識が変わってきており、変化を受け入れる土壌は徐々にできつつあると感じていますね。

世の中的な変化を受け、会社全体としてもそこに対応するため同じ方向を向いていらっしゃると。ビジネスが従来のあり方から変化していくと、10年前20年前と比較してキャリアの築き方やあり方にも変化はあるのでしょうか。

岡田(三菱UFJ銀行):
ひと昔前では、社員はそれぞれの持ち場で頑張っていれば会社がキャリアを作ってくれていました。しかし現在では、自律的に考えて形成していく時代になっています。会社は最大限、学びやキャリア形成の機会を提供し、その機会の中で社員自らが仕事を通じて、どのようなスキルを身に着けたいのか、どのようなキャリアを築いていきたいのかを考え、意思決定していかなければいけません。そのため、会社がキャリアを作ってくれる時代から、自らつかみ取っていく時代に変わっているなと思っています。

菅家(三井住友銀行):
メガバンクというとジェネラリストのイメージが強いかもしれないですが、今は自分がどの分野で専門性を築いて、スペシャリストとして個性を発揮していくのかも重視されるようになりました。自身でめざす分野の専門家となる気概を持ち、自らの市場価値を高めていく。それが尖った個性になり、展開できるサービスの幅も広がるわけです。会社としても、それぞれが尖った個性を磨いていけるように応援し挑戦を後押ししています。

藤井(みずほ):
キャリアのあり方については3メガバンクともに似ていますね。みずほも同様でして、社員が自らキャリアを築いていけるような制度を整えて浸透させています。ただ、現時点でやりたいことが明確でなくとも焦る必要はないと思います。時代的にも、やりたいことを見つけて磨いていこう的な価値観が訴求されがちではありますが、目の前のことに集中して取り組むことで将来に深みが出る場合も多くあります。そうすることで、後々になって点と点が線になりやりたいことが実現できることも少なくはないでしょう。

学生さんからキャリア形成について質問が来ています。「希望のキャリアを築くためにはどういうスタートを意識したら良いでしょうか」という内容です。

菅家(三井住友銀行):
私は振り返ってみると入社して最初に配属になった法人営業部での仕事が現在のキャリアにつながっています。当時まだ全く認知が進んでいなかったクリーンエネルギー案件を担当しまして、自分の原点となる経験ができました。銀行業界として十分な支援実績がなく、私自身も全く知見がなかったので、経産省が発行している何百ページものレポートを何度も読んだりしながら必死にもがき、半年くらいかけてようやくお客様へのファイナンスが実行できました。この経験は今も忘れられません。最初の仕事は後の自分を作る大きな経験となるので、希望のキャリア形成のためにもファーストキャリアに尽力することは大切だと思っています。

藤井(みずほ):
私が新人の頃は、入社した全員が営業店の現場からキャリアをスタートさせるのが一般的で、私もその例に漏れずそうでした。そこで社内だけでなく、お客さまからも様々なことを教えていただいた結果、業務の面白さを知り、幅を広げていくことができました。今の時代はこれまで話をしてきた通り、私の時とは違っているので、全員一律で営業店からスタートするわけではないですが、重要な初めの第一歩であることに変わりはありません。それぞれに合ったファーストキャリアから、自分らしく成長して欲しいと思います。

岡田(三菱UFJ銀行):
私も同じく全員が営業店配属でキャリアをスタートさせる時代に入社をしました。自身の経験を振り返っても、バンキングサービスの原点となるものはお客さまとの接点だと考えています。その原点かつ基礎的な仕事を経験して、悩んでいるお客さまと真摯に向き合い、自分がどのような提案や価値提供ができるのかを体感する。その上で自身がどのように社会やお客さまのお役に立ちたいのか考えて、必要なスキル・専門性を高めるべく、自身が進みたいキャリアを築いていきます。そのためにも、キャリアの入り口である法人営業で幅広いお客さまと仕事をすることは銀行でのキャリア形成上、大事だと思います。

現代は変化の激しい時代ということもあり、個人のバリューを高めていきたいと考える学生は増加傾向にあります。また、会社が個人を守ってくれる時代から、個人が自分で価値を高めていかなければいけない時代に変わってきています。こういう時代の中で、どのようなことを若手に期待されているのでしょうか。

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菅家(三井住友銀行):
「変革と挑戦」に前向きであることですね。何が正解なのか誰も解らない世の中で、自分が目指したい道を見つけて失敗を恐れずに挑戦してやりきること。その気概のある方は様々な面で成功につながると思います。SMBCにはそのような方を応援するカルチャーがあり、人事制度も整えておりますので、変化を恐れずに挑戦を続ける気概を持った方と一緒に働きたいと思っています。

藤井(みずほ):
先行きが見通せない世の中なので、様々なことに対し興味を持ち、実際に行動できるかどうかが重要だと思います。経験というのは必ず後に活きるものなので、チャレンジする姿勢を大事にしてほしいですね。また、時代の流れが速いということは、当たり前であることがそうではなくなるスピードもまた速いということです。そのため、自らの軸を持ち当たり前を疑い、自分の意見を言ってくれる方を求めたいです。

岡田(三菱UFJ銀行):
若手に対しては期待しかないです。個人としてのポテンシャルはもちろん、組織に新しい風を吹かせてほしいという期待もあります。その中で、勇気をもって多くの挑戦ができる方と働きたいと思います。誰しも失敗は怖いものですが、勇気をもって継続的に様々なことにチャレンジし続けてほしい、継続的な挑戦をすれば、個人の成長はもちろん組織全体の成長にもつながるでしょう。そのため、失敗を恐れないで挑戦する姿勢のある若手は大歓迎です。

ありがとうございます。それでは最後になりますが、皆様から就活を頑張る学生に向けてメッセージをお願いいたします。

藤井(みずほ):
世の中が非連続だからこそ、どういう仕事をするにしても自らの想いを持って取り組んでください。こうありたい、こうなりたいという理想を抱いた人が、時代を切り開いていくと確信しています。決して、評論家に留まらず、自ら形にする、やり遂げることを意識して取り組んでほしいと思います。皆さんが社会に出てきてくださる日を楽しみに待っています。一緒に素敵な社会を築き上げていきましょう。

菅家(三井住友銀行):
就活を進めたり、様々な人の話を聞いたりすると、ご自身のやりたいことや価値観にも変化が出てくると思います。それ自体決して悪いことではありませんが、自分の軸や想いを大切にしてほしいと思っています。自分がやりたいことはどんなことなのか、自分の個性はどのようなものなのかということを、徹底的に考えて大切にしてください。そこで見つけた皆様の尖った個性を発揮できる場所は必ずあるので、妥協せずに粘り強く就活をし、ご自身にぴったりの会社が見つかることを心より願っております。

岡田(三菱UFJ銀行):
就活は大変ですが、どうか楽しんで進めてください。社会人として活躍する人や魅力的な人は、仕事を楽しんでいる人であることが多いです。就職活動は皆さんの社会人としての第一歩です。ぜひ楽しんで就活を進め、活躍できる魅力的な人になってください。そして、自分の人生に責任を取れるのは自分しかいない、ということを肝に銘じてください。情報過多な時代なので、情報に振り回されてしまうこともあるでしょう。しかし、しっかりご自身の軸や想いを持ち、自分自身で決断をするようにしてください。皆さんの就活が成功されますことを願っております。

本日はありがとうございました!