コンサル業界の仕事を一言で表すならば、 報酬金を得る代わりに、課題を抱える企業に対して有益な提案をする仕事 と言えるでしょう。企業経営には様々な課題が付きまといます。そうした悩みを持つ企業に対して、業界への専門的な知見や、個人・会社に蓄積されたノウハウから有益な提案を行うことこそが、コンサルの仕事の本質です。こうした要素から、コンサルはよく 「会社の医師」 とも例えられます。
もちろん、会社の抱える課題にも様々な種類があります。中長期的な経営戦略、人事制度、システム導入など、企業の悩みが多様化するにつれて、コンサルも戦略系、人事系、IT系など、様々な分類をされるようになりました。しかしどんな業態であれ、コンサル会社に共通しているのは、 外部から顧客企業の成長を支える ということです。
上に様々な枠組みを例示しましたが、実際にまずコンサルのビジネスを理解するためには、 経営戦略の策定等を重点的に行う戦略系コンサル と、人事制度改革やシステム開発・導入なども含む、 戦略の実行までを包括的に支える総合系コンサル の2者をしっかりと理解しておけばよいでしょう。上の医師の例においては、診察と処方箋の投与を重点的に行うのが戦略系、リハビリや入院治療等までを行うのが総合系、といったイメージになります。
そして、こうした業務を行うコンサルタントに求められている価値とは、 課題を抱えた企業が自身の力だけでは生み出せない解決策を創り上げること です。型にはめた分析や画一的なシステムの提供だけでは、企業の期待に真に応えることはできません。相手の課題を深く分析したうえで、顧客企業と協力しながら、業界または経営のプロとして 相手会社の頭脳 となることこそが、今コンサルに求められているのです。