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OB/OGが語る

「信頼で世界をつなぐ」JICAの知られざる仕事とやりがい。

SDGsに代表される社会課題への問題意識、ボランティア活動や開発途上国への滞在経験、海外でのゼミ活動などをきっかけに、開発途上国を舞台に働くことに興味を持つ就活生が増えてきているそうです。そこで今回は、日本の政府開発援助(ODA)の一元的な実施機関として、開発途上国の抱える多様な社会課題の解決に取り組んでいるJICAを取材。現場で活躍する3名の先輩にJICAの仕事、働く魅力、やりがいなど就活生が気になることを伺いました。

<企業紹介>

JICAは世界150の国・地域に対し、教育、保健医療、農業、都市開発、運輸交通、環境保全、資源・エネルギー、産業振興、平和構築等、様々な分野での課題解決に取り組んでいる。日本の経験・技術・知見も活かし、開発途上国の抱える課題解決に取り組み、途上国と日本、そして世界の未来を築いていく。

<先輩職員>

佐藤 陽介(さとう ようすけ)※写真:一番右
一橋大学 法学部卒
2008年 新卒入構
民間連携事業部海外投融資課
旧国際協力銀行に入行し、フィリピンなどを担当後、スリランカに3年駐在。米国大学院に留学、外務省出向を経て、2018年8月より現職。

松林 美葉(まつばやし みは)※写真:中央
中央大学 経済学部卒
2018年11月 中途入構
地球環境部水資源グループ
新卒でメガバンクに入行し、法人営業等を約4年経験。退職後、英国大学院にて開発経済学修士を経て、JICAに入構し、現職。

金岡 武蔵(かなおか たけぞう)※写真:一番左
京都大学大学院 農学研究科卒
2019年4月 新卒入構
地球環境部森林・自然環境グループ
大学時代にソーシャルビジネスで途上国を支援する団体に所属して、ラオスやバングラディシュの教育支援に携わる。就活では、途上国の発展を含めて公共性の高い仕事を志望。

取材時:2020年11月

青臭い話を、とことんできる仲間がいる

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――――本日はお忙しい中ありがとうございます。まずは、皆さんの就活のお話を聞かせてください。

佐藤 陽介(以下、佐藤):はじめまして、佐藤と申します。私は2008年に新卒で入構しました。就職活動は国際性と公共性の高い仕事に興味があり、国家公務員、マスコミ、商船、JICAと幅広く受けていました。

松林 美葉(以下、松林):はじめまして、松林と申します。私は佐藤さんと違って転職組になります。もともとは、大学のゼミで国際協力の分野を勉強しておりましたが、フィリピンに現地調査をした際に目の当たりにしたスラムの実態や「国の経済が良くならないと根本的な問題は解決しない」とヒアリングした多くの現地関係者が言っていたことがその後のキャリアに影響しました。就職活動時は、まず自分の専門分野を身につけたいと思ったので純粋に興味もあった金融分野を学ぶべく銀行に入行しました。海外の経済を考える前に、まずは日本経済を学ぼうと考えました。銀行で4年働き、国際機関への就職を視野に入れると30歳になる前に修士号を取得したいと思い、退職して英国大学院に入学しました。

金岡 武蔵(以下、金岡):はじめまして、金岡と申します。2019年に新卒で入構しました。大学時代に所属した途上国(バングラデシュやラオスなど)で教育支援を行う学生団体での経験や大学院で沖縄県の環境政策に係る研究をしていたことから、途上国支援含めて公共性の高い仕事に興味がありました。就活は、シンクタンク系、JBICやJICAなどを中心に志望していました。

――――では、みなさんがJICAに決めた理由を教えてください。

佐藤:マスコミなどとも悩みましたが、最終的には外から国際社会、特に開発途上国を取り巻く様々な物事に迫っていくというより、その中に身をおいて当事者として働くことの方により魅力を感じたのが決め手です。

松林:英国に住んで海外から改めて日本のことをみると、自分の母国の良いところも悪いところもよくみえ、もっと日本の事も考えながら働きたいと思うようになりました。途上国×日本という軸で考えると、まさしくJICAと思ったので、最初に受けました。また金融に興味があったので、ODAのファイナンスを実施するJICAの開発金融機関としての機能も魅力的でした。

金岡:先述した学生団体での経験やバックパッカーなどの経験から国際協力を仕事にしたいなと思ったというのもあるのですが、一番大きな理由は同期です。他社からも内定をもらっていて同期の集まりがあったのですが、JICAの内定者との青臭いコミュニケーションがすごく楽しかったんです。途上国への援助について本気で熱く語れる仲間ってなかなかいなくて。どこか恥ずかしさというか、ためらってしまう気持ちがあったんです。でも、JICAの同期は、真剣に何時間でも話せてしまう。それがすごく嬉しくて決め手となりました。

世界中に拠点があるからこそのやりがいと責任

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――――では、今の仕事について教えてください。

佐藤:私が所属しているのはJICAにとっては新規事業のような位置づけの部署です。例えばSDGs達成のためには毎年2兆ドルを大きく超える資金が不足しているといった試算もある中で、それを公的部門だけで賄うことはできないことから、民間資金との連携が開発協力における大きな潮流の一つになっています。私のいる部署では開発途上国におけるJICAが伝統的に実施してきた対パートナー国政府向けの支援ではなく、民間企業の方々が開発途上国で実施するビジネスを支援する仕事をしています。その中でも私が担当しているのは民間企業向けの出融資業務で、例えば、商社や電力会社が開発途上国で発電所をつくり売電事業を行うようなときに必要な資金の調達を融資や出資を通して支援するもの。そうした事業が実現することで事業実施国の社会経済の発展に資することが目的なので、お仕事をご一緒する民間企業は、日本企業に限らず相手国にある企業や欧米の企業など実にさまざまです。

松林: 私は、途上国支援におけるプロジェクトの企画立案、監理等を行っています。JICAは主に地域毎と課題毎に部署が編成されており、私が所属しているのは地球環境部という地球規模の課題を扱う部署の中で、上水道分野の課題を扱う水資源グループです。担当している国はインドネシアやネパールなどです。上水道分野の課題解決に向けて、現地政府機関と一緒に案件を実施しています。その際、日本の自治体の水道局の方や大学の先生等、JICA内の専門員の方々と一緒に現地に行ったりと、多種多様な方々と協働しながら事業を実施しています。

金岡:私も松林さんと同じ地球環境部に所属していて、分野は自然環境保全になります。現在、担当している国は中南米がメインで、大学・大学院で学んでいた環境政策に携わっています。例えば生物を守る保護区の設置や森林を持続的に管理する政策など自然環境を保全する政策を途上国の政府の人と一緒に考えています。持続的に自然環境を保全していく上では、農業などの他産業や、国際的な資金や民間資金、衛星などの先端技術にアクセスすることが重要なためそのような視点を政策に付与できるように多様な方々と事業を実施しています。まだ2年目ですが、松林さんと同じようにプロジェクトの担当者として、プロジェクトがきちんと進行しているかを管理するのも重要な仕事です。

――――金岡さんは、2年目ということですが、すでに海外は行かれましたか?

金岡:入構後の研修で、モザンビークの事務所に3ヶ月間行きました。同じタイミングで同期が40人ほど世界各地に研修に行っているのですが、すごく良いい経験になりました。現地の事務所で働く人たちやプロジェクトの専門家は、途上国の現場で日々どんなことをしているのか。遠く離れた日本からの依頼や業務はどのように対応されているのか。途上国の政府や現地の人々はどういう想いでJICAと一緒にプロジェクトをやっているのか。大変なこともありましたが、普段行っている業務でイメージするしかなかったものを具体的に実感することができました。海外での駐在はJICA職員にとってとても魅力的だと思うのですが、佐藤さんはどこの国に駐在しましたか?

佐藤:私はスリランカに3年間、駐在しました。スリランカで初の高速道路建設のプロジェクトなどを担当しました。色々困難もあったのですが、離任するときに、道路開発庁のカウンターパートが、握手をしながら熱い感謝の言葉をかけて下さったことを今でも鮮明に覚えています。

松林:それは素晴らしい経験ですね。

――――では、JICAで働く魅力を教えてください。

佐藤:JICAの仕事の魅力は約90ヶ所の海外拠点、150を超える協力対象国、地域に及ぶ「現場」に尽きるのではないかと思います。現地でより顧客に近いところで仕事に取り組みたいと駐在を希望している職員は多いと思いますし、そのように世界各地に根を張って個別の事業を進めていることがJICAという組織のあり方を形作っているのではないかと考えます。また、始めに金岡さんが同期の魅力を語ってくれましたが、どんな仕事も一人ではできない中で、私もJICA職員は熱意と能力を持ち合わせた、一緒に働いていて気持ちの良い人が多いように感じていて、そうした人材面も魅力の一つだと思います。

松林:私は、プランナーとしてのやりがいの大きさです。国としてどんな未来をつくるのか。最上流で国の政策を担う政府の人たちと一緒になって考える。その国が持つ課題に対してどんなアドバイスをするのか、それによって国が大きく変わってきます。その責任ややりがいは想像以上です。佐藤さんも話していましたが、JICAは世界各地の課題解決に現場で取り組んでいるので、提供できるソリューションやスキームが本当に多い。プランナーとして豊富なスキームの中からどのような方法、手段を選ぶのか。JICAでしか味わうことのできない責任の大きさとやりがいだと思います。

金岡:佐藤さんと松林さんにほぼ言われてしまいました(笑)。松林さんがおっしゃった責任ややりがいを若手職員時代からも味わえるという点は大きな魅力だと感じています。加えて、最初に同期と青臭い話ができると言いましたが、入構して分かったのはその青臭い話を同期だけでなく誰とも出来る。それも魅力だと思っています。男女関係なくどんなに年上の先輩でも、まっすぐ真摯にその国や課題にとって本当に必要なものは何なのかを語り合える。しかも、熱い思いだけではなく実際に解決に導ける能力も持っている。そんな素晴らしい人たちと毎日一生懸命働けることは、社会人として誇りに思います。

地球規模の課題を解決できる組織

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――――最後にみなさんの今後の目標を教えてください。

佐藤:先ほど申し上げたように民間資金との連携が開発協力における欠かせないピースの一つになりつつある中で、JICAが更に価値を発揮できる余地は小さくないと思っています。しかし、対民間セクター向けの取り組みはまだJICAの中では新しい部類で、JICAがこれまで長年の対開発途上国政府向けの協力によって築き上げてきた先方政府や有識者、専門家、技術者などさまざまな方とのネットワークを通じた強みを十分活かしきれてない。JICAは対政府向け、対民間セクター向け両方の協力を相手国の社会経済開発という目的に向かって有機的に結び付けて価値を生み出すことができる存在になり得ると考えています。そのためにもこの事業をもっとJICAの本業として定着、深化させていくことが私の当面の目標です。

松林:私がJICAに入った当初は、金融の知識を活かした仕事がしたいと思っていました。ただ、今いるのは想定外に水分野の部署。初めてのことばかりで戸惑いましたが、すごく新鮮です。今までは金融という1本の軸を起点にキャリアを考えていましたが、水分野を経験してからは2つ目の分野軸がある方がキャリアはもっと拡がると思えるようになりました。JICAの中で今後どの方面に進んでいくかはまだ絞りきれていませんが、今は水に関する知識や経験をもっと増やしていきたいです。2つの軸を活かして多様なスキームを身につけ、多くの開発途上国を支援していけたらと思います。

金岡:目標は長期と短期で2つあります。長期の目標は、自然環境保全の分野で開発途上国の人たちを上手く巻き込んだスキーム作りに関わる仕事をすること。自然環境保全の分野は、途上国の協力、理解を得るのがなかなか難しくて。というのも自然が大事という感覚はあるのですが、どうしても生活のために目の前にある森林などの自然を開発の対象にせざるを得ない状況にあります。先進国が発展してきたのはそういった自然を開発に回してきた部分もあり、途上国はその責任を押し付けられるような形になっています。このような外部不経済を是正して、自然を活かしつつ経済発展をする仕組みを作ることが途上国の政策でも重要だと考えています。
もう一つは、一人前のJICA人になって在外事務所に赴任することです。自分はまだ技術協力に関するスキーム中心で携わっているで、ファイナンスだったり、民間事業者と組んだりとさまざまなスキームに関するスキルを身に着ける余地があると考えています。これらのスキルを学びつつ、組織や社会にしっかり還元できる人材になって海外駐在するのが短期的な目標です。

――――本日はありがとうございました。JICAの具体的な仕事ややりがいなどあまり世間に知られてない内容が聞けたので、非常に面白かったです。

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